2014年01月28日

D-Nice『Call Me D-Nice』

Boogie Down Productionsのメンバーによる1stソロ☆D-Nice『Call Me D-Nice』
Call Me D-Nice (Special Edition)
発表年:1990年
ez的ジャンル:サウス・ブロンクス系Hip-Hop
気分は... :グラミーを観てしまいましたが・・・

毎年興味ないと言いながら、観てしまうグラミー賞。
今年はNFLプロボウルと時間がモロに重なりましたが、ついつい観てしまいました。

まぁ、誰が何を受賞した云々にはあまり興味がないので、素晴らしいパフォーマンスのみを期待してここ数年は観ています。

今年でいえば、面白かったのはDaft PunkPharrell WilliamsNile RodgersStevie Wonderぐらいでしたかね。

正直、オープニングのBeyonce & Jay-Zの夫婦共演や、Paul McCartneyとRingo Starrの共演は、もう少しやりようがないのかなぁ・・・と物足りなさを感じました。

受賞には興味がないと言いましたが、Daft Punkの主要部門受賞は、彼らのクリエイティヴな音楽活動の弊害になるような気がします。今後US音楽ビジネスの渦に飲み込まれないことを祈るばかりです。まぁ、難しいと思いますが・・・

今回はBoogie Down ProductionsのメンバーD-Niceの1stソロ・アルバム『Call Me D-Nice』(1990年)です。

D-Nice(本名:Derrick Jones)は1970年生まれ。KRS-OneDJ Scott La Rockと共にサウス・ブロンクスの強力Hip-HopユニットBoogie Down Productionsのメンバーとして活躍してきたD-Nice

ソロ名義では『Call Me D-Nice』(1990年)、『To Tha Rescue』(1991年)という2枚のアルバムをリリースしています。

同じBoogie Down Productionsのメンバーでも、硬派なイメージのKRS-Oneとは少し異なるキャラを感じるD-Nice

そんな彼のキャラを明確に感じることができるのが1stソロ・アルバム『Call Me D-Nice』(1990年)です。自身がプロデュースを手掛けた本作からはタイトル曲「Call Me D-Nice」がヒットしました。

その「Call Me D-Nice」をはじめ、オールド/ミドル・スクールのキャッチーな魅力を満喫できる1枚に仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「Crumbs on the Table」
アルバムからの2ndシングル。Laura Lee「Crumbs Off the Table」ネタのループにのって、D-Niceがスムーズなフロウを聴かせてくれます。オールド/ミドル・スクール的な味わいを満喫できます。Mikey Dread「Comic Strip」、「Operator's Choice」、「Saturday Night Style」もサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=MJStI9-mNao

「Call Me D-Nice」
本作のハイライトとなるHop-Hopクラシック。The Turtles「Buzzsaw」のオルガン・フレーズとPaul Nero「(This Is) Detroit Soul」のベース・ラインを組み合わせた重量トラックがサイコーです。重量トラックなのに、少しユルい感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=iPuvn4-x8ww

この重量トラックはIce Cube「Jackin' for Beats」、Mary J. Blige feat. Jermaine Dupri「Everything (So So Def Remix)」でもサンプリングされています。

Ice Cube「Jackin' for Beats」
 http://www.youtube.com/watch?v=oTfkAicXmEo
Mary J. Blige feat. Jermaine Dupri「Everything (So So Def Remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=Wgkbwef5EnA

「Glory」
Denzel WashingtonやMorgan Freemanが出演した南北戦争を舞台にしたドラマ『Glory』(1989年)のサントラ収録曲でシングル・カットもされました。PVにも映画シーンが挿入されています。このあたりはBDPらしい曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=IBQf5VI3h_Q

「The TR 808 Is Coming」
タイトルはD-Niceの兄貴分であった故DJ Scott La RockがD-Niceのヒューマン・ビートボックスを称したフレーズなのだとか。Three Dog Night「Mama Told Me (Not to Come)」のサンプリング・ループを使ったシンプルなトラックをバックに、D-Niceがリリックを重ねていきます。。
http://www.youtube.com/watch?v=AqAS2aoW_dQ

「Under Some Budda」
レゲエ・トラックにのって頭がイカれた奴について歌っています。
http://www.youtube.com/watch?v=_xD9z8-xIdc

「It's Over」
女優のDawnn Lewisをフィーチャー。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。90年前後らしいダンサブルでメロディアスな仕上がりです。軽快なD-Niceのフロウとキャッチーな女性コーラスが良くマッチしています。効果的なスクラッチも格好良い!
http://www.youtube.com/watch?v=3PCy1oRdAnk

「A Few Dollars More」
Blue Mitchell「Square Business」 をサンプリングしたファンク・トラックをバックに、D-Niceのフロウが冴えます。
http://www.youtube.com/watch?v=U6Dj5FrNwaI

「It's All About Me」
軽快なトラックにのって、D-Niceが自身のことを存分に語った1曲。D-Nice自身はこの曲のタイトルをアルバム・タイトルにしたかったようですが、レコード会社に却下された模様です。
http://www.youtube.com/watch?v=LbNnJg3RmuU

「Pimp of the Year」
女たらしに気を付けろ!といった歌です。The Pazant Brothers and The Beaufort Express「A Gritty Nitty」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=gxsp8JTQErw

「And You Don't Stop」
James Brown「Mind Power」をサンプリングしたファンキー・トラックがサイコーのパーティー・チューン!
http://www.youtube.com/watch?v=QXFyrBbimrY

『To Tha Rescue』(1991年)
To Tha Rescue

BDPの過去記事もご参照ください。

Boogie Down Productions『By All Means Necessary』(1988年)
By Any Means Necessary
posted by ez at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする