発表年:1973年
ez的ジャンル:ニューソウル系サザン・ソウル
気分は... :視線を合わせないように・・・
今回はニューソウルなサザン・ソウル作品Frederick Knight『I've Been Lonely For So Long』(1973年)です。
Frederick Knightは1944年アラバマ生まれ。
1970年に初シングル「Have A Little Mercy (On Me) / Sauerkraut」をリリース。その後名門Stax Recordsとの契約に成功し、シングル・リリースした「I've Been Lonely For So Long」が1972年にヒットします。翌年に同曲を含む1stアルバム『I've Been Lonely for So Long』をリリースしています。
その後Staxで数枚のシングルをリリースした後、Juanaレーベルを設立し、『Knight Kap』(1977年)、『Let the Sunshine In』(1978年)、『Knight Time』(1981年)という3枚のアルバムをリリースしています。
またプロデューサーとして手腕も高く、全米No.1となったAnita Ward「Ring My Bell」をはじめ、The Controllers、Tommy Tate、C.L. Blast等の作品を手掛けました。
Anita Ward「Ring My Bell」
http://www.youtube.com/watch?v=URAqnM1PP5E
そんなFrederickの代表作が1stアルバム『I've Been Lonely for So Long』(1973年)です。
レコーディングはStaxの本拠地メンフィスではなく、Frederickのホームグランドのアラバマで行われました。プロデュースもFrederick Knight自身が手掛けています。バック・コーラスにはSam Deesも参加しています。
濃厚なスタックス色は控えめであり、ニューソウル的なエッセンスもあるため、"南部のCurtis Mayfield"と形容されることもあるようですね。
楽曲は大きくファルセット・ヴォーカルによるスウィート・ソウル、味わい深いヴォーカルのサザン・ソウル、アッパーなファンキー・チューンに分かれます。その3タイプのギャップがなかなか楽しいアルバムでもあります。
でも、僕をこのアルバムに引き寄せたのは、柄の悪い面構えのジャケです(笑)
決して、視線を合わせたくありませんが・・・
全曲紹介しときやす。
「I've Been Lonely For So Long」
Jerry Weaver/Posie Knight作。タイトル曲は彼を代表するヒット曲です。のどかでイナたい南部サウンドとファルセット・ヴォーカルによるアーシー・スウィート・ソウルといった趣がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qCsdysH6_g8
Mick JaggerやKeisa Brownがカヴァーしています。また、Sol「This Shit」のサンプリングソースになっています。
Mick Jagger「I've Been Lonely for So Long」
http://www.youtube.com/watch?v=BF4MXrL49EI
Keisa Brown「I've Been Lonely So Long」
http://www.youtube.com/watch?v=-2GQoE_eLvE
Sol「This Shit」
http://www.youtube.com/watch?v=MWxFbFXiJ8s
「This Is My Song Of Love To You」
Frederick Knight作。スウィート・ソウル・タイプの仕上がり。美しいストリングスを伴い、ファルセット・ヴォーカルで歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=I2sXcZq7E7I
「Take Me On Home Witcha」
Aaron Varnell/Frederick Knight/Sam Dees作。地声でサザン・ソウルらしい味わいのあるヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=vbATvnP6Xd4
「Friend」
Frederick Knight作。何気ない曲ですが、サザン・ソウルらしい空気を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=q-gPNV5OkO0
「I Let My Chance Go By」
Harrison Calloway作。ホーン隊が盛り上げてくれるミディアム・チューン。ポジティヴなヴァイヴが伝わってくるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=5gE-39V8zsI
「Your Love's All Over Me」
Aaron Varnell/Frederick Knight/Jesse Boyce/Sam Dees作。それまでから一変したファンキー・グルーヴです。「I've Been Lonely For So Long」ののどかさとは正反対な感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=54bF-cNwHLE
「Pick'um Up, Put'um Down」
Jerry Weaver作。この曲もファンキーに迫ります。好き/嫌いが分かれるのかもしれませんが、個人的にはかなり好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=Kjh-qmzMSQU
「Now That I've Found You」
Marvin Yancy/Tommy Tate作。再びファルセット・ヴォーカルによるスウィート・ソウル。個人的には少し退屈でしょうか。
「Lean On Me」
Aaron Varnell/Frederick Knight作。Bill Withersの名曲とは同名異曲です。しかしながら、雰囲気はかなり共通するものがあります。こちらの「Lean On Me」もなかなか感動的です。
http://www.youtube.com/watch?v=j7aGxcI-g5k
Dom Pachino feat. C-4, Infinite & NLZ「Napalm World」のサンプリングソースになっています。
「Trouble」
Aaron Varnell/Frederick Knight作。イナたさの中に汎カリブなエッセンスも感じられます。
http://www.youtube.com/watch?v=-7fk4cCzxqc
Ginuwine feat. Bun B「Trouble」のサンプリングソースになっています。
Ginuwine feat. Bun B「Trouble」
http://www.youtube.com/watch?v=rlvkZef2lbI
「Someday We'll Be Together」
Harvey Fuqua/Jackey Beavers/Johnny Bristol作。Diana Ross & the Supremesのヒットでお馴染みの楽曲のカヴァー。Frederickのヴォーカルを堪能できるグッド・カヴァーだと思います。
http://eastzono.seesaa.net/article/127543072.html
Frederick Knightのプロデュース作品もチェックを!
Anita Ward『Songs of Love』(1979年)
C.L. Blast『I Wanna Get Down』(1980年)