発表年:2013年
ez的ジャンル:イタリア産クラブジャズ
気分は... :余計なものを削ぎ落とす!
昨年末にリリースされた新作クラブジャズ作品Francesco Lomagistro & Berardi Jazz Connection『A New Journey』です。
Berardi Jazz ConnectionはドラマーFrancesco Lomagistro、ピアニストEttore Carucciを中心に結成されたイタリアのジャズ・コンボ。これまで『The Way I Like』(2006年)、『Do It !』(2008年)、『Anyway』(2010年)といったアルバムをリリースしています。
4thアルバムとなる本作『A New Journey』を前にEttore Carucciがグループを脱退してしまいます。そこで本作はFrancescoがリーダーシップを発揮し、Francesco Lomagistro & Berardi Jazz Connection名義でのリリースとなっています。
本作におけるメンバーは、Francesco Lomagistro(ds)、Michele Campobasso(p、key)、Camillo Pace(b)、Vincenzo Presta(sax)、Francesco Lento(tp)の5名。
さらにゲストとして、Madame Pat Tandy(vo)、The Surgeon(Demetrius MacKay)(vo)が参加しています。
アルバム全体としては、ジャズ初心者でも楽しめるスタイリッシュな大人のジャズに仕上がっています。ソロ・パートをコンパクトにまとめて、わかりやすい演奏にしているところがいいですね。
特別なことはしていませんが、だからこそセンスが光るクラブジャズ作品に仕上がっています。
これぞ大人のクラブジャズ!
全曲紹介しときやす。
「Traffic Moods」
このコンボのスタイリッシュ&クールな魅力がコンパクトに凝縮されたオープニング。特にMichele Campobassoの小粋なピアノが印象的です。Francesco Lentoのトランペット・ソロもキマっています。
「Afro Tricks」
The Surgeon(Demetrius MacKay)のクールなスポークンワードをフィーチャー。Francescoの変幻自在なドラム、Francesco Lentoの哀愁トランペット、Michele Campobassoのエレピが演奏にさまざまな表情を与えています。
「The Dreamer」
派手さはないものスタイリッシュに仕上がっている大人のジャズ・チューン。軽くブラジリアン・フレイヴァーが入っているのも僕好み。
「Before The Trips」
オーセンティックなジャズですが、各人のソロ・パートをコンパクトにまとめて、わかりやすい演奏にしているところがいいですね。そんな中でFrancescoのドラム・ソロはキマっています。
「Follow Me」
僕の一番のお気に入り曲。ミステリアスかつリズミックで、さらにエレガントさも兼ね備えた演奏にグッときます。
「Money」
Roger Waters作。Pink Floyd<『Dark Side Of The Moon(邦題:狂気)』収録の有名曲をカヴァー。Madame Pat Tandyのヴォーカルをフィーチャーし、プログレ有名曲がファンキー・ジャズ・チューンに生まれ変わっています。
「Today News」
これは北欧クラブジャズ風の演奏ですね。疾走感と聴かせる部分のメリハリがいい感じです。Camillo Paceのベースにグッときます。
「Fred」
Francescoのドラムを中心にブラジリアン・フレイヴァーの小粋なアンサンブルを聴かせてくれます。Vincenzo Prestaのサックスがいい感じです。
「Don't Stop The Sound」
実に気の効いたハードバップ・チューン。ハードバップ的な格好良さをコンパクトに凝縮して聴かせてくれます。
「5431」
ラストは伊達男の国のクラブジャズらしい素晴らしいアンサンブルでスタイリッシュにキメてくれます。
Berardi Jazz Connectionの過去作品もチェックを!
『The Way I Like』(2006年)
『Do It !』(2008年)
『Anyway』(2010年)