発表年:1994年
ez的ジャンル:ジャズ+Hip-Hopプロジェクト
気分は... :ドルフィンズ連勝!
NFLでは我がマイアミ・ドルフィンズが開幕2連勝!
連勝スタートなんて何シーズンぶりでしょうか・・・
来週は強敵ファルコンズとの一戦!
これまでの好調ぶりが本物か否か真価が問われる一戦です。
今シーズンは期待してまっせ!
今回はジャズ・サックス奏者Branford Marsalisを中心としたジャズ+Hip-HopプロジェクトBuckshot LeFonqueの1stアルバム『Buckshot LeFonque』(1994年)です。
この時期はHip-Hopアーティストとジャズ・ミュージシャンの交流がブームでしたね。Hip-Hopサイドからのアプローチの代表作がGuruの『Jazzmatazz』(1993年)、ジャズ・サイドからのアプローチの代表作がGreg Osby「3-D Lifestyles」(1993年)や本作Buckshot LeFonque『Buckshot LeFonque』でしたね。
神童と称され、ジャズの王道を歩んでいた弟のトランペット奏者Wynton Marsalisと比較すると、兄のBranford MarsalisはSting『The Dream Of The Blue Turtles』(1985年)への参加などもあり、より柔軟なミュージシャンという印象がありました。
なので、BranfordがJazzmatazz的なアプローチのプロジェクトを立ち上げたことは、当時何となく納得してしまいました。
制作にあたっては、Hip-HopサイドからDJ Premierを担ぎ出すことに成功しました。
Guruとの最強ユニットGang Starrのサウンドの要であり、当時キャリアのピークに達しようとしていたプリモをプロデューサーに迎えた時点で、このプロジェクトは成功したといっても過言ではないでしょう。
レコーディングには、Branford Marsalis(sax)以下、Roy Hargrove(tp)、Chuck Findley(tp)、Delfeayo Marsalis(tb)、Jeff "Tain" Watts(ds)、Robert Hurst(b)、Darryl Jones(b)、Kevin Eubanks(g)、Nils Lofgren(g)、Greg Phillinganes(key)、Vicki Randle(per)等の実力派ミュージシャンが参加しています。
また、Lady Of Rage、Blackheart、Uptown、Maya Angelou、Lady Of Rage、Frank McComb、Tammy Townshendといったラッパー/シンガーが参加しています。
やはりDJ Premierがプロデュースしている「Blackheart Breakfast @ Denny's」、「No Pain, No Gain」、「Hotter Than Hot」、「Wonders & Signs」、「Blackwidow」といった楽曲に魅了されます。
プリモが創り出すビーツとBranfordやRoy Hargroveらの共演を楽しみましょう!
プリモ好きの方はぜひチェックを!
全曲を紹介しときやす。
「Ladies & Gentlemen, Presenting...」
DJ Premierのトラックをバックに、BranfordやRoy Hargroveらのプレイを楽しめるアルバムのエピローグ。Madness「One Step Beyond」、N.W.A「Gangsta Gangsta」、Beastie Boys「(You Gotta) Fight for Your Right (To Party!)」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=-XaYu0SwZzg
「The Blackwidow Blues」
後述する「Blackwidow」のジャジー・インスト。John Coltrane「India」のビートをサンプリングしているのが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=-dR1QEl4S7M
「I Know Why The Caged Bird Sings」
Maya Angelouのポエトリー・リーディングをフィーチャー。小鳥の囀りに導かれたジャジーHip-Hopサウンドを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=cxQW4rMCRxI
「Mona Lisas (And Mad Hatters)」
Elton John作品のカヴァー。オリジナルは『Honky Chateau』(1972年)に収録されています。いきなりアフリカン・コーラスと共に始まる意外な展開にサプライズ!Frank McCombのリード・ヴォーカルをとり、Lady Of Rageの女性ラップもフィーチャーされたハートウォーミングなカヴァーに仕上がっています。。
http://www.youtube.com/watch?v=y1ahBypUr7Q
「Wonders & Signs」
Blackheartのラップをフィーチャー。プリモによるクール・ビーツとDarryl Jonesのベースの組み合わせがいい感じです。Blackheartのラガ調ラップもグッド!BranfordやRoy Hargroveの雰囲気たっぷりのブロウにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=pB50W53xAM4
「Ain't It Funny?」
Tammy Townshendの女性ヴォーカルをフィーチャー。オーセンティックな感動バラードです。Tammy Townshendの伸びやかなヴォーカルを堪能しましょう。終盤のKevin Eubanksのギターも美しい!
http://www.youtube.com/watch?v=jBEv1cP9jpU
「Some Cow Fonque (More Tea, Vicar?)」
Branford、Roy Hargrove、Chuck Findley、Jeff "Tain" Watts、Robert Hurst、Darryl Jones、Kevin Eubanksら実力派ジャズ・ミュージシャンのリラックスした演奏を楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=ItvpE5PCQk0
「Some Shit @ 78 BPM (The Scratch Opera)」
小曲ながらプリモ好きにはたまらない1曲。 Duke Ellington「Happy Anatomy (P.I. Five)」、Mountain「Long Red」、Mikey Dread「Saturday Night Style」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=vrYLmY61Vas
「Hotter Than Hot」
Blackheartをフィーチャー。ここでの主役はプリモの生み出すビーツとBlackheartのラップ。ここでもBlackheartのラガ調ラップが冴え渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=VWqzTwuC2Cw
「Blackwidow」
Lady Rageの女性ヴォーカルをフィーチャー。「The Blackwidow Blues」同様、John Coltrane「India」のビートをサンプリングした小気味良い仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=IuaBxwFkqXE
「Blackheart Breakfast @ Denny's」
本作のハイライトかもしれませんね。「デニーズで朝食を」というタイトルは映画「ティファニーで朝食を」をもじったもの。当時問題になっていたデニーズ店員の人種差別的待遇をテーマにした曲です。PVを観れば、凡その内容は察しがつくと思います。Modern Jazz Quartet「La Ronde Suite」をサンプリングしたプリモのクール・トラックにのって、Branfordのサックスが語りかけてきます。James Brown「Get on the Good Foot」もサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=SMrKGkKdKYU
「Shoot The Piano Player」
インタールード。
「No Pain, No Gain」
Uptownのラップをフィーチャー。アルバムで最もハードな仕上がりです。Doug E. Fresh, Slick Rick & The Get Fresh Crew「The Show」のビートにのったAlbert Collinsの激しいギター音と共に始まるイントロが最高に格好良いですね。もちろん、Uptownのラップもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=NmP6dU2xMPI
「Sorry, Elton」
インタールード。
「...And We Out」
エンディングは再びプリモのビーツとBranfordやRoy Hargroveらのプレイで締め括ってくれます。
プリモは参加していませんが、Buckshot LeFonqueの第2作『Music Evolution』(1997年)もチェックを!
『Music Evolution』(1997年)