発表年:1972年
ez的ジャンル:イタリアン・レア・グルーヴ
気分は... :アレンジ・センスに脱帽!
今回はレアグルーヴ/ラウンジ好きにはお馴染みの1枚、Augusto Martelli『Black Sound From White People』(1972年)です。
イタリア人Augusto Martelliは1940年イタリア、ジェノヴァ生まれのコンポーザー/アレンジャー。これまで数多くの映画、TV番組の音楽を手掛けてきました。また、Mina、Ornella Vanoniといったイタリアのポピュラー・シンガーのアレンジャー/コンポーザーとしても知られています。
自身の名義でリリースした本作『Black Sound From White People』(1972年)は、イタリアン・レア・グルーヴ名盤として90年代以降に再評価が高まった1枚です。
「Loco Love Motor」、「Nanaue」といった人気曲を聴けば、レア・グルーヴ名盤たる所以がわかると思います。
ジャズ、ファンク、ラテン、ブラジル、映画音楽がエッセンスを巧みにクロスオーヴァーさせたアレンジ・センスに脱帽するしかない1枚です。
「Loco Love Motor」、「Nanaue」、「Kryptoblues」のようなスタイリッシュな曲がある一方で、「Ma Ne Vale La Pena」、「Mondo...No!」のような妖しげな雰囲気の楽曲が同居するあたりも本作の面白いところなのでは?
Augusto Martelliのアレンジャーとしての才能を存分に満喫できる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Loco Love Motor」
Augusto Martelli作。ブラリアン・フレイヴァーのジャズ・ファンクといった趣の仕上がりの人気曲。ダンサブルなドラム、印象的なベースライン、躍動するピアノをバックに、軽やかなフルートと女性スキャットが舞います。エレガントかつスリリングな感じがいいですね。まさにMartelliのアレンジャーとしてのセンスが凝縮されているかのようなオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=wyi6meRxFb0
「Ma Ne Vale La Pena」
G. Selleri/Augusto Martelli作。妖しげな雰囲気が漂うミステリアス・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=PcVfkrq_Mmc
「Kryptoblues」
Augusto Martelli作。ワウギターが浮遊するファンキー感とジャジーな雰囲気が絶妙に融合した仕上がり。中盤のブレイクもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=2H5ZK_cHHuY
「Nanaue」
Augusto Martelli作。「Loco Love Motor」と並ぶ人気曲。ラテン・リズムが心地好いラウンジ・テイストの仕上がり。小粋なピアノと男女スキャットが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ehG58k_ohO0
「Free Samba」
G. Prestipino/Augusto Martelli作。タイトルにあるようにサンバのリズムで軽快に舞います。今日のダンサブルなブラジリアン・グルーヴを先取りしているかのようなセンスに脱帽です。
「Mondo...No!」
G. Selleri/Augusto Martelli作。妖しげなベースラインに先導され、男女ヴォーカルが絡むモンド・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=s45wg1eJAUY
「Sara Stato Il Futuro」
G. Selleri/Augusto Martelli作。セリフを読み上げるかのような男女ヴォーカルが支配するサントラ風の仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=GMD_TSwc1w4
「90°Compleanno (90th Birthday) 」
Augusto Martelli作。ラストは小粋なファンキー・ジャジー・チューン。妖しげなフルートが音空間を舞います。
http://www.youtube.com/watch?v=Cjg3P78xL4k
本作と近い時期にリリースされた『Il Dio Serpente』(1971年)もチェックを!
『Il Dio Serpente』(1971年)