発表年:2014年
ez的ジャンル:UKジャズ・ファンク
気分は... :ジャズ・ファンク療法?
今回はUKジャズ・ファンクを牽引するグループThe New Mastersoundsの最新作『Therapy』です。
The New Mastersounds(NMS)はリーダーEddie Roberts(g)を中心に、Simon Allen(ds)、Pete Shand(b)、Bob Birch(org、key)の4名で結成したグループ。
1stアルバム『Keb Darge Presents The New Mastersounds』(2001年)を皮切りに今日までコンスタントに作品をリリースしています。
当ブログでThe New Mastersounds関連の作品を紹介するのは、リーダーEddie Robertsが女性R&BシンガーFrecklesをフィーチャーしたEddie Roberts & Freckles『Move』(2010年)以来となります。
間もなく結成15周年を迎えるグループがリリースした最新作『Therapy』。Eddie Robertsが2011年からシスコへ移住したことに伴い、前作はUSレコーディングを行ったNMSですが、本作も引き続きUSレコーディングです。
本作におけるメンバーはEddie Roberts(g)、Simon Allen(ds)、Pete Shand(b)、Joe Tatton(org、p、el-p、key)の4名。さらにKim Dawson(vo)、Ryan Zoidis(sax)がゲスト参加しています。
Kim Dawsonをフィーチャーした2曲、メンバー自身がヴォーカルをとる曲が2曲と計4曲のヴォーカルが収録されているのが本作の特徴かもしれません。それ以外にも「Old Man Noises」、「Monday Meters」のような200%NMS印のインスト・ファンク、NMS流ディスコ・ハウスな「When It Rains...」、Bruno Marsのヒット曲のディスコ・カヴァー「Treasure」など聴きどころ満載です。
UKジャズ・ファンクのトップランナーNMSの自信に溢れたファンク・サウンドを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Old Man Noises」
怒涛のオルガン・ファンクでアルバムは幕を開けます。グルーヴィーなハモンド、ワウワウ・ギター、ファンキー&パワフルなリズム隊が織り成すサウンドは200%NMS印のキラー・チューンです。
「Morning Fly」
軽く肩慣らしといった感じで、メンバー達の確かな演奏力を確認できるファンキー・チューン。
「I Want You To Stay」
Kim Dawsonをフィーチャーした1曲目。キュートでキャッチーなヴォーカル・チューンはNMSの新境地開拓といったところでしょうか。Eddie Robertsのギター・プレイも楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=DHUj2n50lWU
「Monday Meters」
タイトル通り、彼らの敬愛するグループThe Metersへのオマージュ。NMSの原点のようなものを感じるファンキー・グルーヴです。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=iRhxXnzanls
「When It Rains...」
NMS流ディスコ・ハウスといった趣の四つ打ちダンス・チューン。見事な生音ハウス・チューンを堪能できます。
「Whistle Song」
タイトル通りの口笛ファンク。軽快なグルーヴィー・サウンドを楽しめるオルガン・ファンク好きにはたまらない1曲です。
「Soul Sista」
Kim Dawsonをフィーチャーした2曲目。こちらはファンク魂を前面に押し出したシスター・ファンクです。
「Stop This Game」
メンバー自身がヴォーカルをとっている楽曲です。ライナーノーツに書かれている通り、70年代のBrian Auger風ですね。そんなことも手伝って僕はかなり好きです。
「Slow Down」
この曲でもメンバー自身がヴォーカルをとっています。Maceo Parker風サウンドを取り入れるために、Ryan Zoidisがサックスで参加しています。ライブで聴くと盛り上がりそうな曲です。
「WWIII (and how to avoid it)」
タイトルは第三次世界大戦を意味するもの。シリアの騒乱を懸念し、このタイトルが付けられたらしいです。演奏自体はEddieのギターを堪能できるグルーヴィーなインストです。
「Detox」
Eddieのギターが体内の毒素を浄化してくれそうなデトックスなインスト・チューン。
「Treasure」
ラストはBruno Marsのヒット曲「Treasure」のカヴァー。オリジナル自体70年代ディスコへのオマージュを感じるものですが、NMSは1974年のGeorge Bensonがこの曲を演奏したら・・・といったフィーリングでこのカヴァーを演奏しているのだそうです。インストながらもなかなかキャッチーなカヴァーに仕上がっていると思います。
Bruno Mars「Treasure」
http://www.youtube.com/watch?v=nPvuNsRccVw
The New Mastersoundsの他作品もチェックを!
『Keb Darge Presents The New Mastersounds』(2001年)
『Be Yourself』(2003年)
『This Is What We Do』(2005年)
『Live at la Cova』(2006年)
『102%』(2007年)
『Plug & Play』(2008年)
『Live in San Francisco』(2008年)
『Ten Years On』(2009年)
『Breaks from the Border』(2011年)
『Out on the Faultline』(2012年)