発表年:1965年
ez的ジャンル:ジャズ・サンバ・トリオ×キュート女性ヴォーカル×女流ギタリスト
気分は... :Brasil '66前夜のセルメン!
今回はSergio Mendesが自身のトリオおよびWanda Sa(Wanda De Sah)、Rosinha De Valencaを迎えてレコーディングしたWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca『Brasil '65』(1965年)です。
当ブログで、これまで紹介してきたSergio Mendes作品は以下の8枚。
『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil '66』(1966年)
『Equinox』(1967年)
『Look Around』(1968年)
『Fool On The Hill』(1968年)
『Sergio Mendes' Favorite Things』(1968年)
『Crystal Illusions』(1969年)
『Vintage 74』(1974年)
『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)
また、"ボサノヴァの妖精"Wanda Sa(Wanda De Sah)については以下の2枚を紹介済みです。
『Vagamente』(1964年)
『Softly!』(1965年)
さらに"女流Baden Powell"とも呼ばれた女性ギタリストRosinha De Valencaついては『Cheiro De Mato』(1976年)を紹介済みです。
本作の主役はSergio Mendes Trio、Wanda Sa(Wanda De Sah)、Rosinha De Valencaという3組。Sergio Mendes(p)、Sebastiao Neto(b)、Chico Batera(ds)というSergio Mendes Trioの作品に華を出すためにWanda De Sahが前面に出され、さらには美人ギタリストRosinha De Valencaも大きくフィーチャーしたといった感じですかね。また、ウエスト・コースト・ジャズの大物Bud Shank(as、fl)がゲスト参加して盛り上げてくれます。
この後A&Mと契約し、Sergio Mendes & Brasil'66としてブレイクするセルメンですが、そのBrasil '66前夜とも呼べるのが本作『Brasil '65』(1965年)です。ブラジルからL.A.に拠点を移したアメリカ進出作品が『Brasil '65』ですが、ポップな側面を前面に出したBrasil '66時代とは異なり、ジャズをベースにしたジャズ・サンバ/ボッサ・ジャズを聴かせてくれます。
落ち着きのある大人のジャズ・サンバ/ボッサ・ジャズとクールなWanda Saのヴォーカル、Rosinha De Valencaのギターがよくマッチしています。Bud Shankの好サポートも目立ちます。
Sergio Mendes Trioメインのインスト、Wanda Saのヴォーカルをフィーチャーした楽曲、Rosinha De Valencaのギターをフィーチャーした楽曲と3タイプの演奏が楽しめるので、アルバム全体のメリハリが効いています。
Brasil '66時代に再演している楽曲もあり、聴き比べるのも楽しいと思います。
全曲紹介しときやす。
「So Nice (Samba De Verao) 」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。「Summer Samba」の曲名でもお馴染み、Marcos Valleの名曲カヴァー。Rosinhaのボッサ・ギター、Wanda Saのキュートな歌声、Sergio Mendes Trioの控えめながらも気の利いた演奏、さらにはBud Shankのサックスが魅力的なオープニング。さり気ない感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=hD-UCbmjTs4
本曲について、当ブログではこれまで『Samba '68』収録のMarcosヴァージョンをはじめ、Walter Wanderley、Astrud Gilberto/Walter Wanderley Trio、Bebel Gilberto、O Quartetoのカヴァーを紹介済みです。
「Favela」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲「O Morro Nao Tem Vez」をカヴァー。当ブログではSambalanco Trioのカヴァーを紹介済みです。Sergio Mendes Trioによる小粋なジャズ・サンバを聴くことができるインスト・カヴァーです。
http://www.youtube.com/watch?v=ZE0mINnCS_o
「Berimbau」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作のアフロ・サンバ名曲をカヴァー。女流Baden Powellと称されたRosinhaのギターに注目です。疾走するジャズ・サンバ・サウンドと少し憂いを帯びたWanda Saのヴォーカルもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=GN5p79FLNBY
本曲については、当ブログでLennie Dale、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Agustin Pereyra Lucena、Sambalanco Trio、Nara Leao、Felicidade A Brasil、Gary McFarland、Kenny Rankin、Le Trio Camara、Trio 3Dのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。
「Tristeza Em Min」
Jose Guimaraes/Mauro Tavares作。Rosinhaの魅力的なギターを存分に満喫できる1曲です。Bud Shankが涼しげなフルートで好サポートしています。
http://www.youtube.com/watch?v=8RxcbxRatxM
「Aquarius」
Joao Donato/Joao Mello作。ロマンティックなジャズ・サンバを聴かせてくれるインスト。Sergio Mendesのピアノが素敵です。ここでもBud Shankのフルートが大活躍!
「One Note Samba (Samba De Uma Nota So)」
Newton Mendonca/Antonio Carlos Jobim作の名曲をカヴァー。Sergio Mendes & Brasil'66でも本曲をカヴァーしていますが、軽快なBrasil'66ヴァージョンと比べて本ヴァージョンはジャジー&ロマンティックな仕上がりです。Wanda Saのクールなヴォーカルもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=2i5w6btA_UI
本曲について、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66以外にもNara Leao、、Trio 3D、Chris Montez、Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.、Stacey Kentのカヴァーも紹介済みです。
「She's Carioca」
Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作のボサノヴァ・スタンダードをカヴァー。ここではRosinhaのボサノヴァ・ギターにBud Shankのフルートが寄り添うインスト・カヴァーで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=5vNhofd-E5s
本曲について、当ブログではAstrud Gilberto、Walter Wanderley、Celso Fonseca、Joao Gilberto、Vinicius Cantuariaのカヴァーを紹介済みです。
「Muito A Vontade」
Joao Donato作のジャズ・サンバ名曲をカヴァー。当ブログではLe Trio Camaraのカヴァーも紹介済みです。美しいSergio Mendesのピアノに魅了されるロマンティックなインスト・カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=fnJyl6PgZqo
「Let Me (Deixa)」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作(英詞Norman Gimbel)。Bud Shankのサックスに続き、Wanda Saのキュートなヴォーカルを堪能できます。Wanda Sa目当てであれば、この曲が一番グッとくるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=YmgqV0FEyso
本曲について、当ブログではElis Regina、Sambalanco Trio、The G/9 Group、O Quartetoのカヴァーを紹介済みです。
「Consolacao」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作の名曲。Rosinhaが女流Baden Powellと呼ばれる所以が実感できるギター・プレイが魅力のアフロ・サンバを満喫しましょう。
本曲については、当ブログではTamba 4、Tenorio Jr.、Celso Fonseca、A Bossa Eletrica、Agustin Pereyra Lucena、Sambalanco Trio、Sirius B、Nara Leao、Trio 3Dのカヴァーを紹介済みです。
「Reza」
Edu Lobo/Ruy Guerra作。ラストはEdu Loboのミステリアスな名曲のカヴァーで締め括ってくれます。Wanda Saのクールなヴォーカルがこの曲にマッチしています。この曲もSergio Mendes & Brasil '66で再びカヴァーしているので聴き比べるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=wBWz9TbXwf0
本曲について、当ブログではEdu Loboのオリジナルや前述のSergio Mendes & Brasil '66に加えて、Lennie Dale & Sambalanco Trio、Tamba 4、The Carnivalのカヴァーも紹介済みです。
Sergio Mendes作品の過去記事もご参照下さい。
『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)
『Equinox』(1967年)
『Look Around』(1968年)
『Fool On The Hill』(1968年)
『Sergio Mendes' Favorite Things』(1968年)
『Crystal Illusions』(1969年)
『Vintage 74』(1974年)
『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)
Wanda Sa(Wanda De Sah)およびRosinha De Valencaの過去記事もご参照下さい。
Wanda Sa(Wanda De Sah)『Vagamente』(1964年)
Wanda Sa(Wanda De Sah)『Softly!』
Rosinha De Valenca『Cheiro De Mato』(1976年)