2013年11月10日

Gregory Porter『Liquid Spirit』

世界が注目する"ザ・リアル・ヴォイス"!話題の黒人男性シンガーBlue Note移籍第1弾☆Gregory Porter『Liquid Spirit』(2013年)♪
リキッド・スピリット
発表年:2013年
ez的ジャンル:黒人男性ジャズ・シンガー
気分は... :ザ・リアル・ヴォイス!

今回は世界が注目する黒人男性シンガーGregory Porterの最新作『Liquid Spirit』です。本作はBlue Note移籍第1弾アルバムとなります。

Gregory Porterは1971年L.A.生まれ、サンディエゴ育ちの黒人ジャズ・ヴォーカリスト。

デビュー・アルバム『Water』(2011年)がグラミー賞Best Jazz Vocal Albumにノミネート、さらに2ndアルバム『Be Good』(2012年)収録の「Be Good (Lion's Song) 」がグラミー賞 Best Traditional R&B Performanceにノミネートされた話題のジャズ・シンガーです。グラミーR&B部門にノミネートされたことでも分かるように、ジャズのジャンルを超えて注目されている男性シンガーです。

日本にも今年3月、9月と立て続けに来日し、ファンから熱い喝采を浴びました。

当ブログで紹介したアルバムでも以下の作品でGregory Porterがフィーチャーされています。

 Nicola Conte『Love & Revolution』(2011年)
 The Rongetz Foundation『Brooklyn Butterfly Session』(2012年)
 Robin McKelle & The Flytones『Soul Flower』(2012年)
 M1, Brian Jackson, The New Midnight Band
 『Evolutionary Minded -Furthering The Legacy Of Gil Scott-Heron』

 (2013年)

上記4枚を眺めただけでもGregory Porterが只者ではないことが想像できるかと思います。

今日紹介する『Liquid Spirit』はBlue Note移籍第1弾アルバムであり、Gregory Porterという才能がより多くの音楽ファンに知れ渡るであろう1枚だと思います。

"ザ・リアル・ヴォイス"と称される温もりのあるバリトン・ヴォーカルは、ジャズ・ファンのみならず多くの音楽ファンを魅了するはずです。

コンテンポラリーなジャズ・チューンから、美しいラブ・バラード、ソウル・シンガーを思わせるソウルフルな楽曲までGregory Porterというシンガーの懐の深さを実感できる1枚に仕上がっています。

レコーディングにはChip Crawford(p)、Aaron James(b)、Emanuel Harrold(ds)、Glenn Patscha(el-p、org)、Curtis Taylor(tp)、Yosuke Sato(sax)、Tivon Pennicott(sax)といったミュージシャンが参加しています。プロデュースはBrian Bacchus

「Lonesome Lover」「The In Crowd」「I Fall in Love Too Easily」以外はGregory Porterのオリジナルです(共作含む)。シンガーのみらずソングライターとしてのGregory Porterにも注目です。

同じジャズ・アルバムでもRobert Glasper Experiment『Black Radio 2』のような話題性や派手さのあるアルバムではありませんが、現在の音楽シーンを代表するザ・リアル・ヴォイスをお聴き逃しのないように!

全曲紹介しときやす。

「No Love Dying」
包み込むようなバリトン・ヴォーカルで語りかけてくるオープニング。Gregoryの歌声を聴くだけで心がほっこりしてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=Zdh77hziqZ0

「Liquid Spirit」
ハンドクラップと共に軽快に歌い上げられる格好良いタイトル曲。特別なことを演っている曲ではありませんが、こうした曲を格好良く聴かせてしまうのがGregory Porterなのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=cBHx-0eAHbA

「Lonesome Lover」
Abbey Lincoln/Max Roach作。Max Roachのオリジナルは『It's Time』(1962年)に収録されています。ここではEmanuel Harroldのドラム・ソロと共にスタートします。本編はワルツ調に疾走するビター・スウィートな仕上がりです。

「Water Under Bridges」
バックはChip Crawfordのピアノのみのハートフル・バラード。Gregoryのバリトン・ヴォーカルの温もりが胸の奥まで沁み渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=7YoA2JmO6bI

「Hey Laura」
Gregory Porterのソングライターとしての才能を感じる1曲。美しいメロディにのったGregoryの歌声が優しく包み込んでくれます。Tivon Pennicottのテナー・ソロもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=4raKI_VJCVI

「Musical Genocide」
Gregory Porterのソウルフルな側面がよく表れてる1曲。ハモンド・オルガンも効いたバックを従え、ソウルフルな歌声を聴かせてくれます。このタイプの曲を聴けば、グラミーR&B部門でノミネートされたのも納得です。
http://www.youtube.com/watch?v=4zRWLBbJy6M

「Wolfcry」
再びChip Crawfordのピアノのみのバッキングによるバラード。アルバム屈指のビューティフル・バラード。美しくも切ないGregoryのバリトン・ヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=8iiV1OItfy4

「Free」
この曲はGregory PorterとNak Najor、Zak Najorの共作。Gregoryがコンテンポラリーな現在進行形ジャズ・シンガーであることを再認識させられる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=04fS5gYG3_o

「Brown Grass」
Chip Crawfordらによるピアノ・トリオをバックに優しい歌声で語りかけてきます。ジャンルの枠を超えて聴く者を魅了する"ザ・リアル・ヴォイス"の真髄を堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=NO8xAN9WVqA

「Wind Song」
彼の厳つい風貌とはギャップのある爽快ビューティフル・ソング。Gregory Porterというアーティストの懐の深さを感じます。Chip Crawfordの美しく軽やかなピアノ・タッチも聴き逃せません。
http://www.youtube.com/watch?v=LU3EwWalZ3Q

「The In Crowd」
Billy Page作。当ブログでも紹介したRamsey Lewisヴァージョンでもお馴染みのスタンダードをカヴァー。ファンキーなソウル・ジャズ・サウンドにのってGregoryがソウルフル・ヴォーカルを聴かせてくれます。クラブジャズ好きやソウル・リヴァイヴァル的な音が好きな人であれば気に入るはず!
http://www.youtube.com/watch?v=rTGBBurw2mY

「Movin'」
GregoryがMarvin Gayeが影響を受けていることを強く感じるソウルフル・チューン。ジャジー・サウンドをバックにしたMarvin Gayeといった佇まいです。
http://www.youtube.com/watch?v=5nTUUZitWMM

「When Love Was King」
ピアノ・トリオをバックに哀愁のメロディを切々と歌い上げます。男の哀愁モードが漂う悲しげな仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=V-tRehWqeGs

「I Fall in Love Too Easily」
本編ラストはSammy Cahn作詞/Jule Styne作曲のスタンダードをカヴァー。当ブログではAnita O'Dayのカヴァーも紹介済みです。しっとりとした素敵なラブ・バラードで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=V5yt5euBpTw

CDにはボーナス・トラックとして「Time Is Ticking」「Water Under Bridges (Rubato Versio)」の2曲が追加収録されています。

Gregory Porterの他作品もぜひチェックを!

『Water』(2011年)
Water

『Be Good』(2012年)
Be Good
posted by ez at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする