2014年04月08日

Assorted Phlavors『Assorted Phlavors』

Dave "Jam" Hallが全面バックアップした女性R&Bグループ☆Assorted Phlavors『Assorted Phlavors』
Patience
発表年:1996年
ez的ジャンル:Dave "Jam" Hall系女性R&Bグループ
気分は... :色々なフレイヴァーはいかが?

今回は90年代女性R&Bグループ作品、Assorted Phlavors『Assorted Phlavors』(1996年)です。

Assorted PhlavorsはN.Y.ブロンクスで結成された女性R&Bグループ。メンバーはJulia GarrisonAntonia BryantTiffany PhinazeeKisha Johnsonの4名。

グループは、売れっ子プロデューサーDave "Jam" Hallが主宰するHall Of Fame Recordsの第1弾アーティストとして契約することに成功します。

まず映画『Money Train』(1995年)のサントラに参加し、本作収録の「Hiding Place」を披露しています。同サントラはR&Bアーティストが多数参加したことでも話題となりましたね。

1996年にはデビュー・シングル「Patience」をリリースします。さらに同年にデビュー・アルバム『Assorted Phlavors』をリリースしています。

Mary J. Blige『What's The 411?』(1992年)をはじめ、当時のヒット作品を数多く手掛けたDave "Jam" Hallの全面バックアップということで注目された女性R&Bグループです。

Epicあたりは同じくDave "Jam" HallがプロデュースしたBrownstoneタイプのグループとして売り出そうとしていたみたいですね。

結局、グループは本アルバム一作のみでシーンから消えてしまいましたが、内容的には90年代女性R&Bグループ好きにはグッとくる1枚に仕上がっています。

Dave "Jam" Hall以外にRich Coombs、Chris "Cringle" Liggio、Gordon Chambers、Nevelle Hodge、Daran "Pianoman" Whitington、Chad Elliott、Keny "Smoove" Kornegay、Daryl "88" Young、Mark Morantがプロデュースを手掛けています。

90年代女性R&Bグループらしい美メロのミッド・グルーヴが満載なのがいいですよね。ゴスペル仕込みで鍛えたメンバーのヴォーカル&コーラスの実力にもグッときます。

90年代女性R&Bグループ大好きの僕も思わずニンマリ・・・やっぱりこの頃の女性R&Bグループは良かったなぁ!

全曲紹介しときやす。

「Tell Me」
オープニングは哀愁モードのミッド・グルーヴ。オープニングに切ないヴォーカルをしっかり聴かせる楽曲を持ってくるあたりに、実力派グループとして打ち出そうとした意向が感じられます。Dave "Jam" Hall/Rich Coombsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=0Ee6xWnLYe8

「Hiding Place」
前述のように映画『Money Train』サントラ収録曲。女性ラッパーPatraをフィーチャー。Barry White「Playing Your Game, Baby」をサンプリングしたメロウ・トラックが心地好いヒップホップ・ソウル。90年代R&B好きにはたまらないグルーヴ感です。
http://www.youtube.com/watch?v=eb2L2E1Su5g

「Make Up Your Mind」
「Patience」に続くシングル・カット曲。Sylvia Striplin「You Can't Turn Me Away」をサンプリングした美メロのメロウ・グルーヴ。Brownstoneが好きな人であれば、間違いなく気に入るはずです。Chris "Cringle" Liggioプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=__FOAR2Wjmc

本曲といえば、Big Daddy Kaneをフィーチャーしたリミックスも話題になりました。また、本作と同じサンプリングソースを使っているJunior M.A.F.I.A. feat. The Notorious B.I.G.「Get Money」も同タイプの曲として一緒にチェックしておきたいですね。

Assorted Phlavors feat. Big Daddy Kane「Make Up Your Mind (The Dave "Jam" Hall Flavor Remix) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=1OM_EwPij7s
Junior M.A.F.I.A. feat. The Notorious B.I.G.「Get Money」
 http://www.youtube.com/watch?v=xvahpROFPhA

「Trust」
Dave "Jam" Hall/Gordon Chambersプロデュース。Gordon Chambers参加曲らしい素晴らしいバラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=WGJnXeUyUEk

「What You Gonna Do (Interlude)」
インタールード的な小曲。

「Patience」
Dave "Jam" Hallプロデュース。前述のようにデビュー・シングルにもなったタイトル曲。Dave "Jam" Hallの本領発揮といった感じの美メロ・ミディアム・グルーヴ。美しいメロディと胸を締め付けられるような切ないヴォーカルがたまりません。90年代女性R&Bグループの良質な部分が凝縮されている名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=V-JXAMK0_Ms

「First You Said」
シンセの音色が80年代ブラコンを彷彿させるバラード。彼女たちがゴスペル仕込みの確かな実力を持つヴォーカル・グループであることを確認できる1曲です。Nevelle Hodgeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=F2gvj7b1myE

「Don't Let Go」
KC & the Sunshine Band feat. George McCrae「I Get Lifted」をサンプリングした哀愁グルーヴ。男性R&BグループIntroのKenny Greeneがバック・ヴォーカルで参加し、ヴォーカル・アレンジも担当しています。Dave "Jam" Hallプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=hJPW0rkIfrQ

「Tonight (Interlude)」
Rich Coombsのラップをフィーチャーしたインタールード。Assorted Phlavorsのコーラス・パートはKool & The Gang「Ladies Night」の引用です。Dave "Jam" Hallプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=bxmb37b1Bs4

「Can't Get You Off My Mind」
美しく切ないラブ・バラード。この少し切ない感じが90年代女性R&Bグループらしくていいですね。Dave "Jam" Hallプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=yAHjnofjYeY

「Love So Real (Interlude)」
Dave "Jam" Hallプロデュース。インタールード扱いするのが勿体ない美しい小曲。

「Love Ballad」
L.T.D.による1976年の全米R&Bシングル・チャートNo.1ヒットをカヴァー。Jeffrey Osborneのヴォーカルでお馴染みの名バラードを90年代女性R&Bグループらしく感動的に歌い上げます。Darin "Planoman" Whittingtonプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ptxzOz3Zt8Q

「Don't Stop (Interlude)」
インタールード。

「Farewell」
この曲も大好き!一度聴いたら脳内リピートしそうなピアノ・ループが先導する美しいミッド・グルーヴ。Chad Elliottプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=5cF6F4tX-Po

「Lovin' On The D.L.」
少しレイジーな雰囲気がたまらないミッド・グルーヴ。素晴らしいコーラスワークも堪能できます。Keny "Smoove" Kornegay/Daryl "88" Youngプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=s3HGqGMfPig

「Lovin' You」
LL Cool J「Eat Em Up L Chill」をサンプリングしたヒップホップ・ソウル。ボトムの効いたファンクネスがいい感じ。Mark Morantプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=QOue2F20HJs

「Patience (Remix)」
ラストはデビュー・シングルのリミックス。ヒップホップ・ソウル的な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=nJxPqQuBz4M

アルバムを聴くたびに、この1枚で消えてしまったのが惜しまれる女性R&Bグループです。
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2014年04月07日

Sebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriques『Sebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriques』

アルゼンチン・ボッサの名盤として名高い1枚☆Sebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriques『Sebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriques』
sebastiao tapajos maria nazareth arnaldo henriques.jpg
発表年:1973年
ez的ジャンル:アルゼンチン・ボッサ
気分は... :人生は理不尽の連続である・・・

今回はアルゼンチン録音のボッサ作品『Sebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriques』(1973年)です。アルゼンチン・ボッサの名盤として名高い1枚ですね。

本作はブラジル人ギタリストSebastiao Tapajos、アルゼンチン人女性シンガーMaria Nazareth、アルゼンチン人ベーシストArnaldo Henriquesの3名によるボサノヴァ作品。

ジャケに写るポルトガル航空機の垂直尾翼のロゴ「TAP」が目立ちすぎて、アルバム・タイトルを『TAP』と紹介しているサイトも結構ありますね。

そのテクニックを如何なく発揮するTapajosのギターとMariaのキュート・ヴォーカル、Henriquesの脱力系ヴォーカルが織り成す軽快なボッサ・グルーヴに魅了される1枚に仕上がっています。

ブラジル人アーティストによるボサノヴァ名曲のカヴァーと彼ら自身のオリジナルを織り交ぜながら、アルゼンチン・ボッサらしい空気感を存分に味わえるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Potpourri:Agua de Beber/Tudo de Voce/A Metade de Um Beijo/Quem Sabe o Mar/Por Causa de Voce Menina」
オープニングは「Agua de Beber」Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作)、「Tudo de Voce」Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作)、「A Metade de Um Beijo」(Norival Reis/Jorge Duarte作)、「Quem Sabe o Mar」(B. do Silva/Paulinho作)、「Por Causa de Voce Menina」Jorge Ben作)というボサノヴァ名曲メドレー。わずか3分強の中に、このコラボの魅力がぎっしり詰まっています。軽快なTapajosのギターにのって、MariaとHenriquesが活き活きと名曲を歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=yKojWzI_CS0

「Samba Triste」
Baden Powell/Billy Blanco作。ここではMariaのヴォーカルを全面的にフィーチャーし、郷愁モードたっぷりのサウダージなヴォーカルを堪能できます。美しいストリングスが盛り上げてくれます。

「Tamborim de Prata」
「Tamborim de Prata」(Arnaldo Henriques/Criz Tapajos作)。Jorge Benあたりが書きそうな軽快な楽曲です。この曲では作者Henriquesの全面ヴォーカルをフィーチャー。少しとぼけた味わいのHenriquesのヴォーカル&スキャットがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=yifnuBb8xCg

「Sambachiana」
Sebastiao Tapajos/Edna Savaget作。疾走するTapajosのギターにのって、MariaとHenriquesが息の合った掛け合いヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=O99q7k0PvJ4

「Olha Maria」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes/Chico Buarque作。憂いを帯びた歌声でHenriquesがしみじみと歌い上げます。

「Vida Burguesa」
Sebastiao Tapajos/Marilena作。MariaのキュートなヴォーカルとTapajosの素晴らしいギター・ワークが印象的な爽快ボッサ・グルーヴ。僕の一番のお気に入り曲です。

「Triangulo」
Sebastiao Tapajos/Marilena作。MariaとHenriquesの切ない哀愁ヴォーカルが印象的です。

「Samba da Minha Terra」
Dorival Caymmi作の名曲「Samba da Minha Terra」のカヴァー。当ブログでは少し前にRosinha De Valencaのカヴァーを紹介したばかりです。Tapajosの小気味良いギターとHenriquesの線の細いヴォーカルがよくマッチした軽快なジャズ・サンバ。後半のHenriquesのスキャットは思わず一緒に口ずさみたくなります。

「Voy Por Ahi」
Baden Powell/Aloysio de Oliveira作「Vou Por Ai」をカヴァー。Tapajosの美しいギターをはじめとするエレガントなバックを従え、Mariaがしっとりと歌い上げます。

「El Viejo Y La Flor」
Toquinho/Vinicius de Moraes作「O Velho e a Flor」をカヴァー。クールな疾走感にグッとくるボッサ・チューン。MariaとHenriquesの掛け合いも絶妙です。「Vida Burguesa」と並ぶ僕のお気に入り。

「Pra Decir Adios」
Edu Lobo/Torquato Neto作「Pra Dizer Adeus」をカヴァー。当ブログでは少し前にMaria Bethaniaのカヴァーも紹介済みです。哀愁のメロディをMariaが憂いのあるヴォーカルで歌い上げます。美しさと切なさが同時に伝わってくる感じがたまりません。

「Samba da Lagoa」
Billy Blanco作「Samba De La Laguna」をカヴァー。しっとりとした序盤からサンバ・モードへ切り替わり、さらにテンポアップしハッピー・サンバで盛り上がる感じがたまりません。

CDには「Heloisa」「Negro」「Belem」の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

本作を気に入った方はSebastiao Tapajosも参加したArnaldo Henriquesのソロ作『So Danco Samba』(1975年)も要チェックです。
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2014年04月06日

Seun Kuti & Egypt 80『A Long Way To The Beginning』

Robert Glasperプロデュース!Fela Kutiの遺志を継ぐ最新アフロビート☆Seun Kuti & Egypt 80『A Long Way To The Beginning』
Long Way to the Beginning
発表年:2014年
ez的ジャンル:Fela Kuti直系アフロビート
気分は... :洗練しつつ、鋭く切り込む!

今回はアフロビートの創始者Fela Kutiの一番下の息子Seun Kutiが、父も率いたグループEgypt 80を従えた最新3rdアルバム『A Long Way To The Beginning』です。

1982年生まれのサックス奏者/ヴォーカリストSeun Kutiの紹介は2ndアルバム『From Africa With Fury: Rise』(2011年)に続き2回目となります。

1stアルバム『Many Things』(2008年)、2ndアルバム『From Africa With Fury: Rise』(2011年)とアルバムをリリースする度に、Fela Kuti直系アフロビートを進化させてきたSeun Kuti

1st『Many Things』ではMartin Meissonnier、2nd『From Africa With Fury: Rise』(2011年)ではBrian Enoといった大物プロデューサーを起用し、アフロビートを進化させてきました。

そして、本作『A Long Way To The Beginning』では、なんと『Black Radio』(2012年)で音楽シーンに衝撃を与えた今最も注目される先鋭ジャズ・ピアニストRobert Glasperを共同プロデューサーに迎えています。Fela Kutiの正当な継承者と先鋭ジャズ・ピアニストがどのような化学反応を起こすのか、この一点のみでも本作を聴く価値があると思います。

また、アルバム・タイトル『A Long Way To The Beginning』は、故ネルソン・マンデラの自伝『Long Walk To Freedom』を意識したものと思われ、父Fela Kutiの遺志を受け継ぐ鋭いメッセージを聴く者に投げ掛けます。

アルバムにはRobert Glasper(key)をはじめ、USのHip-HopユニットDead PrezのメンバーM1、ガーナ出身で現在はN.Y.を拠点に活動する男性ラッパーBlitz the Ambassador、ナイジェリア出身でドイツを拠点に活動する女性ネオ・ソウル・シンガーNneka、フランス出身のヴィブラフォン奏者David Neermanといったゲストが参加しています。

メッセージは鋭さを増し、サウンドは洗練されつつダイナミズムを増した進化形アフロビートを満喫しましょう。

『A Long Way To The Beginning』Album Teaser
http://www.youtube.com/watch?v=YUrJNWydgIQ

全曲紹介しときやす。

「IMF」
国際通貨基金(IMF: International Monetary Fund)を"International Mother Fu**er" と読み替え、その実態を皮肉ったメッセージ・ソング。この1曲を聴いただけで、Seun KutiがFela Kutiの継承者であることを実感できるはずです。躍動するアフロビートのリズムにのってDead PrezのM1が鋭いリリックを畳み掛けます。M1といえば、故Gil Scott-Heronへのトリビュート・アルバム『Evolutionary Minded -Furthering The Legacy Of Gil Scott-Heron』への参加も印象的でしたね。
http://www.youtube.com/watch?v=8fGcf3GODKE

「African Airways」
軽快なアフリカン・リズムと素晴らしいホーン・アンサンブルが織り成す大地のグルーヴに魅了されます。

「Higher Conciousness」
人々から搾取する政府、銀行、企業へ宣戦布告するFela Kuti顔負けの1曲。イントロがRobert Glasper Experiment風なのも印象的です。

「Ohun Ruye」
ヨルバ人としてのアイデンティティを歌った曲。サウンド面では汎カリブ的なエッセンスが印象的です。

「Kalakuta Boy」
Fela Kutiが作ったコミュニティ「カラクタ共和国(Kalakuta Republic)」の精神を受け継ぐ1曲。アフロビートの躍動感を維持しつつ、サウンドが洗練されているのがいいですね。終盤の洗練された高揚感がたまりません。このあたりはRobert Glasper起用の効果かもしれません。

「African Smoke」
Blitz the Ambassadorをフィーチャーし、鋭いメッセージでアフリカの現状を訴えます。重厚なサウンドも素晴らしいですね。進化するアフロビートを実感できる1曲に仕上がっています。

「Black Woman」
Nnekaをフィーチャーしたソウルフルな仕上がり。美しさと同時に力強さを感じる女性賛歌です。David Neermanのヴァイヴの音色を聴くと、父Fela KutiRoy Ayersの共演アルバム『Music Of Many Colours』を思い出しますね。
http://www.youtube.com/watch?v=gXpkzhvkj7w

Seun Kutiの過去作品もチェックを!

『Many Things』(2008年)
Seun Kuti & Fela's Eygpt 80

『From Africa With Fury: Rise』(2011年)
From Africa With Fury: Rise
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2014年04月05日

Aurra『Live And Let Live』

Slaveからのスピンオフ・ユニットによるアーバン・ディスコ作品☆Aurra『Live And Let Live』
LIVE AND LET LIVE +5
発表年:1983年
ez的ジャンル:Slave系アーバン・ディスコ
気分は... :週末はディスコ・モードで!

今回は80年代に活躍したアーバン・ディスコ・ユニットAurraの4thアルバム『Live And Let Live』(1983年)です。

Aurraはオハイオ出身のファンク・グループSlaveからのスピンオフ・ユニットとしてSteve Washingtonを中心に結成されたアーバン・ディスコ・ユニット。その後、ヴォーカルの2人、Curt JonesStarleana Youngが前面にフィーチャーされる男女デュオの色合いを強めていきます。そのせいかSteve Washingtonらバック陣とCurt Jones、Starleana Youngのヴォーカル陣の間で内部分裂があり、ヴォーカル陣の2人はユニット名をDejaと改めて再始動しました。

Aurra名義では、『Aurra』(1980年)、『Send Your Love』(1981年)、『A Little Love』(1982年)、『Live and Let Live』(1983年)、『Like I Like It』(1985年)、『Satisfaction』(2013年)※1984年録音の未発表音源といったアルバムをリリースしています。また、Dejaとしては『Serious』(1987年)、『Made to Be Together』(1989年)という2枚のアルバムをリリースしています。『Made to Be Together』では女性ヴォーカルがStarleana YoungからMysti Dayへ交代しています。

今回紹介する4thアルバム『Live And Let Live』(1983年)は、『Send Your Love』(1981年)、『A Little Love』(1982年)と続いたSalsoulからの第3弾アルバムであり、同レーベルからの最終作となった作品です。

前作『A Little Love』から「Make Up Your Mind」がR&Bチャート第6位のヒットするなど、アーバン・ディスコ路線に自信を深めたせいか、その路線をさらに洗練させた内容になっています。特に本作はシンセ・サウンド色を打ち出したアーバン・ファンク/ディスコ・チューンが聴きどころでうす。

「Coming To Get You」「Baby Love」「Such A Feeling」「Live And Let Live」あたりがオススメです。

プロデュースはSteve Washington。楽曲はすべてオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Such A Feeling」
本作らしいシンセ・サウンドが前面に打ち出されたアーバン・ディスコ・チューン。このシンセ感は80年代好きにはたまらないのでは?Carlito & Addiction「Just Wanna Be」、Kerrier District「Needy Feelin'」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=9ymNLFZsHbc

「Coming To Get You」
僕の一番のお気に入り。男女ヴォーカルが良く似合うアーバンなキラキラ感のあるメロウ・ディスコ。Slaveの流れを汲む重量感のあるベースラインもいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=yHm8seUClMc

「Live And Let Live」
タイトル曲はCurt Jonesのヴォーカルを前面に打ち出したメロウ・チューン。ジャケにあるようなアーバン・ナイト気分にフィットします。
http://www.youtube.com/watch?v=p3p0omD_vOQ

「Undercover Lover」
妖しげな雰囲気のディスコ・チューン。リミックスを見越して制作されたかのようなフロア仕様のダンス・チューンですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Rbpdh76AGnE

「Baby Love」
「Coming To Get You」と並ぶ僕のお気に入り。80年代らしいアーバン・テイストにグッとくるメロウ・ダンサー。特にStarleanaのヴォーカルにグッときます。Coeur D'amour「All Is Love」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=PrYy54AM5E4

「You Can't Keep On Walking」
この曲もダンス・モードでガンガン攻めます。ただし、他のダンス・チューンに比較して少しインパクトが弱いかも?
http://www.youtube.com/watch?v=ioKmioGcLYI

「One More Time」
メロウ・バラードがアルバムのいいアクセントになっています。個人的にも、この雰囲気が後1、2曲あっても良かった気が・・・
http://www.youtube.com/watch?v=IgYrdLZ23U4

「Positive」
ラストも本作らしいシンセ・サウンドが揺らめくアーバン・ファンクで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ydtFKZT9SW8

CDにはボーナス・トラックとして「Such A Feeling」のShep Pettiboneにようリミックス3曲が追加収録されています。

Aurraの他作品もチェックを!

『Aurra』(1980年)
AURRA +4

『Send Your Love』(1981年)
SEND YOUR LOVE +2

『A Little Love』(1982年)
A LITTLE LOVE +5

『Like I Like It』(1985年)
Like I Like It

『Satisfaction』(2013年)※1984年録音の未発表音源
サティスファクション:知られざるオーラの秘宝 (帯ライナー付直輸入盤)
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2014年04月04日

Leroy Hutson『Love Oh Love』

ニューソウル期屈指のソングライター/シンガーのソロ第1弾☆Leroy Hutson『Love Oh Love』
Love Oh Love / the Man!
発表年:1973年
ez的ジャンル:Curtom系ニューソウル
気分は... :愛の温もり・・・

ニューソウルを代表する男性シンガーLeroy Hutsonの1stアルバム『Love Oh Love』(1973年)です。
※上記ジャケのリンク先は『Love Oh Love』と2nd『The Man!』(1974年)と2in1CD

これまで当ブログで紹介したLeroy Hutson作品は以下の4枚。

 『Hutson』(1975年)
 『Feel The Spirit』(1976年)
 『Hutson II』(1976年)
 『Closer To The Source』(1978年)

本作『Love Oh Love』(1973年)は、Curtis Mayfieldの後釜としてThe Impressionsのリード・シンガーを務めたLeroy Hutsonのソロ転向第1弾アルバムです。

タイトルの通り、愛の詰まった温もりのある1枚に仕上がっています。タイトル曲「Love Oh Love」をはじめ、メロウで、スウィートで、ビューティフルなラブ・ソングを満喫できます。ハワード大学で音楽理論を学んだという彼のサウンド・センスの良さを実感できます。

レコーディングにはLeroy Hutson(vo、key、per)、Stephen Harris(g)、Victor Chandler(b)、Michael Hawkins(p)、Morris Beeks(org)、Scotty Harris(ds)、Joe Reeves(per)、Norman Shoeby(congas)等が参加しています。

プロデュース/アレンジはLeroy Hutson自身。数曲でTom Tom 84ことTom Tom Washingtonもアレンジを手掛けています。

温もりのあるメロウなニューソウルをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「So In Love With You」
Leroy Hutson/Michael Hawkins作。ジャケの雰囲気にマッチした深い愛の詰まったスウィートな仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=0_TSTWvSZH0

数年前、Danny Boyがカヴァーしています。また、Adagio!「Hold Tight」、Bone Thugs-N-Harmony「Don't Worry」、Da Bulldogs「Livin It Up」、Onra & Quetzal「Settle Back」、J.R. & PH7 feat. Strange Fruit Project「Touch the Sky」等のサンプリングソースになっています。

Danny Boy「So in Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=6nglKfsDv5Q
Bone Thugs-N-Harmony「Don't Worry」
 http://www.youtube.com/watch?v=JxPE7WCw9hM
J.R. & PH7 feat. Strange Fruit Project「Touch the Sky」
 http://www.youtube.com/watch?v=cOA3FAx6bII

「Love Oh Love」
Janice Hutson/Leroy Hutson/Michael Hawkins作。タイトル曲は曲良し、アレンジ良し、ヴォーカル良しの愛に満ちたメロウ・ソウル。Leroy Hutsonのセンスが凝縮された名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=v03G1F_ioQg

「When You Smile」
Joe Reeves/Leroy Hutson/Maurice Commander作。感動的なスウィート・バラード。Big Shug feat. Frankie Wainwright & Billy Danze「What It Means」のサンプリングソースになっています。Tom Tom 84のアレンジも冴えています。
http://www.youtube.com/watch?v=py3_8fYDkrE

「Getting It On (Theme For The "Jay Johnson Affair")」
Leroy Hutson作。ドラマチックなストリングスとアープ・シンセの音色が織り成すインスト・チューン。ドラマチックなストリングスはYoung Jeezy「Time」、Sokol & Marysia Starosta「Znajdziemy Sie」等のサンプリングソースになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=q-EddWaT7hE

「Time Brings On A Change」
Leroy Hutson作。キング牧師の演説をコラージュしたニューソウルらしい社会派メッセージ・ソング。Lloyd Banks「Big Voice Bigger City」のサンプリングソースになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=IqfRcYDApns

「I'll Be There, I'll Still Care」
Leroy Hutson/Michael Hawkins作。優しく包み込んでくれるメロウ・バラード。落ち込んだ時にはこんな曲で癒されたいですね。Adagio!「20 Cents (A Tale of Two Dimes) 」 、Mareko「Next Sunday」のサンプリングソースになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=cCfu6ZgyWD8

「I'm In Love With You Girl」
Leroy Hutson作。ビューティフルなラブソング。ジワジワと感動が胸に沁みてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=I5cI5882TfI

「As Long As There's Love Around」
Leroy Hutson作。ラストはHutsonのアレンジャーとしてのセンスが冴えます。クールなのにファンキーな感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=A6H980Fc1gg

Leroy Hutsonの過去記事もご参照下さい。

『Hutson』(1975年)
Hutson

『Feel The Spirit』(1976年)
Feel the Spirit

『Hutson II』(1976年)
Hutson II

『Closer To The Source』(1978年)
Closer to the Source
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