発表年:1976年
ez的ジャンル:スウェディッシュ・ポップ・ジャズ
気分は... :スウィンギン・ロンドン風ジャケですが...
今回はスウェーデン人女性シンガーSylvia Vrethammarが1976年にリリースした『Somebody Loves You』です。
Sylvia Vrethammarは1945年生まれ。
10代の頃から歌謡コンテストに入賞し、歌手としてのキャリアをスタートさせていたようです。1969年に1stアルバム『Tycker Om Dej』をリリース。1971年には今日再評価の高いブラジル志向の作品『Dansa Samba Med Mej』(1971年)を発表しています。1974年にリリースしたシングル「Y Viva Espana」はUKシングル・チャート第4位のヒットとなり、一躍彼女の名が知られるようになります。
その後もコンスタントに作品をリリースし、人気シンガーとしての地位を確立しています。
本作『Somebody Loves You』(1976年)はUKからリリースされた作品であり、よりインターナショナルなマーケットを意識した作品となっています。ジャケ自体はスウィンギン・ロンドン風ですが、アルバムの内容自体は明るい雰囲気のポップ・ソング集となっています。
Carpenters、Paul SimonといったUS有名アーティストのカヴァー、ヨーロッパ各国のヒット曲カヴァー、ブラジル人アーティストのカヴァー等かなりバラエティに富んだ構成となっています。オリジナルのアーティストなどもチェックしてみると、なかなか興味深いです。
プロデュースはスウェーデン人ジャズ・ピアニストRune Ofwerman。
北欧ポップの魅力を再認識できる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Somebody Loves You」
US女性カントリー・シンガーCrystal Gayleのカヴァー(Allen Reynolds作)。オリジナルは『Somebody Loves You』(1975年)に収録されています。ここでは透明感のあるSylviaの歌声が魅力的なカヴァーに仕上がっています。
「Charlie Brown」
Benito Di Paula作品のカヴァー。明るく陽気な疾走感が実にキャッチーなポップ・チューンに仕上がっています。エヴァーグリーンな魅力がありますね。
「Our Lovin' Will Grow」
Carlos de Oliveira作。爽快な中にも適度なファンキー感のアクセントがついているのが僕好み。
「Somebody Knows (Sambario)」
イタリア人男性シンガーDrupのシングル・ヒットをカヴァー(Enrico Riccardi/Luigi Albertelli作)。美しいメロディを爽やかな歌声で歌い上げます。
「Ooh Leh Leh」
ブラジル人ミュージシャンZuzucaのカヴァー。エレガントなストリングスとファンキー・リズムが交錯する爽快ファンキー・ポップに仕上がっています。
「Our Anniversary」
Peter Himmelstrand作。和み系のノスタルジックなポップ・ソングに心が癒されます。
http://www.youtube.com/watch?v=bNmYplAAq6U
「Yesterday Once More」
Carpenters不朽の名曲をカヴァー(Richard Carpenter/John Bettis作)。オリジナルの雰囲気を受け継いだ正攻法のカヴァーです。
「Ciao Ciao Bambina」
イタリア人男性シンガーDomenico Modugnoによる1959年のサンレモ音楽祭、優勝曲をカヴァー。ファンキー・アレンジのディスコ調サウンドのカヴァーは本作のハイライトかもしれません。
「Hasta La Vista」
スウェーデンのバンドSchyttsのヒット・シングルをカヴァー。ノスタルジックなポップ・チューンを明るく歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=y90X6-EYaS4
「You're Nobody Till Somebody Loves You」
Russ Morgan/Larry Stock/James Cavanaugh作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。実にロマンティックなアレンジがいいですね。
「Who Do You Think You Are」
「Sky High 」でお馴染み、Jigsawの楽曲をカヴァー。Bo Donaldson & the Heywoods、Candlewick Green、Saint Etienneのカヴァー等でも知られている曲ですね。ここでは躍動感のあるグルーヴィー・ポップで聴かせてくれます。
「Yo Bate Pa Tu」
ブラジルのグループBaiano E Os Novos Caetanosのカヴァー(Orlandivo de Souza/Arnaud Rodriguez作)。妖しげな男性ヴォーカルを従えたヨーロピアン・ボッサを聴かせてくれます。
「Think About The Good Times」
Per Erik Hallin作。美しいメロディを堂々と歌い上げる正統派バラード。
「Was A Sunny Day」
ラストはPaul Simonのカヴァー。Paul Simonのオリジナルは『There Goes Rhymin' Simon』(1973年)に収録されています。キュートなフォーキー・グルーヴで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=BZmgbtU2eqg
『Dansa Samba Med Mej』(1971年)