2014年03月31日

Ben Sidran『A Little Kiss In The Night』

Dr.Jazzらしい都会的でお洒落なジャズ作品☆Ben Sidran『A Little Kiss In The Night』
ア・リトル・キッス・イン・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)
発表年:1978年
ez的ジャンル:都会派お洒落ジャズ
気分は... :Yesterday Yes A Day...

今回はBen Sidranによるお洒落なジャズ作品『A Little Kiss In The Night』(1978年)です。

"Dr.Jazz"Ben Sidranの紹介は、『Feel Your Groove』(1971年)、『The Cat And The Hat』(1980年)に続き3回目です。

本作は『A Little Kiss In The Night』(1978年)は、『Free in America』(1976年)、『The Doctor Is In Arista』(1977年)と続いたAristaでの最後のスタジオ作となります。ライブ盤としては本作の翌年に『Live at Montreux』(1979年)をリリースしていますが・・・

レコーディングはL.A.で行われ、Ben Sidran(p、vo、per)をはじめ、 Jay Graydon(g)、Jesse Ed Davis(g)、Arthur Adams(g)、James Cooke(g)、 Gerald Johnson(b、g)、Abe Laboriel(b)、Bob Glaub(b)、Mike Finnegan(org、key、back vo)、Bill Meeker(ds、cabasa)、Gary Coleman(congas、per、tamb)、Blue Mitchell(tp)、Phil Woods(as)、David Woodford (sax)、Rosemary Butler (back vo)、Max Gronanthal(back vo)、Sea Food Mama Singers(back vo)が参加しています。

アルバム全体としては、"Dr.Jazz"らしい都会的でお洒落なジャズ作品に仕上がっています。"AOR/ソフト&メロウ作品"との評価もあるようですが、個人的にはAOR作品という印象は受けません。確かにサウンドは洗練されていますが、あくまで"ジャズ"の部分にこだわりを持ったサウンドで貫かれています。

都会的でお洒落なのに、肩ひじ張らず楽しそうに演奏している雰囲気が伝わってきます。

"Dr.Jazz"ならではのセンスの良さを再認識できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Kiss In The Night」
Ben Sidran作。個人的には本作のハイライト。ソフト&メロウなシティ・ミュージックを満喫できるオープニング。小粋なBenのピアノをバックにPhil Woodsによる心地好いブロウが盛り上げてくれます。ギターはJay Graydon。
http://www.youtube.com/watch?v=FR3cxCHn6to

「You Got The Power」
Ben Sidran作。"Dr.Jazz"らしいファンキー・チューン。ソウルフルなコーラス隊やBlue MitchellのトランペットがBenのヴォーカルを盛り立てます。
http://www.youtube.com/watch?v=upCqL3UlcP4

「Moose The Mooch」
Charlie Parker/Ben Sidran作。Charlie Parker作品にBenが詞をつけたもの。"Dr.Jazz"ならではのセンスが感じられる軽快なジャズ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=pG92GXTApc4

「The Cadillac Kid」
Ben Sidran作。ジャズ/フュージョン好きの方は本曲あたりをハイライトに推す方も多いのでは? Benのピアノを存分に満喫でき、かつドラマティックな疾走感にグッとくるインストです。
http://www.youtube.com/watch?v=5TOi78IuIIA

「That's Life I Guess」
Peter DeRose/Sam M. Lewis/Ben Sidran作。1930年代の作品にBenが詞をつけたもの。スタンダード感たっぷりのメロウ・バラードに仕上がっています。Blue Mitchellのトランペット・ソロもロマンティック!

「Doing You」
Ben Sidran作。洗練されたブルージー・ジャズ。この曲は"Dr.Jazz"の本領発揮といった感じですね。Jesse Ed Davisが雰囲気たっぷりのスライドを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=2hxAI3IMLJI

「Tell Old Bill」
Dave Van Ronkヴァージョンで有名なトラディショナル。この曲でもJesse Ed Davisがギターを聴かせてくれます。ジャズ・フレイヴァーの中にアーシーなエッセンスを巧みに取り入れています。David Woodfordの差ヰ狽烽「い感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=YXTBeUa42cA

「Mr. Bill Goes To Brazil」
David Woodford 作。タイトルの通り、ブラジリアン・フレイヴァーのインストですがあくまで基本はジャズといった雰囲気が"Dr.Jazz"らしいのでは?作者David Woodfordのサックスが満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=4W5kms7PYnk

Bass – Abe Laboriel* Drums – Bill Meeker* Percussion – Gary Coleman Saxophone – David Woodford

「Face Your Fears」
Ben Sidran作。ラストはBenのピアノとストリングスによる素敵なバラードで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=xnjGZVGCTXc

Ben Sidranの他作品もチェックを!

『Feel Your Groove』(1971年)
夢の世界(紙ジャケット仕様)

『I Lead a Life』(1972年)
アイ・リード・ア・ライフ(紙ジャケット仕様)

『Puttin' in Time on Planet Earth』(1973年)
プッティン・イン・タイム・オン・プラネット・アース(紙ジャケット仕様)

『Don't Let Go』(1974年)
ドント・レット・ゴー(紙ジャケット仕様)

『Free in America』(1976年)
フリー・イン・アメリカ(紙ジャケット仕様)

『The Doctor Is In』(1977年)
ドクター・イズ・イン(紙ジャケット仕様)

『The Cat And The Hat』(1980年)
ザ・キャット・アンド・ザ・ハット(紙ジャケット仕様)

『On The Cool Side』(1987年)
Ben Sidran - On The Cool Side

『Cool Paradise』(1990年)
Cool Paradise

Ben Sidran & Clementine『Spread Your Wings and Fly Now!!』(1988年)
スプレッド・ユア・ウィングス
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2014年03月30日

The Internet『Feel Good』

Odd Futureからリリースされた注目の男女R&Bデュオの2nd☆The Internet『Feel Good』
Feel Good
発表年:2013年
ez的ジャンル:Odd Future系男女R&Bデュオ
気分は... :OFWGKTAやるねぇ!

今回は新作R&BアルバムからThe Internet『Feel Good』です。
昨年デジタル配信でリリースされた新作がようやくCDリリースされました。注目のレーベルOdd Futureからのリリースです。

The Internetは2011年にL.A.で結成されたユニット。メンバーはSyd tha Kyd(vo)、Matt Martians (beats)の2人。

2人はTyler the Creator率いるL.A.のオルタナHip-Hop集団OFWGKTA (Odd Future Wolf Gang Kill Them All)のメンバーです。OFWGKTAにはTyler the Creatorをはじめ、才能豊かなプロデューサー/ラッパー/シンガーが数多く属しています。大ブレイクしたFrank OceanもOFWGKTAのメンバーです。そんな中でSyd tha KydはOFWGKTA紅一点メンバーとして異彩を放っています。

The Internet名義では2011年にデビュー・アルバム『Purple Naked Ladies』をリリースし、本作『Feel Good』が2ndアルバムとなります。

アルバムにはPharrell Williamsがプロデュースしたシングル「Live Your Life」が話題となったマレーシア人シンガー・ソングライターYuna(Yuna Zarai)、プロデューサーとしても本作に貢献している男性キーボード奏者/シンガーのTay Walkerピッツバーグ出身のラッパーMac Miller、ソロ名義の作品リリースやZo!『SunStorm』The Foreign Exchange『Authenticity』等でのフィーチャリングで注目される男性R&BシンガーJesse Boykins the III等がフューチャーされています。

アルバムにはメンバー以外にThe Neptunesの片割れChad Hugo、天才ベーシストThundercat(Stephen Bruner名義)、IncubusのギタリストMike Eizinger等がプロデューサーに起用されています。Mike Eizingerはエグゼクティブ・プロデューサーとしてもクレジットされています。

アルバム全体としてはメロウ&ミステリアスなソウル作品に仕上がっています。Odd Futureらしいオルタナ感も満喫できます。

想像以上に生音重視の作品であり、Patrick Page II(g、b)、Christopher Allen Smith(ds)、Tay Walker(key)といったサポート・ミュージシャンの貢献も本作を魅力的なものにしています。

まずは「Dontcha」を聴いてみてください!
この1曲で本作のセンスの良さがわかるはずです。

ジャンルの枠を超えた僕好みの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Tellem (Intro)」
アンダーグラウンドなジャジー&メロウ感が印象的なアルバムのイントロ。

「Sunset」
Yuna Zaraiをフィーチャー。Yunaのキュートなヴォーカルが栄える絶品メロウ・ソウル。メロウ・ソウル好きにはオススメの1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=y4BMeQYBoU0

「Dontcha」
Chad Hugoもプロデューサーとして名を連ねる本曲がアルバムのハイライトかもしれません。80年代ブギー・テイストを散りばめたクールなダンサブル・チューン。格好良すぎます!最近はPharrell Williamsばかりが目立っていますが、Chadもいい仕事してまっせ!
http://www.youtube.com/watch?v=28JAS1ZUUqw

「You Dont Even Know」
Tay Walkerをフィーチャー。シンセの音色が織り成す幻想的なサウンドが印象的なメロウ・ソウル。Tay Walkerの男性ヴォーカルもなかなかセクシーです。
http://www.youtube.com/watch?v=EU4JOjKiPTE

「Pupil/The Patience」
地を這うベース音が腹に響くコズミック・ファンク「Pupil」と荘厳なインスト「The Patience」のメドレー。
http://www.youtube.com/watch?v=u56ydSreHXQ

「Red Balloon」
Thundercatプロデュース曲。ミニマル感覚の幻想的なメロウ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=GZPsQayzlPk

「Cloud Of Our Own」
このユニットやサポート・メンバーの持つ音世界を満喫できるコズミック・ソウル。Odd Futureらしいオルタナな魅力に溢れています。brandUn DeShay「Why You Gotta Zodiac Like That」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=8h-PPryDd5A

「Runnin'」
Tay Walkerをフィーチャー。クロスオーヴァー/フューチャー・ソウル好きの人にオススメの1曲。近未来的な疾走感がいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=vsYVmXalykU

「Matt's Apartment」
Matt MartiansとChristopher Allen Smithの2人が中心となって創り上げたエクぺリメンタルな雰囲気の仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=q8GWuuN53ZA

「Shadow Dance」
ネオソウル調の仕上がり。美しい中にも少しレイジーなムードが漂うのがいいですね。マッタリと過ごしたいときにマッチします。
http://www.youtube.com/watch?v=m3V8d3EH0kg

「Wanders Of The Mind」
Mac Millerをフィーチャー。美しく幻想的なイントロに続き、オルタナ感覚のミステリアスな音世界が展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=okJDFx3YW6Y

「Partners in Crime Part Two」
メロウ&ミステリアスかつエキサイティングなサウンドを楽しめる1曲。「Cloud Of Our Own」と並び本作の参加メンバーの音世界を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=Ik-_kHkjn2U

「Higher Times」
Jesse Boykins IIIをフィーチャー。生音感を重視したソウル・チューンに仕上がっています。本編の後に隠れトラックが収録されています。

ご興味がある方は1st『Purple Naked Ladies』もチェックを!

『Purple Naked Ladies』
Purple Naked Ladies
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2014年03月29日

One II 3『Whole New Head』

Ike Lee III率いるNJSグループ☆One II 3『Whole New Head』
Whole New Head
発表年:1993年
ez的ジャンル:NJS系男性R&Bグループ
気分は... :ワン・ツー・スリー!

今回は90年代男性R&Bグループ作品からOne II 3『Whole New Head』(1993年)です。

リアルタイムで本作を聴いていた方は、かなりのNJS好きだったのでは?

One II 3は、Ike Lee IIIKiyamma GriffinCurtis Baldwinという3人による男性R&Bグループ。

中心人物であるIke Lee IIIは、Christopher WilliamsShaniceIntroErykah BaduMary J. BligeLost BoyzAllure等のプロデュースでも知られます。

『Whole New Head』はグループ唯一のアルバムです。アルバム全体としてはNew Jack Swingを中心に、当時の若手男性R&Bグループらしい1枚に仕上がっています。

特に前半のNJS中心の構成にグッときます。「Make Up Your Mind」「Love Me Right」「Can't Leave Her Alone」「Do I Cross Ya Mind」あたりがオススメです。

最近、90年代カテゴリーではNJS系作品の紹介が多くなっています。
懐かしくて若々しいR&B作品を欲しているかもしれません。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
イントロ。

「Love Me Right」
シングルにもなりました。テンポを落とすことで、逆にNJSらしいグルーヴが強調されているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=vMNKdaaHuD4

「Do I Cross Ya Mind」
Christopher Williams参加曲。彼のバリトン・ヴォーカルが加わり、グッと大人のR&Bって感じになります。
http://www.youtube.com/watch?v=pUw8DG5YDkc

「Can't Leave Her Alone」
Zappあたりの80年代エレクトリック・ファンクのエッセンスも取り入れた仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=LS6GURPxfUM

「Mess Around」
軽やかに跳ねるライト感覚のNJS!個人的にはもっと腹に響くNJSの方が好きですが、アルバム全体のアクセントとしてはいいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=_GFAlYR5IwI

「Make Up Your Mind」
僕の一番のお気に入り。NJS好きの人であれば気に入るはず!爽快に疾走する青春NJS!って感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=4U9c6NN59wc

「Where's The Buddahs」
インタールード。

「Whole New Head」
タイトル曲はラップ主体のHip-Hopチューン。ダーク&ハードなトラックをバックにリリックを叩きつけます。
http://www.youtube.com/watch?v=5yI9pKOWlE4

「Better Part Of Me」
インタールード的な小曲。

「Anything」
メロディアスなヴォーカルと粘りのあるグルーヴの組み合わせがいい感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=0MuP1EPuIHw

「Heat U Up」
ここからラストまではメロウなミディアム〜スロウな楽曲が続きます。若手男性R&Bグループらしいスロウ。上手いわけではありませんが、若さで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=lWWfree_Mn0

「Rock Me Tonite」
この曲も若々しいミディアム・スロウ。疑似ライブ風の演出で盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=cPsu6uq5ksw

「Round & Round」
3人のヴォーカルワークが魅力のミディアム。こういうのも嫌いじゃありません。
http://www.youtube.com/watch?v=UPsj9Yklu1k

「Needing You」
後半のミディアム〜スロウ・パートではこの曲が一番好き!少し切ないメロディを若々しいヴォーカルワークで聴かせてくれるのも90年代R&Bらしい魅力だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=77uVmOx5sng

「Thank You Lord」
ラストはコンテンポラリー・ゴスペル風に締め括ってくれます。

プロ野球も開幕し、いよいよ春モード全開ですね。
posted by ez at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月27日

Rosinha De Valenca『Um Violao em Primeiro Plano』

凄腕ギターに加え、ヴォーカルも聴ける女流Baden Powell作品☆Rosinha De Valenca『Um Violao em Primeiro Plano』
ウン・ヴィオラォン・エン・プリメイロ・プラーノ(紙ジャケット仕様)
発表年:1971年
ez的ジャンル:女流Baden Powell系ギタリスト
気分は... :凛とする!

"女流Baden Powell"とも呼ばれたブラジル人女性ギタリストRosinha De Valencaが1971年にリリースした『Um Violao em Primeiro Plano』です。

ボサノヴァ・ギターの最高峰Rosinha De Valencaの紹介は、『Cheiro De Mato』(1976年)に続き、2回目となります。また、Wanda de SahSergio Mendesと共演した『Brasil '65』も紹介しています。

本作『Um Violao em Primeiro Plano』(1971年)には、いくつかの特徴があります。1つ目はRosinhaが凄腕ギターのみならず、ヴォーカルも数多く披露してくれている点です。決して、上手いわけではなりませんが、キュートな歌声を聴くと嬉しくなってしまいます。

2つ目は、当時のブラジル軍事政権下でロンドン亡命中であった
Caetano VelosoGilberto Gilの楽曲を積極的に取り上げている点です。

それ以外にも、ファンクやロックのエッセンスを取り入れた楽曲や、スパニッシュ・モードの演奏、女流Baden Powellらしいギターを満喫できる楽曲などさまざまな聴き所があります。

Rosinha De Valencaというアーティストの心意気や飽くなき探求心を実感できる1枚です。

凛としてギターを構えるジャケのRosinhaの表情がいいですね!

全曲紹介しときやす。

「Aza Branca」
Humberto Teixeira/Luiz Gonzaga作。素晴らしいギター・ソロに続き、男女ヴォーカルが重なる美しい展開から、リズム隊やホーン隊も加わったファンク・ロックへ一転します。そして、再び美しいギターの響きが・・・この時代らしい演奏を楽しめます。

「London, London」
ロンドン亡命時のCaetano Veloso作品をカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Caetano Veloso』(1971年)収録されています。また、当ブログではAlexia Bomtempoのカヴァーも紹介済みです。あえて亡命者であるCaetanoの作品を取り上げるあたりに、Rosinhaの心意気を感じます。ストリングスやマリンバも加わったエレガントな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=62ca1nCcKnk

「Mudei De Ideia」
Antonio Carlos e Jocafiのカヴァー。Antonio Carlos e Jocafiのオリジナルは『Mudei De Ideia』(1971年)に収録されています。当ブログではOsmar Militoのカヴァーも紹介済みです。Rosinhaのキュートなヴォーカルを聴くことができるボッサ・グルーヴに仕上がっています。

「Zanzibar」
Edu Loboの名曲カヴァー。オリジナルは『Cantiga de Longe』(1970年)に収録されています。また、当ブログではEarth,Wind & FireSteen Rasmussen Feat. Josefine CronholmRonald Mesquitaのカヴァーも紹介済みです。フロア・キラー・チューンとしてお馴染みの名曲をRosinhaの格好良いギターが奏でます。本ヴァージョンもスリリングでかなりいいですね。もっと長尺で聴きたいです!

「Boi Ta-Ta」
Eugenio Malta/Messias Dos Santos作。Rosinhaのヴォーカルを前面に押し出したポップな仕上がり。親しみやすいメロディと素朴なヴォーカルの組み合わせが和みます。
http://www.youtube.com/watch?v=Vz4UxPE2VWk

「Marinheiro」
Caetano Velosoヴァージョンでお馴染みのトラディショナル・ソング。当ブログではSergio Mendes & Brasil '77Caetano Velosoヴァージョンの影響を受けているものと思われます。ブラジルらしいエッセンスを織り込んだフォーキーかつリズミックなアプローチがいいですね。

「Summertime」
DuBose Heyward/George Gershwin作。Gershwin作の有名スタンダードをカヴァー。女流Baden Powellならではの「Summertime」を聴かせてくれます。お見事!
http://www.youtube.com/watch?v=qiQlDXNcb3s

名曲「Summertime」に関して、当ブログではJohn ColtraneBig Brother & The Holding CompanyGabor SzaboDinah WashingtonEssra MohawkLambert, Hendricks & RossSheila Landis/Rick MatleFred Johnsonのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。

「De Conversa Em Conversa」
Harold Barbosa/Lucio Alves作のサンバ名曲。当ブログではJoao Gilbertoのカヴァーも紹介済みです。キュート&メロウなサンバ・チューン。Rosinhaのナチュラル・ヴォーカルもよくマッチしています。

「One O'Clock Last Morning」
Gilberto Gil作。オリジナルは当ブログでも紹介した『Gilberto Gil』(1971年)に収録されています。Caetano Velosoと同じく、亡命中のロンドンで録音したGilberto Gil作品を取り上げるあたりに大きな意味があったのだと思います。女流Baden Powellらしいギター・プレイを存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=os7Dsa2YTLs

「Samba Da Minha Terra」
Dorival Caymmi作。当ブログではTamba Trioのカヴァーも紹介済みです。開放的なサンバのリズムがキュートなRosinhaのヴォーカルと共に心地好く響きます。メロウ・サンバ好きの僕には嬉しい1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=-wIA5Z5zyUs

「Concierto De Aranjuez」
スペインの作曲家Joaquim Rodrigo Vidreによるクラシック・ギター協奏曲「アランフェス協奏曲」をカヴァー。スパニッシュ・モードで哀愁のメロディを奏でます。
http://www.youtube.com/watch?v=nwjy8ZLTX1o

「Tema Espanhol」
Rosinha De Valenca作。ラストのオリジナル曲も前曲に続き、スパニッシュ・テイストです。闘牛場にいるかのような、美しく情熱的なギターを満喫できます。ギタリストとしてのRosinhaの腕前を存分に堪能できます。

Rosinha De Valencaの他作品もチェックを!

Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca 『Brasil '65』(1965年)
ブラジル'65

『Apresentando Rosinha de Valenca』(1964年)
アプレゼンタンド

『Rosinha de Valenca』(1973年)
ホジーニャ・ヂ・ヴァレンサ

『Rosinha de Valenca e Banda ao Vivo』(1975年)
Rosinha De Valenca E Banda Ao Vivo

『Cheiro De Mato』(1976年)
Cheiro De Mato

Sivuca & Rosinha de Valenca『Gravado Ao Vivo』(1977年)
Serie 100 Anos De Musica: Gravado Ao Vivo
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2014年03月26日

Nick Van Gelder『Choose Music』

元Jamiroquaiのドラマーによるソウルフルなアーバン・ディスコ作品☆Nick Van Gelder『Choose Music』
Choose Music
発表年:2008年
ez的ジャンル:UKアーバン・ディスコ
気分は... :ひたすら心地好いダンス・ミュージック...

今回はUKのマルチプレイヤー/プロデューサーであるNick Van Gelderの1stソロ・アルバム『Choose Music』(2008年)です。

Nick Van Gelderは80年代半ばからロック・バンドOzric Tentaclesのメンバーとして活動し、90年代前半はJamiroquaiの初代ドラマーとして活躍し、彼らのデビュー・アルバム『Emergency On Planet Earth』(1993年)に参加しています。

1999年にはKeb Dargeと共にDeep Funkレーベルをスタートさせ、自身もAkwaaba Peopleで作品をリリースしています。

Nick Van Gelder名義では『Choose Music』(2008年)、『Groovitas』(2012年)という2枚のアルバムをリリースしています。

1stソロ・アルバムとなる本作『Choose Music』はBBEからのリリース。

全体的にはNick Van Gelderのマルチプレイヤー/プロデューサーとしての手腕を余すことなく発揮したアーバン&ソウルフルなダンス作品という印象です。

Akwaaba Peopleの盟友Mazen(vo)をフィーチャーし、Nichol Thomson(tb)、Jim Hunt(sax)、Dom Glover(tp)といった名うてのホーン隊がサポートしています。このホーン隊3名はThe Sound Stylisticsでも活躍していますね。Nichol ThomsonはTalcとしての活動も知られていますね。それ以外にもShovell(congas)がレコーディングに参加しています。

Mazenの妖しげなファルセット・ヴォーカルをうまく活かしたダンス/ディスコ・ワールドが全開です。生音やシンセを巧みに操るNick Van Gelderのサウンド・センスに脱帽です。

ひたすら心地好いダンス・ミュージックをお探しの方にはオススメの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Choose Music」
タイトル曲は80年代アーバン・ディスコ調です。ディスコ調ながら、あくまでも爽快なのがいいですね。Jim Huntのサックスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=htjYynSAAKM

「Game Of Love」
Mazenのヴォーカルをフィーチャーしたソウルフルなダンス・チューン。アナログ感のあるシンセ使いがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=tDjtpwNg4l4

「Won't You Stop」
キャッチーなアーバン・ディスコ。ガラージ好きの人あたりも気に入るのでは?真夜中を疾走する感じがいいですね。ベース、ギターなどNick Van Gelderのマルチプレイヤーぶりも堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=N2WTM_T6F7M

「Time To Get Ready」
妖しげに疾走するダンス・チューン。Mazenのヴォーカルによくマッチしていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=PCD-v9depHg

「The Way」
シンセの音色に惹かれるダンス・チューン。真夜中モードですが、そこそこポップな感じがいいですね。

「I'm In The Mood」
70年代ソウルへのリスペクトを感じるソウルフルかつメロディアスなダンス・チューン。僕好みの1曲です。

「Ain't No Friend Of Mine」
Dom Gloverのトランペットをフィーチャーしたフューチャー・ジャズ調の仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=HIa6K_DsPmk

「Think About It」
ディスコ好きの人にはグッとくる1曲。曲調や途中のフレーズがGeorge Benson「Give Me The Night」をイメージさせます。
http://www.youtube.com/watch?v=7izsl3_egos

「Times Like This」
Mazenのファルセット・ヴォーカルが栄える、ひたすら心地好いヘブンリー・ダンス・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=9U9afavZtnY

「Thinkin Of You」
パーカッシヴかつアーバン・メロウな感じがいいですね。

「Just Give It Up」
ラストはアッパーに疾走します。Acid Jazzを通過してきたダンス・チューンといった趣です。ホーン隊がいい仕事しています。
http://www.youtube.com/watch?v=ajLZ_B_U2vY

『Groovitas』(2012年)
Groovitas
posted by ez at 03:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする