2014年02月09日

Jupiter & Okwess International『Hotel Univers』

コンゴ発!21世紀のレベル・ミュージック☆Jupiter & Okwess International『Hotel Univers』
ホテル・ユニヴァース(解説・ブックレット訳付)
発表年:2013年
ez的ジャンル:レベル・ミュージック系アフロ・グルーヴ
気分は... :過度な期待はせずに・・・

今回はコンゴ(コンゴ民主共和国)のレベル・ミュージックJupiter & Okwess International『Hotel Univers』です。

Jupiter & Okwess Internationalは、コンゴ出身のシンガーJupiterを中心としたユニット。Jupiterは1965年コンゴ北部の生まれ。

祖母がヒーラー(神霊治療師)であり、祖母から学んだゼボラ(霊が憑依した女性のダンス)がJupiterの音楽的ルーツとしてあるようです。外交補佐官であった父親の仕事の関係で旧東ドイツのベルリンに住んでいた経験もあり、そこでロックやファンクと出会い、自身もバンドを組んでいました。当時からアフリカの打楽器と欧米のロック/ファンクの融合を目指していたようです。

父の任期が終わり、コンゴに帰国後は首都キンシャサで自身のバンドOkwess Internationalを結成し、独自のゲットー・ミュージックを追求していきます。

Jupiterが最初に注目を浴びたのが、2006年公開のフランスのドキュメンタリー映画『Jupiter's Dance (La Danse de Jupiter) 』です。キンシャサ、ゲットー地区の無名ミュージシャンの活動を収めたこの映画で大きくフィーチャーされたのが、ゲットーで20年以上もバンド活動を続けるJupiterでした。ただし、同映画に登場したミュージシャンの中で、車椅子の障害者とストリート・チルドレンから成るバンドStaff Benda BililiがJupite以上に注目されてしまい、結果としてJupiterは少し割を食ってしまったようです。

Staff Benda Bililiの後塵を拝したJupiterですが、仕切り直しで完成させた世界進出作品が本作『Hotel Univers』です。楽曲の大半はDVD『Jupiter's Dance』のカップリングCD『Man Don't Cry』にも収録されたものですが、全面的にレコーディングし直し、アコースティック・セッションが中心であった『Man Don't Cry』ヴァージョンとは別物のハイテンションのバンド・サウンドで埋め尽くされています。『Man Don't Cry』は未聴ですが・・・

Jupiter自身はコンゴの多様な民族の持つ多様な伝統音楽・リズムをコンゴの宝と捉え、そのリズムとロック/ファンク/レゲエ等のエッセンスを融合させた音楽を目指しているようです。こうして生み出されるへヴィなアフロ・グルーヴがたまらく格好良いですね。

彼の音楽はコンゴの人々が直面している厳しい日常を歌うレベル・ミュージックであり、そこにはコンゴ人としてのアイデンティティと困難を乗り越えようとする魂の叫びがあります。

アフリカのレベル・ミュージックという意味では、Fela Kutiあたりがお好きな人は共感できるところが多い作品だと思います。

本作を聴くに際して、自分がコンゴ民主共和国について何も知らないことを猛省してしまいました。

首都キンシャサと聞いて、旧国名のザイールやモハメド・アリがジョージ・フォアマンに勝利した「キンシャサの奇跡」位しか思いつかなかったり、2つのコンゴ(コンゴ民主共和国とコンゴ共和国)があることは分かっていても、実際に両者の区別は殆どつかなかったり・・・もっと今のコンゴ民主共和国や現在に至る紛争の経緯なども知っておく必要がありますね。

きっと僕のような人間がいるからこそ、世界に向けてキンシャサのゲットー・ミュージックを発信する意義があるのでしょうね。

サウンドの格好良さに加え、こうしたゲットーの叫びに耳を傾けましょう。

全曲紹介しときやす。

「Bapasi」
インパクト大のオープニング。キンシャサで暮らす人々の苦しみを歌ったレベル・ミュージック!コンゴの伝統音楽を融合させた重量アフロ・ファンク・サウンドが炸裂します。苦難を乗り越えるための黒いファンキー・グルーヴに一発でKOされる方も多いはず!
http://www.youtube.com/watch?v=w0qo6dL6Q98

「Margerita」
アフロビート的なアッパー・チューン。軽快なリズムにのって、男を誘惑するイイ女について歌います。

「Bakwapanu」
伝統音楽ムトゥアシを基調とした曲なのだとか。個人的にはロックのエッセンスをうまく取り入れているのが印象的です。ホーン・セクションやマリンバも加わり、盛り上げてくれます。

「Evala Interlude」
有名ヒーラーであるEvala Valaによるインタールード。

「The World Is My Land」
テンションの高さではアルバム随一かも?煽動的なギター・リフとファンキー・リズムを聴いていると、自然とアドレナリンが出まくります。

「Yaka」
同郷のラッパーBebson de la Rueをフィーチャー。伝統的な儀式の音楽を電子サウンド化したような雰囲気です。ジワジワとテンションが上がってきます。

「Mwana Yokatoli」
「Bapasi」と並ぶ僕のお気に入り。ギター・リフが印象的なファンク・チューンです。バンドの一体感もある魅力的な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=3Ppnn_POvlM ※ライブ映像

「Congo」
祖国の現状を嘆いた哀愁のレベル・ミュージック。こういった曲を通じて、僕自身のコンゴ民主共和国の現状を認識したいと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=kBxYPVTE3ng

「Tshanga Tshungu」
有名ヒーラーであるEvala Valaをフィーチャー。Jupiterの部族に根ざしたゼボラの曲なのだとか。音楽療法な歌、演奏として聴くと興味深いかも?

「Nelly Interlude」
女性コーラスNellyによるインタールード。

「Solobombe」
アフリカン・リズムを重視したファンキー・チューン。祖国のアイデンティティをリズムと歌で表現した1曲です。

「Djwende Talalaka」
ラストはフォーキーな味わい。美しいメロディにのって彼の生き方が歌われます。

これからはしばらくオリンピック・モードで寝られなくなりますね。まずはフィギュアスケート団体と女子モーグル決勝に注目ですね。過度な期待はせずに応援したいですが、それでも浅田真央と上村愛子の2選手は特別な思いで見守ってしまいそうですね。努力は報われる!そんな結果になれば最高ですが・・・
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2014年02月08日

Today『The New Formula』

NJSの人気グループの2ndアルバム☆Today『The New Formula』
New formula
発表年:1990年
ez的ジャンル:Motown系NJS
気分は... :雪景色・・・

都内は本格的に雪景色になってきましたね。
今日は家で大人しくしていようっと・・・

今回はNew Jack Swing(NJS)の人気グループであったTodayの2ndアルバム『The New Formula』(1990年)です。

Todayは1988年ニュージャージーで結成された男性R&Bグループ。メンバーはLarry Singletary(Chief)Larry McCain(Love)Wesley Adams(Wes)Fredrick Drakeford(Big Bub)の4名。

1988年にMotownからデビュー。Teddy Rileyらがプロデュースした1stアルバム『Today』(1988年)からは、「Him or Me」(全米R&Bチャート第3位)、「Girl I Got My Eyes On You」(同R&Bチャート第1位)といったヒットが生まれ、一躍NJSの人気グループとして注目を浴びました。

「Him or Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=NTqY_u3DcZ4
「Girl I Got My Eyes On You」
 http://www.youtube.com/watch?v=Z8897WZKqD4

さらにHip-HopデュオKid 'n Playが主演した映画『House Party』(1990年)のサントラに収録された「Why You Get Funky On Me」も全米R&Bチャート第2位のヒットとなりました。さらには2ndアルバム『The New Formula』をリリースし、順調なように見えたグループでしたが、さまざまな問題を抱えていたようで1991年に活動を停止してしまいます。メンバーのうちBig Bubはソロ・アーティストとしてアルバムを数枚リリースしています。

数年前にリユニオンし、アルバムもリリースしているようです。

New Jack Swing(NJS)をリアルタイムで聴いていた方であれば、お馴染みのグループですよね。何よりTeddy Rileyプロデュースのグループということで注目度も高かったですよね。

今日紹介する2nd『The New Formula』(1990年)にはTeddy Rileyは関与していません。しかしながら、Gene GriffinBernard BelleThe Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)Nat Adderley Jr.Dr. Freezeといったプロデューサー陣による充実のNJS作品に仕上がっています。

前半はアッパーなNJS、後半はバラード中心の構成となっています。Big Bubの存在感のあるバリトン・ヴォーカルが目立つ曲が強力ですね。個人的にはThe Characters、Bernard Belle絡みの曲が気に入っています。

アッパーなNJSサウンドに注目が集まるアルバムですが、コーラス・グループとしての彼らの魅力も堪能できる1枚に仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「I Got The Feeling」
Dr. Freezeプロデュース。アルバムからの2ndシングルとして全米R&Bチャート第12位となっています。Lyn Collins「Think (About It)」をサンプリングした重量感のあるNJS。Big Bubのバリトン・ヴォーカルもパワフルです。
http://www.youtube.com/watch?v=wQTxdfn2zko

「Every Little Thing About You」
The Charactersプロデュース。アッパーなNJSサウンド、Big Bubの存在感のあるバリトン・リード、爽快なコーラスワークが一体化した素晴らしい出来栄え。
http://www.youtube.com/watch?v=sQqraLTtClY

「Self Centered」
The Charactersプロデュース。妖しげなシンセ・ベースをバックにBig Bubの迫力のあるバリトンを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=4GQIxqc5W_g

「Let Me Know」
Bernard Belleプロデュース。Loveの爽快テナーが栄えるこの時期らしいアッパー・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=g6TjpycvMY0

「Why You Get Funky On Me (Remix)」
Gene Griffinプロデュース。前述の『House Party』のサントラ収録曲のリミックス。僕の場合、『House Party』のサントラも持っていましたが、できれば、オリジナルをそのまま収録して、ボートラでリミックスのようなかたちにして欲しかったですね。曲自体は『House Party』サントラのオープニングを飾ったキャッチーでアッパーなNJSに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=n5iZTJZxOu8

「Why You Get Funky On Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=AvcYMK1hano

「Trying To Get Over You」
Nat Adderley Jr.プロデュース。それまでのアッパーな雰囲気から一転し、しっとりとしたミディアム・スロウで落ち着かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=u6QTSJmxUVE

「I Wanna Come Back Home」
Nat Adderley Jr.プロデュース。ヴォーカル・グループとしての彼らの魅力を満喫できる1枚に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=U425kPydqws

「Home Is Where You Belong」
The Charactersプロデュース。Big BubとLoveの素晴らしいツイン・リードを堪能できるバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=uuGwP9k2bQk

「Tennis Anyone」
Bernard Belleプロデュース。後半のバラード系ではコレが一番好き。Bernard Belleらしい手腕で胸キュンなバラードに仕上げています。グループも絶妙なヴォーカル・ワークを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=p5HIAwNGYGw

「Gonna Make You Mine」
The Charactersプロデュース。同じくThe Charactersがプロデュースした女性R&BシンガーWendy Motenのデビュー・シングル「Step by Step」の原曲です。そのようなことも手伝い、本作のハイライトとしてこの曲も挙げる人も多いのでは?The Charactersの手腕が光るキャッチーながらも切れ味のあるNJSに仕上がっています。Loveのテナーも曲調にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=jr20Y9oG-mM

Wendy Moten「Step by Step」
 http://www.youtube.com/watch?v=J1HIrWDDcq4

CDには以下の2曲がボーナス・トラックとして収録されています。

「No Need To Worry」
Bernard Belleプロデュース。NJS好きは間違いなく気に入るであろうハイテンションのアッパー・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=D9MTRro5S8w

「My Happiness」
Bernard Belleプロデュース。Big Bubのバリトン・ヴォーカルを存分に堪能できるバラード。改めてBig Bubが素晴らしいシンガーであると認識できる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=XuQPJR8Epb8

『Today』(1988年)
Today
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2014年02月07日

Jackie DeShannon『Your Baby Is A Lady』

シティ・ソウルにアプローチした異色作☆Jackie DeShannon『Your Baby Is A Lady』
ユア・ベイビー・イズ・ア・レイディ
発表年:1974年
ez的ジャンル:女性SSW系シティ・ソウル
気分は... :風雲急を告げる・・・

Jackie DeShannonは1944年ケンタッキー州生まれの女性シンガー・ソングライター。

1956年にSherry Lee名義でデビュー。1960年代に入ると、Sharon SheeleyとのコンビでBrenda Lee「Dum Dum」、The Fleetwoods「(He's) The Great Impostor」等のヒット曲を提供します。

1964年には彼女の楽曲「Needles And Pins」「When You Walk in the Room」をThe Searchersがカヴァーし、2曲共にUKで大ヒットさせました。同年にはThe Beatlesの米国ツアーに同行し、Ry Cooderと共にバンドを結成し、前座も務めました。

また、フォーク・ロックにも影響を与え、The Byrdsのデビュー・アルバム『Mr. Tambourine Man 』(1965年)には彼女の楽曲「Don't Doubt Yourself, Babe」が収録されています。

1965年には自身初の全米ヒット(全米チャート第7位)「What The World Need Now Is Love」を放っています。ただし、この曲は自身のペンによるものではなく、Hal David/Burt Bacharach作品ですが。1969年には自作曲「Put a Little Love in Your Heart」を大ヒット曲(全米チャート第4位)させました。

1975年にリリースしたアルバム『New Arrangement』には、Kim Carnesが1981年に大ヒットさせ、グラミーも受賞した「Bette Davis Eyes」が収録されています。

"元祖女性シンガー・ソングライター"、"美貌シンガー・ソングライター"と称されるJackie DeShannon。1963年から1970年代後半かけてコンスタントにアルバムをリリースしていますが、代表作となると何になるんですかね?僕も彼女のアルバムをきちんとフォローしているわけではないので、よくわかりません。サバービア好きの人であれば、『Me About You』(1968年)がお馴染みですね。

今回紹介する『Your Baby Is A Lady』(1974年)は、 Atlantic移籍第2弾アルバムです。前作『Jackie』(1972年)はJerry Wexler、Arif Mardin、Tom Dowdという強力トリオがプロデュースし、メンフィスでレコーディングしたカントリー・ソウル的な作品でしたが、本作『Your Baby Is A Lady』はN.Y.の腕利きスタジオ・ミュージシャンを多数起用したシティ・ソウル的な作品に仕上がっています。

レコーディングには、Cornell Dupree(g)、Hugh McCracken(g)、Keith Loving(g)、William Salter(b)、Richard Tee(p、org)、Arthur Jenkins(el-p、org)、Ken Bichel(syn)、Steve Gadd(ds)、Ralph MacDonald(per)、David Newman(sax)、Garnett Brown(tb)、Cissy Houston(back vo)、Deidre Tuck(back vo)、Gwen Guthrie(back vo)、Judy Clay(back vo)、J.R. Bailey(back vo)等が参加しています。

プロデュースはArthur Jenkins、Ralph MacDonald、William Eaton、William SalterによるチームAntisia Musicが担当しています。

僕が本作を購入したのも、Jackie DeShannonへの興味と共に、参加したスタジオ・ミュージシャンからシティ・ソウル的なサウンドを期待してのものです。全編モロにシティ・ソウルという訳ではありませんが、都会的なメロウ・サウンドをバックにしたブルーアイド・ソウルを楽しめます。

自作曲は3曲のみなので、シンガー・ソングライターの実力全開とはいきませんが、エヴァーグリーンな魅力を持つ楽曲が多いのがいいですね。

Jackie DeShannonらしいアルバムとは呼べないのかもしれませんが、僕好みの内容に満足できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Small Town Talk」
Bobby Charles/Rick Danko作。Bobby CharlesがThe BandのRick Dankoと共作した名曲をカヴァー。オリジナルは『Bobby Charles』(1972年)に収録されています。Jackieヴァージョンは、レゲエ調の心地好い和み系カヴァーに仕上がっています。

Bobby Charles「Small Town Talk」
http://www.youtube.com/watch?v=BeWoWMj0EE0

「Jimmie, Just Sing Me One More Song」
Vicki Gellman/Wendy Gell作。エヴァーグリーンな魅力を持つポップ・チューン。アルバムからの2ndシングルにもなりました。なかなかキュンときます。

「I Won't Let You Go」
Ralph MacDonald/William Salter作。ソウルフルな味わいの仕上がり。Jackieのヴォーカルもパワフルです。Garnett Brownがトロンボーン・ソロで盛り上げてくれます。

「(If You Never Have A Big Hit Record) You're Still Gonna Be My Star」
Doc Pomus/Myles Chase作。美しいバラードを味わい深く歌い上げます。タイトル、歌詞ともにJackieが歌うと意味深ですね。

「Your Baby Is A Lady」
Donna Weiss/Jackie DeShannon作。タイトル曲はアルバムからの第1弾シングルにもなりました。メロウかつ穏やかなシティ・サウンドは僕好み。Jackieのヴォーカルも爽快です。

「You Touch And You Go」
Jackie DeShannon/Vini Poncia作。Melissa Manchesterのプロデュース等でも知られるVini Ponciaとの共作。ブルーアイド・ソウル的な味わいにグッとくる1曲。Cissy Houstonらのバック・コーラスがソウル・フィーリングを高めてくれます。

「The Other Side Of Me」
Howard Greenfield/Neil Sedaka作。オリジナルはNeil Sedakaが10ccと組んだアルバム『The Tra-La Days Are Over』(1973年)に収録されています。この曲もエヴァーグリーンな魅力を持つ好カヴァーに仕上がっています。バック・コーラスにはJ.R. Baileyも参加しています。

Neil Sedaka「The Other Side Of Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=885sE3mALiM

「That's What I'm Here For」
Steven Schwartz作。キュートな魅力に溢れたメロウ・バラード。キュートな歌声で愛する人への献身を健気に歌うJackieにグッときます。

「You've Changed」
Jackie DeShannon/Vini Poncia作。ちょっぴり切ないブルーアイド・ソウル。本作らしいシティ・ソウル・フィーリングを満喫できます。重厚なバック・コーラス隊も素晴らしいです。

「I Don't Know What's The Matter With My Baby」
Ralph MacDonald/William Salter作。ラストなメロウなシティ・サウンドのミディアム・チューンで締め括ってくれます。スティール・ドラムがいいアクセントになっています。サウンド的にはコレが一番好きですね!

Jackie DeShannonの他作品もチェックを!

『Jackie DeShannon』(1963年)
Jackie Deshannon

『Breakin' It Up On The Beatles Tour!』(1964年)
Breakin' It Up on the Beatles Tour!

『Are You Ready For This?』(1966年)
Are You Ready for This?

『For You』(1967年)
For You

『Me About You/To Be Free』(1968年、1971年) ※2in1CD
Me About You / To Be Free

『What The World Needs Now Is Love』(1968年)
世界は愛を求めている(紙ジャケット仕様)

『Laurel Canyon』(1968年)
Laurel Canyon

『Put A Little Love In Your Heart』(1969年)
Put a Little Love in Your Heart

『Songs』(1971年)
Songs

『Jackie』(1972年)
ジャッキー

『New Arrangement』(1975年)
ニュー・アレンジメント
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2014年02月05日

MIDIval PunditZ『Midival Times』

インド古典音楽とエレクトロニカが融合したハイパー・ミュージック☆MIDIval PunditZ『Midival Times』
Midival Times
発表年:2005年
ez的ジャンル:インド産エレクトロニカ
気分は... :無心になる・・・

今回はインドのエレクトロニカ・ユニットMIDIval PunditZの2ndアルバム『Midival Times』(2005年)です。

MIDIval PunditZは1994年にインド、デリーで結成されたエレクトロニカ・ユニット。メンバーはGaurav RainaTapan Rajの2名。

これまで『Midival Punditz』(2002年)、『Midival Times』(2005年)、『Hello Hello』(2009年)という3枚のアルバムをリリースしています。

サーランギー、シタール、タブラ等によるインド古典音楽のエッセンスとエレクトロニカ/トランス/アンビエント/ダウンテンポを融合させたハイパー&ハイブリッド・サウンドが魅力のアルバムです。

インドのエッセンスを取り入れたダンス・ミュージックといえば、インド系イギリス人アーティストであるTalvin Singhあたりをイメージしてしまいますが、MIDIval PunditZの場合はよりインド古典音楽を意識したエレクトロニカ・サウンドという印象を受けます。

ダンサブルなアッパー・チューンもいいですが、個人的は心を落ち着かせてくれるアンビエント/ダウンテンポ系の楽曲が好きですね。

シタールの音色やタブラのリズムが大好きな僕には、なかなかグッとくるハイパー&ハイブリッド・サウンドです。

全曲紹介しときやす。

「Morning」
Shailendraによる神秘的なフルートと共にアルバムの幕が開きます。

「Saathi」
Bill LaswellとのユニットTabla Beat Scienceのメンバーでもあったサーランギー奏者&シンガーUstad Sultan Khanをフィーチャー。インドならではの崇高さを持つダウンテンポです。美しいサーランギーの音色を聴いていると心が落ち着きます。
Ustad Sultan Khanは惜しくも2011年に逝去しています。
http://www.youtube.com/watch?v=WB1gEy5rF8g

「Raanjhan」
このユニットらしい神秘的なダンサブルなエレクトロニカ・チューン。ストリングスも交えた壮大な音世界が展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=_IS208pkFxs

「136」
Vishal Vaidのヴォーカルをフィーチャー。インディアン・ハイパー・トランスといった仕上がりです。大音量で聴きたいクラブミュージックです。
http://www.youtube.com/watch?v=E72dz5WhGHs

「Rebirth」
Ravi Shankarの娘で、Norah Jonesとは異母姉妹のAnoushka Shankarのシタールをフィーチャー。インドらしい美しく神秘的なダウンテンポで心を無にできます。ゆったりと時間が流れていく感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=PwnbcXl6nwU

「Khayaal」
Vishal Vaidのヴォーカルをフィーチャー。Tabla Beat ScienceのメンバーKarsh Kaleも参加し、演奏面で貢献しています。ドラムンベース調のトラックに、インド古典なヴォーカルが絡むハイブリッド感が心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=5t9uGFqe75Y

「Piya」
Sanjiviniのヴォーカルをフィーチャー。タブラのリズムが心地好く響くインディアン・アンビエント。

「Kesariya」
フィルムソング女性シンガーRicha Sharmaをフィーチャー。ハイパー感溢れるトランス・チューンです。サーランギーなども上手く織り交ぜています。
http://www.youtube.com/watch?v=gzzen9LLeIE

「Ali」
Kailash Kherの男性ヴォーカルをフィーチャー。なかなかキャッチーなミステリアス・トランス・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=j1i01YyOk3A

「Enemy」
Mohinder Palのヴォーカルをフィーチャー。ハイパーな格好良さでいえば、この曲が一番なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=pirFsDdyI_I

「Hold On (Thaarey Rahiyo)」
Sanjiviniのヴォーカルをフィーチャー。ラストはインドらしいアブストラクト感のあるサウンドで締め括ってくれます。

MIDIval PunditZの他作品もチェックを!

『Midival Punditz』(2002年)
Midival Punditz

『Hello Hello』(2009年)
Hello Hello (Dig)
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2014年02月04日

Maria Bethania『Maria Bethania (1969)』

既に円熟を感じる芳醇な味わいの1枚☆Maria Bethania『Maria Bethania (1969)』
Maria Bethania
発表年:1969年
ez的ジャンル:影の歌姫系女性MPB
気分は... :シーホークス圧勝!

NFLスーパーボウルはシーホークス圧勝でしたね。
誰もこの展開は予想できなかったのでは?

両カンファレンスの第1シード、しかも最強攻撃チーム対最強守備チームという頂上決戦に相応しいカードでしたが、最強守備が最強攻撃をねじ伏せた結果になりました。

やはり、最初のスナップミスによるセイフティが痛かったですね。
あれでシーホークスに流れがいったまま試合が終わってしまった・・・

苦悩するマニング、堂々とプレイするウィルソンという両チームのQBの姿が対照的でしたね。

特に、どちらかのチームを応援していたわけではなかったので、純粋に頂上決戦を楽しんでテレビ観戦していました。ブロンコスのレシーバー陣とシーホークスのセカンダリー陣の対決は楽しめましね。

今回はブラジルを代表する女性シンガーMaria Bethaniaが1969年にリリースした『Maria Bethania (1969)』(1969年)です。
※デビュー・アルバム『Maria Bethania』(1965年)と区別する意味で、便宜上括弧内に発表年を示しておきました。

Caetano Velosoの妹、Maria Bethaniaの紹介は、Edu Loboとの共演作『Edu E Bethania』(1967年)、『Alibi』(1978年)に続き3回目となります。

本作『Maria Bethania (1969)』は、トロピカリアも下火になりつつあった1969年にリリースされた作品ですが、そういった流れとは異なる円熟を感じる1枚に仕上がっています。時にはしっとりと、時には哀愁を帯びて、時には堂々としたヴォーカルでMaria Bethaniaというアーティストの個性を満喫できます。

派手さはありませんが、芳醇な味わいがある地に足が着いた安定感のあるアルバムです。

Bruno FerreiraLuiz Carlos Vinhas(Os Bossa Tres)William Charles Vogeの3名がアレンジャーを務めています。

ネームバリューの割には、作品レベルでどれを聴いたらいいのか迷うアーティストですが、本作あたりは意外に聴きやすく、Maria Bethaniaというアーティストを知るには適している1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Ye-Mele」
Luis Carlos Vinhas/Chico Feitosa作。Sergio Mendes & Brasil '66ヴァージョンでもお馴染みの楽曲ですね。ポップでキャッチーなセルメン・ヴァージョンと比較すると、ミステリアスな雰囲気が印象的です。Mariaのヴォーカルの存在感の大きさを実感できるオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=au6QWeoPIak

「Pra Dizer Adeus」
Edu Lobo/Torquato Neto作。当ブログでは『Edu E Bethania』収録ヴァージョンやLuciana Souzaのカヴァーを紹介済みです。哀愁のメロディ、Mariaの憂いのあるヴォーカル、美しいアレンジがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=nEtleQak4Ac

「Ponto Do Guerreiro Branco」
トラディショナルのカヴァー。軽快なリズムとハンドクラップで躍動する1曲。こういった伝統的な楽曲に目を向けるあたりもMariaらしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=6ruxTct4jcA

「Preconceito」
Antonio Maria/Fernando Lobo作。ジャジーなバックを従え、しっとりとしたヴォーカルを聴かせてくれます。Mariaにはこういった楽曲が似合いますね。
http://www.youtube.com/watch?v=SZ4GuMxMUhY

「Dois De Fevereiro」
Dorival Caymmi作。当ブログではGal Costaのカヴァーも紹介済みです。ここでは華やかなで小粋なアレンジが僕好み!アルバムの中でも最も聴きやすい1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=POwiC1Mv_vg

「O Tempo E O Rio」
Edu Lobo/Capinan作。「Pra Dizer Adeus」同様、『Edu E Bethania』にも収録されていた楽曲です。郷愁モードでしっとりと聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=tNoKBp5JwNY

「Frevo Numero Dois do Recife」
Antonio Maria作。哀愁のメロディを淡々と歌います。中盤からテンポアップするのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=WhhzHhhkjwY

「Duas Contas」
Garoto作。「Preconceito」と同じくジャジーなアレンジが素敵です。一人でウイスキーを嗜みながら聴きたくなるような仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=-sknUQFX2Mw

「Andanca」
Danilo Caymmi/Edmundo Souto/Paulinho Tapajos作。当ブログではElis ReginaBossa Rioのヴァージョンも紹介済みです。僕の一番のお気に入り曲がコレ。男性ヴォーカルにリードされ、Mariaが素晴らしいヴォーカルで魅了してくれます。エレガントなアレンジも盛り上げてくれます。

「Onde Andaras」
Caetano Veloso/Ferreira Goulard作。兄Caetanoのオリジナルは『Caetano Veloso』(1968年)に収録されています。兄のヴァージョンとはかなり異なるビューティフルな雰囲気の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=aqy7QXfK2FY

「Pout-Pourri:Agora e So Cinza/A Fonte Secou/Eu Agora Sou Feliz/O Nosso Amor/Cidade Maravilhosa」
ラストは「Agora e So Cinza」(Bide/Marcal作)、「A Fonte Secou」(Monsueto Menezes/Tuffy Lauar/Marcleo作)、「Eu Agora Sou Feliz」(Jose Bispo/Mestre Gato作)、「O Nosso Amor」(Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作)、「Cidade Maravilhosa」(Andre Filho作)のメドレー。軽やかで華やかなサウンドをバックに、Mariaも気持ち良さそうに歌っています。
http://www.youtube.com/watch?v=5b1EICBHsIM

Maria Bethaniaの他作品もチェックを!

『Maria Bethania』(1965年)
Maria Bethania

Edu Lobo & Maria Bethania『Edu E Bethania』(1967年)
エドゥ・ロボ&マリア・ベターニア

『Recital na Boite Barroco』(1968年)
Recital Na Boite Barroco: Odeon 100 Anos

『A Tua Presenca...』(1971年)
Tua Presenca

『Rosa dos Ventos』(1971年)
Rosa Dos Ventos

『Drama 3o Ato 』(1973年)
Drama 3? Ato

『A Cena Muda』(1974年)
Cena Muda

Chico Buarque & Maria Bethania『Chico Buarque & Maria Bethania Ao Vivo』(1975年)
Chico Buarque & Maria Bethania

『Passaro Proibido』(1976年)
Passaro Proibido

『Passaro Da Manha』(1977年)
Passaro Da Manha

『Alibi』(1978年)
アリバイ

『Mel』(1979年)
Mel

『Talisma』(1980年)
Talisma

『Alteza』(1981年)
Alteza

『Ciclo』(1983年)
Ciclo
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