発表年:2002年
ez的ジャンル:ブラジリアン女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :僕なりに何日か考えた上での結論のようなもの・・・
大人のブラジリアン女性ジャズ・ヴォーカル作品Luciana Souza『Brazilian Duos』(2002年)です。
シンガー/ギタリスト/コンポーザーWalter Santosを父親に、詩人Tereza Souzaを母親に持つブラジル、サンパウロ生まれの女性ジャズ・シンガーLuciana Souzaについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。
『Duos II』(2005年)
『The New Bossa Nova』(2007年)
『Tide』(2009年)
『Brazilian Duos』(2002年)は、ブラジル人ギタリストたちとのデュオ作品シリーズの第1弾であり、その後『Duos II』(2005年)、『Duos III』 (2012年)がリリースされています。
本作では父親Walter Santosをはじめ、Romero Lubambo、Marco Pereiraという3人のギタリストと共演しています。
前回紹介した『Duos II』もそうでしたが、ヴォーカル&ギターのみというシンプルな編成で、ここまでバリエーションを出せるのかと感心させられます。特に父Walter Santosとの共演曲は感動的です。
ブラジル人女性シンガーとギターということで、ボッサな仕上がりをイメージしがちですが、しっかりジャズ・ヴォーカルしているあたりも本作の魅力だと思います。
ジャズ・ヴォーカルと敏腕ギタリストが生み出すケミストリーを堪能しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Baiao Medley」
Marco Pereiraをフィーチャー。「Respeita Januario」(Luiz Gonzaga/Humberto Teixeira作)、「Qui Nem Jilo」(Luiz Gonzaga/Humberto Teixeira作)、「Romance 」(Djavan作)という3曲のメドレー。小気味よさとミステリアスな雰囲気が漂います。声とギターの見事な一体感に魅了されます。
「Suas Maos」
Pernambuco/Antonio Maria作。父Walter Santosのギターをバックに、憂いのあるメロディをしっとりと歌い上げます。
「Pra Que Discutir com Madame」
Haroldo Barbosa/Janet DeAlmeida作。Romero Lubamboをフィーチャー。声とギターのみなのに実に躍動しています。聴こないはずのサンバ・リズムが聴こえてくるようです。
「Pra Dizer Adeus」
Marco Pereiraをフィーチャー。Edu Lobo/Torquato Neto作。当ブログではEdu Lobo & Maria Bethaniaのヴァージョンも紹介済みです。哀愁メロディを情感たっぷりに歌います。。
「Amanha」
Walter Santo/Tereza Souza作。Romero Lubamboをフィーチャー。両親による楽曲を軽快に歌い上げます。Romero Lubamboの軽快なギターがLucianaのヴォーカルをナビゲートしているようです。
「Eu Nao Existo Sem Voce」
Antonio Carlos Jobim/Vinícius de Moraes作。父Walter Santosの感動的なギターをバックにJobim作品を歌います。ビューティフルな仕上がりにただただ感動するのみです。
「Doce de Coco」
Jacob Do Bandolim/Herminio Bello de Carvalho作。Marco Pereiraをフィーチャー。エレガント&ボッサな雰囲気が実にいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8kzLIQrwnJ4
「As Praias Desertas」
Antonio Carlos Jobim作。「Eu Nao Existo Sem Voce」に続き、父Walter SantosのギターをバックにJobim作品を歌います。Walter Santosの1音1音を丁寧に響かせるギターにグッときてしまいます。
「Docemente」
Walter Santos/Tereza Souza作。Romero Lubamboをフィーチャー。両親による楽曲の2曲目。憂いのあるヴォーカルでしっとりと歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=R-ItsAUBL0U
「O Bolo」
Walter Santos/Tereza Souza作。Walter Santosの軽快なギターをバックに、娘Lucianaのヴォーカルも躍動します。メロウな雰囲気に包まれているのがいいですね。僕の一番のお気に入り。
「Viver de Amor」
Ronaldo Bastos /Toninho Horta作。当ブログでは『Terra dos Passaros』に収録されたToninho Horta本人のヴァージョンやAlaide Costaのヴァージョンも紹介済みです。ここではRomero Lubamboのギターをバックに、Lucianaが生き生きとした歌を聴かせてくれます。声とギターのみとは思えないドラマティックな仕上がりです。
「Saudade de Bahia」
Dorival Caymmi作。Marco Pereiraをフィーチャー。ラストはMarco Pereiraの素晴らしいギターに魅了されます。
本作を気に入った方は『Duos II』(2005年)、『Duos III』 (2012年)もどうぞ!
『Duos II』(2005年)
『Duos III』 (2012年)
Luciana Souzaの過去記事もご参照下さい!
『The New Bossa Nova』(2007年)
『Tide』(2009年)