発表年:1969年
ez的ジャンル:キュート系ブラジル人女性シンガー
気分は... :雪に惑わされ・・・
大雪で週末のスケジュールが大きく狂いそうです。
週末に色々な用件を片付けなければいけないのに困ったものです。
今回はキュートなブラジル人女性シンガーClaudette Soaresが1969年にリリースした作品『Claudette』です。
Claudette Soaresは1937年リオ・デ・ジャネイロ生まれの女性シンガー。10代の頃からショー・ビジネスの世界でラジオ・シンガーとして活躍するようになり、1958年に1stシングルをリリースしています。
その後、60年代から70年代に『E Dona Da Bossa』(1964年)、Claudette Soares com Taiguara e Jongo Trio『Primeiro Tempo 5x0』(1966年)、『Claudette Soares』(1967年)、『Gil, Chico e Veloso por Claudette Soares』(1968年)、『Claudette』(1969年)、『Quem Nao E A Maior Tem Que Ser A Melhor』(1969年)、『Claudette No. 3』(1970年)、『De Tanto Amor』(1971年)、『Voce』(1974年)、『Fiz Do Amor Meu Canto』(1976年)、Claudette Soares & Dick Farney『Tudo Isto E Amor』(1976年)Claudette Soares & Dick Farney『Tudo Isto E Amor vol. 2』(1977年)といったアルバムをリリースしています。
キュートなボサノヴァ・シンガーとして脚光を浴びたClaudetteですが、今回紹介する『Claudette』(1969年)はClaudetteの新たな魅力が引き出された1枚です。
Gilberto Gil、Caetano Veloso、Chico Buarqueの作品を取り上げた前作『Gil, Chico e Veloso por Claudette Soares』でトロピカリズモに接近したClaudetteですが、本作では多彩なコンポーザーの作品を取り上げ、新境地を開拓した1枚に仕上がっています。
Antonio Adolfo、Nelson Motta/Dori Caymmi、Caetano Veloso、Jorge Ben、Marcos Valle、Walter Santos/Tereza Souzaなどの作品を取り上げ、キュートな側面のみならず、しっとりと円熟味を増した歌声も聴かせてくれます。
サウンド面ではJose Briamonte、Cesar Camargo Mariano
という2人の敏腕アレンジャーがブレインとなり、Claudetteの新境地開拓に大きく貢献しています。
ボサノヴァ、トロピカリズモを経た当時のブラジル音楽の縮図のような1枚に仕上がっていると思います。
より艶やかさを増したClaudetteの歌声を満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Trem De Ferro」
Lauro Maia作。軽快なマルシャ・チューン。切ない恋心を吹っ切るように軽やかな歌声で歌います。
http://www.youtube.com/watch?v=KGbyuMBx09I
「Meia Volta (Ana Cristina)」
Tiberio Gaspar/Antonio Adolfo作。美しいメロディをしっとりと歌い上げます。美しいストリングスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=UuD9dx-svzI
「Rosa Da Gente」
Nelson Motta/Dori Caymmi作。人生を謳歌している華やかさのようなものが伝わってくる1曲。小粋なイントロも好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=q30e9WTfRRo
「Kosmus」
Mariozinho Rocha/Cesar Camargo Mariano作。アポロ11号による月面着陸があった年ということで、宇宙をテーマにClaudetteが歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=xxcybZ4CHI0
「Cancao De Chorar」
Nonato Buzar/Chico Anisio作。泣くための歌ということで哀愁モードたっぷりにClaudetteが歌います。
http://www.youtube.com/watch?v=Mlb7pX265bU
「Atras Do Trio Eletrico」
Caetano Veloso作。Caetanoのオリジナルは当ブログでも紹介した『Caetano Veloso』(1969年)に収録されています。前作『Gil, Chico e Veloso por Claudette Soares』でCaetano作品を大々的に取り上げたClaudetteですが、ここでもCaetanoらしい楽曲を軽やかに歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=CoWpVfZXM0g
「Correnteza」
Tiberio Gaspar/Antonio Adolfo作。「Meia Volta (Ana Cristina)」と同じコンビによる楽曲です。ここでも美しいメロディ&エレガントなアレンジがClaudetteのヴォーカルにマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=-pL6lVBrURo
「O Cravo Brigou Com A Rosa」
Jorge Ben作。Jorge Ben作品らしいリズミックなサウンドを上手く取り入れています。
http://www.youtube.com/watch?v=ZGn-mHVrpVU
「O Amor E Chama」
Paulo Sergio Valle/Marcos Valle作。Valle兄弟によるバラードを哀愁モードたっぷりに歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=pJZyJuKJNwo
「Vem, E Primavera」
Arnoldo Medeiros/Tito Madi作。春の訪れを心待ちにする女心が歌われるワルツ調の仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=KZZvqHU4sd0
「Vem Balancar」
Walter Santos/Tereza Souza作。当ブログでもお馴染みの女性ジャズ・シンガーLuciana Souzaの両親による作品。当ブログではMario Castro-Neves & Samba S.A.のヴァージョンも紹介済みです。今日的にはグルーヴィーな仕上がりの本曲が本作のハイライトかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=ErPnla7gCrQ
Claudette Soaresの他作品もチェックを!
『E Dona Da Bossa』(1964年)
Claudette Soares com Taiguara e Jongo Trio『Primeiro Tempo 5x0』(1966年)
『Claudette Soares』(1967年)
『Gil-Chico-Veloso Por Claudette Soare』(1968年)
『Feitinha Pro Sucesso Ou Quem Nao E A Maior Tem Que Ser A Melhor』(1969年)
『Claudette No. 3』(1970年)
『De Tanto Amor』(1971年)