2014年05月12日

Mario Castro-Neves『Stop, Look & Listen』

カナダのライブラリーレーベルに残されたブラジリアン・メロウ名盤☆Mario Castro Neves『Stop, Look & Listen』
Stop, Look & Listen
発表年:1977年
ez的ジャンル:名アレンジャー系ブラジリアン・メロウ
気分は... :23名に選ばれるのは・・・

いよいよ今日はブラジルW杯の日本代表23名が発表されますね。
素人の勝手な予想を書くと、こんな感じです。

(GK)川島、西川、権田
(DF)今野、吉田、森重、伊野波、長友、内田、酒井宏、酒井高
(MF)長谷部、遠藤、山口、細貝、本田、香川、清武、齋藤
(FW)岡崎、柿谷、大迫、大久保

個人的な希望というより、ザックがこう選ぶのでは?という予想です。
サプライズは大久保といったところでしょうか。
個人の希望を述べれば、DF伊野波、酒井高の代わりに他のメンバーが入ってもいい気がしますが・・・

まぁ、ドキドキしながらメンバー発表を聞くのもW杯の楽しみですね。

今回はブラジル人キーボード奏者/アレンジャー/コンポーザーMario Castro-Nevesがカナダのライブラリーレーベルにひっそりと残していたアルバム『Stop, Look & Listen』(1977年)です。再評価の高まったブラジリアン・メロウ作品です。

Mario Castro-Nevesの紹介は、Mario Castro-Neves & Samba S.A.名義でリリースした『Mario Castro-Neves & Samba S.A.』(1967年)に続き2回目です。

1960年代にMario Castro-Neves & Samba S.A.名義で作品を残した後、拠点を欧州に移したMarioは1973年にロンドンでレコーディングを敢行し、Mario Castro-Neves & His Orchestra名義で『Brazilian Mood』というアルバムをリリースしています。

その後、カナダのトロントに渡ったMarioが1975年にカナダ人ミュージシャンとレコーディングした作品が本作『Stop, Look & Listen』です。元々は名門レーベルCTIからのリリースを前提にレコーディングした楽曲でしたが、話が流れて1977年にカナダのライブラリーレーベルから『The Latin Band of Mario Castro-Neves』のタイトルでプロモ―ショナル・リリースされたようです。

ただし、本作のオリジナル盤の盤面に『Stop, Look & Listen』の記載があったことから、リイシュー時には『Stop, Look & Listen』のタイトルとなったようです。

レコーディンにはMario Castro-Neves(key)以外は、Celine Granica(vo)、Sharon Smith(vo)、Ken Ramm(g)、Neil Swainson(b)、Graydon Hillock(ds)、Memo Acevedo(per)、Marty Deller(per)、Gary Morgan(sax、fl)、Don Englert(sax、fl)、Herbie Koffman(tp、flh)、Rick Tait(tp、flh)、Phil Gray(tb)といったカナダ人ミュージシャンがバックを固めています。

全10曲中6曲がMarioのオリジナル、4曲がカヴァーという構成です。

アルバム全体としては、キュートな女性ヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・ブラジリアン・といった印象です。Marioのアレンジャーとしての才が如何なく発揮されているのが魅力です。ブラジリアン好きの人は勿論のこと、メロウAOR好きの人が聴いても楽しめるのでは?

兄弟で名ギタリスト/アレンジャーであったOscar Castro-Nevesは惜しくも昨年逝去しましたが、Marioは健在なんですかね?

全曲紹介しときやす。

「Sometime Love Affair」
Mario Castro-Neves/Celine Granica作。オリジナルのメロウ・ボッサでアルバムは幕を開けます。キュートな女性ヴォーカルとポップなメロウ・サウンドの組み合わせはセルメン系の音が好きな方は気に入るはず!

「Feelings」
Morris Albertの大ヒットをカヴァー。日本人にはハイ・ファイ・セットのカヴァーでお馴染みですね。オリジナルやハイ・ファイ・セットのイメージが強い楽曲ですが、ここでは軽快なジャズ・サンバ調で聴かせてくれます。

「Subtle Chemistry」
Mario Castro-Neves/Celine Granica作。AOR/フュージョン好きの方も気に入るであろう爽快メロウな疾走感が心地好い1曲。Marioのアレンジャーとしてのセンスも冴えています。

「All You Get From Love Is A Lovesong」
Steve Eaton作。Carpentersのヒット曲としてお馴染みの曲ですね。ここではMarioのメロウ・エレピが実に心地好いブラジリアンAORといった趣の仕上がりです。

「Boca Grande」
Mario Castro-Neves/Celine Granica作。Celine Granicaのキュートなヴォーカルにグッとくるメロウ・ブラジリアン・グルーヴ。緩急のつけかたが絶妙です。

「Stop, Look And Listen」
Mario Castro-Neves/Celine Granica作。タイトル曲はソフトリーなブラジリアン・メロウです。CTIからリリースされば、ぴったりな楽曲だったのに・・・

「Summersoft」
Stevie Wonder作。『Songs In The Key Of Life』収録の名曲をブラジリアン・フレイヴァーの絶品メロウに仕上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=hggduoC9lbY

「Why Can't There Be You?」
Mario Castro-Neves/Celine Granica作。ブラジリアン・グルーヴ好きにはグッとくるメロウ・サンバ・グルーヴ。ここでも緩急をつけた変幻自在のアレンジが冴え渡ります。

「This One's For You」
Barry Manilow/Marty Panzer作。Barry Manilowの名バラードをカヴァー。AOR調の落ち着いたアレンジがグッとくる大人のメロウ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=mVWGws5Lie4

「Open Up (Try Understanding)」
Mario Castro-Neves/Celine Granica作。ラストはポップに躍動するブラジリアン・グルーヴで締め括ってくれます。

Mario Castro-Neves関連の他作品もチェックを!

Mario Castro-Neves & Samba S.A.『Mario Castro-Neves & Samba S.A.』(1967年)
マリオ・カストロ・ネヴィス&サンバ・SA(紙ジャケット仕様)

Mario Castro-Neves & His Orchestra 『Brazilian Mood』(1973年)
Brazilian Mood

Mario Castro-Neves & Samba S.A.『On a Clear Bossa Day』(2004年)
クリア・ボッサ・デイ
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2014年05月11日

Quantic『Magnetica』

フューチャリスティックでエクスペリメンタルな都市型民族音楽集☆Quantic『Magnetica』
Magnetica [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC415)
発表年:2014年
ez的ジャンル:フューチャリスティック&エクスペリメンタル都市型民族音楽
気分は... :W杯前にコロンビアの音楽を聴こう!

今回はハイブリッド作品をリリースし続け、エッジーな音楽ファンから高い支持を得ているUK出身のアーティストQuanticの新作『Magnetica』です。

QuanticことWill Hollandの紹介は、The Quantic Soul Orchestra名義の『Stampede』(2003年)、Alice Russellとの共演作Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)に続き3回目です。

2007年にコロンビアへ移住し、現地ミュージシャンとコラボを通じて、ラテン音楽、カリビアン・ミュージック、レゲエ/ダブへアプローチしてきたQuanticでしたが、現在はコロンビアでの生活を終えてN.Y.にいる模様です。

そんなQuanticが次のステップへと進んだ作品が本作『Magnetica』です。コロンビア時代の成果を踏まえつつ、エレクトロ・サウンドとの融合など新たなアプローチに取り組んだ作品が『Magnetica』です。プレスリリースの"フューチャリスティックでエクスペリメンタルな都市型民族音楽集"という表現も納得できます。お馴染みTru Thoughtsからのリリースです。

アルバムにはお馴染みAlice Russell、L.A.を拠点に活動するアレンジャー/コンポーザーMiguel Atwood-Ferguson、コロンビアの伝説的なミュージシャン2人FrukoMichi Sarmiento、アンゴラ出身のポルトガル女性MC Pongo Love、エチオピア人シンガーDereb The Ambassador、コロンビア人女性シンガーNidia Gongora、80〜90年代に大人気だったレゲエDJ Shinehead、ブラジル人シンガーIara Renno、コロンビア人アコーディオン奏者Anibal Velasquez、Orquestra Imperialの一員でもあるブラジル人女性シンガーThalma De Freitas等の国際色豊かなゲストが参加しています。

サッカーW杯でコロンビアと対戦することもあり、コロンビアへの注目が高まっているだけに、本作のような作品を介してコロンビアの音楽に接するのもいいのでは?

コロンビア時代に一区切りをつけ、新しいステージへ入ろうとしているQuantic。これからも目が離せません。

全曲紹介しときやす。

「Magnetica」
タイトル曲は、エレクトロ・サウンドを重視した本作らしい仕上り。レトロ・フィーリングをフューチャリスティックなエレクトロ・サウンドで表現しているのがQuanticらしですね。

「You Will Return」
Alice Russellをフィーチャーし、Miguel Atwood-Fergusonがアレンジを務めた話題曲。フューチャリスティックな民族フォーキーといった雰囲気ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=7ki4gXTpDyA

「Descarga Cuantica」
Fruko y sus Tesosのメンバーとしても知られるFrukoとサックス奏者Michi Sarmientoというコロンビアのベテラン・ミュージシャン2名をフィーチャーしたフューチャリスティック・デスカルガ。コロンビア・サルサをQuanticが進化させています。
http://www.youtube.com/watch?v=omrE-h0tlNQ

「Duvido」
アンゴラ出身のポルトガル女性MC、Pongo Loveをフィーチャー。コロンビアのアフロ系伝統音楽であるクルラオを前面に押し出しつつ、Pongo Loveのラップが絡むあたりがエクスペリメンタルな都市型民族音楽なのかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=JqYtyb9iERk

「Arada」
オーストラリア在住のエチオピア人シンガーDereb The Ambassadorをフィーチャー。"エチオピア演歌"といった感じでコブシを回します。

「La Plata」
コロンビア人女性シンガーNidia Gongoraをフィーチャー。汎大西洋的なアフロ・ラテン・チューンです。トラディショナルでありながら、野暮ったくしないところがいいですね。

「Sol Clap」
エレクトロ・サウンドとコロンビア音楽を融合させた仕上がり。本作に先駆け2011年のベスト盤『The Best of Quantic』にも収録されていました。
http://www.youtube.com/watch?v=zVcMi4YCLWQ

「Spark It」
懐かしのダンスホールDJ Shineheadをフィーチャー。僕の中では"あの人は今・・・"的な存在だったShineheadでしたが、その健在ぶりを示してくれます。楽曲自体もなかなかキャッチーなダンスホール・チューンに仕上がっています。

「Caruru」
ブラジル人女性シンガーIara Rennoをフィーチャー。この曲もレゲエ調の仕上がり。ゆったりのんびりした感じがいいですね。

「La Callejera」
コロンビア人アコーディオン奏者Anibal Velasquezをフィーチャー。なかなかノリのいいアフロ・ラテン・グルーヴで僕はかなり好き!

「Muevelo Negro」
Nidia Gongoraをフィーチャー。大地のリズムを感じるトラディショナルな味わいのクルラオです。

「Aguas De Sorongo」
Orquestra Imperialの一員でもあるブラジル人女性シンガーThalma De Freitasをフィーチャー。アフロ・ブラジリアン調の爽快ブラジリアン・グルーヴは僕好みです。

「Painting Sithouettes」
ラストは全てをQuanticがこなしたアコースティック・チューンで締め括ってくれます。

国内盤には「Duvid (instrumental)」「Muvelo Negro (a cappella)」という2曲のボーナス・トラックが収録されています。

The Quantic Soul Orchestra名義の他作品やQuantic関連の他作品もチェックを!

The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
Stampede

The Quantic Soul Orchestra『Pushin' On』(2005年)
Pushin on

The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
I'm Thankful

The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Tropidelico (TRUCD139)

Quantic『The 5th Exotic』(2001年)
The 5th Exotic

Quantic『Apricot Morning』(2002年)
Apricot Morning (TRUCD034)

Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
Mishaps Happening

Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
An Announcement to Answer (TRUCD100)

The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Tales from Beyond the Groove (TRUCD057)

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Death of the Revolution』(2008年)
Death Of The Revolution [日本語解説付き国内盤] (BRTRU163)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Dog With A Rope [ボーナストラック2曲・日本語解説付き国内盤] (BRC-262)

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Look Around The Corner [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC325)

Ondatropica『Ondatropica』(2012年)
Ondatropica
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2014年05月10日

Original Soundtrack『Blow-Up』

Herbie Hancockが音楽を手掛けたスウィンギン・ロンドン系サウンドトラック☆Original Soundtrack『Blow-Up』
Blow Up
発表年:1966年
ez的ジャンル:スウィンギン・ロンドン系サウンドトラック
気分は... :写真を引き伸ばすと・・・

今回はイタリア映画の巨匠Michelangelo Antonioniが監督し、Herbie Hancockが音楽を担当した映画『Blow-Up(邦題:欲望)』(1966年)のオリジナル・サウンドトラックです。

これまで当ブログで紹介したHerbie Hancock作品は以下の8枚(録音年順)。

 『Inventions And Dimensions』(1963年)
 『Empyrean Isles』(1964年)
 『Maiden Voyage』(1965年)
 『Speak Like A Child』(1968年)
 『The Prisoner』(1969年)
 『Fat Albert Rotunda』(1969年)
 『Thrust』(1974年)
 『Sunlight』(1978年)

映画『Blow-Up(邦題:欲望)』(1966年)は、人気カメラマンの主人公をめぐる出来事を通して、当時のロンドンを席巻したスウィンギン・ロンドンの空気を伝えてくれる人気カルト・ムーヴィーです。映画はカンヌ映画祭で見事パルムドールを受賞しています。

DVD『Blow-Up(邦題:欲望)』
欲望 [DVD]

そんな映画の音楽を託されたのがHerbie Hancockです。当初Antonioni監督は音楽を使う予定がありませんでしたが、撮影中に耳にしたHancockの音楽に魅せられ、起用を決定した模様です。

参加メンバーはHerbie Hancock(p)以下、Freddie Hubbard(tp)、Joe Newman(tp)、Phil Woods(as)、Joe Henderson(ts)、Paul Griffin(org)、Jimmy Smith(org)、Jim Hall(g)、Ron Carter(b)、Jack DeJohnette(ds)という、なかなか豪華な顔ぶれです。

スウィンギン・ロンドンを扱った映画のサントラのせいか、Hancockらによる演奏もロック、ブルースなどのエッセンスを取り入れたヒップなサウンドを楽しめます。

まずはまずは「Main Title from Blow Up」「Bring Down the Birds」「The Thief」あたりを聴けば、本作のスウィンギン・ロンドンな空気を実感できます。

本作のもう一つの目玉は映画内で演奏シーンが挿入されるYardbirds「Stroll On」です。しかも、ここでのYardbirdsはJeff BeckJimmy Pageのツイン・ギター!ロック好きの人にはたまらないですよね。Antonioni監督はこの演奏シーンでThe Whoに出演を依頼していましたが、交渉がまとまらず敏腕マネジャーGiorgio Gomelskyが割って入りYardbirdsの出演が決まったようです。

最後はThe WhoのPete TownshendばりにBeckがギターを叩き壊す姿が印象的です。

スウィンギン・ロンドン好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Main Title from Blow Up」
スウィンギン・ロンドンな空気が伝わってくるメイン・テーマ。1分半強の短い演奏ですが、モッズ好きの人を虜にするビートの効いたロッキンな演奏を楽します。終盤はジャズ・モードで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=xubk-WNvkJI

James Taylor Quartetの格好良いカヴァーもありますね。
James Taylor Quartet「Blow Up」
 http://www.youtube.com/watch?v=nD2EUNtYBlc

「Verushka (Part 1)」
ブルース・フィーリングたっぷりの演奏です。

「Verushka (Part 2)」
パート2も相変わらずブルースですが、こちらはサックスがメインになっています。

「Verushka (Part 1 & 2)」
http://www.youtube.com/watch?v=KjMNkRC95xw

「The Naked Camera」
この参加メンバーらしいャズ・サウンドを堪能できます。格好良いトランペットがキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=x7Y2-tIgGMY

「Bring Down the Birds」
この演奏も本作のハイライトの1つです。イントロのベースラインをどこかで聴いたことがある人も多いのでは?そうです、大ヒット・ダンス・チューンDeee-Lite「Groove Is In The Heart」のサンプリングソースです。グルーヴ―でヒップな演奏は文句ナシに格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tADslgXuYig

Deee-Lite「Groove Is In The Heart」以外にCircuit「Shelter Me (Touchdown Mix)」、Lorna「Papi Chulo... (Te Traigo El Mmmm)」のサンプリングソースにもなっています。

Deee-Lite「Groove Is In The Heart」
 http://www.youtube.com/watch?v=etviGf1uWlg

「Jane's Theme」
Jim Hallの美しいギター・プレイを堪能できるバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=ohTE2DLQ93w

「Stroll On」
前述のように、この曲のみYardbirdsの演奏です。Beck & Pageのツイン・ギターを堪能しましょう。当初、Tiny Bradshawのカヴァー「Train Kept A Rollin'」を演奏しようとしたのですが、権利の問題が発生し、メンバーらが新たに詞を書き、同曲を改作するかたちで本曲「Stroll On」となった模様です。ロック好きは聴き逃せない名演なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=cj8QQizmykY

「The Thief」
Manfred Mannあたりが好きな人ならばグッとくるスウィンギン・ロンドンらしいグルーヴィーなモッド・ジャズです。
http://www.youtube.com/watch?v=JyN7XVa2Aiw

「The Kiss」
Jim Hallのギターとオルガンによるロマンティックな演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=m5TpwEH1PrM

「Curiosity」
さすがはHancockと思わせる美しい演奏を堪能できます。もっと長尺で聴きたい!
http://www.youtube.com/watch?v=yks2E-b0eEk

「Thomas Studies Photos」
ポリリズムで疾走する格好良いサウンドです。これも長尺で聴きたい!
http://www.youtube.com/watch?v=WCryOMixNu0

「The Bed」
Hancockらしい美しいピアノ・プレイを堪能できるエレガント・バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=eoWH7Po5f34

「End Title Blow Up」
エキサイティングなタイトルのリプライズです。
http://www.youtube.com/watch?v=S7Bn33Cte3U

オリジナルには未収録でしたが、UKのロックバンドTomorrow(Steve Howe、Keith WestらがいあたアノTomorrow)による演奏が収録されているヴァージョンもあります。

Herbie Hancock作品の過去記事もご参照下さい。

『Inventions And Dimensions』(1963年)
Inventions & Dimensions

『Empyrean Isles』(1964年)
エンピリアン・アイルズ+2

『Maiden Voyage』(1965年)
処女航海

『Speak Like A Child』(1968年)
スピーク・ライク・ア・チャイルド

『The Prisoner』(1969年)
ザ・プリズナー

『Fat Albert Rotunda』(1969年)
ファット・アルバート・ロトゥンダ<紙ジャケット仕様>

『Thrust』(1974年)
Thrust

『Sunlight』(1978年)
Sunlight
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2014年05月09日

Willie Henderson & The Soul Explosions『Funky Chicken』

Brunswickの名プロデューサー/アレンジャーによるファンキー作品☆Willie Henderson & The Soul Explosions『Funky Chicken』
ファンキー・チキン+7
発表年:1970年
ez的ジャンル:Brunswick系インスト・ファンク
気分は... :ゆべし?ままどおる?それとも・・・

今回はBrunswickレーベルの名プロデューサー/アレンジャーとして知られるWillie Hendersonが自身の名義でリリースしたアルバム『Funky Chicken』(1970年)です。レア・グルーヴ名盤としてもお馴染みですね。

Willie Hendersonは1941年フロリダ生まれのプロデューサー/アレンジャー、サックス奏者、シンガー。

バリトン・サックス奏者としてミュージシャン活動をスタートさせ、Otis Rush、Syl Johnson、Alvin Cashらのバッキングを務めました。

1968年にシカゴ・ソウルの名門レーベルBrunswickで働くようになり、名プロデューサーCarl Davisの下、Tom Washington(Tom Tom 84)らと共にアレンジャーとして活躍し、 The Chi-Lites、Jackie Wilson、Tyrone Davis、Barbara Acklinらの作品で手腕を発揮します。。さらには大ヒット曲Tyrone Davis「Can I Change My Mind」を皮切りに、プロデューサーとしても頭角を現し、Brunswickおよび傘下レーベルで数多くの楽曲を手掛けました。

そんな名プロデューサー/アレンジャーであるWillie Henderson、唯一のアルバムが本作『Funky Chicken』(1970年)です。1974年に『Dance With Willie Henderson "The Master"』というアルバムがリリースされていますが、これは本作+プラス4曲という構成の作品です。

本作『Funky Chicken』はジャケの雰囲気通りのインスト・ファンク作品です。

Carl DavisTom Washington(Tom Tom 84)Eugene RecordThe Chi-Lites)といったBrunswickの強者たちがプロデュース、アレンジ等で参加しています。

過去トラックの二次活用や有名曲を堂々と引用といった楽曲もありますが、アルバムを貫くファンキー・グルーヴは抗うことができない魅力に満ちています。

一気にハイ・テンションになりたい時にはオススメのファンキー作品です。
今、赤ワインを飲みながら記事を書いていますが、ウイスキーやウォッカが飲みたくなる1枚です。

全曲を紹介しときやす。 
※本作は盤によって曲順等が異なるのでご注意を!ここに示すのはオリジナル曲順です。

「Soulful Football」
Sly & The Family Stone「Sing a Simple Song」のパート2みたいなファンキー・グルーヴです。ここまでやっちゃうと逆に痛快です。「Sing a Simple Song」をよりパーカッシヴにしたラテン・フレイヴァーの効かせ方が僕好み!
http://www.youtube.com/watch?v=iaTabzwPFWs

Pete Rock & C.L. Smooth「It's Not a Game」のサンプリングソースとなっています。
Pete Rock & C.L. Smooth「It's Not a Game」
 http://www.youtube.com/watch?v=A8ZoPqzFjjI

「Oo Wee Baby, I Love You」
Fred Hughes、1965年ヒット曲のカヴァー。僕は当ブログでも紹介したAl Kooperヴァージョンをよく聴いていましたが。本ヴァージョンは Fred Hughes がアルバム『Baby Boy』(1970年)で再演したものと同じトラックのインスト・ヴァージョンになっています。

「Can I Change My Mind」
前述の自らがプロデュースしたTyrone Davisの大ヒット曲と同トラックですが、ヴォーカルの代わりにトロンボーンを加えたヴァージョンになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=uLMbTg1ol-E

Tyrone Davis「Can I Change My Mind」
http://www.youtube.com/watch?v=zgQKgnw2Cdw

「Funky Chicken - Part 1」
シングルにもなり全米R&Bチャート第22位となりました。イントロはJackson 5「I Want You Back」そのまんまですね(笑)。ファンキーに疾走するインストですが、もう少し尺が長くてもいい気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=cr0wHMm9kkk

「Sugar Sugar」
Andy Kim/Jeff Barry作。The Archiesの全米No.1ヒットをカヴァー。ポップ名曲をファンキー・ソウル風味で聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=MVHriy8h2I8

「Off Into A Black Thing」
Willie Hendersonのオリジナル。本曲をハイライトに挙げる方も多いのでは?サイケもブラス・ロックもラテンもぶち込んだ強烈なファンク・チューンです。妖しげなギターが目立ちます。
http://www.youtube.com/watch?v=q5h9iJIJESY

「Is It Something You've Got」
再びTyrone Davisのシングル・ヒットのトラックを使ったもの。ここではヴォーカルの代わりにWillie Hendersonのバリトン・サックスがフィーチャーされています。
http://www.youtube.com/watch?v=jldhHpv-7AE

「Funky Chicken - Part 2」
ラストは「Funky Chicken」のパート2です。
http://www.youtube.com/watch?v=DgHe_SKfGC0

僕が保有する国内盤には「Break Your Back」「Windjammer」「Loose Booty」「Harlem」「The Whole Thing(With Rodney Jones)」「Instrumental 1 - Untitled」「Instrumental 2 - Untitled」 という6曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

ご興味がある方はWillie HendersonがプロデュースしたTyrone Davis作品あたりをチェックするのも楽しいのでは?

Tyrone Davis『Can I Change My Mind』(1969年)
キャン・アイ・チェンジ・マイ・マインド

Tyrone Davis『Turn Back The Hands Of Time』(1970年)
ターン・バック・ザ・ハンズ・オブ・タイム+3

Tyrone Davis『I Had It All The Time』(1972年)
アイ・ハド・イット・オール・ザ・タイム
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2014年05月08日

Thief『Sunchild』

Jazzanovaメンバーらによるフォーキー・ユニット☆Thief『Sunchild』
Sunchild
発表年:2006年
ez的ジャンル:Jazzanova系新世代フォーキー
気分は... :GW明けは慌しく・・・

今回はJazzanovaのメンバーらによるドイツのフォーキー・ユニットThiefのアルバム『Sunchild』(2006年)です。勿論、Jazzanova主宰のレーベルSonar Kollektivからのリリースです。

Thiefは、ベルリンを拠点に世界のクラブジャズ/クロスオーヴァーを牽引するプロデューサー/DJユニットJazzanovaのメンバーであるStefan LeiseringAxel Reinemerとベルリンの女性シンガー・ソングライターSascha Gottschalkの3人によるユニット。

2006年にJazzanova Feat. Thiefというかたちでシングル「The Sirens' Call」をリリース。その後Thief名義で本作『Sunchild』をリリースしています。

Jazzanova Feat. Thief「The Sirens' Call」
 http://www.youtube.com/watch?v=kV1_65h5C9A

アルバム全体を支配するのは懐かしくて新しいフォーキー・サウンドといったところでしょうか。60年代フォーキーのような美しいメロディを、エレクトロを融合させた2000年代感覚で聴かせてくれます。個人的はThe Sea and Cakeあたりのシカゴ音響派作品と一緒に聴きたい作品です。

ただし、フォーキーな中にもジャズの土台をしっかり感じることができるのは、Jazzanova派生ユニットらしいですね。

クラブジャズ経由の新世代フォーキー・サウンドを楽しみましょう!

モノトーンのジャケ・デザインも秀逸ですね。

全曲紹介しときやす。

「Sunchild」
新世代フォーキーらしく、フォーキー・サウンドにうまくエレクトロな味わいを織り交ぜたタイトル曲。今回初めて知ったのですが、アメリカの人気ドラマ『Private Practice』の挿入歌にも使われたみたいです。チェロやヴァイヴの使い方も絶妙!
http://www.youtube.com/watch?v=_JqBJEajQIw

「Atlantic」
僕の一番のお気に入り。この曲はThe Sea and Cakeと一緒に聴きたくなりますね。美しいメロディと音空間の広がりがたまりません。当ブログでも紹介したSonar Kollektiv所属であった男性シンガーGeorg Levinがバック・コーラスで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=8FbRWqikQdU

「Hold On, Hold On」
シングルにもなったフォーキー・グルーヴ。60年代フォークと2000年Nu Jazzのケミストリーといった感じですね。Simon & Garfunkel「Mrs. Robinson」をJazzanovaがリミックスすると、こんな感じになるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=lVLe50OOvqU

「If There Was A Love」
フォーキー・ジャズ風味の仕上がり。終盤はホーン&ストリングスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=TrgaQaSuZNU

「Clouds」
フォーキー・ワルツ。美しいメロディと荒々しいリズムの組み合わせがなんかいいです。
http://www.youtube.com/watch?v=8_AjLidq1T8

「Self Portrait」
Horace Silverのカヴァー。オリジナルは『Silver 'N Strings Play The Music Of The Spheres』で聴くことができます。オリジナルはJazzanovaのミックス作品『Blue Note Trip: 5: Scrambled/Mashed』(2006円ン)にも収録されていました。時期的にこの曲への思い入れが強かったのでしょうね。躍動感のあるコズミック・フォーキーといった印象です。

「Does It Make Any Sense」
アシッド・フォーク調の仕上がり。シンプルだけど、広がりがあります。

「Somewhere」
この曲もThe Sea and Cakeと一緒に聴きたくなります。フォーキー感覚とエレクトロ感覚のバランスが絶妙です。僕が本作に求めているのはこういう音なのかも?
http://www.youtube.com/watch?v=CyftFMpyKJc

「I Can't Remember」
寂しげなメロディが印象的なダウナー感覚の仕上がり。心象風景を見事に音空間で表現しているところが素晴らしいですね。

「(Like) Leaves」
哀愁フォーキー。他の曲と比べると、少し印象が薄いかも?

「Home」
Paul Kleberのダブルベースが活躍するフォーキー・ジャズ。
http://www.youtube.com/watch?v=m_u8bDL6YZE

「Sunchild (Reprise)」
タイトル曲のリプライズ。

ご興味がある方はJazzanovaの過去記事もご参照下さい。

『In Between』(2002年)
イン・ビトゥイーン・デラックス・エディション

『Of All The Things』(2008年)
Of All the Things
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