発表年:1980年
ez的ジャンル:音楽一家系ジャズ・フルート
気分は... :フルートが主役です!
今回はジャズ・フルート奏者Hubert Lawsが1980年にリリースした『Family』です。
Hubert Lawsは1939年テキサス州ヒューストン生まれのフルート奏者。音楽一家Lawsファミリーの次男であり、四男Ronnieはサックス奏者として、三男Johnnie、長女Eloise、次女Debraはシンガーとして活動しています。
Hubertは初期Jazz Crusadersに参加し、ジュリアード音楽院卒業後、本格的なプロ活動を開始。60年代後半から80年代初めにかけて数多くのリーダー作を残しています。また、サイドメンとしても数多くのレコーディングに参加しています。
今日紹介する『Family』は、フリーソウル、Hip-Hop方面から再評価の高い1枚です。
アルバム全体としては親しみやすいフュージョン作品といった印象です。
レコーディングにはHubert Laws(fl、piccolo)以下、Nathan East(b)、Leon Ndugu Chancler(ds)、Bobby Lyle(key)、Chick Corea(key)、Earl Klugh(g)、David T. Walker(g)、Debra Laws(vo)等が参加しています。
キラー・チューン「Family」、サンプリング・ソースとしても人気の「What a Night」、ファンキー・ブラジリアン・フュージョン「Wildfire」、亡きMinnie Ripertonに捧げられた「Memory of Minnie (Riperton) 」 などキャッチーな演奏を楽しめます。
脇役の楽器のイメージが強いフルートがしっかり主役を務めているのがいいですね。
全曲紹介しときやす。
「Ravel's Bolero」
Maurice Ravel作。オープニングはクラシックのカヴァーです。クラシックの素養もあるHubert Lawsらしい選曲かもしれません。
「What a Night」
Hubert Laws作。落ち着きのあるメロウ・フュージョンです。フルートを堪能するにはこの位のミディアム・テンポがいいかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=QXi7zqyyoOM
Zhane「Last Dance」をはじめ、LL Cool J「Mr. Smith」、Bushwackass「Caught Up in the Game」等のサンプリング・ソースとしても人気です。
LL Cool J「Mr. Smith」
http://www.youtube.com/watch?v=4HZytB4wPp4
Bushwackass「Caught Up in the Game」
http://www.youtube.com/watch?v=T91bTbB6m6o
Zhane「Last Dance」
http://www.youtube.com/watch?v=c4Qw6gGGjCE
「Wildfire」
Nathan East作。疾走するファンキーなブラジリアン・フュージョン。Nathan East & Leon Ndugu Chanclerのリズム隊の活躍も目立ちます。
http://www.youtube.com/watch?v=QH31S06r3SA
「Family」
Hubert Laws作。タイトル曲は妹Debra Lawsをフィーチャーした本作のハイライト。フリーソウル・クラシックとしても人気のアーバン・メロウ・フュージョンです。Debraのヴィヴィドなヴォーカルと軽やかなHubertのフルートを満喫できます。Nathan Eastのベースもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=k5Vd454LvR0
Mondo Grossoがカヴァーしていましたね。僕も『Born Free』収録のMondo Grossoヴァージョンを聴いて、本曲のことを知った次第です。
Mondo Grosso「Family」
http://www.youtube.com/watch?v=EaJeT0PaDbM
また、The Beatnuts「Ya Betta Believe It」、Heather B「If Headz Only Knew」、Sadat X「Famalame」、Kero One「The Cycle Repeats (Remix)」のサンプリング・ソースになっています。
The Beatnuts「Ya Betta Believe It」
http://www.youtube.com/watch?v=263jDw-1BSM
Sadat X「Famalame」
http://www.youtube.com/watch?v=HNFdBDTRA94
「Memory of Minnie (Riperton) 」
Hubert Laws作。タイトルの通り、前年惜しくも逝去したMinnie Ripertonに捧げられた楽曲です。といっても湿っぽくならずに、美しく爽やかな演奏を聴かせてくれます。Chick Coreaがピアノ・ソロで聴かせてくれます。
「Say You're Mine」
Hubert Laws作。ラストは美しきバラードかと思わせる序盤から一気にファンキー・モードへ!ファンキー・ホーン隊をHubertのフルートが牽引します。
Hubert Lawsの他作品もチェックを!
『The Laws of Jazz』(1964年)
『Flute By-Laws』(1966年)
『Laws' Cause』(1968年)
『Afro-Classic』(1970年)
『The Rite of Spring』(1971年)
『Wild Flower』(1972年)
『Morning Star』(1972年)
『In the Beginning』(1974年)
『The Chicago Theme』(1975年)
『The San Francisco Concert』(1975年)
『Romeo & Juliet』(1976年)
『Say It With Silence』(1978年)
『Land of Passion』(1978年)
『Make It Last』(1983年)