2013年11月16日

Donald Byrd『Electric Byrd』

電化ジャズはマイルスだけじゃない!☆Donald Byrd『Electric Byrd』
Electric Byrd
録音年:1970年
ez的ジャンル:ドープ&アブストラクト電化ジャズ
気分は... :エレクトリック・バードランド!

今年惜しくも逝去したジャズ・トランペット奏者Donald Byrd(1932-2013)が1970年にリリースした『Electric Byrd』です。

これまで当ブログで紹介したDonald Byrd作品は以下の4枚。

 『Mustang』(1966年)
 『Black Byrd』(1972年)
 『Street Lady』(1973年)
 『Places and Spaces』(1975年)

70年代のDonald Byrdといえば、Mizell兄弟が率いるSky High Production絡みの『Black Byrd』(1972年)、『Street Lady』(1973年)、『Stepping into Tomorrow』(1974年)、『Places and Spaces』(1975年)、『Caricatures』(1976年)といったアルバムのイメージが強くなってしまいますね。

その点、70年代最初のアルバム『Electric Byrd』は分が悪いかもしれませんね(笑)

『Electric Byrd』はタイトルの通り、Donald Byrdが電化ジャズに挑んだアルバムです。前作『Fancy Free』(1969年)から電化サウンドを取り入れたByrdがそれをさらに推し進めた1枚です。

レコーディング・メンバーはDonald Byrd(tp)以下、Jerry Dodgion(as、ss、fl)、
Frank Foster(ts、alto cla)、Lew Tabackin(ts、fl)、Pepper Adams(ba、cla)、Bill Campbell(tb)、Hermeto Pascoal(fl)、Wally Richardson(g)、Duke Pearson(el-p)、Ron Carter(b)、Mickey Roker(ds)、Airto Moreira(per)という編成です。

プロデュースは『Fancy Free』と同じくDuke Pearsonが手掛けています。

当然ながらMiles Davisによる電化ジャスに触発された作品であり、エレクトリック・マイルスと共通する空気があります。ただし、エレクトリック・マイルスがアフリカを想起させる音世界なのに対して、エレクトリック・バードの音世界は南米を想起させるものになっています。

また、ドープでアブストラクトながらもエレクトリック・マイルスのようなへヴィ感はなく、意外に軽やかです。

このあたりはプロデューサーDuke Pearsonの嗜好やAirto Moreiraや鬼才Hermeto Pascoalといったブラジル人ミュージシャンの参加も影響しているのかもしれませんね。

Airto Moreira作の「Xibaba」以外はDonald Byrdのオリジナルです。

エレクトリック・バードランドへようこそ!

全曲紹介しときやす。

「Estavanico」
ドープで幻想的な音世界の中をByrdのトランペットやフルートが浮遊します。静かなるカオスといった趣がいいですね。ラテンやエスニックなフレイヴァーが効いているのがいいですね。目を閉じると南米の密林地帯がイメージされます。
http://www.youtube.com/watch?v=oyhAo2MgHrU

「Essence」
土着的な弦の響きが支配する序盤から、エレクトリックとアコースティックの狭間で右往左往するかのような中盤へとアブストラクトなジャズ・ワールドが展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=RISUwB6jo2I

「Xibaba」
Airto Moreira作。「Estavanico」同様のドープで幻想的なサウンドを経て、アブストラクトなブラジリアン・ジャズが展開されます。ドープですがブラジリアン好きにはグッとくるはず!作者Airtoのパーカッションや鬼才Hermeto Pascoalのフルートも目立っています。
http://www.youtube.com/watch?v=YG0IC7JESaA

当ブログでは『Amazonas』に収録されたCal Tjaderのヴァージョンを紹介したことがあります。

「The Dude」
Ron Carterのベースが牽引するジャズ・ファンク・チューン。グルーヴィーで格好良いリズムをバックに各プレイヤーのソロを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=hyE2POSOR4E

Donald Byrd作品の過去記事もご参照下さい。

『Mustang』(1966年)
ムスタング+2(紙)

『Black Byrd』(1972年)
Black Byrd

『Street Lady』(1973年)
Street Lady

『Places and Spaces』(1975年)
Places and Spaces
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2013年11月15日

Salt Water Taffy『Finders Keepers』

Rod McBrien/John Giamettaによる至極のサンシャイン・ポップ☆Salt Water Taffy『Finders Keepers』
Finders Keepers
発表年:1968年
ez的ジャンル:サンシャイン・ポップ系ソフトロック
気分は... :カラフル&スウィートなキャンディはいかが?

今回はソフトロック名盤Salt Water Taffy『Finders Keepers』(1968年)

Salt Water Taffyはプロデュース/ソングライティングを手掛けるRod McBrienJohn Giametta、さらにリード・シンガーPhil Giarrantano、2人の女性シンガーKathey WeinbergJohnny Giamettaから成る5人組。

中心人物Rod McBrienはSalt Water Taffy以前にもThe Long Island Sounds名義やThe ValraysThe Eastern Sceneのメンバーとしてレコーディングを経験しています。

また、The Shangri-Las「Leader Of The Pack」(1964年)、The Innocence『The Innocence』(1967年)、The Tradewinds『Excursions』(1967年)のエンジニアリングやPebbles & Shells「Let's Be More Than Friends Tonight」(1967年)のプロデュースも務めています。

Salt Water Taffyは1967年にデビュー・シングル「Finders Keepers」をリリース、その流れで1968年にグループ唯一のアルバム『Finders Keepers』を発表しています。

その後「Summertime Girl/ One Hand Washes the Other」(1970年)等のシングルをリリースしますが、商業的成功には恵まれずグループは解散してしまいます。

本作『Finders Keepers』(1967年)はグループ唯一のアルバムですが、実際にはメンバー以外のセッション・シンガーが多数関与するなどメンバー5名によるアルバムとは言い難いのかもしれません。それでもソフトロック・ファンを虜にするドリーミーなサンシャイン・ポップ作品であることに間違いありません。

人気のタイトル曲「Finders Keepers」のようなドリーミー・ポップの印象が強いですが、アルバム全体はソフトロック/ポップの玉手箱のように、さまざまなタイプのポップ・チューンで楽しませてくれます。

Rod McBrien/John Giamettaの素晴らしい仕事ぶりに感服する1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Finders Keepers」
John Giametta/Rod McBrien作。タイトル曲は前述のようにデビュー・シングルにもなったドリーミーなバブルガム・ポップです。ポップなメロディと爽快コーラスで心を晴れモードにしてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=tKp7ZyuL1BQ

「Whence I Make Thee Mine」
Peter Anders/Ritchie Cordell/Vini Poncia作。The Innocence『The Innocence』にも収録されているAnders & Poncia作品です。ポップの玉手箱から飛び出してきたかのような魅力があります。
http://www.youtube.com/watch?v=s1D9qmabmWs

「The Girl Is Broken」
Marty Gino/Rod McBrien作。女性コーラス隊がキュートな軽快ポップ・チューン。シタールの音色が聴こえてくるのがいいですね。

「I'll Always Be True to You」
John Giametta/Rod McBrien作。ブラス・セクション、躍動するリズム、サイケなギター、キュートな女性ヴォーカルが絶妙に絡む僕好みのグルーヴィー・ポップ。
http://www.youtube.com/watch?v=CH8_Y9et31Q

「He's Still in My Heart」
John Giametta/Rod McBrien作。素晴らしいコーラスワーク&アレンジを堪能できる至極のポップ・ワールド!「Finders Keepers」あたりとは異なる大人のポップ・ワールドって雰囲気で楽しませてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=tKp7ZyuL1BQ

「You Baby」
Barry Mann/Phil Spector/Cynthia Weil作。The Ronettesのカヴァーです。当ブログでも紹介したLovin' Spoonful『Do You Believe In Magic』でもカヴァーされています。メリハリのあるポップ・ワールドを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=izPIDzMXtec

「Sticks and Stones」
John Giametta/Rod McBrien作。この曲もシングルになりました。「Finders Keepers」と同タイプのサンシャイン・ポップです。
http://www.youtube.com/watch?v=lUCVYM01tl8

「Something to Live For」
John Giametta/Rod McBrien作。明るいポップ・チューンが続いたので、少し哀愁を帯びたメロディが新鮮に聴こえます。
http://www.youtube.com/watch?v=6QKkDydjl8o

「Suddenly I See」
John Giametta/Rod McBrien作。今日的にはソフト・ボッサな本曲は人気があるのかもしれませんね。もちろんボッサ好きな僕のお気に入り曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=esUlxQy9upc

「Love Don't Keep Me Waiting」
John Giametta/Rod McBrien作。キュートな女性ヴォーカルとポップ・ソウルな躍動感が僕好みの1曲。

「He'll Pay」
John Giametta/Rod McBrien作。美しくも切ないメロディで落ち着かせてくれる黄昏ポップ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=6SJCdFXPGm0

「I'll Get Along Somehow」
John Giametta/Rod McBrien作。本編のラストは男性ヴォーカル陣による爽快ポップで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=rlBiT0Z3nA8

ここから2曲はCDボーナス・トラック。どちらの曲も本作のリリース後にシングルとしてリリースされた楽曲です。

「Loop de Loop」
Teddy Vann作。Johnny Thunderによる1963年のR&Bヒットをカヴァー。本編では聴かれないロック寄りのサウンドで楽しませてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=tEV0FAbwlyU

「Easy Does It」
John Giametta/Rod McBrien作。実はアルバムで一番好きな曲がコレ。フォーキー感覚のロック・サウンドとこのグループらしいポップ感覚が絶妙にマッチしていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=D8EZPtw5Efg

ご興味がある方はAnders & Poncia絡みの2枚、The Innocence『The Innocence』(1967年)やThe Tradewinds『Excursions』(1967年)あたりをチェックするのも楽しいのでは?

The Innocence『The Innocence』(1967年)
Innocence

The Tradewinds『Excursions』(1967年)
Excursions
posted by ez at 00:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月13日

Stockholm Cyclo『Beginning People』

ストックホルム産の知的で澄み切ったフューチャリスティック・エレクトロ☆Stockholm Cyclo『Beginning People』
Beginning People
発表年:2003年
ez的ジャンル:ストックホルム産フューチャリスティック・エレクトロ
気分は... :ドルフィンズなぜ敗れた・・・

NFL今週のマンデー・ナイトは我がドルフィンズが登場!しかしながら、これまで全敗であったバッカニアーズにまさかの逆転負け!まぁ、ラン獲得ヤードが2ヤードではねぇ・・・あまりにも酷すぎる。今季のイルカ軍団はオフェンス・ラインに苦しみ続けることになりそうです。今季も難しいなぁ(泣)

スカンジナビアン・ジャズをベースにフューチャリスティック・エレクトロなアルバムStockholm Cyclo『Beginning People』(2003年)です。

Stockholm Cycloはスウェーデン、ストックホルム出身ののAlexander Stahleによるソロ・プロジェクト。彼は普段は建築家として活動している模様です。

2002年シングル「Electronic Ghetto Twist」でデビューし、これまで『Beginning People』(2003年)、『Techtonic People』(2006年)という2枚のアルバムをリリースしています。

デビュー・アルバムとなる本作『Beginning People』には、「Beginning People」「In Select」「Noisuf (Raw Jazz Take)」といったクラブジャズ/フューチャー・ジャズ系コンピでセレクトされた人気曲も収録されています。。

アルバムではスウェーデンのエレクトロ・アコースティック・ユニットMidaircondoのメンバーMalin Dahlstrom(M Elino)の女性ヴォーカルが大きくフィーチャーされています。

また、Nils Berg、Martin Hoper、Jon Falt、Gustaf Karlofといったスウェーデンのジャズ系ミュージシャンも参加しています。

透明感のあるフューチャリスティック・エレクトロ・サウンドを聴くと、なぜか気持ちが引き締まります。

全曲紹介しときやす。

「Beginning People」
タイトル曲はM Elinoをフィーチャー。同じくMidaircondoのメンバーLisen Rylanderも作詞&バック・コーラスで参加しています。透明感のあるフューチャリスティック・エレクトロ・サウンドと艶めかしいM Elinoのヴォーカルの組み合わせがサイコーです。各種コンピにも収録されている人気曲です。個人的にもアルバムで一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=rR3Ew8YwWbE

「In Select」
この曲もクラブジャズ系コンピに収録されていますね。エレクトロ感覚ながらもクラブジャズらしい疾走感があるのがいいですね。

「Your Guide」
Nils Berg & M Elinoをフィーチャー。トライバル・リズムで煽るアッパー・チューン。Nils Bergのフルートが妖しげに響きます。

「Noisuf (Raw Jazz Take)」
生音ドラム&ベースに Nils Bergのサックスも加わったアコースティック・サウンドとエレクトロ・サウンドがクールに調和したインスト。この曲もフューチャー・ジャズ系コンピに収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=BkwUGELGlGo

「Brain To Feet (Plain Jane Mix)」
フロア仕様のハウス・チューン。真っ暗な空間で聴きたい電脳チューンです。

「Not Your Body」
M Elinoをフィーチャー。90年代初めの頃よく聴いたアンダーグラウンド・ハウスを思い出します。
http://www.youtube.com/watch?v=KRtfRAfmBMw

「Moving Your Mind」
M Elinoをフィーチャー。シングルにもなりました。煽動的なエレクトロ・サウンドにのってミステリアスなM Elinoのヴォーカルが妖しく響きます。

「Face」
M Elinoをフィーチャー。幻想的なエレクトロ・サウンドとコケティッシュなM Elinoのヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=CjM4gGzq094

「Music Is All This」
Gustaf Karlofを男性ヴォーカルをフィーチャー。個人的にはこの手のサウンドには女性ヴォーカルがフィットすると思いますが・・・
「X-Ray Delta 1」
前曲でヴォーカルをとっていたGustaf Karlofがここではムーグを操っています。フューチャリスティック・エレクトロ・ジャズを楽しめます。

「Movin Your Mind (D.A.T. Remix)」
ラストはD.A.T.ことKentaro Iwakiによる「Moving Your Mind」のリミックス。日本人らしい和テイストのあるリミックスになっています。

ご興味がある方はStockholm Cycloのもう1枚のアルバム『Techtonic People』(2006年)やMidaircondoのアルバムもチェックを!

『Techtonic People』(2006年)
Techtonic People

Midaircondo『Shopping for Images』(2005年)
Shopping for Images

Midaircondo『Curtain Call』(2009年)
Curtain Call
posted by ez at 01:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月12日

Labelle『Chameleon』

Labelle第一幕のラスト・アルバム!☆Labelle『Chameleon』
Chameleon
発表年:1976年
ez的ジャンル:パワフル系女性ソウル・グループ
気分は... :こっちを向いてよ・・・

Patti LaBelleNona HendryxSarah Dashの3人組LaBelleの6thアルバム『Chameleon』(1976年)です。

LaBelleの紹介はム『Nightbirds』(1974年)、『Pressure Cookin'』(1973年)に続き3回目となります。

2008年にアルバム『Back to Now』で復活したLabelleですが、Labelle第一幕のラスト・アルバムとなったのが本作『Chameleon』(1976年)です。

4thアルバム『Nightbirds』(1974年)でブレイクしたものの、商業的にはその勢いを持続できずに解散の道を辿ったLabelle。しかし、作品の内容自体はかなりいいと思います。

本作『Chameleon』はサウンドのバラエティ感が印象的です。ブルース・ファンクのカヴァー、レイドバックなメロウ・ソウル、白人コンポーザーのバラード・カヴァー、ロッキン・サウンド、60年代調ポップ・ソウル、情熱的なサルサ/ラテン、妖しげなファンキー・グルーヴ、堂々としたバラードといったように、1曲ごとにカラーがあって楽しめます。まさにカメレオンのような曲構成です!

プロデュースはDavid Rubinson。レコーディングにはJames Ellison(p、key、syn)、David Rubinson(syn)、Tom Coster(syn)、Eddie Martinez(g)、Ray Parker, Jr.(g)、Wah-Wah Watson(g)、Carmine Rojas(b)、James Gadson(ds、per)、Scott Mathews(ds)、Jose Chepito Areas(per)、Leon Chancler(per)、Stephen Kupka(bs)、Emilio Castillo(ts)、Lenny Pickett(ts)、Kurt McGettrick(bass sax)といった名うてのミュージシャンが参加しています。

2曲のカヴァー以外はNona Hendryxによるオリジナルですが、シングル・カットされたのはカヴァー2曲というあたりが、この時期のグループの微妙な立場を表しているのかもしれません。

Erykah Badu「Honey」のPVでパロディとして使われたジャケも印象的です。

Erykah Badu「Honey」
 http://www.youtube.com/watch?v=SFkHylBiPyQ

Labelle第一幕、有終の美を満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Get You Somebody New」
Joe Crane作。オープニングはベイエリアのブルース・ファンク・バンドHoodoo Rhythm Devilsのカヴァー。オリジナルはアルバム『Safe In Their Homes』(1976年)に収録されています。アルバムからの1stシングルにもなりました。少しイナたいファンキー・サウンドをバックにLabelleらしい息の合った圧巻のヴォーカル・ワークを聴かせてくれます。切れ味のあるホーン隊も盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=2bWRQGt07II

The Hoodoo Rhythm Devils「Get You Somebody New」
 http://www.youtube.com/watch?v=GvQbgU6OlLs

「Come Into My Life」
Nona Hendryx作。「A Man in a Trenchcoat (Voodoo)」と並ぶ僕のお気に入り。レイドバック感のあるメロウ・ソウルです。軽くパーカッシヴなのも僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=5qam81F19HM

「Isn't It a Shame」
Randy Edelman作。Randy Edelman自身のオリジナルはアルバム『Prime Cuts』(1974年)に収録されています。Labelleヴァージョンはスケール感のある感動バラードで歌い上げます。アルバムからの2ndシングルとして全米R&Bチャート第18位となっています。大ヒット曲Nelly feat. Jaheim「My Place」のサンプリングソースとしてお馴染みですね。僕も「My Place」を介して本曲が大好きになりました。
http://www.youtube.com/watch?v=gYWHk5JT2Lw

Randy Edelman「Isn't It a Shame」
 http://www.youtube.com/watch?v=B226l6mK08k
Nelly feat. Jaheim「My Place」
 http://www.youtube.com/watch?v=Vh2I2HabjEM

「Who's Watching the Watcher?」
Nona Hendryx作。ロッキン・サウンドをバックにハイ・スピードで疾走します。

「Chameleon」
Nona Hendryx作。軽やかなポップ・ソウル調の仕上がり。60年代調のレトロなポップ感が逆にいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=d8xlKFPt03s

「Gypsy Moths」
Nona Hendryx作。サルサ調のラテン・チューン。情熱的なラテン・サウンドが彼女たちにマッチしていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=MhAKTS98d8o

「A Man in a Trenchcoat (Voodoo)」
Nona Hendryx作。実は僕の一番のお気に入りはコレ。名うてのバック陣による妖しげなファンキー・グルーヴにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=LWRnYP_GZZg

「Going Down Makes Me Shiver」
Nona Hendryx作。ラストはソウル・バラードLabelleらしく堂々と歌い上げ、彼女たちの第一幕の幕が閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=aeaz28qHYrE

Labelleの他作品もチェックを!

『Labelle』(1971年)
Labelle

『Moon Shadow』(1972年)
ムーン・シャドウ

『Pressure Cookin'』(1973年)
Pressure Cookin'

『Nightbirds』(1974年)
Nightbirds

『Nightbirds/Phoenix/Chameleon』 ※3in1CD
Nightbirds/Phoenix/Chameleon
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2013年11月11日

Byrne & Barnes『An Eye For An Eye』

マッスル・ショールズのメロディ・メイカーによるAOR作品☆Byrne & Barnes『An Eye For An Eye』
アン・アイ・フォー・アン・アイ(オリジナル・エディション)(生産限定紙ジャケ)
発表年:1981年
ez的ジャンル:マッスル・ショールズ系AORデュオ
気分は... :優しい風が吹いたら・・・

今回はAORファンにはお馴染みの1枚Byrne & Barnes『An Eye For An Eye』(1981年)です。本国アメリカでは結局お蔵入りとなり、日本でのみ発売されたアルバムです。

Byrne & BarnesRobert ByrneBrandon Barnesのデュオ。本作『An Eye For An Eye』(1981年)がこのデュオ唯一のアルバムです。

ジャケ違い、曲順違いの以下のCDもリリースされています。

『An Eye For An Eye』(1981年)
スウィート・リヴェンジ(アン・アイ・フォー・アン・アイ)

Robert Byrne(1954-2005年)はミシガン州デトロイト生まれ。

70年代半ばにアラバマ、マッスル・ショールズのプロデューサー・チームClayton Ivey/Terry WoodfordのWishbone Productions とソングライター契約を交わし、それ以降Michael Johnson、Johnny Rivers、Captain & Tennille、Ronnie Milsap、Dr. Hook、Leblanc & Carr、Helen Reddyなど数多くのアーティストに楽曲を提供する売れっ子ソングライターとなりました。

1979年には自身のソロ・アルバム『Blame It On The Night』をリリース。1981年にBrandon Barnesとの共同名義で今日紹介するアルバム『An Eye For An Eye』を制作しています。

それ以降もポップ・カントリーの売れっ子ソングライター/プロデューサーとして活躍しましたが、2005年に逝去しました。

もう一人の主役Brandon Barnesは1956年アラバマ生まれ。Clayton Ivey/Terry Woodfordの下でスタジオ・ミュージシャンとして活動するように、そこでRobert Byrneと知り合い、『An Eye For An Eye』を制作しています。

90年代以降のBarnesはBrian McKnightBoyz II Men等のR&Bアーティストのプロデュースを手掛け、成功を収めました。

本作は元々『Blame It On The Night』(1979年)に続くRobert Byrneの2ndアルバムとして制作が開始されましたが、レコーディングを進めていくうちにBrandon Barnesの貢献が大きくなってきたことから共同名義の作品となりました。

レコーディングにはRobert Byrne(vo、g)、Brandon Barnes(key、vo、ds)、Clayton Ivey(key、b)、Randy McCormick(key)、Curtis Burttram(key)、John Willis(g)、Jerry Wallace(g)、Lenny LeBlanc(b)、Roger Clark(ds)、Milton Sledge(ds)、Mickey Buckins(per)、Jim Horn(sax)、Buddy Barnes(tp)、Hershey Reeves(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはClayton Ivey/Terry Woodford

アルバム全体は都会的なソウル・フィーリングに溢れたソフト&メロウなAOR作品に仕上がっています。後期The Doobie Brothers風のサウンドなど当時のAORの美味しいエッセンスを上手く取り入れた1枚だと思います。

AOR好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Never Gonna Stop Loving You」
Brandon Barnes/Calvin Frost/Buddy Barnes作。爽快ヴォーカル&コーラスとシンセ・サウンドが印象的なオープニング。晴天の空の下でのんびりしながら聴きたい気分の仕上がりです。終盤Steely Dan風のサウンドが聴こえてくるのも楽しいです。
http://www.youtube.com/watch?v=3c3y6qZkxqQ

「One More Try For Love」
Robert Byrne/Brandon Barnes作。邦題「君がいるかぎり」。当時国内でシングルにもなりました。この美しいメロディのソフト&メロウ・チューン。アルバムのハイライトの1つかもしれませんね。Ronnie Milsap(アルバム『One More Try For Love』収録)、Crystal Gayle & Gary Morris (アルバム『What If We Fall In Love?』収録)等がカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=Dd4OI2VBXNc

「Love You Out Of Your Mind」
Robert Byrne/Brandon Barnes作。ブルーアイド・ソウル的な味わいもあるメロウ・ミディアム。Anne Murray(アルバム『Heart Over Mind』収録)がカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=DNxnJDMqpJA

「I'll Try A Little Everyday For You」
Robert Byrne/Brandon Barnes/Curtis Burttram作。AOR好きならばグッとくるであろうサンセット・モードがよく似合う美しいラブ・バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=xWTJ0uXqBlo

「Crack The Whip」
Robert Byrne/Brandon Barnes作。邦題「愛の罠」。シンセ・サウンドが特徴のファンキー・チューンですが、今聴くといささかビミョーです。

「Standby Love」
Robert Byrne/Brandon Barnes作。切ないメロディと美しいハーモニーが胸が締めつける哀愁バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=R-YFvjhBiXA

「Keep On Running」
Robert Byrne/Brandon Barnes作。後期The Doobie Brothers風のアーバン・ファンキー・メロウ。Hershey Reevesのコーラスも印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=SfMRU-rARew

「Making For The First Time」
Robert Byrne/Bill Fair/Alan Schlman作。邦題「星に誓ったふたり」。ソフトリー・ヴォーカルが優しく包み込んでくれるメロウ・チューン。派手さはありませんが、こういう曲好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=YE6KKFpMd08

「Be My Baby」
Robert Byrne/Tom Brasfield作。美しいアコースティック・チューン。Johnny Rivers(アルバム『Borrowed Time』収録)がカヴァーしています。

「An Eye For An Eye」
Robert Byrne/Brandon Barnes作。アルバム・タイトル曲は後期The Doobie Brothers風の哀愁ミディアム。John Willisのギターが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=vGwxHeI96Ek

「Right Through The Heart」
Robert Byrne作。邦題「ハートでお願い」。クールなミディアム・チューン。Michael Johnson(アルバム『You Can Call Me Blue』収録)、Manfred Mann's Earth Band With Chris Thompson(アルバム『Criminal Tango 』収録)がカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=cuzKGjIqRm4

ここから2曲はCDボーナス・トラック。

「That's The Way She Goes」
Robert Byrne/Brandon Barnes作。クールに疾走するポップ・ロック。
http://www.youtube.com/watch?v=xtEcunSITVQ

「Who's That Look In Your Eye」
Robert Byrne/Tom Brasfield作。Michael Johnson(アルバム『Lifetime Guarantee』収録)、Rick Bowles(アルバム『No Man's Land』収録)がカヴァーしている美しいバラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=YMbYkzmNsQU

Robert Byrne『Blame It On The Night』(1979年)
ワン・ナイト・ロマンス+2
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