2014年04月14日

Honey Cone『Soulful Tapestry』

Hot Waxを代表する女性グループ、ヒット曲満載の快心作!☆Honey Cone『Soulful Tapestry』
ソウルフル・タペストリー
発表年:1971年
ez的ジャンル:Hot Wax系女性ソウル・グループ
気分は... :Edna姐さんのヴォーカルは素晴らしい!

今回はHolland-Dozier-HollandのHot Waxを代表する女性グループHoney Coneの3rdアルバム『Soulful Tapestry』です。

Honey ConeCarolyn WillisEdna WrightShelly Clarkの3名によりL.A.で結成された女性グループ。

デトロイトに拠点を移し、Holland–Dozier–Holland(Brian Holland/Lamont Dozier/Edward Holland)が設立したHot Waxと契約し、1969年にシングル「While You're Out Looking For Sugar」でデビュー。

その後、「Girls It Ain't Easy」(全米R&Bチャート第8位)、「Want Ads」(全米R&Bチャート、全米チャート共に第1位)、「Stick-Up」(全米R&Bチャート第1位、全米チャート第11位)、「One Monkey Don't Stop No Show-Part I」(全米R&Bチャート第5位、全米チャート第15位)といったヒットを放ち、Hot Waxを代表する売れっ子グループとなりました。しかしながら1973年にグループは解散しています。

この間、グループは『Take Me with You』(1970年)、『Sweet Replies』(1971年)、『Soulful Tapestry』(1971年)、『Love, Peace & Soul』(1972年)という4枚のアルバムをリリースしています。

僕の場合、2001年にリリースされたアルバム4枚の全収録曲に加え、アルバム未収録シングルも収めたコンピ『Soulful Sugar: The Complete Hot Wax Recordings』が手元にあったにも関わらず、その後オリジナル・アルバムのCDも購入してしまいました。やはり、オリジナル・アルバム仕様のものを手元に置きたいので・・・中身は変わらないのにねぇ〜(泣)

本作『Soulful Tapestry』(1971年)は、「Want Ads」「Stick-Up」「One Monkey Don't Stop No Show-Part I」というグループを代表する3枚のヒット・シングルを収めた快心作です。

Ronald Dunbarがエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされ、Chairmen of the BoardのフロントマンGeneral JohnsonとEdna Wrightと公私のパートナーとなるGreg Perryがプロデュースを務めています。

今さらですが、Jackson 5を思わせるキャッチーなメロディと、Edna Wrightを中心としたソウルフルなヴォーカル・ワークの組み合わせが絶妙ですよね。

聴くたびに、Edna Wrightの歌いっぷりの良さに惚れてしまいます。

全曲紹介しときやす。

「One Monkey Don't Stop No Show-Part I」
General Johnson/Greg Perry作。僕の一番のお気に入り。前述のようにアルバムからの3rdシングルとしてヒットしました。このグループの持つキャッチーでソウルフルな躍動感を最も堪能できる1曲だと思います。Ednaのヴォーカルはパワフルなのにキュートなのがいいですね。聴いているだけで元気になってきます!
http://www.youtube.com/watch?v=HmAz0UalyvA

「One Monkey Don't Stop No Show-Part II」
パート1だけじゃ物足りず、パート2です。パート2ではラテン・フレイヴァーの効いたサウンド・プロダクションが強調されています。
http://www.youtube.com/watch?v=g8AVuBs0yGo

「Don't Count Your Chickens (Before They Hatch)」
General Johnson/Greg Perry/Angelo Bond作。この曲もシングル曲に劣らない魅力がありますね。姐さんに叱咤激励されている感じがいいですね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=QINzFvFdGvg

「A Little More」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne作。少し変化球の楽曲でアルバムにアクセントをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=R_7QqYNGKcg

「Stick-Up」
General Johnson/Angelo Bond/Greg Perry作。「Want Ads」と並ぶ全米R&BチャートNo.1ヒット。Jackson 5を思わせる親しみやすいメロディをソウルフルな姐さんヴォーカルで歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=oQPD1dsQ-nw

本曲はC.E.B.「Get the Point」、J-Bru feat. Jay Bizzy & Ghettosocks「Help! (I've Been Robbed) 」、Serius Jones「Help! (I Been Robbed) 」、Consequence feat. Mike Jones「Been Robbed」、Been Robbed「Wu Block」等のサンプリングソースとなっています。
C.E.B.「Get the Point」
 http://www.youtube.com/watch?v=IDgXvr74ixY

「Want Ads」
General Johnson/Barney Perkins/Greg Perry作。前述のようにグループ最大のヒット曲(全米R&Bチャート、全米チャート共に第1位)。2ndアルバム『Sweet Replies』にも収録されていましたが、本作に再収録されアルバムからの1stシングルとしてカットされました。R&Bチャート、ポップチャートの両方から支持されたのが頷ける開放的にハジけたポップなソウルフル感がいいですね。世代を超えたエヴァーグリーンな名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=6al4KnVrBWY

Taylor Dayneが1987年にカヴァーしています。また、Otierre「Extrapolare」、Three the Hard Way「Young Single and Free」、Joint Ventures「Rock to the Rhythm」、Mary Mary「Heaven」、Molesta Ewenement「Nikt I Nic」、Prop Dylan「Big Hiphop」、Jim Jones feat. Lloyd「Believe in Magic」、Guizmo「Ma Ruche」等のサンプリングソースとなっています。
Taylor Dayne「Want Ads」
 http://www.youtube.com/watch?v=vERQOfOJw2M
Princess Ivori「Wanted」
 http://www.youtube.com/watch?v=9XceB3YbC18
Mary Mary「Heaven」
 http://www.youtube.com/watch?v=zCLk7zsYJAk
Molesta Ewenement「Nikt I Nic」
 http://www.youtube.com/watch?v=Ui6he69vGgw
Jim Jones feat. Lloyd「Believe in Magic」
 http://www.youtube.com/watch?v=ZMWBHlsBHF8

「Who's It Gonna Be」
Brian Holland/Lamont Dozier/Edward Holland作。実力派ヴォーカル・グループだからこそ、バラードも聴き応え十分です。Edna姐さんの素晴らしいヴォーカルの魅力を存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=yf2Ou9EkO4E

「How Does It Feels」
Brian Holland/Lamont Dozier/Ronald Dunbar/Edyth Wayne作。少し切ないメロディを見事に歌い上げます。

「V.I.P.」
Greg Perry/General Johnson/Angelo Bond作。60年代モータウン風のメロディをキュート&ソウルフルに歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=FDrPeuawO18

「The Day I Found Myself」
Ronald Dunbar/Edyth Wayne/General Johnson作。少しイナたいメロウ感がいい雰囲気を醸し出しています。Joell Ortiz feat. The Kickdrums「How to Change」のサンプリングソースとなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=2k0rCEaon2o

「All the King's Horses (All the King's Men)」
Angelo Bond/General Johnson/Greg Perry作。ラストはEdna姐さんの堂々としたヴォーカルが印象的なミディアムで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZmgQ9Kgw4HA

Honey Coneの他作品もチェックを!

『Take Me with You』(1970年)
テイク・ミー・ウィズ・ユー+1

『Sweet Replies』(1971年)
スウィート・リプライズ+2

『Love, Peace & Soul』(1972年)
ラヴ、ピース&ソウル+5

お得な4in1CDもあります。

『Take Me with You/Sweet Replies/Soulful Tapestry/Love, Peace & Soul』
Take Me With You/Sweet Replies/Soulful Tapestry/Lo
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2014年04月13日

Sam Ock『Stages』

Hip-Hopの枠を超えたし珠玉のメロディ!至極のジャジー&メロウ作品☆Sam Ock『Stages』
Stages
発表年:2014年
ez的ジャンル:ジャジー&メロウHip-Hop/R&B
気分は... :素晴らしきメロウ・アンセム

今回はUSメリーランド州在住の韓国系アメリカ人アーティストSam Ockの2ndアルバム『Stages』です。

1stアルバム『Simple Steps』(2011年)が日本で異例のヒットとなり、話題を集めたSam Ock。さらに人気曲「Love」を気鋭の日本人トラックメイカーre:plusがリミックスした「Love(re:plus remix)」が人気ジャジー&メロウHop-Hopコンピ『In Ya Mellow Tone 7』に収録され、知名度を高めていきます。

歌、ラップ、ピアノ、ギター、ベース、ドラム、ソングライティング、アレンジすべてをこなすマルチ・アーティストであり、その才能は"John LegendのソウルネスとBruno Marsのポップセンスを併せ持つ天才"とまで称されたほどでした。

当ブログでは、韓国系アメリカ人Hip-Hopアーティストの代表格Kero Oneのアルバム『Color Theory』『Kinetic World』といったアルバムの中でSam Ockのフィーチャー曲を紹介しています。

そんなSam Ockの最新作『Stages』。前述のようなJohn LegendBruno Marsを引き合いに出す紹介は大袈裟だと思いますが、それでも彼が多くのリスナーの琴線に触れる珠玉のメロディを創り出す才能の持ち主であることは間違いありません。

まずは「Here I Go」「All I Need」の2曲を聴いてみてください。Sam Ockというアーティストの才能がすぐにわかるはずです。

いい音楽って、こういう歌、曲、サウンドだよなぁ、と再認識させてくれる素敵な1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Here I Go」
Sam Ockの珠玉のメロディを満喫できるオープニング。多くのジャジー&メロウHip-Hop好きの人はこんな曲を待っていたのでは?いや、Hip-Hopを聴かない人の琴線に触れるであろう名曲だと思います。ポジティブなヴァイヴに溢れているのがサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=rDMzG6KHzDM

「All I Need」
『In Ya Mellow Tone 8』のオープニング曲を飾った人気曲。ただただ美しいメロウ・アンセム。Sam Ockの楽曲の魅力の1つであるピアノの美しい響きも効果的に配されています。
http://www.youtube.com/watch?v=o2jKPdASZ9E

「New Sights」
イントロのシンセの音色が印象的なジャジー&メロウHip-Hop。アコギを上手く配したジャジー&メロウ・トラックが絶品です。
http://www.youtube.com/watch?v=uZUuC85CXO8

「Goodbye」
彼のサイド・プロジェクトAMPのメンバーも参加したマイク・リレーを聴けます。ラップ・パートとヴォーカル・パートのバランスが絶妙です。

「Peaceful & Lovely」
Sam Ockのトラックメイカーとしての才を満喫できるピースフルな1曲。Nujabesあたりがお好きな人も気に入るサウンドなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=4iCLy5dkQ-E

「Something Devine」
シンガー・ソングライター的な味わいのあるメロウ・チューン。寛いだ雰囲気のメロウネスがいいですね。

「Every Moment」
イントロのピアノの音色聴いた瞬間、これは絶対にいい!と確信しました。Sam Ockのポップ・センスを実感できる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=YY5f7Vfv0Dc

「I'm Okay」
この曲も大好き!聴く者を勇気づけるポジティヴなヴァイヴに溢れています。思わずハンドクラップしてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=dUP7R3Onqf0

「Rest Easy」
ジャジーなピアノが心地好いですね。寛いだ気分で聴きたいジャジーHip-Hopです。
http://www.youtube.com/watch?v=yWqkbyj5cYk

「I Believe」
Hip-Hopの枠に収まらないピュアなポップ・センスにグッときます。

「Me vs Me」
アコギを使ったメロウ・チューンでスタートしますが、次第に厚みを増して感動のクライマックスへ・・・

「Moving On」
Sam Ockの音楽に取り組む真摯な姿勢のようなものが伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=arhYm_3ooOI

「Here I Go(Gemini Remix)」
ボーナス・トラック。『In Ya Mellow Tone』シリーズで話題を集めるバイオリニストAsuka MochizukiとキーボーディストShiho Suzukiから成る女流ユニットGEMINIによる「Here I Go」のリミックス。
http://www.youtube.com/watch?v=hbrEWZBYyoU

1st『Simple Steps』(2011年)もチェックを!

『Simple Steps』(2011年)
Simple Steps
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2014年04月12日

Andy And The Riverside Sextet『Andy And The Riverside Sextet』

レア・グルーヴ方面で人気のブーガルー/ラテン・グルーヴ作品☆Andy And The Riverside Sextet『Andy And The Riverside Sextet』
andy and the riverside sextet.jpg
発表年:196?年
ez的ジャンル:ブーガルー/ラテン・グルーヴ
気分は... :おふざけモード全開?

今回はレア・グルーヴ方面で人気のブーガルー/ラテン・グルーヴ作品Andy And The Riverside Sextet『Andy And The Riverside Sextet』(196?年)です。

Andy And The Riverside Sextetは、プエルトリカンのAndy Medina率いるセクステット。メンバーはAndy Medina(leader)、Rudy Cruz(vibe)、Willie Alago(ds)、Wilfredo Vandespool(b)、Luis Vega(sax)、Tony Rodriguez(g)。さらに本作ではDennis Rowe(vo)、Raul Nieves(vo)といったシンガーも参加しています。

USのマイナー・レーベルORCからリリースされた作品ですが、昨年コロンビアのMelodiasレーベルから奇跡の世界初CD化が実現しました。

正統派の楽団も率いていたAndy Medinaですが、本作は少し脇道に逸れたプロジェクト的な作品かもしれませんね。サイケ全開のジャケにもそれは表れているのでは?また、おふざけモード全開のいい加減な女性コーラスなども本作を象徴していると思います。

妖しげで、自由奔放に弾けたブーガルー/ラテン・グルーヴ作品といった印象です。おふざけモードの女性コーラスとヴァイヴの音色が目立つ楽曲が特に魅力的です。

ついついジャケ買いしたくなる1枚ですね。

全曲紹介しときやす。

「Blue Moon (Latin Soul Way)」
Lorenz Hart/Richard Rodgersによるポピュラー・スタンダードのブーガルー・カヴァー。妖しげなヴォーカルと煌びやかなヴァイヴの音色のギャップが面白いです。

「Tony's Boogaloo」
疾走するブーガルー!弾けたヴォーカルとキレのあるラテン・リズムにグッときます。レア・グルーヴ人気も頷ける格好良さですね。
http://www.youtube.com/watch?v=2Dnm_BI5aB0

「Come All Teenagers (Vegan Todos Los Teenagers)」
元気一杯♪イェー♪と叫ぶ女性コーラスが印象的なラテン・ソウル。

「Y Ahora... (And Now)」
一気に駆け抜けるサルサ・チューン。聴いているだけでテンション上がってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=vmSzAge2-LU

「Shingalin Pow-Pow」
このブーガルーも僕好み。アバウトな女性コーラス(?)とギターとヴァイヴの織り成すラテンな音世界がいい感じです。

「Mi Sueno」
ロマンティックなラテン・ワールドなのですが、一筋縄でいかないのが本作らしいですね。

「Sardines With Pork And Beans」
本作らしいおふざけ女性コーラスのキュートな魅力が楽しめるレア・グルーヴらしいブーガルー・チューン。

「Sabor Y Salsa (Gusto & Sauce)」
躍動するサルサ・チューン。イケイケ・モードで疾走し、本作らしくヴァイヴのアクセントが効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=OEPFVIxG2BI

「Rimto Del Solar (Rhythm Of My Place)」
本作らしいハチャメチャな感じはありませんが、格好良い正統派のラテン・グルーヴを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Yv_yllPui2I

「Candela (Fire)」
ラストは本作らしくヴァイブの音色が先導します。ラテン・リズムとヴァイヴの響きが織り成す疾走感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=AHvNALCfNbI

レア・グルーヴ好きの方はぜひチェックを!
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2014年04月10日

Latimore『It Ain't Where You Been...It's Where You're Goin'』

激シブなのにメロウ!マイアミ・ソウル重要人物の至極の1枚☆Latimore『It Ain't Where You Been...It's Where You're Goin'』
イット・エイント・ホウェア・ユー・ビーン
発表年:1976年
ez的ジャンル:T.K. Records系マイアミ・ソウル
気分は... :ちょいエロ親父のブルージーな世界

今回はブルージーな味わいがグッとくるマイアミ・ソウル作品Latimore『It Ain't Where You Been...It's Where You're Goin'』(1976年)です。

Atlantic R&B Best Collection 1000シリーズ第6弾の中の1枚として、国内初CD化が実現しました。個人的には第6弾発売分の中で最も楽しみにしていた1枚であり、無事手元に置くことができ感無量です。

Latimore(Benjamin Latimore)は1939年テネシー州チャールストン生まれのR&Bシンガー/ピアニスト。

ナッシュビルで活動した後、マイアミに拠点を移します。マイアミでT.K. Recordsの総帥であり、マイアミ・ソウルの親玉であるHenry Stoneの下で、Benny Latimoreの名で数枚のシングルをリリース、さらには本作でもプロデューサーを務めるSteve AlaimoBard Shapiroと組んだシングルもリリースしています。

1973年にT.K.傘下のGladesレーベルからリリースした「Stormy Monday」(T-Bone Walkerのカヴァー)、「If You Were My Woman」(Gladys Knight & The Pips「If I Were Your Woman」)がR&Bチャートに入ったことで注目を集めます。

1974年にリリースしたシングル「 Let's Straighten It Out」は全米R&Bシングル・チャート第1位、同シングル・チャート31位のヒットとなりました。さらに1975年にリリースしたシングル「Keep The Home Fire Burnin'」も全米R&Bシングル・チャート第5位のヒットとなっています。

Gladesからは『Latimore』(1973年)、『Let's Straighten Out - More, More, More, Latimore』(1974年)、『Latimore III』(1975年)、『It Ain't Where You Been...It's Where You're Goin'』(1976年)、『Dig A Little Deeper』(1978年)、『Getting Down To Brass Tacks』(1980年)といったアルバムをリリースしています。

その後、Malacoに移籍し、『Singing In The Key Of Love』(1982年)、『I'll Do Anything For You』(1983年)、『Good Time Man』(1985年)、『Every Way But Wrong』(1986年)、『Slow Down』(1988年)、『The Only Way Is Up』(1991年)『Catchin' Up』(1993年)といったアルバムをリリースしています。

それ以降の勢力的に活動し、近年もそん健在ぶりを示しています。

僕がLatimoreのアルバムを初めて意識したのは、『Slow Down』(1988年)だったと思います。ただし、音を聴くのではなく、ジャケを目にして「インパクトのあるオッサンやな〜!」という感想を持った程度でした。実際にLatimoreの歌をちゃんと聴いたのは、フリーソウル・ブームの時に聴いた「Jolie」Al Kooperのカヴァー)だったと思います。

Gladesからの第4弾アルバムとなる本作『It Ain't Where You Been...It's Where You're Goin'』(1976年)は、Latimoreのシブい歌声とマイアミ・ソウルらしいプロダクションが見事にマッチした聴き応え十分の1枚です。

Steve Alaimoがプロデュースし、レコーディングにはLatimore(vo、key)、George "Chocolate" Perry(b)、Ron Peterson(g)、Ron "Tubby" Ziegler(ds)、Richie Puente(per)等が参加しています。

フリーソウル人気曲「Sweet Vibrations」、シングル・ヒットした「Somethin' 'Bout 'Cha」、Millie Jacksonもカヴァーしたバラード「All The Way Lover」、George McCraeのヒット曲カヴァー「I Get Lifted」、T.K.らしいディスコ調の「It Ain't Where You Been」、エロエロ・モード全開の「Let's Do It In Slow Motion」、大人の哀愁バラード「Let Me Go」と充実の全7曲です。

ちょいエロ親父のマイアミ・ソウルをご堪能あれ!
ジャケにグッときた方はぜひゲットを!

全曲紹介しときやす。

「It Ain't Where You Been」
Clarence Reid/Latimore/Steve Alaimo作。Stevie Wonder「Superstition」を少しブルージーな味わいにした雰囲気のファンキー・チューン。ブルージーな中にもディスコなエッセンスが感じられるのがT.K.傘下の作品らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=3SfpofKEzTE

「Somethin' 'Bout 'Cha」
Latimore作。シングルとして全米R&Bチャート第8位、同シングル・チャート第37位のヒットとなりました。ビターな中にあるファンキー&メロウな味わいがたまらない1曲。Latimoreの奏でるメロウなエレピの響きもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=ZhRSIN32kzI

Reef the Lost Cauze「Thug Fantasy」のサンプリングソースにもなっています。
Reef the Lost Cauze「Thug Fantasy」
 http://www.youtube.com/watch?v=TQ3AfAunEEo

「All The Way Lover」
Latimore作。気怠くアーシーな雰囲気がたまらない激シブなバラード。LatimoreのエレピとRon Petersonのギターの絡みがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=FJ9x6gofXeE

Millie Jacksonが1977年にカヴァーしています。また、Brother Ali「Letter From the Government」のサンプリングソースにもなっています。
Millie Jackson「All The Way Lover」
 http://www.youtube.com/watch?v=F8HCG_NtqKU
Brother Ali「Letter From the Government」
 http://www.youtube.com/watch?v=m59xiuE9fkg

「Sweet Vibrations」
Latimore作。フリーソウルのコンピにも収録されていた官能的なメロウ・チューン。Latimoreらしいヴォーカルを堪能できるビター・スウィートな感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=CKXVOywj7T0

J-POP好きの人であれば、UAのカヴァーを聴いたことがある方もいるのでは?また、DMS & The Boneman X「Sweet Vibrations」、Redman「Funkorama (Satrumentalz Remix)」のサンプリングソースとなっています。
Redman「Funkorama (Satrumentalz Remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=86srWG32PYI

「Let's Do It In Slow Motion」
Latimore作。ちょいエロ親父(?)モード全開のスロウ。粘度の高いヴォーカルがエロさを増してくれます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=Jo2e82jyTLs

当ブログでも紹介したGang Starr feat. K-Ci & JoJo「Royalty」のサンプリングソースとなっています。
Gang Starr feat. K-Ci & JoJo「Royalty」
 http://www.youtube.com/watch?v=hz2DHnEsQpg

「Let Me Go」
Latimore作。ブルージーな大人の哀愁バラード。グラス片手にしながら、真夜中に一人でしんみりと聴きたい雰囲気の曲です。Jay Z「Intro: A Million and One Questions/Rhyme No More」のサンプリングソースになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=EiNELVzKo8U

「I Get Lifted」
Harry Wayne Casey/Richard Finch作。George McCrae、1975年のヒット曲をカヴァー。 KC & The Sunshine Bandもレコーディングしていますね。個人的にはKC & The Sunshine Bandのディスコ感満点のヴァージョンが好きですが、テンポを落としたLatimoreヴァージョンも激シブでなかなかいいです。シングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=ri0ZzP5j-98

DSP feat. Pixa「Naplopok Naploja」のサンプリングソースにもなっています。
George McCrae「I Get Lifted」
 http://www.youtube.com/watch?v=kBWS3BJSNtQ
KC & The Sunshine Band「I Get Lifted」
 http://www.youtube.com/watch?v=NLgHjetRuzo
DSP feat. Pixa「Naplopok Naploja」
 http://www.youtube.com/watch?v=HmsJ9lxufkw

「Jolie」収録の『Latimore』(1973年)あたりもCD再発して欲しいですね。

『Let's Straighten Out - More, More, More, Latimore』(1974年)
Let's Straighten It Out (More, More, More): Expanded Edition

『Dig A Little Deeper』(1978年)
Dig a Little Deeper

『Getting Down To Brass Tacks』(1980年)
Getting Down to Brass Tacks

『The Only Way Is Up』(1991年)
Only Way Is Up

『Catchin' Up』(1993年)
Catchin' Up
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2014年04月09日

Nathan Haines『Sound Travels』

西ロンドンの人気サックス奏者、restless soulプロデュース作☆Nathan Haines『Sound Travels』
Sound Travels
発表年:2000年
ez的ジャンル:西ロンドン系ジャズ/クロスオーヴァー
気分は... :クールな疾走感を欲する・・・

今回はニュージーランド出身、ロンドンを拠点に活躍するサックス奏者Nathan Haines『Sound Travels』(2000年)です。

Nathan Hainesは1972年ニュージーランド生まれ。10代でジャズ・バンドを結成し、その後N.Y.に拠点を求め、1994年にはデビュー・アルバム『Shift Left』をリリースしています。その後、拠点をロンドンへ移し、様々なDJ/プロデューサーと交流を深めていきます。

そして、本作『Sound Travels』(2000年)を皮切りに、『Squire For Hire』(2003年)、Marco Di Marco feat. Nathan Haines『My London Friends』(2004年)、『Life Time』(2005年)、『Right Now』(2007年)、『Music for Cocktail Lovers』(2008年)、『Heaven and Earth』(2010年)、『The Poet's Embrace』(2012年)、『Vermillion Skies』(2013年)とコンスタントにアルバムをリリースしています。

また、Reel People4HeroMark De Clive-Lowe等の作品でNathan Hainesのプレイを聴くことができます。

今日紹介する『Sound Travels』(2000年)は、restless soul名義でPhil Asherがプロデュースしており、実質上はNathan HainesとPhil Asherのコラボ作品と呼べるのではないかと思います。

アルバムには、2人以外にMark De Clive-LoweKaidi TathamBugz In The Attic2000Black)、Chris FrankDa Lata)、Vanessa FreemanShelley Nelson等が参加しています。

西ロンドン発の作品らしいクロスオーヴァー/ブロークンビーツ的なサウンドを満喫できます。また、それだけに止まらないNathan Hainesの本格的なジャズ・アーティストの側面にも出会えるのも嬉しいですね。

西ロンドン好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Wonderful Thing」
Vanessa Freemanのヴォーカルをフィーチャー。スピリチュアルな雰囲気が漂うオープニング。この演奏を聴けば、Nathan Hainesが本物のジャズに根ざしたアーティストが実感できると思います。Vanessa Freemanの透明感のあるヴォーカルとNathanの素晴らしいブロウにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=95_Ih6Har58

「Long...」
Phil Asherの色が出たブロークンビーツ的な仕上がり。Kaidi Tathamも参加しています。ヴォーカルはDaniel Vacchi。西ロンドン好きの人はグッとくるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=vIWCNfBGFNE

「Surprising」
Marcus Beggの男性ヴォーカルをフィーチャー。クロスオーヴァー感覚のクールな疾走感がたまりません。僕の一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=ANybKNwPaWk

「Impossible Beauty」
Nathanがサックスのみならずヴォーカルも披露してくれる正統派のジャズ・バラードです。Mark De Clive-Lowe参加。
http://www.youtube.com/watch?v=FSB0LtmcZUI

「Sound Travels」
タイトル曲はWeather Reportからインスパイアされたらしいです。Kaidi Tathamも参加したブロークンビーツ。スペイシー&コズミックな感じがいいですね。

「Honeycomb」
ダビー感のあるレゲエ・チューン。Mike Lindupによる鍵盤の哀愁感が印象的です。

「The Illest Hobo」
少しミステリアスなNathanのプレイが印象的なフュージョン・チューン。Mark De Clive-Lowe、Mike Patto参加。

「Earth Is The Place」
Verna Francisの女性ヴォーカルをフィーチャー。Vernaのソウルフル・ヴォーカル、ビューティフルな鍵盤、トライバルなリズムが織り成す疾走感がいいですね。「Believe」、「Surprising」と並ぶ僕のお気に入り。

「Williams Song」
Williams Cumberbacheのヴォーカル&パーカッションをフィーチャー。伝統的なアフリカのチャントそのままって感じです。

「Believe」
Shelley Nelsonの女性ヴォーカルをフィーチャー。キュートなShelley Nelsonのヴォーカルが栄えるクロスオーヴァー・ソウル。
http://www.youtube.com/watch?v=Qx0ZksVtXnY

国内盤CDにはCD2に「Earth Is The Place」「Sound Travels」「The Illest Hobo」「Wonderful Thing」「Surprising」の別ヴァージョンが収録されています。

Nathan Hainesの他作品もどうぞ!

『Squire For Hire』(2003年)
Squire for Hire

Marco Di Marco feat. Nathan Haines『My London Friends』(2004年)
My London Friends

『Life Time』(2005年)
Life Time

『Right Now』(2007年)
Right Now

『Music for Cocktail Lovers』(2008年)
Music for Cocktail Lovers

『Heaven and Earth』(2010年)
Heaven & Earth

『The Poet's Embrace』(2012年)
Poet's Embrace

『Vermillion Skies』(2013年)
Vermillion Skies * New Zealand Jazz *
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