2014年04月30日

Paul Mac Innes & T.B.O.I.『Paul Mac Innes & T.B.O.I.』

スウェディッシュ・ユニットによる北欧モダン・ソウル☆Paul Mac Innes & T.B.O.I.『Paul Mac Innes & T.B.O.I.』
ポール・マック・イネス&T.B.O.I.
発表年:2007年
ez的ジャンル:北欧モダン・ソウル
気分は... :落ち着きのある大人のブルーアイド・ネオソウル!

今回は北欧モダン・ソウル作品Paul Mac Innes & T.B.O.I.『Paul Mac Innes & T.B.O.I.』(2007年)です。

Paul Mac Innes & T.B.O.I.は、ヴォーカリストPaul Mac Innesとサックス、ドラム、キーボード等をこなすマルチ・プレイヤーT.B.O.I.ことBjorn Almgrenによるスウェディッシュ・ユニット。

Paul Mac Innesは、当ブログで紹介した作品でいえば、オーストラリア人アーティストのディスコ・ソウル/アーバン・メロウ作品Bennson『Let The Love』(2008年)です。

彼らの唯一のアルバムとなる本作『Paul Mac Innes & T.B.O.I.』(2007年)は、シンプルながらも北欧らしいスタイリッシュさが魅力のブルーアイド・ソウル作品に仕上がっています。いや、"ブルーアイド・ネオソウル"って呼んだほうが雰囲気近いかも?

アルバム全体としては、ネオソウル的なミディアム・グルーヴが中心です。抑えながらも味わいのあるPaul Mac InnesのヴォーカルとT.B.O.I.によるメロウなジャジー・グルーヴがよくマッチしています。実に落ち着きのある大人のブルーアイド・ネオソウルって感じがたまりません。決して甘くなりすぎないビター・スウィート感が僕の嗜好によくフィットしています。

北欧ジャジー・ソウルとネオソウルが上手く融合した落ち着きの大人のブルーアイド・ネオソウルを堪能してください。

全曲紹介しときやす。

「Welcome To The Bunker」
このユニットらしい落ち着きのあるモダン・ソウル。深夜に一人グラスを傾けながら、ゆったり体を揺らして聴きたくなる1曲です。

「Even Though」
シングル・カットもされたメロウ・ソウル。本作のハイライト曲でしょうね。北欧らしいメロウなジャジー・ソウル・サウンドとPaul Mac Innesの抑えたヴォーカルが織り成す引き算のメロウ・ソウルといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=QSoGhlkLHzY

「Need」
アングラ・ジャジーHip-Hop的なグルーヴが印象的なミッド・グルーヴ。

「Sorry I'm Leaving」
スモーキーなイントロにグッとくるジャジー・ソウル。乾いたドラムが叩き出すリズム感はRobert Glasper Experimentあたりが好きな人も気に入るのでは?

「Time!?」
D'Angeloあたりの流れを汲むネオソウル・チューン。Paul Mac Innesのヴォーカルには独特との円やかさがあっていいですね。

「What You Do」
この曲もシングル曲。T.B.O.I.による素敵なサックスと共にスタートします。北欧らしいメロウネスに包まれた哀愁ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=C721zRFRk5w

「Don't Know Me Yet」
Paul Mac Innesの持つソウル魂がジワジワと伝わってくるミディアム・スロウ。派手さはありませんが胸に染み入りします。

「Run Away」
レゲエ・ミーツ・北欧ジャジー・ソウルといった趣の仕上がり。アルバムの中でいいアクセントになっています。

「You Know What To Do」
静寂のメロウネスって感じがたまらないメロウ・ソウル。Paul Mac Innesのソウル・ヴァイヴがよく伝わってきます。

「Choose Now」
ジャジーなネオソウル好きにはたまらない仕上がり。ここでのPaul Mac InnesはかなりD'Angeloっぽいです。

「Let's Dance」
アルバム中最もファンキーな仕上がり。臨場感のある生音グルーヴがいい感じです。

「Goodbye」
ラストは再びレゲエのエッセンスを取り入れています。ポップなのに少し翳りがあるのが本作らしいのでは?

今回紹介したのは国内盤ですが、「You Make My Sunshine 」「Welcome To The Bunker (Horn Version)」「Even Though (Beatr8 Remix)」の3曲を追加したスウェーデン盤もあります。特に「You Make My Sunshine 」はオススメです。

『Paul Mac Innes & T.B.O.I.』(2008年)※スウェーデン盤
Paul Mac Innes & T.B.O.I.
「You Make My Sunshine 」
 http://www.youtube.com/watch?v=T6SD63BwE1M
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2014年04月29日

Enoch Light『Spaced Out』

Project 3のオーナーによるヒップでモンドなラウンジ作品☆Enoch Light『Spaced Out』
enoch light spaced out.jpg
発表年:1969年
ez的ジャンル:Project 3オーナー系モンド・ラウンジ
気分は... :お色気ジャケに弱いんです!

今回は再評価が高まったモンドなラウンジEnoch Light『Spaced Out』(1969年)です。何となくGW気分にフィットしそう(笑)

Enoch Light(1907-78年)はオハイオ州出身のプロデューサー/アレンジャー。元々はバイオリン奏者でしたが、その後自身のビッグバンドを率いるようになったようです。

50年代から数多くの作品をリリースし、特に『Persuasive Percussion』(1960年)は全米アルバム・チャートで13週連続第1位という大ヒットを記録しました。

また、Free Designでお馴染みのレーベルProject 3のオーナーであり、Free Design作品のプロデュースでも知られていますね。

そんなEnoch LightがProject 3からリリースしたモンド・ラウンジ作品が本作『Spaced Out』(1969年)です。

ジャケがJane Fonda主演のカルト・ムービー『Barbarella』(1968年)に通じるものがあっていいですね。
『Barbarella』(1968年)
Barbarella

『Spaced Out』に話を戻すと、ムーグを駆使したモンドなラウンジ作品です。収録曲はThe BeatlesJ. S. BachBurt Bacharach作品を4曲ずつカヴァーした全12曲という構成です。

何となく宇宙をテーマにムーグ・シンセがビュンビュン飛び交うスペイシーなアルバムをイメージするかもしれませんが、(多分、Free Designによる)美しいコーラスやホーン・アンサンブルが冴えるヒップなラウンジ作品というのが僕の印象です。Enoch Lightという人のサウンド・センスの良さを存分に堪能できます。鍵盤を担当しているのはDick Hymanのようです。

モンド好き、ラウンジ好きは勿論のこと、ソフトロック好きの人が聴いても楽しめる作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Bond Street」
Burt Bacharach作品の1曲目。映画『Casino Royale』(1967年)のサントラとして使われた「Home James, Don't Spare the Horses」が後に「Bond Street」のタイトルで発表されたものです。個人的には本作のハイライトだと思います。女声コーラス入りのモンドでヒップなグルーヴィー・ラウンジ!サイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=678FQgbi2Po

「Lover's Concerto」
J. S. Bach作。バッハ「メヌエット ト長調」をカヴァー。このクラシック名曲をムーグやソフトロック調コーラス入りのラウンジ・チューンに仕上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=xsKtH92p3J8

「Knowing When To Leave」
Hal David/Burt Bacharach作。Burt Bacharach作品の2曲目。ブロードウェイ・ミュージカル『Promises, Promises』(1968年)の挿入歌。この演奏も大好き!美しいコーラスワークとホーンアンサンブルで魅了してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=q_YBbU3_hTE

「My Silent Song」
J. S. Bach作。バッハ「G線上のアリア」をカヴァー。「G線上のアリア」を女性コーラスを交えた素晴らしいイージーリスニングに仕上げています。音空間の広がりがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=sEDttjkwdYQ

「Walk On By」
Hal David/Burt Bacharach作。Burt Bacharach作品の3曲目。Dionne Warwickの大ヒットでお馴染みの名曲。ムーグとホーン・アンサンブルがなかなか格好良いです。
http://www.youtube.com/watch?v=0wbrHpY3tlc

「Eleanor Rigby」
The Beatlesカヴァー1曲目( Paul McCartney/John Lennon作)。ダイナミックなホーン・アンサンブルと共に疾走する「Eleanor Rigby」はかなりシビれます。ロッキンなエッセンスもいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=zmZOBICAVrA

「A Little Fugue For Me And You」
J. S. Bach作。バッハ「小フーガト短調」をカヴァー。緩急つけたドラマティックな展開がなかなかいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=xr5uWuvgMn8

The Beatnuts「No Escapin' This」でサンプリングされています。
The Beatnuts「No Escapin' This」
 http://www.youtube.com/watch?v=g8DGrc1uh7I

「Norwegian Wood」
The Beatlesカヴァー2曲目( Paul McCartney/John Lennon作)。ワルツ調のビッグバンド・ジャズ風の仕上がりはなかなか粋です。
http://www.youtube.com/watch?v=ZGZjEZB1ETI

「Ob-La-Di, Ob-La-Da」
The Beatlesカヴァー3曲目( Paul McCartney/John Lennon作)。ムーグを駆使したモンドでダイナミックな「Ob-La-Di, Ob-La-Da」を楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=jkFCiyYqV20

「What The World Needs Now Is Love」
Hal David/Burt Bacharach作。Burt Bacharach作品の4曲目。Jackie DeShannonのヒットで知られる楽曲ですね。甘く切ないソフト・ラウンジ・チューンは梅雨の時期とかにマッチしそう・・・
http://www.youtube.com/watch?v=et--ft6viA8

「Petite Paulette」
J. S. Bach作。バッハ「リュート組曲第一番 ブーレ」をカヴァー。クラシック名曲がムーグを駆使したスペイシー・ラウンジに変貌しています。この曲がアルバム・タイトルやジャケ・イメージに一番フィットするのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=6-TCNRpXIqA

「Get Back」
The Beatlesカヴァー4曲目( Paul McCartney/John Lennon作)。なかなか格好良いロッキン・ラウンジに仕上がっています。

『Persuasive Percussion』(1960年)
Persuasive Percussion
posted by ez at 03:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月28日

Thelma Houston『Ride To The Rainbow』

ダンス・クラシック「Saturday Night, Sunday Morning」収録☆Thelma Houston『Ride To The Rainbow』
ライド・トゥ・ザ・レインボウ
発表年:1979年
ez的ジャンル:モータウン系アーバン・ディスコ
気分は... :月曜ですが、気分は土曜の夜?

今回は70〜80年代に活躍した女性ソウル・シンガーThelma Houstonが1979年にリリースした『Ride To The Rainbow』です。

Thelma Houstonは1946年ミシシッピ生まれの女性ソウル・シンガー/女優。
カリフォルニア州ロングビーチで育ったThelmaは、Jimmy Webbのバックアップを受け、彼のプロデュースによりDunhillからデビュー・アルバム『Sunshower』(1969年)をリリースしました。

Tamla (Motown)より1976年にリリースした『Any Way You Like It』(1976年)からは全米チャート/同R&Bチャート共にNo.1となった大ヒット・シングル「Don't Leave Me This Way」(Harold Melvin & the Blue Notesのカヴァー)が生まれ、Thelmaの人気を決定付けました。

その後もJerry Butlerとの共演アルバム『Thelma & Jerry』(1977年)、『Two to One』(1978年)、ダンス・クラシック「Saturday Night, Sunday Morning」を収録した本作『Ride to the Rainbow』(1979年)、Jam & Lewisがプロデュースした『Qualifying Heat』(1984年)など70年代半ばから80年代前半にかけてコンスタントにアルバムをリリースしています。

本作『Ride To The Rainbow』は、Tamla(Motown)での実質的なラスト・アルバムとなります。
※1982年にMotownからリリースした『Reachin' All Around』はそれまでの未発表曲集

本作といえば、何といっても前述したダンス・クラシック「Saturday Night, Sunday Morning」ですね。フリーソウル・クラシックとしても人気のこのディスコ・チューンのおかげで本作の再評価が高まりました。僕もフリーソウルのコンピで「Saturday Night, Sunday Morning」が気に入り、本作のことを知りました。

Hal Davisがプロデュースし、レコーディングには"Wah Wah" Watson(g)、David Shields(b)、Eddie Watkins, Jr.(b)、James Gadson(ds)、Larry Tolbert(ds)、Reginald Burke(key)、Sylvester Rivers(key)、Alan Oldfield(syn)、Eddie "Bongo" Brown(congas)、Gary Coleman(per)、Melvin Webb(per)、Julia Tillman Waters(back vo)、Maxine Willard Waters(back vo)、Billy Woodruff(back vo)、Bobby Belle(back vo)、Ivory Davis(back vo)、Jessie Richardson(back vo)、Monalisa Young(back vo)、Oma Drake(back vo)、Patti Brooks(back vo)、Terry Young(back vo)、Venetta Fields(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

本来は週末に聴くのが相応しいアルバムですが、GW突入なので月曜からこんなアルバムを聴いてもいいのでは(笑)

全曲紹介しときやす。

「Saturday Night, Sunday Morning」
Mitchell Bottler/Norma Helms作。前述のように本作のハイライトとなるダンス・クラシック。元々は『Ready to Roll』(1978年)収録曲でしたが、そのロング・ヴァージョンとなる本ヴァージョンがダンス・ヒットとなりました。ウィークエンド・モードを盛り上げてくれる、みんなで大合唱の完全無欠のダンス・チューンですね。Eddie "Bongo" Brownのボンゴとメロウ・エレピの絡みもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=IbEsQ2RlARE

「I Wanna Be Back In Love Again」
Bobby Belle/Eddie Summers作。個人的には「Saturday Night, Sunday Morning」に次いで好きな曲。カッティング・ギターとファンキー・リズム隊の疾走感が格好良すぎるダンス・チューン。

「Love Machine」
Billy Griffin/Warren Moore作。お馴染みMiraclesの大ヒット曲のカヴァー。僕は正直オリジナル自体がそれ程好きではないので、このカヴァーも他の人に比べると反応が少し鈍いのかも?
http://www.youtube.com/watch?v=kubHWVZlAxY

「Imaginary Paradise」
Alfred McCrary/Charity McCrary/Linda McCrary/Bobby Belle/Sundray Tucker作。The McCrarysのメンバーが作者として名を連ねる哀愁グルーヴ。

「Just A Little Piece Of You」
Stevie Wonder/Syreeta Wright作。Syreeta Wrightのカヴァー。Syreetaのオリジナルは『Stevie Wonder Presents Syreeta』(1974年)に収録されています。本曲の持つメロウな味わいを活かした好カヴァーです。

「Ride To The Rainbow」
Bunny Hull/Gary Poirot/Michele Simmons作。タイトル曲も僕好みのメロウ・ダンサー。Thelmaのパンチのあるヴォーカルがファンキー&パーカッシヴなサウンドとよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=LI7sh2xErPc

「Paying For It With My Heart」
Guy Finley/Michel Rubini作。スケールの大きなミディアムですが、本作の中では一番印象が薄いかも?

「Give It To Me」
R. Wilson作。ラストはガラージ好きの人はグッとくるであろうダンス・チューンで締め括ってくれます。ブリブリのベースラインがたまりません。

『Sunshower』(1969年)
Sunshower

Thelma Houston & Pressure Cooker『I've Got The Music In Me』(1975年)
I've Got the Music in Me

『Any Way You Like It』(1976年)
エニイ・ウェイ・ユー・ライク・イット(紙ジャケット仕様)

Thelma Houston & Jerry Butler『Thelma & Jerry/Two to One』(1977/1978年) ※2in1CD
Thelma & Jerry/Two to One

『The Devil in Me』(1978年)
ザ・デヴィル・イン・ミー

『Breakwater Cat/Never Gonna Be Another One』(1980/1981年) ※2in1CD
BREAKWATER CAT + NEVER GONNA BE ANOTHER ONE

『Qualifying Heat』(1984年)
Qualifying Heat
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2014年04月27日

Tarrus Riley『Love Situation』

人気レゲエ・シンガーの新作はモダンでメロウなロックステディ!☆Tarrus Riley『Love Situation』
Love Situation
発表年:2014年
ez的ジャンル:モダン・ロックステディ
気分は... :GWはレゲエでのんびりと・・・

今回は新作の中から注目のレゲエ・アルバムTarrus Riley『Love Situation』です。iTunesやビルボードのレゲエ・チャートで第1位となった話題のアルバムです。

Tarrus Riley(本名:Omar Riley)は1979年N.Y.生まれ、ジャマイカ育ちの男性レゲエ・シンガー。

彼の父親はThe SensationsやThe Uniquesでも活躍したレゲエ・シンガーJimmy Rileyです。父親の影響でレゲエ・シンガーとなり、2004年にデビュー・アルバム『Challenges』をリリースします。続く2ndアルバム『Parables』(2006年)からは「She's Royal」「Stay With You」「Lion Paw」といったヒットが生まれました。

「She's Royal」(From 『Parables』)
 http://www.youtube.com/watch?v=qGuLqe-NMKg
「Stay With You」(From 『Parables』)
 http://www.youtube.com/watch?v=-S2ZTGT-PSA
「Lion Paw」(From 『Parables』)
 http://www.youtube.com/watch?v=e-N5M0x__YE

その後も3rdアルバム『Contagious』(2009年)、4thアルバム『Mecoustic』(2012年)といった作品をリリースし、人気レゲエ・シンガーの地位を確立しています。

僕自身はTarrus Rileyというレゲエ・アーティストを熱心にフォローしてきたわけではありませんが、CDショップのレゲエ・コーナーで本作を試聴し、一発で気に入り購入した次第です。

本作のテーマは"ロックステディ"。このロックステディ感覚こそが本作の最大の魅力です、

Alton Ellisらの名曲のリズムが散りばめられるなど、60年代後半のジャマイカを席巻したスウィート&メロウなロックステディのエッセンスを随所に取り入れています。しかも、そうしたエッセンスをモダンなテイストで聴かせてくれるのがたまりません。勿論、サウンドに負けないTarrus Rileyのスウィートでソウルフルなヴォーカルもサイコーです。

プロデュースは長年のパートナーであり、ベテラン・サックス奏者のDean Fraserらが務めています。

アルバムにはBig YouthMr. Cheeks(The Lost Boyz)Whippa DemusKonshensU Royがゲスト参加しています。

「Sail Away (Stepping Out)」「Cry No More」という僕のお気に入り2曲のYouTube音源がないのが残念ですが、「1 2 3 I Love You」あたりを聴いても本作の魅力が十分伝わるはずです。

リラックスしたスウィート&メロウなロックステディはGWの晴れモードな気分にフィットするはずです。

普段、レゲエを聴かない人にもぜひ聴いて欲しい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Love Situation」
ソウルフルなヴォーカル&コーラスワークを堪能できるアルバムのプロローグ。

「1 2 3 I Love You」
ロックステディ・クラシックThe Gaylads「ABC Rocksteady」のリメイク。数え歌のような親しみやすさと、スウィート&メロウなロックステディ・ワールドを満喫できます。Rileyのスウィート・ヴォーカルもサイコー!この力の抜け具合がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=VXOsmI-ibGw
The Gaylads「ABC Rocksteady」
 http://www.youtube.com/watch?v=93AH06NS5W0

「Lost For Words (Speechless)」
Alton Ellis & Keith Hudson「Big Bad Boy」のリズムを取り入れています。本作らしいリラックスしたユルさが実に心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=SmamnDjlbIs
Alton Ellis & Keith Hudson「Big Bad Boy」
 http://www.youtube.com/watch?v=_HVBU9UeDdc

「Welding Skit」
短いスキット。

「Burning Desire」
この曲はビターな味わい。初めて聴くのに懐かしい感じが本作らしい巧みな作りです。
http://www.youtube.com/watch?v=pJieshv1jOI

「A Lifetime Skit」
つなぎのスキット。

「Five Days」
Big YouthとThe Lost BoyzのメンバーMr. Cheeksをフィーチャー。Alton Ellis「If I Could Rule This World」のリズムを取り入れています。The Lost Boyzといえば、90年代後半に全米チャートを賑わした売れっ子Hip-Hopユニットでしたね。ロックステディ・ミーツ・Hip-Hopといった感じの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=vUGQo19H8as
Alton Ellis「If I Could Rule This World」
 http://www.youtube.com/watch?v=Ecw5iArVPqg

「Cry No More」
「Sail Away (Stepping Out)」と並ぶ僕のお気に入り。極上スウィートなロックステディ。Rileyのソウルフル・ヴォーカルを存分に堪能できます。Dean Fraserのサックスもフィーチャーされ、心地好いブロウを聴かせてくれます。

「Dem A Watch (Wanna See Us Break Up)」
アルバムからの先行シングル。The Conquerors「Lonely Street」のリズムを取り入れています。Rileyの伸びやかなヴォーカルとリラックスしたリズムがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=eRH75aGjkqE
The Conquerors「Lonely Street」
 http://www.youtube.com/watch?v=Lh7cyyXbKlI

「Cum Get Your Ish」
John Holt「Strange Things」のリズムを取り入れています。少しビターな味わいが逆にいいですね。
John Holt「Strange Things」
 http://www.youtube.com/watch?v=2VcI2UNK0Pk

「One Drop (Remix)」
2013年のヒット・シングル「Gimme Likkle One Drop」のリミックス。オリジナルをより洗練させたキャッチーなリミックスです。
http://www.youtube.com/watch?v=-Wfq1aIm3q4

「Special Occasion」
Whippa Demusをフィーチャー。Whippa Demusのダミ声DJがいいアクセントになっています。

「To The Limit (Remix)」
Konshensをフィーチャー。2013年のヒット・シングル「To The Limit」のリミックス。オリジナルは切ないメロウネスにグッとくるダンスホール・チューンでしたが、このリミックスはより開放的な雰囲気に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=-WCv2YuOGbI
「To The Limit」
 http://www.youtube.com/watch?v=mqJfasHiDjk

「Thank You」
大きな愛に満ちたスウィート&メロウをRileyが歌い上げます。

「Version Of Love (My Story)」
この曲も大好き!ゆったりとした時間の流れに包まれたスウィート&メロウといった感じが僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=TP-6vnZ_rz0

「Sail Away (Stepping Out)」
「Cry No More」と並ぶ僕のお気に入り。偉大なレゲエDJであるU-Royをフィーチャー。Alton Ellis「Too Late To Turn Back Now」ののリズムを取り入れたゴキゲンなロックステディです。聴いているだけでハッピー&ラブリーな気分になれます。サイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=5WeyTqenDzw

Alton Ellis「Too Late To Turn Back Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=lAmjXwIadPo

「Food For Thought」
 アルバムのエピローグ。

ご興味がある方はTarrus Rileyの他作品もチェックを!

『Challenges』(2004年)
Challenges

『Parables』(2006年)
Parables

『Contagious』(2009年)
Contagious

『Mecoustic』(2012年)
Mecoustic
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2014年04月26日

Brothaz By Choice『Brotha 2 Brotha』

Chris Jasperプロデュース。Isleys好きは要チェックの男性R&Bグループ☆Brothaz By Choice『Brotha 2 Brotha』
Brotha 2 Brotha
発表年:1997年
ez的ジャンル:Isleys系男性R&Bグループ
気分は... :Isleys系の音が聴きたい!

今回は元The Isley BrothersChris Jasperが全面プロデュースしたアルバムBrothaz By Choice『Brotha 2 Brotha』(1997年)です。

Brothaz By ChoiceはN.Y.出身の男性R&Bグループ。メンバーはReggie "LaCrue" MooreJerry MooreReggie WilliamsMelvin Pryorの4名。

The Isley BrothersChris JasperIsley Jasper Isley解散後に設立した自らのレーベルGold City Recordsから、グループ唯一のアルバムとなる本作『Brotha 2 Brotha』(1997年)をリリースしています。

その唯一のアルバムとなる本作『Brotha 2 Brotha』ですが、Chris Jasperが全面プロデュースしたIsley好きには気になる1枚に仕上がっています。

アルバム全体はIsley調のスロウ中心の構成であり、Isley Jasper Isleyの代表曲「Caravan of Love」のカヴァーや、同じくIsley Jasper Isleyの「Brother To Brother」のリメイクが収録されています。また、「Caravan of Love」のカヴァーを含む2曲でChris Jasperがリード・ヴォーカルをとっています。

かなり認知度の低いマイナーR&Bグループだと思いますが、Isley好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Brotha 2 Brotha」
Chris Jasper/Ernie Isley/Marvin Isley/Debbie McDuffie作。Isley Jasper Isleyの「Brother To Brother」(アルバム『Different Drummer』収録)をラップを交えて改作したもの。オリジナルとは一味異なるHip-Hopのエッセンスを取り入れたメロウなリメイクもなかなかいいですよ。

Isley Jasper Isley「Brother To Brother」
http://www.youtube.com/watch?v=irGXI6B1_yU

「Caravan of Love」
Chris Jasper/Ernie Isley/Marvin Isley作。Isley Jasper Isleyを代表する大ヒット(全米R&Bチャート第1位)をカヴァー。オリジナルはアルバム『Caravan of Love』(1985年)に収録されています。しかもここではReggie Mooreと共に本家Chris Jasperがリード・ヴォーカルをとっています。本曲が美メロ・スロウ名曲であることを再認識させてくれる絶品カヴァーです。

Isley Jasper Isley「Caravan Of Love」
http://www.youtube.com/watch?v=fSrRdOMpOn0

「And I Love Her」
Beatlesの名曲カヴァー(Paul McCartney/John Lennon作)。この曲のソウル/R&Bカヴァーとして当ブログではKenny LattimoreBobby Womackのヴァージョンを紹介済みです。皆が知るこの名曲をIsleys風の絶品スロウ・ジャムで聴かせるなかなかの好カヴァーだと思います。この曲でもReggieと共にChris Jasperがリード・ヴォーカルをとっています。
http://www.youtube.com/watch?v=N7LgiAHOA2w

「By Your Side」
Darryl Lawrence作。Isleysばりのセクシー・バラード。ヴォーカルにもIsleys調の粘りがあります。

「Daddy」
Reggie "LaCrue" Moore/Jerry Moore作。Moore兄弟の亡き父に捧げた自作バラード。珠玉のメロディを素晴らしすぎる歌声で歌い切る感動バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=uKH6LgdmGjg

「A Long Goodbye」
Ed Chalfin/Ted Lehrman作。それまでの楽曲とは異なり、正統派男性R&Bグループらしいオーセンティックなミディアム。

「From Monday Thru Sunday」
Michael Jay/Ron Troutman作。この曲もオーセンティックな仕上がり。悪くはないですが、他の楽曲に比べると少しパンチ不足かも?

「Forever」
Chris Jasper作。最後はChris Jasper作の絶品スロウで締め括ってくれます。Reggie Mooreの素晴らしいリード・ヴォーカルを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=--pXGJCOfS0

ご興味がある方は、本作の流れでIsley Jasper Isleyのアルバムもチェックしてみては?

Isley Jasper Isley『Broadway's Closer to Sunset Blvd/Caravan of Love/Different Drummer』(1984/1985/1987年) ※3in1CD
Broadway's Closer to Sunset Blvd/Caravan of Love/Different Drummer
posted by ez at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする