発表年:1996年
ez的ジャンル:Dave "Jam" Hall系女性R&Bグループ
気分は... :色々なフレイヴァーはいかが?
今回は90年代女性R&Bグループ作品、Assorted Phlavors『Assorted Phlavors』(1996年)です。
Assorted PhlavorsはN.Y.ブロンクスで結成された女性R&Bグループ。メンバーはJulia Garrison、Antonia Bryant、Tiffany Phinazee、Kisha Johnsonの4名。
グループは、売れっ子プロデューサーDave "Jam" Hallが主宰するHall Of Fame Recordsの第1弾アーティストとして契約することに成功します。
まず映画『Money Train』(1995年)のサントラに参加し、本作収録の「Hiding Place」を披露しています。同サントラはR&Bアーティストが多数参加したことでも話題となりましたね。
1996年にはデビュー・シングル「Patience」をリリースします。さらに同年にデビュー・アルバム『Assorted Phlavors』をリリースしています。
Mary J. Blige『What's The 411?』(1992年)をはじめ、当時のヒット作品を数多く手掛けたDave "Jam" Hallの全面バックアップということで注目された女性R&Bグループです。
Epicあたりは同じくDave "Jam" HallがプロデュースしたBrownstoneタイプのグループとして売り出そうとしていたみたいですね。
結局、グループは本アルバム一作のみでシーンから消えてしまいましたが、内容的には90年代女性R&Bグループ好きにはグッとくる1枚に仕上がっています。
Dave "Jam" Hall以外にRich Coombs、Chris "Cringle" Liggio、Gordon Chambers、Nevelle Hodge、Daran "Pianoman" Whitington、Chad Elliott、Keny "Smoove" Kornegay、Daryl "88" Young、Mark Morantがプロデュースを手掛けています。
90年代女性R&Bグループらしい美メロのミッド・グルーヴが満載なのがいいですよね。ゴスペル仕込みで鍛えたメンバーのヴォーカル&コーラスの実力にもグッときます。
90年代女性R&Bグループ大好きの僕も思わずニンマリ・・・やっぱりこの頃の女性R&Bグループは良かったなぁ!
全曲紹介しときやす。
「Tell Me」
オープニングは哀愁モードのミッド・グルーヴ。オープニングに切ないヴォーカルをしっかり聴かせる楽曲を持ってくるあたりに、実力派グループとして打ち出そうとした意向が感じられます。Dave "Jam" Hall/Rich Coombsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=0Ee6xWnLYe8
「Hiding Place」
前述のように映画『Money Train』サントラ収録曲。女性ラッパーPatraをフィーチャー。Barry White「Playing Your Game, Baby」をサンプリングしたメロウ・トラックが心地好いヒップホップ・ソウル。90年代R&B好きにはたまらないグルーヴ感です。
http://www.youtube.com/watch?v=eb2L2E1Su5g
「Make Up Your Mind」
「Patience」に続くシングル・カット曲。Sylvia Striplin「You Can't Turn Me Away」をサンプリングした美メロのメロウ・グルーヴ。Brownstoneが好きな人であれば、間違いなく気に入るはずです。Chris "Cringle" Liggioプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=__FOAR2Wjmc
本曲といえば、Big Daddy Kaneをフィーチャーしたリミックスも話題になりました。また、本作と同じサンプリングソースを使っているJunior M.A.F.I.A. feat. The Notorious B.I.G.「Get Money」も同タイプの曲として一緒にチェックしておきたいですね。
Assorted Phlavors feat. Big Daddy Kane「Make Up Your Mind (The Dave "Jam" Hall Flavor Remix) 」
http://www.youtube.com/watch?v=1OM_EwPij7s
Junior M.A.F.I.A. feat. The Notorious B.I.G.「Get Money」
http://www.youtube.com/watch?v=xvahpROFPhA
「Trust」
Dave "Jam" Hall/Gordon Chambersプロデュース。Gordon Chambers参加曲らしい素晴らしいバラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=WGJnXeUyUEk
「What You Gonna Do (Interlude)」
インタールード的な小曲。
「Patience」
Dave "Jam" Hallプロデュース。前述のようにデビュー・シングルにもなったタイトル曲。Dave "Jam" Hallの本領発揮といった感じの美メロ・ミディアム・グルーヴ。美しいメロディと胸を締め付けられるような切ないヴォーカルがたまりません。90年代女性R&Bグループの良質な部分が凝縮されている名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=V-JXAMK0_Ms
「First You Said」
シンセの音色が80年代ブラコンを彷彿させるバラード。彼女たちがゴスペル仕込みの確かな実力を持つヴォーカル・グループであることを確認できる1曲です。Nevelle Hodgeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=F2gvj7b1myE
「Don't Let Go」
KC & the Sunshine Band feat. George McCrae「I Get Lifted」をサンプリングした哀愁グルーヴ。男性R&BグループIntroのKenny Greeneがバック・ヴォーカルで参加し、ヴォーカル・アレンジも担当しています。Dave "Jam" Hallプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=hJPW0rkIfrQ
「Tonight (Interlude)」
Rich Coombsのラップをフィーチャーしたインタールード。Assorted Phlavorsのコーラス・パートはKool & The Gang「Ladies Night」の引用です。Dave "Jam" Hallプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=bxmb37b1Bs4
「Can't Get You Off My Mind」
美しく切ないラブ・バラード。この少し切ない感じが90年代女性R&Bグループらしくていいですね。Dave "Jam" Hallプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=yAHjnofjYeY
「Love So Real (Interlude)」
Dave "Jam" Hallプロデュース。インタールード扱いするのが勿体ない美しい小曲。
「Love Ballad」
L.T.D.による1976年の全米R&Bシングル・チャートNo.1ヒットをカヴァー。Jeffrey Osborneのヴォーカルでお馴染みの名バラードを90年代女性R&Bグループらしく感動的に歌い上げます。Darin "Planoman" Whittingtonプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ptxzOz3Zt8Q
「Don't Stop (Interlude)」
インタールード。
「Farewell」
この曲も大好き!一度聴いたら脳内リピートしそうなピアノ・ループが先導する美しいミッド・グルーヴ。Chad Elliottプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=5cF6F4tX-Po
「Lovin' On The D.L.」
少しレイジーな雰囲気がたまらないミッド・グルーヴ。素晴らしいコーラスワークも堪能できます。Keny "Smoove" Kornegay/Daryl "88" Youngプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=s3HGqGMfPig
「Lovin' You」
LL Cool J「Eat Em Up L Chill」をサンプリングしたヒップホップ・ソウル。ボトムの効いたファンクネスがいい感じ。Mark Morantプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=QOue2F20HJs
「Patience (Remix)」
ラストはデビュー・シングルのリミックス。ヒップホップ・ソウル的な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=nJxPqQuBz4M
アルバムを聴くたびに、この1枚で消えてしまったのが惜しまれる女性R&Bグループです。