発表年:2013年
ez的ジャンル:イケメン・サックス/フルート奏者系北欧ジャジー・ソウル/ポップ
気分は... :魅惑のヴェルベット・ヴォイス・・・
今回は最新ジャズ・アルバムからイケメン・ジャズ・サックス/フルート奏者Magnus Lindgrenの『Souls』です。昨年末にリリースされたアルバムですが、日本で見かけるようになったのは今年発売の国内盤からなので、今年の新作扱いで構わないでしょう。
Magnus Lindgrenは1974年スウェーデン、ヴェステロース生まれのジャズ・ミュージシャン/コンポーザー。サックス、フルート、クラリネット、キーボード等を演奏します。
2001年にMagnus Lindgren & The Swedish Radio Jazz Groupでグラミー賞を受賞。これまで『Way Out』(1999年)、『Paradise Open』(2001年)、『The Game』(2003年)、『Music for the Neighbours』(2005年)、『Brasil Big Bom』(2007年)※Lina Nybergとの共演、『Batucada Jazz』(2009年)、『Fyra』(2012年)といったアルバムをリリースしています。
当ブログで紹介した作品であれば、Jazzanova『Of All The Things』(2008年)、Nicola Conte『Love & Revolution』(2011年)、The Quiet Nights Orchestra『Movin'』(2011年)といったクラブジャズ作品に参加しています。Till Bronner等の作品にも参加していますね。
Magnus Lindgren(ts、fl、alfl、cla、bcla、el-p、vo)以下プロデューサーも務めるIra Coleman(b)、ウルグアイ出身のギタリストLeonardo Amuedo(g)、モロッコ出身のRhani Krija(per)等のミュージシャンが参加しています。
最新作『Souls』は、Gregory Porter、Anna Christoffersson、Ivan Lins、Mark Reilly(Matt Bianco)、Marie Fredriksson(Roxette)、Rigmor Gustafssonという多様なヴォーカリストがフィーチャーされたヴォーカル曲のウエイトが高い作品に仕上がっています。
注目はやはり黒人ジャズ・ヴォーカリストGregory Porterでしょうね。当ブログでも紹介した最新作『Liquid Spirit』は先日のグラミーでBest Jazz Vocal Albumを受賞しましたね。
本作には彼をフィーチャーした曲が3曲収録されています。国内盤の帯には"Gregory Porterが歌う70年代のディスコ名曲の様な〜"という的外れな説明が書かれていますが、そんな曲あはありません。Gregory Porterらしいヴェルベット・ヴォイスにマッチしたソウルフルなジャジー・チューンを満喫できます。
それ以外の参加ミュージシャンには、Magnus Lindgren(ts、fl、alfl、cla、bcla、el-p、vo)以下プロデューサーも務めるIra Coleman(b)、ウルグアイ出身のギタリストLeonardo Amuedo(g)、モロッコ出身のRhani Krija(per)等が参加しています。
アルバム全体としては、Magnus Lindgren自身の演奏をフィーチャーするというよりも、多様なヴォーカリストを迎え、Magnusが目指す音世界の総指揮を執っているといった印象です。全体的にはブラジリアン・フレイヴァーが効いた大人のジャジー・ソウル/ポップ的な演奏が多く、僕の嗜好にかなりフィットしています。
上記は国内盤ですが、輸入盤ジャケは以下のようになっているのでご注意を!
『Souls』 ※輸入盤
北欧ならではの大人のジャジー・ソウル/ポップを満喫できる1枚です。
『Souls』EPK
http://www.youtube.com/watch?v=4yeZzMzfrpk
全曲紹介しときやす。
「Souls」
Gregory Porterをフィーチャー。 タイトル曲はラテン・フレイヴァーのアーバン・ソウル・チューン。Gregory Porterのヴェルベット・ヴォイスとMagnusのサックスが大人のムーディーな音空間を創り上げます。
「Change All The Time」
Anna Christoffersonをフィーチャー。僕の一番のお気に入り。Anna Christoffersonの透明感のあるヴォーカルを活かしたキャッチーなジャジー・ポップ。何かハッピーなことが起こりそうな予感のする演奏です。パーカッシヴのスパイスがモロに僕好み。
「Creepin」
Stevie Wonder作。名盤『Fulfillingness' First Finale』(1974年)収録の名曲カヴァー。当ブログではTamiko Jonesのカヴァーも紹介済みです。ここではこの名曲をじっくり堪能できるインスト・カヴァーで聴かせてくれます。北欧の大自然の中で聴く「Creepin」といった趣があっていいですね。
「Rainy Day」
Mark Reilly(Matt Bianco) & Anna Christoffersonをフィーチャー。SSW的な味わいの透明感のあるアコースティック・チューンに仕上がっています。聴いていると安らぎます。Magnusのサックス・ソロも優しげです。
「Dreaming In New York」
Rigmor Gustafssonをフィーチャー。スウェーデンのベテラン女性ジャズ・ヴォーカリストRigmor Gustafssonを迎え、まさにドリーミーなアコースティック・ジャジー・ポップを聴かせてくれます。北欧らしい演奏ですが、その中でRhani Krijaのパーカッションが演奏全体に躍動感を与えています。
「Barcelona」
コンテンポラリーなスムーズ・ジャズ。バルセロナというよりはリオ・デ・ジャネイロかサンパウロといった雰囲気です。Leonardo Amuedoが素晴らしいギターを聴かせてくれます。
「Small Stuff」
Gregory Porterをフィーチャー。ジャジー・ソウル好きの方も気に入るであろうジャジー・メロウ・グルーヴ。少しミステリアスな雰囲気があっていいですね。Magnusのフルートも涼しげです。
「Broken Heart」
Gregory Porterをフィーチャー。Gregory Porterのヴェルベット・ヴォイスが優しく包み込んでくれます。落ち込んでいる気分のときに聴くと、傷ついた心を癒してくれるはずです。Rhani Krijaによるブラジリアン・リズムがいいスパイスになっています。
「On A Sunday」
Marie Fredrikssonをフィーチャー。80年代後半から90年代初めに一世を風靡したスウェーデンのポップ・デュオRoxetteの女性ヴォーカリストMarie Fredriksson。彼女の妖艶なヴォーカルが印象的な哀愁チューンに仕上がっています。北欧ならではのミステリアスな音世界がいいですね。
「She Walkes This Earth」
Ivan Lins作(原題「Soberana Rosa」)。Stingが「She Walkes This Earth」としてカヴァーし、グラミーのBest Male Pop Vocal Performanceを受賞した楽曲です。ここでは作者Ivan Lins自身がヴォーカルをとっています。Ivan Lins自身やStingのヴァージョンと比較して、小気味良さが印象的なカヴァーに仕上がっています。
「Wrapped Around Your Finger」
Sting作。前曲に続き、Sting絡みのヒット曲カヴァーで締め括ってくれます。オリジナルはPoliceのモンスター・アルバム『Synchronicity』(1983年)に収録されています。これまでの演奏とは雰囲気が異なるサウンドが聴けるインスト・カヴァーです。Ira Colemanのベースがダビーな雰囲気を醸し出します。
Magnus Lindgrenの他作品もチェックを!
『Way Out』(1999年)
『Paradise Open』(2001年)
『The Game』(2003年)
『Music for the Neighbours』(2005年)
Lina Nyberg/Magnus Lindgren『Brasil Big Bom』(2007年)
『Batucada Jazz』(2009年)
『Fyra』(2012年)