2014年03月14日

100 Proof Aged In Soul『100 Proof (Aged In Soul)』

Steve Manchaを中心としたソウル・グループの2nd☆100 Proof Aged In Soul『100 Proof (Aged In Soul)』
100プルーフ・エイジド・イン・ソウル+6
発表年:1972年
ez的ジャンル:Hot Wax系デトロイト・ソウル
気分は... :心がホッコリ・・・

今回はHot Wax系のソウル・グループ100 Proof Aged In Soulの2ndアルバム『100 Proof (Aged In Soul)』(1972年)です。

100 Proof Aged In Soulは1969年にデトロイトでヴォーカル・グループとして結成されました。メンバーはSteve Mancha(本名Clyde Wilson)を中心に、Eddie HolidayJoe StubbsDon Hatcherという4名です。

Holland-Dozier-HollandHot Waxから1969年にシングル「Too Many Cooks (Spoil the Soup)」でデビュー。1970年にリリースした2ndシングル「Somebody's Been Sleeping」は全米Top10ヒットとなりました。翌年には1stアルバム『Somebody's Been Sleeping In My Bed』をリリースしています。

しかし、Eddie Holiday、Joe Stubbsが脱退したため、新メンバーを加え、Steve Mancha(vo)、Don Hatcher(b)、Ron Bykowski(vg)、Dave Case(per)、Darnel Hagen(ds)という新ラインナップで2ndアルバム『100 Proof (Aged In Soul)』(1972年)を同じくHot Waxからリリースしています。

今回、1st『Somebody's Been Sleeping In My Bed』と2nd『100 Proof (Aged In Soul)』のどちらをセレクトするか迷いましたが、ヴォーカル・グループよりヴォーカル&インスト・グループを好む僕の嗜好を反映して2ndをセレクトしました。

オープニングの「Everything Good Is Bad」「Nothing Sweeter Than Love」「Don't Scratch Where It Don't Itch」のような楽曲が本作らしいのかもしれません。ただし、「Since You Been Gone」「Ghetto Girl」のようなバラード系の楽曲の方がSteve Manchaのヴォーカルの魅力を満喫できます。

プロデュースはRonald DunbarGeneral JohnsonGreg Perry。さらにアレンジャーとして、H.B. BarnumMcKinley JacksonPaul Riserが起用されています。

派手さはありませんが、聴いていて心がホッコリする1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Everything Good Is Bad」
Angelo Bond/Gary "Gazza" Johnson/Greg Perry作。同時期にHot Wax/InvictusのハウスバンドThe Politiciansも演奏しています。ヴォーカル&インスト・グループとなった新生100 Proof Aged In Soulらしいインスト重視の仕上がりです。ドラム&パーカッションのブレイクもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=DsI5C6rL_eg

昨日の3582『Situational Ethnics』の記事で紹介したLone Catalystsが「Bad Music」でサンプリングしています。なかなかカッチョ良いですよ!

The Politicians「Everything Good Is Bad」
http://www.youtube.com/watch?v=_Sltm19wcfY
Lone Catalysts「Bad Music」
http://www.youtube.com/watch?v=px2qYeBkBqo

「Since You Been Gone」
Ronald Dunbar/Clyde Wilson作。Steve Manchaのヴォーカルを堪能できる感動的なソウル・バラード。哀愁のオルガンを歌うManchaのヴォーカルが実に味わい深いです。
http://www.youtube.com/watch?v=TsckA81eQ5g

「Nothing Sweeter Than Love」
Clyde Wilson作。Steve Manchaの切なるメッセージが胸にグッとくるニューソウル的な仕上がり。聴き重ねるほどジワジワきます。
http://www.youtube.com/watch?v=qJDhi3TLx2k

「Ghetto Girl」
Greg Perry/Clyde Wilson作。胸に込み上げるものがある感動のソウル・バラード。 バラード系ではこの曲が一番好き!
http://www.youtube.com/watch?v=nAo18FMGeV0

「Words」
Barry Gibb/Maurice Gibb/Robin Gibb作。Bee Gees、1968年のシングルをカヴァー。この選曲は意外ですね。アルバムの中では少し埋もれている気も・・・。

「I Don't Care If I Never Get Over You」
Angelo Bond/Ronald Dunbar/Clyde Wilson作。味わい深いバラード。素晴らしいストリングス・アレンジがManchaのヴォーカルを盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ODpQxbE1YBA

Josh Xantus feat. Ghostface Killah「I Don't Care」、2 Pistols feat. 2 Chainz「I Don't Care」、Lil B「I Love Hip Hop」でサンプリングされています。

「Don't Scratch Where It Don't Itch」
Angelo Bond/Gary "Gazza" Johnson/Greg Perry作。ホーン隊も加わったファンキー・チューン。僕の一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=bhLFdeV0_Y0

「Don't You Wake Me」
Angelo Bond/Greg Perry作。この曲も心に沁みます。ここでも素晴らしいストリングス・アレンジが冴えます。
http://www.youtube.com/watch?v=wu7ROA1XDYQ

「Never My Love」
Don Addrisi作。ラストもバラード。ただし、他のバラード系の楽曲とは少し異なる趣です。
http://www.youtube.com/watch?v=iGJYuN3vgbo

CDには「I'd Rather Fight Than Switch」「If I Could See The Light In The Window (Version 2)」「My Piece Of The Rock (Vocal)」「My Piece Of The Rock (Instrumental)」「I'm Mad As Hell (Ain't Gonna Take No More) (Part 1)」「I'm Mad As Hell (Ain't Gonna Take No More) (Part 2)」という6曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。ファンキー・チューンが多いのです。

1stアルバム『Somebody's Been Sleeping In My Bed』もチェックを!

『Somebody's Been Sleeping In My Bed』(1971年)
サムバディーズ・ビーン・スリーピング・イン・マイ・ベッド+5
posted by ez at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月13日

3582『Situational Ethnics』

Fat JonとJ. RawlsによるHip-Hopユニットの第2弾☆3582『Situational Ethics』
SITUATIONAL ETHICS
発表年:2003年
ez的ジャンル:アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :激しい雨が・・・

今回はFat JonJ. RawlsによるHip-Hopユニット3582の第2弾アルバム『Situational Ethics』(2003年)です。

3582Five DeezFat JonLone CatalystsJ. Rawlsが組んだHip-Hopユニット。3582名義で『The Living Soul』(2001年)、『Situational Ethics』(2003年)という2枚のアルバムをリリースしています。

当ブログではFive Deezの1stアルバム『Koolmotor』(2001年)を紹介済みです。

Five DeezLone Catalystsというオハイオ州シンシナティを拠点とする2つのHip-Hopグループの中心メンバーによるユニットということで、アングラ・ジャジーHip-Hop好きの期待度は高かったと思います。

アングラ・ジャジーHip-Hopらしいセンスに溢れたアルバムです。シンプルながらも聴く者を惹き込むトラック作りの素晴らしさが魅力の1枚です。随所に聴かれるラテン・フレイヴァーのインタールードも僕好みです。

本編に加え、隠れトラック1曲、ボーナス・トラック3曲が追加収録されています。特に国内盤のみのボートラ「Late Night」はかなり嬉しいです。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
ラテン・フレイヴァーのイントロ。

「The E」
シングルカットされた楽曲。美しくも切なく浮遊する哀愁トラックで駆け抜けます。
http://www.youtube.com/watch?v=rC1fpCfJ224

「Look At You」
ジャジーなギター・ループが印象的なジャジー・メロウ・グルーヴ。

「Loser Type」
エレピと乾いたドラムが織り成すミステリアス・トラック。
http://www.youtube.com/watch?v=-H6602T7kDU

「Take It To The Face」
90年代Hip-Hopの香りのする格好良さ。こういうの大好きです!
http://www.youtube.com/watch?v=lm7FE_LrTdg

「I Would Change」
Earl Klugh「Heart String (Reprise)」ネタのループが使われたビューティフル・トラック。
http://www.youtube.com/watch?v=TbKxof27kJ4

「Bad As They Come」
ホーン・サウンドのループが印象的なジャジー・チューン。

「Vanessa From Venezuela」
僕の一番のお気に入り。心地好いボッサ・フレイヴァーのトラックはモロに僕好み。
http://www.youtube.com/watch?v=_4-h7ZNEPsg

「Outro」
ドラムンベースなアウトロ。さらに隠れトラック「Outcome」が収録されています。こちらは美しいピアノが印象的な大人のHip-Hoチューンですp。
http://www.youtube.com/watch?v=SkbaLWFVJZI

「The E (Remix)」
ここからがボーナス・トラック3曲。「The E」のリミックス。ミステリアスなメロウネスが漂います。

「Bad As They Come (Remix)」
「Bad As They Come」のリミックス。哀愁モードで疾走します。
http://www.youtube.com/watch?v=zjBG_2iwRaE

「Late Night」
国内盤のみのボーナス・トラック。Pase Rockをフィーチャーしたジャジー・チューン。実はコレが一番良かったりもして(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=wKNjtU_zhEk

1st『The Living Soul』(2001年)やFive DeezLone Catalystsもチェックを!

3582『The Living Soul』(2001年)
THE LIVING SOUL

Five Deez『Koolmotor』(2001年)
Koolmotor

Five Deez『Kinkynasti』(2003年)
Kinkynasti

Five Deez『Slow Children Playing』(2005年)
Slow Children Playing

Five Deez『Kommunicator』(2006年)
Kommunicator

Lone Catalysts『Hip-Hop』(2001年)
HIP HOP

Lone Catalysts『The Catalysts Files』(2002年)
Catalysts Files

Lone Catalysts『Good Music』(2005年)
GOOD MUSIC

Lone Catalysts『Square Binizz』(2007年)
スクウェア・ビニズ

Lone Catalysts『Back To School』(2011年)
Back To School
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2014年03月11日

Brasilia Modern Six『Estreia』

ソフト・ブラジリアン・コーラスの名盤☆Brasilia Modern Six『Estreia』
Estreia
発表年:1969年
ez的ジャンル:ブラジリアン・コーラス・グループ
気分は... :あの日から3年・・・

2011.3.11。もうあの日から3年が経つんですね。

震災直後の記事を読み返しながら、あの当時感じたことを思い出していました。

これまで感じたことのない地震の揺れにおののき、TVに映る津波の映像に茫然とし、原発事故への対応のまずさに苛立ち、日常を普通に過ごせることが、どれだけ幸せなことなのかに気づかされ・・・今まで感じたことのない、さまざまな感情が湧き上がってきたことが思い出されます。

果たして、この3年間は長かったのか、短かったのか。

自分は震災前とあまり変わらぬ日常を過ごしていますが、進まぬ被災地復興、先が見えない原発問題の現状をみると複雑な心境になります。

あの日を忘れない・、日本人一人ひとりが今一度、自分、家族、社会などを見つめ直すべき日かもしれませんね。

今回はソフト・ブラジリアン・コーラスの名盤Brasilia Modern Six『Estreia』(1969年)です。

Brasilia Modern Sixはメンバーの詳細さえよくわからない謎のブラジリアン・コーラス・グループ。本作がグループ唯一のアルバムです。かつては激レア盤として名高かった作品ですね。

ソフト・ブラジリアン・コーラスの作品ですが、ブラジルっぽくない演奏も結構あって、良くも悪くも幅の広いアルバムです。

個人的にはブラジルらしい「Roda de Samba」「Homem Zero」や、グルーヴィーなオルガンにグッとくる「I Say a Little Prayer」、ラウンジ風の「Estou Aqui」あたりがオススメです。

全曲紹介しときやす。

「I Love You」
ライナーノーツにはZombiesのカヴァー(日本人にはカーナビーツ「好きさ 好きさ 好きさ」としてお馴染みのあの曲)と書いてあり、ジャケにも作者Chris Whiteの名がクレジットされていますが、実際に聴くと別の同名異曲のように思います。歌詞、メロディもお馴染みのあの曲とは異なる気がします。スウィートなポップ・バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=5I_EO4AhsJM

「Estou Aqui」
Cesar Roldao Vieira作。ヴァイヴの入ったラウンジ感覚の落ち着いた仕上り。個人的にはこういうの好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=ZCxJZkRixwA

「Those Were The Days」
Gene Raskin作。、Paul McCartneyがプロデュースしたMary Hopkinの大ヒットでお馴染み「悲しき天使」のカヴァー。でも元はロシア民謡でコザック・ダンスが似合いそうなこの曲は、ブラジル人アーティストにはミスマッチのような気がします。

「Light My Fire」
ご存知Doorsの大ヒット曲「ハートに火をつけて」のカヴァー。当ブログでこの曲のカヴァーを紹介するのは、Julie Driscoll,Brian Auger & The TrinityAnanda ShankarJose Felicianoに続き4回目となります。単にムーディーだけでは終わらない、妖しげな雰囲気がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Y-__6Kf9dmo

「Roda de Samba」
Jose Briamonte/Paulo Roberto作。当ブログではSambalanco Trioのカヴァーも紹介済みです。このハッピー・サンバが本作のハイライトでしょうね。僕も一番のお気に入り。聴いているだけで楽しくなる演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=UJHWDOPLW6s

「I Say a Little Prayer」
Hal David/Burt Bacharach作。Dionne WarwickAretha Franklinらのヒットでお馴染みの名曲。当ブログではCal TjaderReuben WilsonChristopher ScottSergio Mendesのカヴァーを紹介済みです。名曲を女性スキャットが素敵なグルーヴィー・オルガン・サンバで聴かせてくれます。

「O Carrossel de Dusseldorf」
Christian Bruhn/Georg Buschor作。ドイツでは有名なスタンダードらしいです。民謡風の仕上がりは僕には少しビミョーです。

「Viento Dile a la Lluvia」
アルゼンチンのロック・グループLos Gatosのカヴァー(Litto Nebbia作)。甘く切ないメロディが女性ヴォーカルとよくマッチしています。

「Tomorrow's Love(Morir un Poco)」
Alvaro Covacevich/Bob Russell作。チリ映画『Morir un Poco』(1967年)の主題歌をカヴァー。フランス映画のサントラ風ですね。女性スキャットが似合うサウンドです。

「Homem Zero」
Messias作。個人的には「Roda de Samba」と並ぶお気に入り。グルーヴィーなオルガン・サウンドにグッとくるジャズ・サンバ・チューン。ソフト・ブラジリアン・コーラスの魅力を存分に満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZqgSvaXGE4c

「Balanco de Crianca」
Cesar Roldao Vieira作。哀愁モードのバランソ・チューン。切ないメロディを歌うキュートな女性ヴォーカルがいいですね。

「Summer Rain」
Jim Hendricks作。Johnny Riversでお馴染みの楽曲をカヴァー。サックスがリードするインスト・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=-iX9Gdpnxl8

今日は失われた多くの尊い命や、今も困難に直面している被災地の方々に思いを巡らせながら1日を過ごしたいと思います。
posted by ez at 02:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月10日

『今の気分は...2014年3月10日編』

今日は過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は90年代R&Bからセレクトしてみました。
全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Kevon Edmonds「Love Will Be Waiting」
http://www.youtube.com/watch?v=BO0fPCoZ8bs
From 『24/7』(1999年)
24-7

Changing Faces「My Lovely」
http://www.youtube.com/watch?v=gLYWieAMTgw
From 『All Day, All Night』(1997年)
All Day All Night

Lo-Key?「Been A Long Time, Love」
http://www.youtube.com/watch?v=ziBm8m1AJ9c
From 『Back 2 Da Howse』(1994年)
lo-key back 2 da howse.jpg

III Frum Tha' Soul「Wha Cha Missin'」
http://www.youtube.com/watch?v=pg4JF9kNpr4
From 『What Cha Missin'』(1993年)
What Cha Missin'

3 Shades Brown「Let's Spend The Night Together」
http://www.youtube.com/watch?v=pccU1U1orQg
From 『Stronger Than Strong』(1992年)
3 shades brown stronger than strong.jpg

Front Page「Let's Get Comfortable」
http://www.youtube.com/watch?v=_qzjxQ8Jn3o
From 『Front Page』(1994年)
Front Page

Highland Place Mobsters「Try My Love」
http://www.youtube.com/watch?v=wQo9u7jGl9Q
From 『1746DCGA30035』(1992年)
Highland Place Mobsters

Winans Phase 2「Too Much Heaven (Phase 2)」
http://www.youtube.com/watch?v=eCeAGbXQxIg
From 『We Got Next』(1999年)
We Got Next

Dru Hill「All Alone」
http://www.youtube.com/watch?v=f4eUFNVd2u8
From 『Dru Hill』(1996年)
Dru Hill

Brownstone「Around You」
http://www.youtube.com/watch?v=j9RVLIJkykY
From 『Still Climbing』(1997年)
Still Climbing
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2014年03月09日

The New Mastersounds『Therapy』

UKジャズ・ファンクのトップ・ランナーの最新作☆The New Mastersounds『Therapy』
セラピー
発表年:2014年
ez的ジャンル:UKジャズ・ファンク
気分は... :ジャズ・ファンク療法?

今回はUKジャズ・ファンクを牽引するグループThe New Mastersoundsの最新作『Therapy』です。

The New Mastersounds(NMS)はリーダーEddie Roberts(g)を中心に、Simon Allen(ds)、Pete Shand(b)、Bob Birch(org、key)の4名で結成したグループ。

1stアルバム『Keb Darge Presents The New Mastersounds』(2001年)を皮切りに今日までコンスタントに作品をリリースしています。

当ブログでThe New Mastersounds関連の作品を紹介するのは、リーダーEddie Robertsが女性R&BシンガーFrecklesをフィーチャーしたEddie Roberts & Freckles『Move』(2010年)以来となります。

間もなく結成15周年を迎えるグループがリリースした最新作『Therapy』。Eddie Robertsが2011年からシスコへ移住したことに伴い、前作はUSレコーディングを行ったNMSですが、本作も引き続きUSレコーディングです。

本作におけるメンバーはEddie Roberts(g)、Simon Allen(ds)、Pete Shand(b)、Joe Tatton(org、p、el-p、key)の4名。さらにKim Dawson(vo)、Ryan Zoidis(sax)がゲスト参加しています。

Kim Dawsonをフィーチャーした2曲、メンバー自身がヴォーカルをとる曲が2曲と計4曲のヴォーカルが収録されているのが本作の特徴かもしれません。それ以外にも「Old Man Noises」「Monday Meters」のような200%NMS印のインスト・ファンク、NMS流ディスコ・ハウスな「When It Rains...」Bruno Marsのヒット曲のディスコ・カヴァー「Treasure」など聴きどころ満載です。

UKジャズ・ファンクのトップランナーNMSの自信に溢れたファンク・サウンドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Old Man Noises」
怒涛のオルガン・ファンクでアルバムは幕を開けます。グルーヴィーなハモンド、ワウワウ・ギター、ファンキー&パワフルなリズム隊が織り成すサウンドは200%NMS印のキラー・チューンです。

「Morning Fly」
軽く肩慣らしといった感じで、メンバー達の確かな演奏力を確認できるファンキー・チューン。

「I Want You To Stay」
Kim Dawsonをフィーチャーした1曲目。キュートでキャッチーなヴォーカル・チューンはNMSの新境地開拓といったところでしょうか。Eddie Robertsのギター・プレイも楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=DHUj2n50lWU

「Monday Meters」
タイトル通り、彼らの敬愛するグループThe Metersへのオマージュ。NMSの原点のようなものを感じるファンキー・グルーヴです。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=iRhxXnzanls

「When It Rains...」
NMS流ディスコ・ハウスといった趣の四つ打ちダンス・チューン。見事な生音ハウス・チューンを堪能できます。

「Whistle Song」
タイトル通りの口笛ファンク。軽快なグルーヴィー・サウンドを楽しめるオルガン・ファンク好きにはたまらない1曲です。

「Soul Sista」
Kim Dawsonをフィーチャーした2曲目。こちらはファンク魂を前面に押し出したシスター・ファンクです。

「Stop This Game」
メンバー自身がヴォーカルをとっている楽曲です。ライナーノーツに書かれている通り、70年代のBrian Auger風ですね。そんなことも手伝って僕はかなり好きです。

「Slow Down」
この曲でもメンバー自身がヴォーカルをとっています。Maceo Parker風サウンドを取り入れるために、Ryan Zoidisがサックスで参加しています。ライブで聴くと盛り上がりそうな曲です。

「WWIII (and how to avoid it)」
タイトルは第三次世界大戦を意味するもの。シリアの騒乱を懸念し、このタイトルが付けられたらしいです。演奏自体はEddieのギターを堪能できるグルーヴィーなインストです。

「Detox」
Eddieのギターが体内の毒素を浄化してくれそうなデトックスなインスト・チューン。

「Treasure」
ラストはBruno Marsのヒット曲「Treasure」のカヴァー。オリジナル自体70年代ディスコへのオマージュを感じるものですが、NMSは1974年のGeorge Bensonがこの曲を演奏したら・・・といったフィーリングでこのカヴァーを演奏しているのだそうです。インストながらもなかなかキャッチーなカヴァーに仕上がっていると思います。

Bruno Mars「Treasure」
 http://www.youtube.com/watch?v=nPvuNsRccVw

The New Mastersoundsの他作品もチェックを!

『Keb Darge Presents The New Mastersounds』(2001年)
ケブ・ダージ・プリゼンツ

『Be Yourself』(2003年)
ビー・ユアセルフ

『This Is What We Do』(2005年)
ディス・イズ・ワット・ウィー・ドゥ [初回限定盤]

『Live at la Cova』(2006年)
ライヴ・アット・ラ・コヴァ

『102%』(2007年)
102%

『Plug & Play』(2008年)
プラグ&プレイ

『Live in San Francisco』(2008年)
ライヴ・アット・サンフランシスコ

『Ten Years On』(2009年)
テン・イヤーズ・オン

『Breaks from the Border』(2011年)
Breaks from the Border

『Out on the Faultline』(2012年)
Out on the Faultline
posted by ez at 00:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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