2013年11月30日

Augusto Martelli『Black Sound From White People』

イタリアン・レア・グルーヴの人気作☆Augusto Martelli『Black Sound From White People』
Black Sound from White People
発表年:1972年
ez的ジャンル:イタリアン・レア・グルーヴ
気分は... :アレンジ・センスに脱帽!

今回はレアグルーヴ/ラウンジ好きにはお馴染みの1枚、Augusto Martelli『Black Sound From White People』(1972年)です。

イタリア人Augusto Martelliは1940年イタリア、ジェノヴァ生まれのコンポーザー/アレンジャー。これまで数多くの映画、TV番組の音楽を手掛けてきました。また、Mina、Ornella Vanoniといったイタリアのポピュラー・シンガーのアレンジャー/コンポーザーとしても知られています。

自身の名義でリリースした本作『Black Sound From White People』(1972年)は、イタリアン・レア・グルーヴ名盤として90年代以降に再評価が高まった1枚です。

「Loco Love Motor」「Nanaue」といった人気曲を聴けば、レア・グルーヴ名盤たる所以がわかると思います。

ジャズ、ファンク、ラテン、ブラジル、映画音楽がエッセンスを巧みにクロスオーヴァーさせたアレンジ・センスに脱帽するしかない1枚です。

「Loco Love Motor」「Nanaue」「Kryptoblues」のようなスタイリッシュな曲がある一方で、「Ma Ne Vale La Pena」「Mondo...No!」のような妖しげな雰囲気の楽曲が同居するあたりも本作の面白いところなのでは?

Augusto Martelliのアレンジャーとしての才能を存分に満喫できる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Loco Love Motor」
Augusto Martelli作。ブラリアン・フレイヴァーのジャズ・ファンクといった趣の仕上がりの人気曲。ダンサブルなドラム、印象的なベースライン、躍動するピアノをバックに、軽やかなフルートと女性スキャットが舞います。エレガントかつスリリングな感じがいいですね。まさにMartelliのアレンジャーとしてのセンスが凝縮されているかのようなオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=wyi6meRxFb0

「Ma Ne Vale La Pena」
G. Selleri/Augusto Martelli作。妖しげな雰囲気が漂うミステリアス・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=PcVfkrq_Mmc

「Kryptoblues」
Augusto Martelli作。ワウギターが浮遊するファンキー感とジャジーな雰囲気が絶妙に融合した仕上がり。中盤のブレイクもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=2H5ZK_cHHuY

「Nanaue」
Augusto Martelli作。「Loco Love Motor」と並ぶ人気曲。ラテン・リズムが心地好いラウンジ・テイストの仕上がり。小粋なピアノと男女スキャットが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ehG58k_ohO0

「Free Samba」
G. Prestipino/Augusto Martelli作。タイトルにあるようにサンバのリズムで軽快に舞います。今日のダンサブルなブラジリアン・グルーヴを先取りしているかのようなセンスに脱帽です。

「Mondo...No!」
G. Selleri/Augusto Martelli作。妖しげなベースラインに先導され、男女ヴォーカルが絡むモンド・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=s45wg1eJAUY

「Sara Stato Il Futuro」
G. Selleri/Augusto Martelli作。セリフを読み上げるかのような男女ヴォーカルが支配するサントラ風の仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=GMD_TSwc1w4

「90°Compleanno (90th Birthday) 」
Augusto Martelli作。ラストは小粋なファンキー・ジャジー・チューン。妖しげなフルートが音空間を舞います。
http://www.youtube.com/watch?v=Cjg3P78xL4k

本作と近い時期にリリースされた『Il Dio Serpente』(1971年)もチェックを!

『Il Dio Serpente』(1971年)
Il Dio serpente
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2013年11月28日

Hocus Pocus『73 Touches』

フレンチHip-Hopの魅力が詰まった逸品☆Hocus Pocus『73 Touches』
73タッチズ
発表年:2005年
ez的ジャンル:最強フレンチHip-Hopバンド
気分は... :フェンダーローズ愛!

今回はフランス最強のHip-HopバンドHocus Pocus『73 Touches』(2005年)です。

MCの20sylを中心としたフレンチHip-HopバンドHocus Pocusの紹介は、『16 Pieces』(2010年)、『Place 54』(2007年)に続き3回目となります。

20syl(rap)、DJ Greem(turntables)、Herve Godard(b)、Antoine Saint-Jean(ds)、 Matthieu Lelievre(key)、David Le Deunff(g、vo)の6名が生み出すHip-Hopワールドは、Hip-Hopという音楽の素晴らしさを再認識させてくれます。

そんな彼らがブレイクするきっかけとなったのが本作『73 Touches』(2005年)です。タイトルにある73とはフェンダーローズの鍵盤の数に因んだものです。彼らの音世界の本質を表したタイトルかもしれませんね。

そのタイトルに偽りなくジャジー&メロウなフレンチHip-Hopを満喫できる1枚です。フレンチHip-Hopならではのジャジー感がいいですね。その一方で、クラシックなUS Hip-Hopへのリスペクトを随所で確認できます。

聴けば聴くほど完成度の高さに感心する1枚です。

『Place 54』『16 Pieces』と共にCDラックに揃えておきたいですね。

全曲紹介しときやす。

「Onandon Part 2」
彼らの代表曲の1つ「Onandon」のパート2。UKのラッパーTyをフィーチャー。ポジティヴなヴァイヴがいいですね。Public Enemy「Bring the Noise」、Lords of the Underground feat. Kid Deleon and Sah-B「Flow on (New Symphony) (Pete Rock Remix) 」、Erykah Badu「On & On」 、Nas「Got Ur Self A... by」といった声ネタが挿入されています。
http://www.youtube.com/watch?v=NPm8aJBB3iM

パート1もチェックを!
「Onandon」
http://www.youtube.com/watch?v=Jv8R7dUhSHE

「Pascal」
涼しげなフルートとフレンチ・ライムがボンジュールな感じのフレンチ・ジャジーHip-Hopらしい仕上り。Wu-Tang Clan「C.R.E.A.M.」、Erykah Badu「On & On」の声ネタ入りです。
http://www.youtube.com/watch?v=TO1yJG5Rxf8

「Comment On Faisait?」
ジャジー&メロウなヴァイヴが心地好い1曲。James Brown「Make It Funky」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=Gi3fgzuQ0IA

「J'Attends」
David Le Deunffのアコギが印象的なオーガニック感覚の仕上がり。20sylのフレンチ・ライムが冴えます。
http://www.youtube.com/watch?v=Jup8Jk-D3ps

「Feel Good」
20sylやDJ Greemも所属するDJユニットC2C(Coups 2 Cross)のターンテーブルを堪能できる1曲。ラテン・フレイヴァーのリズムにのっていい擦りを聴かせてくれます。Michael Jackson「The Way You Make Me Feel」、Beside「Change the Beat (Female Version)」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=tOJx3tChgi8

「J'Aimerais (jki...nop)」
僕の一番のお気に入り。ジャジーHip-Hopらしいメロウな浮遊感にグッときます。後半Common「The Light」の声ネタが登場するのも嬉しいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=W9ryMck5uwE

「Faits Divers」
トラックはバカンス・モードですが、20sylが綴るストーリー・テリングはシリアスです。中盤以降のJacques Brel「Grand Jacques (C'est Trop Facile)」のサンプリング・ループがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=XBBMVwMJ978

「Swingin' (Interlude) 」
陽気なジャジー感がグッドなインタールード。

「Zoo」
ポップに弾けたジャジー&メロウ感がいい感じです。Hip-Hopバンドらしいオルガンやフェンダーローズの音色が気に入っています。
http://www.youtube.com/watch?v=KlgeScZooxU

「Geometrie」
The Salsoul Orchestra「We've Only Just Begun/Feelings」ネタのヴァイヴ・ループが心地好いです。それとは対照的にリリックはアメリカのイラク攻撃を批判したポリティカルなものです。Kool G Rap & DJ Polo「I Declare War」、Mobb Deep「Survival of the Fittest」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=rw3KIXSgHrM

「Brouillon」
1曲の中でジャジー&メロウ、オールドスクール、スウィンギーという3つの表情を見せます。
http://www.youtube.com/watch?v=CRVVyABDAss

「Hip Hop ?」
Hocus Pocus作品への常連The Procussionsをフィーチャー。Stro the 89th Key、Mr. J. Medeiros、Resonantの3名と20sylのHip-Hop愛に溢れたマイクリレーを楽しみましょう。Grandmaster Flash and The Furious Five feat. Grandmaster Melle Mel & Duke Bootee「The Message」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=-HSmnIMvgyE

「73 Touches」
Julien Clerc「Les Amours Sans Larmes」ネタのドラムループに Miles Davis「Blue in Green」ネタの20Sylによるピアノが絡むジャジー・トラックが秀逸なタイトル曲。「J'Aimerais (jki...Nop)」と並ぶ僕のお気に入り。途中A Tribe Called Quest「Verses From the Abstract」 の声ネタも挿入されています。
http://www.youtube.com/watch?v=wTKAM3uvWOI

Hocus Pocusの過去記事もご参照下さい。

『Place 54』(2007年)
プレイス54

『16 Pieces』(2010年)
シックスティーン・ピーシーズ
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2013年11月27日

『今の気分は...2013年11月27日編』

今日は時間がないので過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は60年代カテゴリーから主にモッズ/サイケ系のUKロックをセレクトしてみました(1曲だけUSバンドが混ざっていますが)。
ロック離れが進んでいる近年の僕ですが、こうした音は今でも大好きです。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Hollies「When Your Lights Turned On」
http://www.youtube.com/watch?v=sWS-Rb0whqU
From 『Evolution』(1967年)
Evolution

The Who「So Sad About Us」
http://www.youtube.com/watch?v=4E5d-G-hFLo
From 『A Quick One』(1966年)
Quick One (Happy Jack)

Brian Auger & The Trinity「Black Cat」
http://www.youtube.com/watch?v=09wnDgBYYpU
From 『Open』(1967年)
Open

The Peddlers「Comin' Home Baby」
http://www.youtube.com/watch?v=19LrK77VsFk
From 『Three In A Cell』(1968年)
スリー・イン・ア・セル

The Kinks「Gotta Get the First Plane Home」
http://www.youtube.com/watch?v=jCl8a3pxock
From 『The Kink Kontroversy』(1966年)
The Kink Kontroversy

Small Faces「It's Too Late」
http://www.youtube.com/watch?v=ksisOJAsKrk
From 『Small Faces』(1966年)
スモール・フェイセス(デジタル

Manfred Mann「Look Away」
http://www.youtube.com/watch?v=lY_xzdmn5cQ
From 『Mann Made』(1965年)
Mann Made

The Cyrkle「Don't Cry, No Fears, No Tears Comin' Your Way」
http://www.youtube.com/watch?v=fmQBziLDmTM
From 『Neon』(1967年)
ネオン(紙ジャケット仕様)

The Rolling Stones「Mother's Little Helper」
http://www.youtube.com/watch?v=E-62QgzmcDQ
From 『Aftermath』(1966年)
アフターマス(UKヴァージョン)(紙ジャケット仕様)

Lord Sitar「I Am the Walrus」
http://www.youtube.com/watch?v=4mM6CdBeqZY
From 『Lord Sitar』(1968年)
Lord Sitar
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2013年11月26日

Doug Carn『Adam's Apple』

Black Jazz Recordsのフィナーレはニューソウル寄りの仕上がり☆Doug Carn『Adam's Apple』
ADAMS APPLE
発表年:1974年
ez的ジャンル:Black Jazz系スピリチュアル・ジャズ/ニューソウル
気分は... :終わり良ければすべて良し!

Black Jazz Recordsを代表するアーティストDoug Carn『Adam's Apple』(1974年)です。

Black Jazz Recordsからリリースされた全20作品のラストを飾ったのが本作『Adam's Apple』です。

1948年フロリダ生まれのジャズ・ピアニストDoug Carnの紹介は、『Revelation』(1973年)に続き2回目となります。

黒人により設立・運営されたジャズ・レーベルBlack Jazz Records。わずか5年程度の活動期間でしたが、その作品群は今日でも大きな輝きを放っています。

そんなBlack Jazz Records作品の大トリを務めたのが、それまで同レーベルから『Infant Eyes』(1971年)、『Spirit of the New Land』(1972年)、『Revelation』(1973年)といった作品をリリースしていたDoug Carn『Adam's Apple』です。

当時の奥方Jean Carnを伴ったスピリチュアル・ジャズの印象が強い人ですが、本作では男女ヴォーカルをフィーチャーしたニューソウル寄りのサウンドを聴くことができます。ちなみに本作にはJean Carnは不参加です。

レコーディング・メンバーは、Doug Carn(p、el-p、org)、Joyce Greene(vo)、John "Buddy" Conner(vo)、Ronnie Laws(ts、ss)、Thurman Green(tb)、Nathan Page(g)、Calvin Keys(g)、Big Black(per)、Harold Mason(ds)、Darrel Clayborn(el-b)、Gerald Brown(b)です。

プロデュースはGene RussellDick Schory

タイトル曲「Adam's Apple」をはじめ、「Higher Ground」「Sweet Season」Wayne ShorterCarole KingStevie Wonderの有名曲と同タイトルの楽曲が並びますが、これらは同名異曲であり、Doug Carnのオリジナルです。

スピリチュアル・ジャズとニューソウルが融合したスケールの大きなサウンドは、Black Jazz Recordsのフィナーレに相応しいものだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Chant」
Big Black/Thurman Green作。ラテン・スピリチュアル・ジャズといった趣のオープニング。男女ヴォーカル入りでニューソウル的な雰囲気もあります。
http://www.youtube.com/watch?v=LK9GnzRYGX4

12拍子のラテン・ソウル・ジャズ“Chant”

「Higher Ground」
Doug Carn作。本作らしい男女ヴォーカル入りジャズ・ファンク・チューン。オルガン・ジャズとしても楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=pFk8PumdxK8

「Sweet Season」
Doug Carn作。この曲はジャズというよりソウル・チューンと呼ぶ方が相応しいかもしれませんね。Black Jazz流ソウルを満喫しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=HtD28wPPPfc

「Sanctuary」
Wayne Shorter作品をカヴァー。Miles Davis『Bitches Brew』収録曲としてお馴染みですね。ここではミステリアス&スピリチュアルなヴォーカル・チューンで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=dSw-cwUM8DA

「Mighty Mighty」
Maurice White/Verden White作。Earth,Wind & Fireのヒット曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Open Our Eyes』(1974年)に収録されています。本作のハイライトかもしれませんね。EW&Fの人気曲をドライヴ感のある見事なジャズ・サウンドで聴かせてくれる秀逸カヴァーです。そういえば、Doug Carnが初期EW&Fのレコーディングに参加していたのも影響しているセレクトなのでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=oogxbnFH420

「The Messenger」
Doug Carn作。刺激的な電化ジャズを楽しめるインスト・カヴァー。電脳的グルーヴ感にグッとくるオルガン・インスト・ジャズに仕上がっています。

「Adam's Apple」
Doug Carn作。タイトル曲はファンキーなニューソウルといった雰囲気です。Dougのキーボードの電子的な音色が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=2TJU2dRPBAs

「To A Wild Rose」
Edward MacDowell/Doug Carn作。Edward MacDowellの有名なピアノ曲「野ばらに寄す」にDoug Carnが歌詞をつけたもの。感動的な男女ヴォーカルによるソウル・チューンとして聴かせてくれます。

「Western Sunrise」
Doug Carn作。スピリチュアル・ジャズ+ニューソウルといった趣の仕上がり。Dougのグルーヴィーなオルガンが駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=1Smwp_ezWPo

Doug Carnの他のBlack Jazz作品もチェックを!

『Infant Eyes』(1971年)
INFANT EYES

『Spirit of the New Land』(1972年)
SPIRIT OF THE NEW LAND

『Revelation』(1973年)
Revelation (直輸入盤・帯・ライナー付き)

他のBlack Jazz Recordsの過去記事もご参照下さい。

Kellee Patterson『Maiden Voyage』(1973年)
メイデン・ヴォヤージュ

Henry Franklin『The Skipper at Home』(1974年)
THE SKIPPER AT HOME
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2013年11月24日

Gisele De Santi『Vermelhos e Demais Matizes』

淡く美しい音世界に魅了されるブラジリアンSSW☆Gisele De Santi『Vermelhos e Demais Matizes』
ヴェルメーリョス・イ・ヂマイス・マティゼス
発表年:2013年
ez的ジャンル:ジャジー&メロウ系ブラジリアンSSW
気分は... :淡く美しいパステル・ワールド・・・

今回はブラジル新作からGisele De Santi『Vermelhos e Demais Matizes』です。

Gisele De Santiはリオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ出身の女性シンガー・ソングライター。現在はサンパウロを拠点に活動しています。

2010年にデビュー・アルバム『Gisele De Santi』をリリース。ヨーロッパとフォルクローレ、サンバ、ボサノヴァが融合したジャジー&メロウ作品は、その方面で高い評価を得ました。

3年ぶりとなる2nd『Vermelhos e Demais Matizes』でも少し憂いを帯びたジャジー&メロウな音世界を満喫できます。

ジャケのイメージそのままの淡く美しい音世界に魅了される1枚です。派手さはありませんが、Giseleの歌世界にぐいぐい引き込まれていきます。憂いのあるメロディも多いのですが、聴いていると心が穏やかになります。

プロデュースは前作と同じくGilberto Ribeiro Jr.Fabricio Gambogiの2人。

レコーディングにはMarcos Suzanoやポルト・アレグレ出身のベテラン・アーティストVitor Ramilも参加しています。

寒い季節にフィットするパステルな音世界です。

全曲紹介しときやす。

「Colors Colorindo」
Gisele De Santi作。幻想的なパステル・ワールドに柔らかく包み込まれるオープニング。幻想的なメロウ・サウンドが心の中を浸食していく感じです。曲の途中でCyndi Lauper「True Colors」の一節が歌われます。
http://www.youtube.com/watch?v=o0o4fiLAFqU

「Haver」
Gisele De Santi作。Marcos Suzano参加曲。Suzanoによるパーカッシヴ・リズムをバックにしたジャジー・メロウ・チューン。フリューゲル・ホーンも入った気怠いムードがいいですね。。
http://www.youtube.com/watch?v=7rpJ5ZaazdM

「Eita」
Gisele De Santi作。サンバヘギのリズムを取り入れた哀愁メロウ。終盤にはCaetano Veloso「Coracao Vagabundo」の一節を引用しています。
http://www.youtube.com/watch?v=dc46-tfuMqY

「Quem e Ninguem」
Vitor Ramil/Roger Scarton作。ポルト・アレグレの先輩アーティストVitor Ramilとのデュエット。愁いを帯びた2人のヴォーカルが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=DsBSB7XH3_E

「Lamento do Nao」
Gisele De Santi作。Vagner Cunhaによる美しいヴァイオリンの音色に包まれた哀愁チューン。寒い時期にしみじみ聴きたい1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=g9D3wM-XSEg

「Amor Paciente」
Gisele De Santi/Moises Westphalen作。澄み切った音世界がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=KUWKOFg2D9k

「Rara」
Gisele De Santi作。本作らしい淡く美しい音世界を満喫でます。子供向けの短編アニメのバックで流れている雰囲気です。
http://www.youtube.com/watch?v=a549gv0CZbU

「Maca Ultima」
Gisele De Santi。アルバム中最も動きのある仕上がり。パーカッシヴ・リズムをバックにGiseleの歌が駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=Bq5kmvG_Gfc

「Samba Anonimo」
Fabricio Gambogi作。哀愁モードのサンバ・チューン。寂しげなサンバ・サウンドと憂いを帯びたGiseleのヴォーカルがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=MccdUJnihyE

「Desenho」
Gisele De Santi作。再びVagner Cunhaの美しいヴァイオリンが大きくフィーチャーされています。美しくエレガントな音世界に魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=adUXGmm9Zqk

「Mientras」
Gisele De Santi作。ミュート・トランペットが印象的なジャジー・チューン。ゆったりとしたリラックス感がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=K7tKxokJ96Y

「Tema de Novela」
Gisele De Santi作。ラストは美しく澄み切ったアコースティック・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=nkNDSBsi6e8

デビュー・アルバム『Gisele De Santi』(2010年)もどうぞ!

『Gisele De Santi』(2010年)
ジゼリ・ヂ・サンチ
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