2014年03月25日

Fingers, Inc.『Another Side』

シカゴ・ハウスの名盤、嬉しい再CD化☆Fingers, Inc.『Another Side』
アナザー・サイド
発表年:1988年
ez的ジャンル:シカゴ・ハウス・クラシック
気分は... :美しく、儚く、妖しい...

今回は伝説のシカゴ・ハウス・ユニットFingers, Inc.唯一のアルバム『Another Side』(1988年)です。最近、待望の再CD化が実現しました。

Fingers, Inc.は、シカゴ・ハウスの牽引者Mr. Fingers(Larry Heard)(key、prog)が、Robert Owens(vo)、Ron Wilson(vo)と共に結成したハウス・ユニット。

「Mysteries Of Love」「Can You Feel It」(Mr. Fingers名義)、「Bring Down The Walls」 (Robert Owens名義)、「A Path」といったシングルを経て、唯一のアルバム『Another Side』(1988年)をリリースしています。

ユニット解散後にMr. Fingers『Introduction』(1992年)でブレイクし、Robert Owensもシングル「I'll Be Your Friend」(1991年)がヒットする中で、Fingers, Inc.の存在がシカゴ・ハウスの伝説的ユニットとして改めて注目されるようになりました。

僕の場合、Mr. Fingers『Introduction』(1992年)の人気ぶりをうけて、CDリリースされた国内盤を保有しています。ただし、オリジナルLPは2枚組全16曲であったのに対して、CDは上記のシングル4曲を除いた全12曲だったのですが・・・

その点、今回のCD化ではオリジナルLPと同じく全16曲が収録されています。

おそらくMr. Fingers『Introduction』(1992年)は僕が最もよく聴いたハウス・アルバムであり、アルバムからカットされた「Closer」「On A Corner Called Jazz」「On My Way」「What About This Love?」という4枚のシングルについても、リミックス・バージョンが欲しくて、全てCDシングルを揃えました。

また、Robert Owensにもついても1stソロ・アルバム『Rhythms In Me』(1990年)や彼が客演したSatoshi Tomiie/Frankie Knuckles「And I Loved You/Tears」(1990年)をかなり聴いていました。もちろん、「I'll Be Your Friend」も大好きでした。

その意味で彼らの原点となる『Another Side』(1988年)も興味深く聴いていた思い出があります。

Mr. Fingersが創るアンダーグラウンドな雰囲気たっぷりのトラックに、Robert Owensの儚いヘタウマ・ヴォーカルが絡むと、妖しいシカゴ・ハウス・ワールドを堪能できます。

シカゴ・ハウス好き、ブラック・ミュージック好きの人にぜひ聴いて欲しい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Decision」
陽の当たることのない"裏ブラック・ミュージック"といった雰囲気のアンダーグラウンド感にグッとくるオープニング。

「Bye Bye」
Larry Heardの鍵盤使いも含めて『Introduction』を予感させるクールで美しい音世界を堪能できる1曲。Robert Owensのファルセット・ヴォーカルにもよくマッチしています。『Introduction』好きの僕としては当時一番好きな曲でした。
http://www.youtube.com/watch?v=wbcNJAJ7yuU

「Never No More Lonely」
Robert Owensの官能ヴォーカルが支配する1曲。途中でLarry Heardの鍵盤さばきも楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=gxvVo03M8g8

「Shadows」
この曲も『Introduction』に収録されていても違和感なさそうなインスト・チューン(うっすらコーラスが入っていますが)。実に心地好い楽曲であり、ハウスが踊るためだけの音楽はないことを実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=iHaKciJAPOI

「Another Side」
再びダークで妖しい裏ブラック・ミュージックを満喫できるタイトル曲。アンダーグラウンドな世界に手招きされているようです。終盤は和テイストです(笑)

「So Glad」
この曲あたりはソウル好きの人が聴いても違和感ないのでは?アンダーグラウンドなアーバン・ソウルといった趣です。
http://www.youtube.com/watch?v=z4_Q_fIBpng

「I'm Strong」
部屋を真っ暗にして聴きたいアンダーグラウンド・ハウスな雰囲気たっぷりの仕上がり。当時のハウスらしくて好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=iM6StGLqyFk

「A Love Of My Own」
Fingers, Inc.ならではのハウス・ワールドを楽しめる1曲。それ程凝っているわけではないのに、独特の雰囲気があります。

「Distant Planet」
この曲も人気なのでは?特にRobert Owens好きの人はこのタイプがお好きなのでは?妖しく倒錯した世界へようこそ・・・
http://www.youtube.com/watch?v=qa3YBDXY7c4

「Feelin' Sleazy」
Larry Heardによるミニマルな音世界が印象的な仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=euhiyhKBRvw

「Music Take Me Up」
黎明期のハウス・ミュージックといった感じの未完成感が逆に興味深いです。

「Mystery Friend」
「Bye Bye」と並ぶ僕のお気に入り曲。Fingers, Inc.らしい美しくも儚いハウス・ワールドを堪能できます。

「Mysteries Of Love」
記念すべき彼らのデビュー曲であり、シカゴ・ハウス・クラシック。今聴くと開発途上感がありますが、そこも含めて感慨深い1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=CvUp3P9sLO4

「A Path」
この曲も1986年にリリースされたシングル曲。アンダーグラウンド感に満ちたディープなハウス・ワールドが誘います。
http://www.youtube.com/watch?v=cf8KnPHbViU

「Bring Down The Walls」
前述のようにRobert Owens名義でリリースされたシングル曲。Larry Heardによる音創りと、Robert Owensの独特のヴォーカルがマッチした名曲だと思います。大すき!
http://www.youtube.com/watch?v=QeYYG_2kYEs

「Can You Feel It」
Mr. Fingers名義でリリースされたシングル曲。この曲もシカゴ・ハウス・クラシックですね。彼らの初期シングルの中ではこれが一番好き!
http://www.youtube.com/watch?v=tFuujExs03A

Mr. Fingers(Larry Heard)Robert Owensのソロ作もチェックを!

Mr. Fingers『Ammnesia』(1988年)
アムネジア

Mr. Fingers『Introduction』(1992年)
イントロダクション

Mr. Fingers『Back To Love』(1994年)
mr. fingers back to love.jpg

Robert Owens『Rhythms In Me』(1990年)
robert owens rhythms in me.jpg
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2014年03月24日

The Stovall Sisters『The Stovall Sisters』

女性ゴスペル・グループによるレア・グルーヴ/フローソウル人気盤☆The Stovall Sisters『The Stovall Sisters』
ストーヴァル・シスターズ
発表年:1971年
ez的ジャンル:女性ゴスペル・グループ
気分は... :パワフル!

何か三連休はぼんやり過ごしてしまいました。
昨年末から慌しい日々が続き、週末も落ち着かない日が多かったので、たまにはこんな週末もいいかなぁ、なんて自分に言い訳しています。

今回はAtlanticの再発シリーズからThe Stovall Sisters『The Stovall Sisters』(1971年)です。レア・グルーヴ/フリーソウル人気盤だったので、お手軽価格で購入できるようになったのは嬉しいですね。

The Stovall Sistersは、カリフォルニア州オークランドを拠点に活動していたJoyce StovallLillian StovallNetta StovallというStovall3姉妹による女性ゴスペル・グループ。

そのグループ唯一のアルバムが本作『The Stovall Sisters』(1971年)です。

レア・グルーヴ/フリーソウル人気曲「Hang On In There」 をはじめ、ファンク/ロックのエッセンスを取り入れたファンキーなゴスペル・チューンが収録されています。何より、Stovall3姉妹の圧倒的なゴスペル・ヴォーカルが迫力満点です。

プロデューサーはErik JacobsenWilliam Truckaway。レコーディングにはCoke Escovedo(per)、Steve Miller(g)等も参加しています。

ゴスペルとファンク/ロックが融合したパワフルな1枚は聴き応え十分です。

全曲紹介しときやす。

「Hang On In There」
Joyce Moss作。前述のようのにレア・グルーヴ/フリーソウル人気曲。ファンキーなブレイクとグルーヴィーなハモンドをバックに、3姉妹がパワフルなヴォーカルが炸裂します。聴いているだけでアドレナリンが出まくる躍動感に充ちた名曲だと思います。Beastie Boys「Intergalactic」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=kB9tAMl3BBI

「Yes To The Lord 」
Ivy Jo Hunter/Sylvia Moy/William Stevenson作。Martha & The Vandellas、1966年R&Bチャート3位となったヒット曲「My Baby Loves Me」の歌詞を改作したもの。基本的にはMartha & The Vandellasヴァージョンを受け継いだミディアムな仕上がりですが、メロウというよりソウルフルといった感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=rMPx1fpvzSM

「Sweepin' Through The City」
The Caravans feat, Shirley Caesarが「I Won't Be Back」のタイトルでレコーディングしていた楽曲。本作らしいロック/ファンクのエッセンスを取り入れたサウンドと3姉妹がパワフル・ヴォーカルが融合したファンキー・ゴスペルに仕上がっています。ファンキーという点ではアルバム随一かもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=jS3f6qCyrgk

「The World In A Change」
Dennis Geyer作。レイドバック感のあるアーシーな仕上がり。ジワジワと胸に沁みてきます。

「Rapture」
Barry Wright作。3姉妹の息の合ったコーラスワークを堪能できるゴスペル・チューン。

「Spirit In The Sky」
Norman Greenbaum作。The Stovall Sistersがバック・コーラスで参加したNorman Greenbaumのヒット曲をカヴァー。ゴスペル・ミーツ・スワンプみたいな雰囲気がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=IEV9PHDVpzY

「So Good」
ゴスペルらしい高揚感にロックやカントリーのエッセンスを取り入れた感じです。

「The Love Of God」
Leroy Crume作。オリジナルはThe Soul Stirrers。少し抑えたヴォーカルでスタートし、ジワジワと盛り上げてくれます。

「I Come To Praise Him」
Milton Hollins作。Biblical Gospel Singersもレコーディングしていたゴスペル・ソングらしいです。本作らしいファンキーな演奏を楽しめます。ファンキーなホーン隊やカッティング・ギターもグッド!

「I'm Ready To Serve The Lord」
The Caravansのカヴァー。クレジットにはArther Wright/James Carmichael作となっていますが、ライナーノーツによればThe CaravansのメンバーCassietta George作なのだとか。ラストはゴスペルらしい仕上がりで感動的に締め括ってくれます。

Atlanticの再発シリーズは欲しい作品が沢山ありすぎて、どれから手を付けるか迷ってしまいますよね。ちなみに一番直近にリリースされた第6弾シリーズからは、とりあえず以下の2枚を購入しました。これらも後日、当ブログで紹介したいと思います。

Latimore『It Ain't Where You Been... It's Where You're Goin'』(1976年)
イット・エイント・ホウェア・ユー・ビーン

Willie Hutch『In Tune』(1978年)
イン・チューン

それ以外の作品も財布と相談しながらゲットしていきたいと思います。
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2014年03月23日

Nicola Conte『Free Souls』

新世代ヨーロピアン・ジャズのマエストロ、熟成を重ねた最新作!☆Nicola Conte『Free Souls』
nicola conte free souls.jpg
発表年:2014年
ez的ジャンル:マエストロ系新世代ヨーロピアン・ジャズ
気分は... :熟練技の職人!

今回は新世代ヨーロピアン・ジャズのマエストロNicola Conteの最新作『Free Souls』です。

イタリアを代表するクラブジャズ・プロデューサー/アーティストNicola Conteに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。

 『Other Directions』(2004年)
 『Rituals』(2008年)
 『Love & Revolution』(2011年)

『Love & Revolution』(2011年)以来、約3年ぶりの新作となる本作『Free Souls』ですが、本作は新たに書き下ろした作品集ではなく、『Rituals』(2008年)、『Love & Revolution』(2011年)の制作時にレコーディングされた音源から未発表であったものを、新たにオーヴァー・ダビングさせて完成させたものです。

このように書くと、寄せ集めの未発表作品集のように聞こえるかもしれませんが、あくまでNicola Conte本人の主導で1度レコーディングされた音源を熟成させている点で立派な新作と呼べると思います。

実際、中身は期待以上の充実ぶりに大満足です。

レコーディング・メンバーは自ずと、『Rituals』『Love & Revolution』と重なってきます。

レギュラー・コンボとしてクレジットされているのは、現在活動休止中のThe Five Corners QuintetのメンバーであるTimo Lassy(bs、fl)、Teppo Makynen(ds)、最新作『Souls』を当ブログでも紹介したスウェーデンのイケメン・ミュージシャンMagnum Lindgren(ts、fl)、イタリアの実力派トリオLTCのメンバーPietro Lussu(p、el-p)、Pietro Ciancaglini(b)、Lorenzo Tucci(ds)、昨年SchemaからNicola Conteプロデュースでアルバム『Besides - Songs from the Sixties』をリリースしたGaetano Partipilo(as)、現在のNicola Conteのライブのレギュラー・メンバーであるLuca Alemanno(b)、Francesco Lento(tp)、それにPaolo Benedettini(b)といったミュージシャンです。特にMagnum Lindgrenはアレンジャーとしても本作に大きく貢献しています。

それ以外にドイツの貴公子Till Bronner(tp)、Greg Osby(as)Logan Richardson(as)、Michael Pinto(vibe)といったUSジャズ・ミュージシャン、Rosario Giuliani(as)、Daniele Scannapieco(ts)、Pierpaolo Bisogno(congas per)、Liviana Ferri(tamb)といったミュージシャンがゲスト参加しています。

また、Jose JamesBridgette AmofahMelanie CharlesMarvin ParksTasha's WorldHeidi Vogelといった多彩なゲスト・ヴォーカリストがフィーチャーされ、Kim Sandersもバック・ヴォーカルで参加しています。

近年のNicola Conteのブラック・ミュージックへのアプローチを再確認できるアフロ・ジャズ、ソウル、ブルース寄りの演奏が印象的ですね。ただし、格好良いモード・ジャズやお洒落なボッサ・ジャズも忘れないところがマエストロだと思います。

全13曲中9曲がNicola Conteのオリジナルです(共作含む)。

さすがはマエストロ!と納得の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Shades of Joy」
Marvin Parks & Magnus Lindgrenをフィーチャー。また、世界が注目する"ザ・リアル・ヴォイス"、話題の黒人男性シンガーGregory Porterが歌詞を書いています。近年のNicola Conteらしいソウルフルなエッセンスを上手く融合させた1曲に仕上がっています。N.Y.を拠点に活動する黒人男性シンガーMarvin Parksの伸びやかなヴォーカルがいいですね。Magnus Lindgrenのサックスもキマっています。

「Goodes of the Sea」
もはや貫録も漂う人気男性ジャズ・シンガーJose Jamesをフィーチャー。格好良いモード・ジャズ・サウンドに、Jose Jamesの何ともいえない味わいのヴォーカルが絶妙に加わり、極上のジャズ・ワールドを展開します。サイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=7UvyMWuuohc

「Free Souls」
タイトル曲はガーナ系イギリス人シンガーBridgette Amofahをフィーチャー。『Love & Revolution』のソウルフルな雰囲気を継承しています。Bridgetteのキュートなヴォーカルとソウルフルなサウンドがよくマッチしています。

「Spirit of Nature」
US出身の女性シンガーMelanie Charlesをフィーチャー。神秘的なアフロ・スピリチュアル・チューン。Magnus Lindgrenのフルートがミステリアスな雰囲気を盛り上げてくれます。

「Ode to Billie Joe」
USシンガー・ソングライターBobbie Gentry、1967年の大ヒット曲をカヴァー。ここでは再びBridgette Amofahをフィーチャー。ブラック・フィーリングに溢れたブルージーなカヴァーに仕上がっています。

「Soul Revelation」
オランダ出身のネオソウル・シンガーTasha's Worldをフィーチャー。アフロ・ファンク・フィーリングのソウル・チューンはTasha's Worldの雰囲気ともよくマッチしているのでは?

「Ahmad's Blues」
Ahmad Jamal/Bobby Williams作。ジャズ・ピアニストAhmad Jamalのカヴァー。ここではMelanie Charlesをフィーチャーし、奇をてらわないブルース・カヴァーで聴かせてくれます。ゲストのGreg Osbyが雰囲気のあるアルト・サックスを聴かせてくれます。

「If I Should Lose You」
Leo Robin/Ralph Rainger作のスタンダードをカヴァー。Marvin Parksをフィーチャーし、Nicola Conteらしいお洒落なボッサ・ジャズを聴かせてくれます。1曲目の「Shades of Joy」も含めてMarvin Parksの歌は素晴らしいですね。今後の動向に注目したく思います。ゲスト参加のRosario Giulianiのアルト・サックスも実にムーディーです。

「Baltimore Oriole」
Hoagy Carmichael/Paul Francis Webster作のスタンダードをカヴァー。Bridgette Amofahをフィーチャーしたアフロ・サンバ調のブラック・フィーリングにグッときます。ブラジル音楽好きの人が聴くとグッとくると思います。Timo Lassyのフルートも効いています。

「Uhuru」
Tasha's Worldをフィーチャー。僕の一番のお気に入り曲。パーカッシヴなアフロ・ジャズと疾走する4ビート・ジャズが交錯するドライブ感満点の1曲に仕上がっています。Pietro CiancagliniとLorenzo TucciによるLTCコンビのリズム隊が素晴らしいです。しばらく僕のiPodでのヘビロテ状態が続きそうです。

「Astral Rivers」
昨年Far Outから最新アルバム『Turn Up The Quiet』をリリースした女性シンガーHeidi Vogelをフィーチャー。少し憂いを帯びながらもエレガントな雰囲気が漂うモーダル・ジャズに仕上がっています。Pietro Lussuの小粋なピアノがいいですね。

「Sunrise」
US出身の黒人サックス奏者Logan Richardsonをフィーチャー。ディープ&スピリチュアルな雰囲気の漂うアフロ・ジャズ・チューンに仕上がっています。終盤のエキサイティングなアンサンブルにグッときます。

「A Prayer for Lateef」
国内盤ボーナス・トラック。ドイツの貴公子Till Bronnerをフィーチャー。タイトルの通り、昨年逝去したマルチ・リード奏者Yusef Lateefへ捧げた1曲です。神秘的な演奏が印象的であったYusef Lateefの雰囲気をそのまま音にしたような演奏を満喫できます。Till Bronnerのトランペットもエキサイティングです。

Nicola Conteの他作品もチェックを!

『Jet Sounds』(2000年)
Jet Sounds

『Bossa Per Due』(2001年)
Bossa Per Due

『Jet Sounds Revisited』(2001年)
Jet Sounds Revisited

『Other Directions』(2004年)
Other Directions

『Rituals』(2008年)
リチュアルズ

『Love & Revolution』(2011年)
ラヴ&レヴォリューション
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2014年03月22日

Ray Terrace『Home Of Boogaloo』

サバービア掲載!人気のN.Y.ラテン作品☆Ray Terrace『Home Of Boogaloo』
HOME OF BOOGALOO
発表年:1968年
ez的ジャンル:N.Y.ラテン・ソウル/ブーガルー
気分は... :ゆったり・・・

今回はN.Y.ラテン・ソウル/ブーガルー好きには人気の1枚Ray Terrace『Home Of Boogaloo』(1968年)です。

Ray Terrace(1925-1994年)はN.Y.生まれのティンバレス奏者。自身のリーダー作として、『Baila, Baila』(1963年)、『Oye el Cuchy Frito Man』(1965年)、『Home of Boogaloo』(1968年)といったアルバムをリリースしています。

弟のヴァイヴ奏者Pete Terraceもラテン・ジャズ好きにはお馴染みのミュージシャンですね。

サバービア掲載盤としてもお馴染みのN.Y.ラテン作品ですね。音は聴いていなくともジャケに見覚えがある方も多いのでは?

本作ではMongo Santamaria楽団等でも馴染みのN.Y.ラテンの名アレンジャーMarty Shellerがアレンジを務め、Joe Cuba Sextetでも活躍したヴォーカリストWillie Torresが参加しています。

Gilles Petersonもお気に入りの「You've Been Talking 'Bout Me Baby」、必殺ラテン・ソウル「I Make A Fool Of Myself」という2大人気曲を筆頭に、魅惑のN.Y.ラテンがぎっしり詰まっています。

グルーヴィーなラテン・ソウルを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「You've Been Talking 'Bout Me Baby」
オススメその1。Ray Rivera/Hirsh Garnett作。Gilles Peterson監修の人気コンピ『Jazz Juice 6』にも収録されていた人気のダンシング・ブーガルー。ラテン・リズムにのったキュートな女性ヴォーカル、ハモンド・オルガンの響きが織り成すヒップな感覚がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=sYuizZ0oiTQ

「Wade In The Water」
Herb Alpert & The Tijuana Brassも取り上げたトラディショナルをカヴァー。小気味良いラテン・リズムに導かれ、フルートやホーン隊が気持ち良さそうに鳴り響きます。この曲も実にヒップ!
http://www.youtube.com/watch?v=3SICw6kND1E

「I Make A Fool Of Myself」
オススメその2。Bob Crewe/Bob Gaudio作。本作のハイライトはFrankie Valli、1967年の人気曲をのカヴァー。Willie Torresの甘いヴォーカルにグッとくるラテン・ソウル。エヴァーグリーンな魅力を持った至極の1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=kkt6ybU21dg

「Get On Up」
オススメその3。Bill Sheppard/Gilbert Moorer/Shawn Taylor作。ソウル・グループThe Esquiresのカヴァー。華やかな女性コーラス隊がいい感じのハッピー・ラテン・ソウルです。

「Manteca」
Dizzy Gillespie/Chano Pozo/Gil Fuller作。ジャズ・ジャイアントDizzy Gillespieによるアフロ・キューバン・ジャズ作品をカヴァー。このジャズ・スタンダードを疾走するラテン・ジャズで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=0SSwFDCCDrI

「Listen To Me」
オススメその4。Mark Barkan /Vic Millrose作。グルーヴィーなオルガンをバックに配したラテン・ソウル。Willie Torreと女性コーラス隊の掛け合いがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=bfwiNXSGIeQ

「Wiggle, Waggle」
Ray Rivera/Bob Snyder作。グルーヴィーなハモンドとラテン・リズムの組み合わせが実に心地好いです。サックス・ソロもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ogGqdWSto1Y

「Michelle」
The Beatlesの名曲をカヴァー(Lennon–McCartney作)。ラテン・リズムにのった「Michelle」もたまにはいいのでは?

「Half Way Down」
Marty Sheller作。インスト・チューンですが、アルバムの中では少し地味な存在かも?

「There Is A Mountain」
ラストはDonovanのカヴァー。インストですが、小気味良い感じがいいですね。

60年代N.Y.ラテン作品の過去記事もご参照ください。

Willie Bobo『Juicy』(1967年)
Juicy


The Harvey Averne Dozen『Viva Soul』(1968年)
VIVA SOUL


The Latin Blues Band『Take A Trip Pussycat』(1968年)
Take a Trip Pussycat
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2014年03月21日

Creative Source『Creative Source』

Michael Stokesプロデュースの1stアルバム☆Creative Source『Creative Source』
Creative Source
発表年:1973年
ez的ジャンル:男女ソウル・ヴォーカル・グループ
気分は... :のんびり・・・

昨日の雨から一転し、春の訪れを感じる晴天・・・
こんな日はのんびり、まったり過ごしたいですね。

今回はソウル・ヴォーカル・グループCreative Sourceの1stアルバム『Creative Source』(1973年)です。

最近、久々にCD再発され、飛びついて購入した次第です。

Creative SourceはL.A.で結成されたソウル・ヴォーカル・グループ。メンバーはBarbara BerrymanBarbara LewisDon WyattSteve FlanaganCeleste Roseの5名。

The 5th DimensionのメンバーRon Townsonに見出され、1973年に1stアルバム『Creative Source』をリリース。その後も『Migration』(1974年)、『Pass The Feelin' On』(1975年)、『Consider The Source』(1976年)といったアルバムをリリースしています。

1stアルバムとなる本作『Creative Source』(1973年)は名プロデューサーMichael Stokesがプロデュース。

男女ヴォーカル・グループらしい親しみやすさがいいですね。

ガラージ・クラシック「Who Is He And What Is He To You」Bill Withersのカヴァー)、EW&Fのカヴァーでもお馴染みの「You Can't Hide Love」あたりがハイライトだと思います。

また、CDにはオリジナル8曲に加え、5曲のボーナス・トラックが追加されています。そのうち、4曲は2nd『Migration』、3rd『Pass The Feelin' On』、4th『Consider The Source』からのセレクトであり、かなりお得感があります。

全曲紹介しときやす。

「You Can't Hide Love」
Skip Scarborough作。 『Gratitude』(1975年)収録のEarth, Wind & Fireヴァージョンでお馴染みの楽曲ですが、オリジナルはこのCreative Sourceヴァージョンです。当ブログでは『Live At The Jazz Cafe,London』収録のD'angeloヴァージョンも紹介済みです。高揚感のあるヴォーカル・ワークとスペイシーなシンセの音色が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=8pD82ycEavs

本曲はサンプリングソースとしても人気です。Little Brother「Khrysis Shoutro」、Pete Rock「Pete's Jazz」、Large Professor feat. Grand Daddy I.U. and Mic Geronimo「Mack Don Illz」、C-Rayz Walz, Vast Aire, Access Immortal and Karniege feat. Lady Pseudo & Poison Pen「I Love New York」、Cesar Comanche「Hands High」、IAM「1 Peu Trop Court」、Utah Jazz「The Only One」、Onra and Quetzal「Give Something」、Sonny Fodera & Gene Farris「Turn Down」、Mally the Martian & Shem Levi「Just the Way You Are」等でサンプリングされています。

Earth, Wind & Fire「You Can't Hide Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=plP4Z2hHXvE
Large Professor feat. Grand Daddy I.U. & Mic Geronimo「Mack Don Illz」
 http://www.youtube.com/watch?v=7ulJNn6WZj8
C-Rayz Walz, Vast Aire, Access Immortal and Karniege feat. Lady Pseudo & Poison Pen「I Love New York」
 http://www.youtube.com/watch?v=zIaGgVZ_WdE
Cesar Comanche「Hands High」
 http://www.youtube.com/watch?v=UANNOXftJic
Onra and Quetzal「Give Something」
 http://www.youtube.com/watch?v=FQg54muh8sw
Mally the Martian & Shem Levi「Just the Way You Are」
 http://www.youtube.com/watch?v=eNCoUYdJHr8

「Let Me In Your Life」
Bill Withers作。Bill Withersのオリジナルは『Still Bill』(1972年)に収録されています。素晴らしいストリングス・アレンジによる感動的なビューティフル・バラードで魅了します。
http://www.youtube.com/watch?v=4I7utpFsqMs

Bill Withers「Let Me In Your Life」
 http://www.youtube.com/watch?v=pKObCiYuwbE

「Lovesville」
Joe Thomas/Michael Stokes作。男女ヴォーカル・グループならではの親しみやすいファンキー・チューンに仕上がっています。

「You're Too Good To Be True」
Joe Thomas/Michael Stokes作。美しいメロディを伸びやかなヴォーカルで歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=aY0HAkBxq38

「Wild Flower」
David Richardson/Douglas Edwards作。David Fosterも在籍していたSkylarkのヒット曲をカヴァー。哀愁のメロディを切々と歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=OLSNDKlvE94

Estelle「Thank You」、Wu All-Stars「Soul Through the Hole」
Akrobatik「Kindred」、Mr. Cheeks feat. Floetry「Supposed To」、Saigon feat. Dead Prez「Nobody Cares」等のサンプリングソースにもなっています。

Skylark「Wildflower」
 http://www.youtube.com/watch?v=RtIJHRTMGzc
Estelle「Thank You」
 http://www.youtube.com/watch?v=yUuEYM9vjlw
Wu All-Stars「Soul Through the Hole」
 http://www.youtube.com/watch?v=P7d6SvbvSQw
Saigon feat. Dead Prez「Nobody Cares」
 http://www.youtube.com/watch?v=5_5FX5I-n0Y

「Magic Carpet Ride」
John Kay/Rushton Moreve作。ドリーミーなイントロに続き、開放的なダンサブル・チューンが展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=a9_egGqAclM

「Who Is He And What Is He To You」
Bill Withers/Stan McKenney作。Bill Withersのカヴァー。オリジナルは『Still Bill』(1972年)に収録されています。ここではBill Withers作品を10分超の長尺のダンス・チューンに様変わりさせています。グイグイくるベースラインがたまりません。まさにガラージ・クラシックに相応しい仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=bSGLTbXh_JU

定番サンプリングソースとしても大人気です。LL Cool J「Phenomenon」、Majestic Productions「Drop Method」、Top Priority feat. Percy P「Let the Homocides Begin」 、The Furior III「Good God」、Shazzy「Play in Vain」、Movement Ex「Comin' at Ya」、Terminator X「Back to the Scene of the Bass」、Schoolly D「Run」、Two Kings in a Cipher「Com'n Atcha」 等でサンプリングされています。

LL Cool J「Phenomenon」
 http://www.youtube.com/watch?v=SQsd7y5YbZw
Top Priority feat. Percy P「Let the Homocides Begin」
 http://www.youtube.com/watch?v=SlfHCdq6oFE
Shazzy「Play in Vain」
 http://www.youtube.com/watch?v=ty53PhDM5p4
Schoolly D「Run」
 http://www.youtube.com/watch?v=UFEPEa0Bq0I
Two Kings in a Cipher「Com'n Atcha」
 http://www.youtube.com/watch?v=H4xjV39asgM

「Oh Love」
Joe Thomas/Michael Stokes作。女性メンバーを前面に押し出した華やかなポップ・ソウルで本編を締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=JPpCC6e8lXA

Sticky Fingaz「Come On」でサンプリングされています。
Sticky Fingaz「Come On」
 http://www.youtube.com/watch?v=bcpAxxd2HUM

CDには以下の5曲がボーナス・トラックとして収録されています。

「Corazon」
2nd『Migration』(1974年)収録曲。Carole King作品のカヴァー。オリジナルは『Fantasy』に収録されています。当ブログでも紹介したLTG Exchangeヴァージョンも含めてガラージ・クラシックとしてお馴染みの楽曲です。「Who Is He And What Is He To You」とセットで聴くとグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=zwCj0_v7zfU

「Pass The Feeling On」
3rd『Pass The Feelin' On』(1975年)収録曲。ジワジワ腰にくる感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=cqT6db3BnEk

「I Want Ya (Loving Me)」
3rd『Pass The Feelin' On』(1975年)収録曲。メロウなミディアム・スロウ。キュートな魅力があって好きです。
Written-By ? June Gatlin, Skip Scarborough

「I'd Find You Anywhere」
4th『Consider The Source』(1976年)収録曲。素敵なメロウ・チューンにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=z-RvUZ7JOHQ

「Who Is He And What Is He To You (Single Version)」
「Who Is He And What Is He To You」のシングル・ヴァージョン。オリジナルが長尺なので便利かもしれません。

昨日は某中古ショップの決算セールへ・・・格安で掘り出し物をゲットできニンマリです。
posted by ez at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする