発表年:1977年
ez的ジャンル:国民的歌手系MPB
気分は... :ラストはElisで締め!
明日は毎年恒例の『ezが選ぶ2013年の10枚』をエントリーするので、通常エントリーは今回が最後となります。2013年最後の1枚にセレクトしたのはElis Regina『Elis (1977)』(1977年)です。
これまで当ブログで紹介してきたブラジルの国民的歌手Elis Reginaの作品は以下の10枚。
『Elis Especial』(1968年)
『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
『Aquarela Do Brasil』(1969年) ※Toots Thielemansとの共演
『Elis Regina in London』(1969年)
『Em Pleno Verao』(1970年)
『Ela』(1971年)
『Elis (1972)』(1972年)
『Elis (1973)』(1973年)
『Elis (1974)』(1974年)
『Essa Mulher』(1978年)
前にも書きましたが、『Elis』のタイトルのオリジナル・アルバムを1966年、1972年、1973年、1974年、1977年、1980年にリリースしているのでややこしいです。区別するために、便宜上タイトルの後にリリース年を表記しています。
今回紹介する『Elis (1977)』はこの時期のElisの充実ぶりを示す1枚であり、派手さはありませんが「Caxanga」、、「Qualquer Dia」、「Romaria」など名唱がズラリと並ぶ名盤だと思います。
Milton Nascimento、Ivan Lins、Joao Boscoといった実力派アーティストの作品以外に、Renato Teixeira、Claudio Lucciといった気鋭のアーティストの作品も取り上げています。Renato Teixeiraはムジカ・カイピーラ(ブラジル田舎音楽)を代表するアーティストですが、本作で彼の作品をElisが取り上げたことで注目されるようになりました。
公私のパートナーCesar Camargo Marianoがプロデュース/アレンジを担当し、レコーディングにはMilton Nascimento、Ivan Lins、Lucinha Lins(Ivanの奥方)、Sirlan、Ze Luiz等も参加しています。
この年は娘Maria Ritaを出産した年ですが、レコーディング時Mariaは母のお腹の中でこれらの名唱を聴いていたのでは?
国民的歌手Elisの風格が漂う1枚です。
1年の聴き納めに相応しい1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Caxanga」
Milton Nascimento/Fernando Brant作。作者Milton Nascimentoが12弦ギターとコーラスで参加しています。MiltonのミナスらしメロディをElisが力強いヴォーカルで歌い上げます。Miltonの曲力とElisの歌力が見事に融合した名演です。
http://www.youtube.com/watch?v=XSrEJf3kALc
「Colagem」
Claudio Lucci作。軽快なメロディにのって、Elisもリラックスしたヴォーカルを聴かせてくれます。適度にロッキンなサウンドもいいですね。終盤は雰囲気が一変し、ミステリアスなムードとなります。
http://www.youtube.com/watch?v=gt0KuREstY4
「Vecchio Novo」
Jose Marcio Pereira/Claudio Lucci作。哀愁のメロディを緩急織り交ぜて歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=q_pgmpZ5irc
「Morro Velho」
Milton Nascimento作。美しいギターの響きをバックに、Elisの噛みしめるようなヴォーカルが胸の奥へジワジワ響いてきます。当ブログではChristiane Legrandのカヴァーも紹介済みです。
http://www.youtube.com/watch?v=tL50wt6kxig
「Qualquer Dia」
Vitor Martins/Ivan Lins作。Ivan Lins自身のヴァージョンは『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)に収録されています。本ヴァージョンは作者Ivan Linsのピアノ&コーラスをバックに、Elisが淡く切ない思いを感動的なヴォーカルで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=KLnZxYGZfU0 ※ライブ音源
「Romaria」
Renato Teixeira作。邦題「巡礼」。本作を代表する名曲かもしれませんね。素朴なサウンドをバックにElisが感動的なヴォーカルで歌い上げます。Elisの偉大さを再認識できる名唱ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=KwkjS_OXbX8
「A Dama do Apocalipse」
Crispin Del Cistia/Nathan Marques作。本作のレコーディングにも参加しているCesar Camargo Marianoのバンド・メンバー2人の作品。そのせいかバンド・サウンドが色濃い仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=5_iZfZe1LFw
「Cartomante」
Vitor Martins/Ivan Lins作。Ivan Lins自身のヴァージョンは『Nos Dias De Hoje』に収録されています。この曲も名曲ですね。曲良し、歌良し、アレンジ良しと三拍子揃っています。作者Ivan Lins、奥方のLucinha Lins、Ze Luiz等が加わったコーラスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=-VGIFvAohtw
「Sentimental Eu Fico」
Renato Teixeira作。派手さはありませんが、ここでもCesar Camargo Marianoのアレンジ・センスが光ります。メロウ・サウンドをバックにしたElisのしっとりとしたヴォーカルに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=cS0vQbiTP6M
「Transversal do Tempo」
Aldir Blanc/Joao Bosco作。ラストはJoao Bosco作品。哀愁のメロディを情感豊かに歌い上げる美しいバラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=cwi_T2Zx8-k
Elis Regina作品の過去記事もご参照下さい。
『Elis Especial』(1968年)
『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
『Aquarela Do Brasil』(1969年)
『Elis Regina in London』(1969年)
『Em Pleno Verao』(1970年)
『Ela』(1971年)
『Elis (1972)』(1972年)
『Elis (1973)』(1973年)
『Elis (1974)』(1974年)
『Essa Mulher』(1978年)