発表年:2002年
ez的ジャンル:シカゴ系スロウコア/サッドコア
気分は... :浮かんでは消える夢・・・
今回は美しく儚い音世界が魅力の1枚、L'Altra『In The Afternoon』(2002年)です。
シカゴ出身のスロウコア/サッドコアのグループL'Altraの紹介は、デビュー・アルバム『Music Of A Sinking Occasion』(2000年)に続き2回目となります。
2ndとなる本作『In The Afternoon』はLindsay Anderson(vo、key)、 Joseph Costa(vo、g)、Ken Dyber(b)、Eben English(ds)という4名のメンバーによる最後の作品となります。
本作を最後にKen DyberとEben Englishが脱退し、Lindsay AndersonとJoseph Costaの男女デュオとして活動するようになります。
正直、リアルタイムで聴いた1st『Music Of A Sinking Occasion』(2000年)以外はあまり聴いたことがありませんでしたが、この2nd『In The Afternoon』の方が美しく儚いL'Altra本来の音世界を体現できる1枚かもしれません。
最初聴くと、暗くて悲しいアルバムという印象を受けるかもしれませんが、浮かんでは消える夢のような美しく儚い音世界を何度も聴いていると、達観の境地となり、無になることができます。
毎日聴きたいとは思いませんが、たまに聴くと心を整えることができる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Soft Connection」
美しくも切ないL'Altraならではの音世界を堪能できるオープニング。悲しげなJosephのヴォーカルを遮るようなLindsayのヴォーカル・・・決して交わらな2つの思い・・・う〜ん、切ない。
http://www.youtube.com/watch?v=Hym9CikPono
「Certainty」
浮かんでは消える空虚な夢・・・といった趣の仕上がり。終盤の美しいトランペットの音色が実に儚い・・・
「Black Arrow」
僕の一番のお気に入り。Lindsayのレイジーなヴォーカルと美しいアレンジが傷ついた心を癒してくれます。待つのは終わり・・・矢は放たれた・・・
http://www.youtube.com/watch?v=mz3WfIQuqBQ
「A Delicate Flower」
タイトルのあるように繊細な音世界が展開されます。時間がゆっくりと流れていくような感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=odLbBwXXwKI
「Traffic」
Lindsayの切ないヴォーカルと共に、やり場のない不安と悲しみが込み上げてきます。そして今は雨が降っている・・・
「Ways Out」
この曲も出口なしの悲劇といった感じです。人生は実に儚く、空虚なものなのか・・・チェロの美しい響きが涙雨のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=Usb6NaAS5bY
「Moth In Rain」
シカゴ派らしい仕上がり。雨を眺めながら、現実逃避といった趣です。儚くも美しい夢世界といった音世界が展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=9Lb9K4wjukM
「Broken Mouth」
美しくも悲しげなピアノが先導します。前半の悲しみに満ちた音色から、終盤は一筋の光明が見えるかのような音色へ変化していきます。
http://www.youtube.com/watch?v=9C89ubnvOBE
「Afternoon Sun」
アルバムの中でも最も美しく安らいだ雰囲気の曲。それはようやく悲しみから逃れることができた天国からの歌声のように聴こえます。
http://www.youtube.com/watch?v=kepdkdvuBYY
「Goodbye Music」
本編のラストはレクイエムのような締め括り。
国内盤には「Unperfect Storm」、「Colours」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。本編の雰囲気とは多少異なるシカゴ派らしい音世界が楽しめる2曲です。
L'Altraの他作品もチェックを!
『L'Altra』(1999年)
『Music Of A Sinking Occasion』(2000年)
『Different Days』(2005年)
『Telepathic』(2010年)