発表年:2000年
ez的ジャンル:西ロンドン系ジャズ/クロスオーヴァー
気分は... :クールな疾走感を欲する・・・
今回はニュージーランド出身、ロンドンを拠点に活躍するサックス奏者Nathan Hainesの『Sound Travels』(2000年)です。
Nathan Hainesは1972年ニュージーランド生まれ。10代でジャズ・バンドを結成し、その後N.Y.に拠点を求め、1994年にはデビュー・アルバム『Shift Left』をリリースしています。その後、拠点をロンドンへ移し、様々なDJ/プロデューサーと交流を深めていきます。
そして、本作『Sound Travels』(2000年)を皮切りに、『Squire For Hire』(2003年)、Marco Di Marco feat. Nathan Haines『My London Friends』(2004年)、『Life Time』(2005年)、『Right Now』(2007年)、『Music for Cocktail Lovers』(2008年)、『Heaven and Earth』(2010年)、『The Poet's Embrace』(2012年)、『Vermillion Skies』(2013年)とコンスタントにアルバムをリリースしています。
また、Reel People、4Hero、Mark De Clive-Lowe等の作品でNathan Hainesのプレイを聴くことができます。
今日紹介する『Sound Travels』(2000年)は、restless soul名義でPhil Asherがプロデュースしており、実質上はNathan HainesとPhil Asherのコラボ作品と呼べるのではないかと思います。
アルバムには、2人以外にMark De Clive-Lowe、Kaidi Tatham(Bugz In The Attic、2000Black)、Chris Frank(Da Lata)、Vanessa Freeman、Shelley Nelson等が参加しています。
西ロンドン発の作品らしいクロスオーヴァー/ブロークンビーツ的なサウンドを満喫できます。また、それだけに止まらないNathan Hainesの本格的なジャズ・アーティストの側面にも出会えるのも嬉しいですね。
西ロンドン好きの人はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Wonderful Thing」
Vanessa Freemanのヴォーカルをフィーチャー。スピリチュアルな雰囲気が漂うオープニング。この演奏を聴けば、Nathan Hainesが本物のジャズに根ざしたアーティストが実感できると思います。Vanessa Freemanの透明感のあるヴォーカルとNathanの素晴らしいブロウにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=95_Ih6Har58
「Long...」
Phil Asherの色が出たブロークンビーツ的な仕上がり。Kaidi Tathamも参加しています。ヴォーカルはDaniel Vacchi。西ロンドン好きの人はグッとくるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=vIWCNfBGFNE
「Surprising」
Marcus Beggの男性ヴォーカルをフィーチャー。クロスオーヴァー感覚のクールな疾走感がたまりません。僕の一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=ANybKNwPaWk
「Impossible Beauty」
Nathanがサックスのみならずヴォーカルも披露してくれる正統派のジャズ・バラードです。Mark De Clive-Lowe参加。
http://www.youtube.com/watch?v=FSB0LtmcZUI
「Sound Travels」
タイトル曲はWeather Reportからインスパイアされたらしいです。Kaidi Tathamも参加したブロークンビーツ。スペイシー&コズミックな感じがいいですね。
「Honeycomb」
ダビー感のあるレゲエ・チューン。Mike Lindupによる鍵盤の哀愁感が印象的です。
「The Illest Hobo」
少しミステリアスなNathanのプレイが印象的なフュージョン・チューン。Mark De Clive-Lowe、Mike Patto参加。
「Earth Is The Place」
Verna Francisの女性ヴォーカルをフィーチャー。Vernaのソウルフル・ヴォーカル、ビューティフルな鍵盤、トライバルなリズムが織り成す疾走感がいいですね。「Believe」、「Surprising」と並ぶ僕のお気に入り。
「Williams Song」
Williams Cumberbacheのヴォーカル&パーカッションをフィーチャー。伝統的なアフリカのチャントそのままって感じです。
「Believe」
Shelley Nelsonの女性ヴォーカルをフィーチャー。キュートなShelley Nelsonのヴォーカルが栄えるクロスオーヴァー・ソウル。
http://www.youtube.com/watch?v=Qx0ZksVtXnY
国内盤CDにはCD2に「Earth Is The Place」、「Sound Travels」、「The Illest Hobo」、「Wonderful Thing」、「Surprising」の別ヴァージョンが収録されています。
Nathan Hainesの他作品もどうぞ!
『Squire For Hire』(2003年)
Marco Di Marco feat. Nathan Haines『My London Friends』(2004年)
『Life Time』(2005年)
『Right Now』(2007年)
『Music for Cocktail Lovers』(2008年)
『Heaven and Earth』(2010年)
『The Poet's Embrace』(2012年)
『Vermillion Skies』(2013年)