2013年10月31日

Anthony David『3 Chords & the Truth』

1stアルバムはアコースティック・ソウルです!☆Anthony David『3 Chords & the Truth』
3コーズ&ザ・トゥルース
発表年:2004年
ez的ジャンル:男性アコースティック・ソウル
気分は... :原点回帰!

"現代のBill Withers"とも称される温もりのあるヴォーカルが魅力の男性R&BシンガーAnthony Davidのデビュー作『3 Chords & the Truth』(2004年)です。

Anthony Davidに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『The Red Clay Chronicles』(2006年)
 『As Above So Below』(2011年)
 『Love Out Loud』(2012年)

ジョージア州サバンナ出身のAnthonyがアトランタへ移住し、そこでデビュー前のIndia.Arieと出会い、彼女から譲ってもらったギターで曲作りを始めます。その時期に作った1曲「Part of My Life」がIndiaのデビュー・アルバム『Acoustic Soul』(2001年)に収録され、2002年のグラミー賞で7部門にノミネートされました。

そんな流れで注目を浴び、デビューのチャンスをつかんだAnthonyの1stアルバムが本作『3 Chords & the Truth』(2004年)です。

近年はレトロ・ソウルのエッセンスを上手く取り込んだ温もりのR&Bを聴かせてくれるAnthonyですが、1stとなる本作はIndia.Arieに通じるアコースティック・ソウルを聴かせてくれます。

また、フォーク、ブルース、レゲエ、ブラジル等のエッセンスも散りばめられており、他作品では聴けないAnthony Davidワールドを楽しめます。

Anthony Davidの原点がここにあります。

全曲紹介しときやす。※国内盤の曲順

「Ain't Enough For Me」
Anthony David作。 本作らしい脱力系のアコースティック・ソウル。ゆったりと時間が流れていく感じがいいですね。都会の喧騒から離れたい気分にピッタリですね。
http://www.youtube.com/watch?v=guHH43udYTM

「Believe Me」
Anthony David作。
美しいアコースティック・ギターの音色が印象的なビューティフル・ソング。ハワイアンAORなんかと一緒に聴きたくなる雰囲気です。
http://www.youtube.com/watch?v=FtO1ceglMH8

「Heartstrings」
Anthony David/LaMarquis Mark Jefferson作。ブルージーな味わいのフォーキー・ソウル。
http://www.youtube.com/watch?v=SHr6i1y-Y-A

「50/50 Love」
Anthony David/Julie Dexter作。当ブログでもJulie Dexter & Khari Simmons名義の作品を紹介した 女性R&BシンガーJulie Dexterとのデュエット。この曲はモロにレゲエです。個人的にはこういうのも好き!

「Yes」
Anthony David/LaMarquis Mark Jefferson作。緩急をつけたジャジー&ボッサな雰囲気が僕好み。
http://www.youtube.com/watch?v=zYFvLfbcUy8

「Skyline」
Anthony David作。ギターのみのシンプルなバックで歌い上げます。

「Cheatin' Man」
Anthony David作。哀愁モードのアコースティック・ソウル。
http://www.youtube.com/watch?v=Ew1xrZGOOr0

「GA Peach」
Nick Barnes/Preston Crump/Anthony David/LaMarquis Mark Jefferson作。ビーチ・モードのトロピカル・ソウル。本作でしか聴けない側面を堪能できます。

「Cold Turkey」
Anthony David/LaMarquis Mark Jefferson作。哀愁モードのブルージー・ソウル。なかなかシブくて好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=DmWJLzLOZXo

「Part Of My Life」
Anthony David/LaMarquis Mark Jefferson作。前述のIndia.Arieが歌い、グラミー賞で7部門にノミネートされた楽曲のセルフ・ヴァージョン。ここでは程良くパーカッシヴなフォーキー・ソウルで聴かせてくれます。個人的にはIndiaヴァージョンよりも本ヴァージョンの方が断然格好良いと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=ZimDvVTYnN4

「Krooked Cop」
Anthony David/LaMarquis Mark Jefferson作。哀愁モードの社会派ソング。

「Spittin' Game」
Anthony David/LaMarquis Mark Jefferson作。ライブ録音でしょうか。ドライヴ感のあるアコースティック・ソウルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=8fKKdKyykbk

「The Water/The Fire」
Anthony David/LaMarquis Mark Jefferson作。コンガやフルートも聴こえてくるブルージーな仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=qymn7QwXb48

「GA Peach (Remix)」
「GA Peach 」のリミックス。個人的にはアルバム・ヴァージョンの方が好きですが。

「50/50 Love (Jive Remix)」
国内盤のみのボーナス・トラック「50/50 Love」のリミックス。完璧フロア仕様のブラジリアン・グルーヴに仕上がっています。

Anthony Davidの他作品もチェックを!

『The Red Clay Chronicles』(2006年)
レッド・クレイ・クロニクルズ

『Acey Duecy』(2008年)
Acey Duecy

『As Above So Below』(2011年)
Above So Below

『Love Out Loud』(2012年)
Love Out Loud
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2013年10月30日

Norman Feels『Where or When』

デトロイトの隠れた才能の2ndアルバム☆Norman Feels『Where or When』
ホエア・オア・ホエン
発表年:1974年
ez的ジャンル:隠れた才能系男性ソウル
気分は... :Feels So Good !

今回は今日再評価の高い男性ソウル作品Norman Feels『Where or When』(1974年)です。

Norman Feelsはデトロイト出身の男性ソウル・シンガー。

Just Sunshine Recordsから『Norman Feels』(1973年)、『Where or When』(1974年)という2枚のアルバムをリリースしています。The Funk Brothersのメンバーらが参加したこれらのアルバムは、"デトロイトの隠れた才能"としてそれぞれ今日高い評価を得ています。

ニューソウル色が強かった1st『Norman Feels』(1973年)に対して、今回紹介する2nd『Where or When』はノーザン・ソウル調の楽曲なども聴くことができ、ニューソウル+αな作品に仕上がっています。

レコーディングにはEarl Van Dyke(key)、Eddie Willis(g)、Robert White(g)、Uriel Jones(ds)、Roderick Chandler(b)、"Master" Henry Gibson(per)等The Funk Brothersの面々をはじめ、名うてのミュージシャンが参加しています。また、オーケストレーションは前作同様David Van De Pitteが手掛けています。

名うてのミュージシャンをバックにNorman Feelsのハイトーン・ヴォーカルが輝きを放っています。

ノーザン・ソウルな「Shame」、Marvin Gaye調の「Movie」「I'll Show You The Way」など聴きどころ満載です。

全曲紹介しときやす。

「Shame」
Norman Feels作。本作らしいノーザン・ソウルでアルバムは幕を開けます。ヤングソウル好きの人は気に入るはず!イントロはモロにJackson 5「I Want You Back」ですが(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=w5L2ocjHp9k

「Movie」
David Van De Pitte/Norman Feels作。Marvin Gayeの名曲「Mercy Mercy Me (The Ecology)」をイメージさせるニューソウル調の仕上がり。Norman Feelsのメロウな魅力に触れることができる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=KbpDhvAbdxQ

「I'll Show You The Way」
Norman Feels作。この曲もMarvin調のメロウな魅力にグッとくる1曲。ホーン隊と女性コーラス隊が盛り上げてくれます。僕の一番のお気に入りです。
http://www.youtube.com/watch?v=PoUrOtH7yEM

「Till You Come Back To Me」
Clarence Paul/Morris Broadnax/Stevie Wonder作。Aretha Franklinヴァージョンでも知られるStevie作品をカヴァー。ここではNormanの甘い歌声が似合うメロウなミディアム・スロウで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=cch93kkS37c

「You Made Me Feel Better」
Norman Feels作。この曲はフィリー調の仕上がり。アルバムに少しアクセントをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=YTubvCziLwc

「I'll Always Love Just You」
Norman Feels作。サックスをフィーチャーしたビューティフル・バラード。Normanの魅力を満喫できる1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Qm-zwKcinWY

「You Can't Stop My Love」
J. Smith/Norman Feels作。哀愁モードのメロウ・ソウル。バックのファンキー&メロウなグルーヴがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=-aDJshcCdiA

Ghostface Killah feat. Raheem DeVaughn「Do Over」でサンプリングされています。この曲も大好き!
Ghostface Killah feat. Raheem DeVaughn「Do Over」
 http://www.youtube.com/watch?v=n6e7Cv-avic

「Where Or When」
タイトル曲は1937年のミュージカル『Babes in Arms』のために書かれたLorenz Hart/Richard Rodgers作のスタンダードのカヴァー。当ブログではこれまでClifford BrownJane Birkinのカヴァーも紹介済みです。Norman Feelsヴァージョンはジャジーな雰囲気のソウル・カヴァーで聴かせてくれます。Normanのハイトーン・ヴォーカルがよくフィットしていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=PNXxk_YyvDo

「Johnny Get Your Gun」
Norman Feels作。不穏な空気感が支配するニューソウル調の仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=isli4FgOY_k

「Mr. Wanna Be」
Norman Feels作。ラストはCurtis Mayfieldやブラック・ムーヴィー・サントラをイメージさせるファンキー・グルーヴで締め括ってくれます。この曲に限っては、主役はファンキーな演奏を披露する名うてのバック陣といった感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=jKH23AykP8o

1st『Norman Feels』(1973年)もセットでどうぞ!

『Norman Feels』(1973年)
ファースト・アルバム
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2013年10月28日

Readymade『Dynamo』

F-Communications産のスタイリッシュなハウス/ドラムンベース☆Readymade『Dynamo』
Dynamo
発表年:1998年
ez的ジャンル:F-Communications系ハウス/ドラムンベース
気分は... :無の境地で・・・

今日はアンビエントな音を欲しています・・・
刺激はあるけど邪魔にならず、脳内をスッキリさせてくれる・・・そんな音が聴きたい気分です。

そこでセレクトしたのがReadymade『Dynamo』(1998年)です。

Readymadeはフランス人アーティストJean-Philippe Verdinの変名。

フランスの人気テクノ/ハウス系レーベルであったF-Communications(2008年に休止)から数多くの作品をリリースしています。

今日紹介する『Dynamo』(1998年)は5曲入りMaxi-Singleですが、当時かなりのお気に入りでモーニング・コール代わりに毎朝聴いていた記憶があります。

正直、この分野はあまり明るくなく、Readymadeについても全く知りませんでしたが、CDショップで試聴して一発で気に入り、本作を購入した記憶があります。

スタイリッシュかつ透明感のある都会的なハウス/ドラムンベースといった仕上がりです。作品全体を支配するアンビエントな雰囲気も気に入っています。聴いていると大都会の映像の断片が次々に浮かんできます。

フル・アルバムではなくMaxi-Singleという尺も、このサウンドに合っていると思います。

大都会の片隅で自分の世界に入り込みながら聴きたくなる・・・そんな1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Dynamo」
ドラムンベース調のオープニング。ドラムンベース調ですが、踊るためのサウンドではなく、寛ぐためのサウンドになっているのがいいですね。アコースティックな質感も織り交ぜた透明感のあるサウンドに本作の魅力が凝縮されています。

「Now!」
群衆のシュプレヒコールと共にスタートするアンビエントなハウス・チューン。都会的な疾走感がいい感じです。

「L'ankou」
女性ヴォーカル入りのドラムンベース調の仕上がり。スタイリッシュな中にもダークな味わいが漂うのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=UIyYPfkZRbc

「F Affair」
「Dynamo」同様、ドラムンベース調のスタイリッシュな仕上がり。美しいピアノの響きがいい感じです!先に述べたような、刺激はあるけど邪魔にならず、脳内をスッキリさせてくれる・・・そんな音を聴くことができます。

「Overdone」
ヨーロピアンな雄大さを感じる仕上がり。この曲だけ少し雰囲気が異なります。

ご興味がある方はReadymadeのアルバムもチェックを!

『Bold』(2001年)
Bold

『Babilonia』(2006年)
Babilonia
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2013年10月27日

Robert Glasper Experiment『Black Radio 2』

衝撃作『Black Radio』の続編、遂にドロップ☆Robert Glasper Experiment『Black Radio 2』
ブラック・レディオ2
発表年:2013年
ez的ジャンル:先鋭ジャズ・ユニット系R&B/Hip-Hop
気分は... :Black Radioは進化し続ける・・・

今回はRobert Glasper Experiment話題の最新作『Black Radio 2』です。

今年のグラミー賞でBest R&B Albumを受賞した衝撃作『Black Radio』(2012年)の続編アルバムです。

正統派ジャズ・ピアニストであると同時に、Hip-Hop/R&Bアーティストとの交流を通じたクロスオーヴァーな側面も持つ先鋭的アーティストがRobert Glasperに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。

 『Double Booked』(2009年)
 『Black Radio』(2012年)
 『Black Radio Recovered: The Remix EP』 ※リミックスEP

また、Robert Glasper ExperimentのベーシストDerrick Hodgeの初ソロ・アルバム『Live Today』を約2ヶ月前に紹介しています。

Robert Glasper Experiment名義の初フル・アルバムとなった『Black Radio』は、Lupe FiascoBilalLalah HathawayLedisiMusiq SoulchildChrisette MicheleMeshell NdegeocelloStokley WilliamsMint Condition)、Mos Def等の有名どころR&B/Hip-Hopアーティストが多数参加したクロスオーヴァーであり、音楽シーンに大きなインパクトを与え、各方面で絶賛された1枚でした。結果として、グラミーのR&B部門でBest Albumを受賞しています。

その続編となる『Black Radio 2』は発売前から話題となっていましたが、ようやくその全貌が明らかになりました。

本作にも豪華なゲストが多数参加しています。CommonPatrick Stump(Fall Out Boy)BrandyJill ScottDweleMarsha AmbrosiusAnthony HamiltonFaith EvansNorah JonesSnoop DoggLupe FiascoLuke JamesEmeli SandeLalah HathawayMalcolm-Jamal Warnerといった面々です。さらにデラックス・エディションにはEric RobersonMacy GrayJean Graeも参加しています。

まず前作からの大きな変化の1つとして、Robert Glasper Experimentのメンバーの交代があります。ドラムがChris DaveからMark Colenburgへ交代しています。個人的にはChris DaveのドラミングがRGEのサウンドの要であると感じていたので残念です。ただし、売れっ子ドラマーのChris Daveは多忙であったため、ライブ・ツアーでは昨年からMark Colenburgがドラムを叩いていました。その意味では、このメンバー交代は自然なものかもしれません。

その結果、本作におけるRobert Glasper Experimentのメンバーは、Robert Glasper(p、el-p、syn)、Casey Benjamin(vocoder、sax、fl、syn)、Mark Colenburg(ds、per)、Derrick Hodge(b)となっています。また、前作同様、Jahi Sundance(ジャズ・サックス奏者Oliver Lakeの息子)がターンテーブルで参加しています。プロデュースはRobert Glasper本人が務めています。

もう1つの大きな変化はオリジナル曲の重視です。前作は約半数がカヴァー作品でしたが、本作では全12曲中11曲(デラックス盤は全16曲中14曲)がオリジナル曲で占められています。Robert Glasperと豪華ゲスト陣の共作パターンが多いですが、前作で自信を深めたRobert Glasperらが、前作からの進化を目指そうとする意欲が感じられます。

前作ほどのインパクトはないかもしれませんが、より自然なかたちでジャズとR&B/Hip-Hopの間を行き来している作品に仕上がっています。

進化し続けるRGEの姿をしっかり確認できる1枚です。

全曲紹介しときやす。 ※国内盤

「Baby Tonight (Black Radio 2 Theme)/Mic Check 2」
Casey Benjamin/Derrick Hodge/Mark Colenburg/Robert Glasper作。「Baby Tonight」はRGEの特長の1つでもあるCasey Benjaminのヴォコーダーが入った本作のテーマ曲。後半の「Mic Check 2」アルバムのプロローグといった趣です。

「I Stand Alone」
Casey Benjamin/Common/Patrick Stump/Robert Glasper作。CommonとFall Out BoyのPatrick Stumpをフィーチャー。Derrick Hodge『Live Today』にも参加していたCommonの参加はある意味自然ですね。また、Patrick Stumpもロック畑ながらThe Roots『Rising Down』に参加するなどHip-Hopアーティストとの交流も深いアーティストなので違和感はありません。哀愁モードの演奏にCommonのラップやPatrick Stumpのコーラスが絡みます。
http://www.youtube.com/watch?v=-3tZ78n0H4M

「What Are We Doing」
Brandy/Claude Kelly/Robert Glasper作。Brandyをフィーチャー。かつてGlasperにとってアイドル的な存在であったBrandyの共演です。RGEによるHip-Hop調のクール・ビートとBrandyのヴォーカルがよくマッチした、シングル向きのキャッチーな仕上がりです。

「Calls」
Jill Scott/Robert Glasper作。Jill Scottをフィーチャー。彼女との共演というのも必然という気がしますね。しっとりとしたネオ・ソウルでアルバムに落ち着きを与えてくれます。ちなみに現在製作中のJill Scottの新作にGlasperが参加しているらしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=e6NjqujEy1o

「Worries」
Mark Colenburg/PJ Morton/Robert Glasper作。Dweleをフィーチャーしたネオ・ソウル。Maroon 5絡みの活動でも知られるR&Bシンガー/プロデューサーPJ Mortonがソングライティングで参加しています。この曲を聴いていると、ドラムがChris DaveからMark Colenburgに代わってもRGEならではのグルーヴ感は健在であることを実感でき、安堵します。

「Trust」
Marsha Ambrosius/Robert Glasper作。Marsha Ambrosiusをフィーチャー。ネオ・フィリー系アーティストであるMarshaは以前からGlasperやDerrick Hodgeと交流を持っていたようです。Glasperの美しいピアノとMarshaの艶やかなヴォーカルが織り成す大人のバラードです。

「Yet To Find」
Andrea Martin/Robert Glasper作。Anthony Hamiltonをフィーチャー。僕が大好きな黒人女性ソングライターAndrea Martinがソングライティングで参加しています。Anthony Hamiltonらしい風格のあるヴォーカルを活かした正統派ソウル・バラードに仕上がっています。ここでGlasperはピアノに加え、ハモンド・オルガンもプレイしています。

「You Own Me」
Arita Lockett/Muhammad Ayers/Robert Glasper作。Faith Evansをフィーチャー。メロディアスなメロウR&Bはかなり僕好み。Faith Evansの魅力を引き立てることにRGEが成功しています。終盤はGlasperのジャズ・ピアニストとしての才に触れることができます。

「Let It Ride」
Munsinah Abdul-Karim/Robert Glasper作。Norah Jonesをフィーチャー。ドラムンベース調の本曲をNorah Jonesが歌うという点で、本作で最もサプライズな仕上がりかもしれません。Norah JonesとGlasperは高校時代からの友人なのだとか。当ブログで紹介したQ-Tip『The Renaissance』収録の「Life Is Better」でNorahとGlasper、Mark Colenburgは共演しており、それ以来の共演となります。

「Persevere」
Anu Sun/Luke James/Lupe Fiasco/Robert Glasper/Snoop Dogg作。Snoop Dogg、Lupe Fiasco、そしてLuke Jamesをフィーチャー。SnoopとLupeという大物2人によるマイク・リレーを堪能できる哀愁Hip-Hopチューン。終盤のGlasperの美しいピアノも聴きものです。

「Somebody Else」
Emeli Sande/Robert Glasper作。UK期待の女性シンガーEmeli Sandeをフィーチャー。哀愁のメロディが印象的なR&Bチューンです。

「Jesus Children of America」
本編のラストはStevie Wonderの名曲をカヴァー(オリジナルは『Innervisions』収録)。ここでは前作にも参加していたLalah HathawayとTV俳優Malcolm-Jamal Warnerをフィーチャー。この楽曲は2012年12月にコネチカット州で起こった小学校の銃乱射事件の犠牲者に対する追悼の意が込められています。

ここからデラックス盤および国内盤のボーナス・トラックです。

「Big Girl Body」
Mark Colenburg/Eric Roberson/Robert Glasper作。インディ・ソウルの実力派シンガーEric Robersonをフィーチャー。2週間前に紹介したThe Foreign Exchange『Love In Flying Colors』でも彼がフィーチャーされていましたね。彼が客演した作品に外れナシといった印象ですね。 Glasperの鍵盤さばきに魅了されるジャジー・ソウルです。Casey Benjaminのサックスも盛り上げてくれます。

「I Don't Even Care」
Macy Gray/Jean Grae/Robert Glasper作。Macy Gray & Jean Graeをフィーチャー。重みと哀愁を帯びたHip-HopビートにJean GraeのラップとMacy Grayのヴォーカルが絡みます。

「Lovely Day」
Bill Withersの名曲をカヴァー。冒頭の語りはBill Withers本人によるものです。ここでは客演はなく、Casey Benjaminのヴォコーダー・ヴォーカルをフィーチャーしています。ヴォコーダー好きの僕としては嬉しいカヴァーです。

「Trust (Alternate Version)」
本曲は国内盤のみのボートラ。本編収録の「Trust」の別ヴァージョンです。
Featuring Marsha Ambrosius & Common

Robert GlasperやRGEメンバーの他作品もチェックを!

『Mood』(2003年)
MOOD

『Canvas』(2005年)
Canvas

『In My Element』(2007年)
In My Element

『Double Booked』(2009年)
Double Booked

『Black Radio』(2012年)
ブラック・レディオ

『Black Radio Recovered: The Remix EP』(2012年)
Black Radio Recovered: the Remix Ep

Derrick Hodge『Live Today』(2013年)
Live Today
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2013年10月26日

Di Melo『Di Melo』

人気曲「Kilario」を収録した70年代サンバ・ソウル作品☆Di Melo『Di Melo』
ヂ・メーロ
発表年:1975年
ez的ジャンル:ノルデスチ系サンバ・ソウル/ファンク
気分は... :クラシコ!

ここ数週間はお疲れモードで土曜はいつもぐったりしています。
今日もそんな感じでガス欠状態・・・・
こんな時にはブラジルものでも聴いて上げモードせねば!

今回は再評価も高い70年代サンバ・ソウル作品、Di Melo『Di Melo』(1975年)です。

Di Meloはブラジル北東部ペルナンブーコ州出身の男性シンガー・ソングライター。

サンパウロのクラブで歌っているところを音楽プロデューサーの目に留まり、本作『Di Melo』のレコーディング機会を得たようです。

本作『Di Melo』(1975年)は、Di Melo唯一のアルバムですが、70年代サンバ・ソウルの魅力を堪能できるアルバムとして評価の高い作品です。

「Kilario」「A Vida Em Seus Metodos Diz Calma」といったDJに人気のクラシックをはじめ、ノルデスチの伝統と欧米の音楽を融合させたアフロ・ブラジリアンなサンバ・ソウルを満喫できます。バンドネオン入りの曲などもあって、アルバムのメリハリも効いています。

レコーディングにはHermeto PascoalJose Briamonteも参加しています。

レア・グルーヴ好き、サンバ・ソウル好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Kilario」
本作のハイライト曲。DJ達からも大人気のサンバ・ソウル・クラシックです。ファンキー・リズム&ホーン・セクション、ソウルフルな女性コーラスをバックに、Di Meloがブラック・ブラジルなヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=FPxNT2JbtFo

「A Vida Em Seus Metodos Diz Calma」
「Kilario」に次ぐハイライト。コンピ・アルバム『Blue Brazil Vol.2』に収録されたファンク・チューン。切れ味のあるホーン隊、縦横無尽なエレピが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=O-qxLvyVohc

「Aceito Tudo」
Vidal Franca/Vithal作。ダイナミックでファンキー&スリリングな魅力に溢れています。レア・グルーヴ系がお好きな人は気に入る演奏なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=AQ_2HI8oQLk

「Conformopolis」
Waldir Wanderley Da Fonseca作。バンドネオン入りの哀愁バラード。郷愁モードが漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=FDGvVXjtaCo

「Ma-Lida」
哀愁モードのシンガー・ソングライターらしい1曲。悲しみに満ちたオーケストレーションも印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=ZLNOlwHKi8k

「Sementes」
この曲もバンドネオン入り。ブラジルというよりもアルゼンチン・フレイヴァーかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=Sq-ArGx5H1s

「Pernalonga」
フォーキー・サンバ・ソウル。リラックスしたグルーヴィー感が心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ECzlmXlM6jo

「Minha Estrela」
開放的なホーン隊と軽快なリズムが紡ぎ出すファンキー・ソウル。ノルデスチな雰囲気とUSファンク/ソウルのエッセンスが上手く融合しています。

「Se O Mundo Acabasse Em Mel」
ミディアム・テンポのサンバ・ソウル。軽快ななかにもゆったりとした空気が流れているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=hovy-obYEBQ

「Alma Gemea」
フォーキーで牧歌的な味わい持った1曲。フルートの音色が印象的です。ファンキーな楽曲もいいですが、こういった楽曲もDi Meloの魅力なのかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=BjB1Ztq6Czs

「Joao」
Maria Cristina Barrionuevo作。アコギとエレピのみのシンプルなバックで聴かせる哀愁チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=L3GdL8dNU9Y

「Indecisao」
Terrinha作。ラストは軽快なフォーキー・メロウ・サンバで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=aawtTXxZte0

そういえば、明日はサッカー・リーガ・エスパニョーラのクラシコ「バルセロナ対レアル・マドリード」ですね。今季はイマイチ真剣にリーガの試合を観ていない僕ですが、クラシコくらいは真剣に観戦しようっと・・・
posted by ez at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする