発表年:1986年
ez的ジャンル:声とギター系MPB
気分は... :ドルフィンズ連敗ストップ!
NFLでは我がドルフィンズがオーヴァー・タイムの末、ベンガルズを撃破し、何とか4勝4敗のタイに戻しました。まだまだ不満の残る試合運びですが、まずは4連敗をストップさせたことで良しとしましょう。
今回はブラジル音楽界の牽引者Caetano Velosoが1986年にリリースした弾き語り作品『Caetano Veloso (1986)』です。
※他のセルフ・タイトル・アルバムと区別するため、便宜上リリース年をカッコ内に記載しました。
これまで紹介したCaetano Veloso関連作品は以下の7枚。
『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
『Caetano Veloso』(1969年)
『Caetano Veloso』(1971年)
『Qualquer Coisa』(1975年)
『Outras Palavras』(1981年)
『Cores, Nomes』(1982年)
『Caetano』(1987年)
『Caetano Veloso (1986)』は、N.Y.のNonsuchレーベルで録音したUS進出作品です。
基本的には歌とギターのみで構成された弾き語りアルバムであり、シンプルな美しさ、味わい深さが魅力のアルバムです。
プロデュースはNonsuchレーベルのRobert Hurwitz 。Caetano Veloso(vo、g)以外の参加ミュージシャンはToni Costa (g)、Marcelo Costa (per)、Armando Marcal (per)のみというシンプルな編成です。
楽曲も全13曲中10曲がCaetanoの過去作品のセルフ・カヴァー。歌とギターというシンプルな音でCaetano Velosoというミュージシャンの本質に触れることができるアルバムに仕上がっています。
残り3曲が名曲カヴァーですが、何といってもMichael Jackson「Billie Jean」のカヴァーに注目です。
ジャケも含めて今の季節にフィットする味わい深い1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Trilhos Urbanos」
Caetano Veloso 作。『Cinema Transcendental』(1979年)収録曲の再録です。シンプルながらも口笛を交えたCaetanoの歌とギターが実に味わい深いです。哀愁モードながらも静かなる鼓動を感じる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=TQ0GGyf2Axo
「Homem Velho」
邦題「老いた男」。Caetano Veloso作。『Velo』(1984年)収録曲の再録です。美しくも脆そうな繊細なメロディに惹かれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Io5OlXVodKE
「Luz Do Sol」
Caetano Veloso作。当ブログでも紹介したGal Costa『Minha Voz』(1982年)でも歌われていた楽曲です。個人的にはメロウ・エレピが響くGalヴァージョンの方が好きですが、このシンプルなCaetanoヴァージョンもなかなか味わい深いです。
http://www.youtube.com/watch?v=6MVyueIbwL4
「Ca-Ja」
Caetano Veloso作。『Muito』(1978年)収録曲の再録です。軽くパーカッション類を加え、ミステリアスな雰囲気を醸し出します。
http://www.youtube.com/watch?v=ne1PKcUpwPE
「Medley:Dindi/Eu Sei Que Vou Te Amar」
Antonio Carlos Jobimの名曲メドレー。お馴染みの2曲を憂いのあるヴォーカルでしみじみと聴かせてくれます。消え入りそうなファルセットが逆にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=hu5nINQev6g
「Nega Maluca/Billie Jean/Eleanor Rigby」
Fernando Lobo/Ewaldo Ruy作の「Nega Maluca」、Michael Jacksonの大ヒット「Billie Jean」、Beatlesの名曲「Eleanor Rigby」という異色のメドレー。メインはボッサな「Billie Jean」です。
http://www.youtube.com/watch?v=8JwDlzFkSLY
「O Leaozinho」
Caetano Veloso作。『Bicho』(1977年)収録曲の再録です。リラックスした雰囲気が聴き手にも伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=KLRWHBR2X1U
「Coracao Vagabundo」
Caetano Veloso作。『Domingo』(1967年)収録曲の再録です。何だかんだいって、この演奏が一番弾き語りらしくて好きです。
※「Coracao Vagabundo〜Pulsar」
http://www.youtube.com/watch?v=m2gAvpaEN7A
「Pulsar」
Augusto DeCampos/Caetano Veloso作。『Velo』(1984年)収録曲の再録です。1分強の小曲。
「Get Out of Town」
Cole Porter作。1938年のミュージカル『Get Out of Town』挿入歌。Caetanoにジャスト・フィットするCole Porter作品です。Caetanoの繊細なヴォーカルと美しいギターを堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=zbAe0Jwh6sk
「Saudosismo」
Caetano Veloso作。Joao Gilbertoへのオマージュとして書かれた曲の再演です。躍動を漲る弾き語りといった趣がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ii39ME8moXo
「Odara」
Caetano Veloso作。『Bicho』(1977年)収録曲の再録です。華やかに躍動する『Bicho』ヴァージョンが大好きですが、弾き語りで疾走する本ヴァージョンもなかなかグッときます。
「Terra」
Caetano Veloso作。『Muito』(1978年)収録曲の再録です。『Muito』ヴァージョンと比較すると、素朴でしみじみとした印象が強いですね。ゆっくりと時が流れるような雰囲気がいいですね。
Caetano Veloso関連作品の過去記事もご参照下さい。
『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
『Caetano Veloso』(1969年)
『Caetano Veloso』(1971年)
『Qualquer Coisa』(1975年)
『Outras Palavras』(1981年)
『Cores, Nomes』(1982年)
『Caetano』(1987年)