2014年05月04日

Duck Sauce『Quack』

N.Y.ディスコ・ハウスの人気ユニット、遂に待望の1stアルバム!☆Duck Sauce『Quack』
Quack
発表年:2014年
ez的ジャンル:N.Y.ディスコ・ハウス
気分は... :確信犯的なディスコ・サウンドで盛り上がる!

今回は新作アルバムからN.Y.ディスコ・ハウスの人気ユニットDuck Sauce、待望の1stアルバム『Quack』です。

90年代から活躍するボストン出身のハウスDJのArmand Van Heldenと、1997年に15歳にしてDMC(DJ世界一を決める大会)で優勝したターンテーブルの神童、カナダ、モントリオール出身のDJ、A-Trakから成るユニット。

2009年にシングル「aNYway」でデビュー。2010年にリリースした2ndシングル「Barbra Streisand」がUKシングル・チャート第3位など世界中で大ヒットを記録し、彼らの名が一躍有名になりました。「Barbra Streisand」はグラミーにもノミネートされました。

その後もシングルをリリースしてきた彼らがデビューから約5年の歳月を経てリリースした1stアルバムが『Quack』です。

モナリザをパロったジャケ・デザイン同様、サウンドも遊び心満載の能天気なパーティー・チューンが埋め尽くされています。どの楽曲も大胆にサンプリングを用いており、70年代後半〜80年代前半のケバケバしいサウンドを取り入れた確信犯的なディスコ・ハウスを堪能できます。

大音量でかかることを前提としたイケイケのダンス作品は、正直、僕の最近の音楽嗜好からは少しズレており、「Barbra Streisand」などもそれ程好きな曲ではありませんでした。しかし、いざアルバムを通しで聴いてみると、これはこれで有りなのかな?という気もしてきました。

僕の場合、EDMへのアンチテーゼのような本作の痛快さが気に入ったのかもしれません。

当ブログらしからぬセレクトかもしれませんが、少しハメを外したお馬鹿モードのダンス・サウンドはGWらしくていいのでは?

全ての楽曲の元ネタも示しておきましたので、そちらをチェックするのも楽しいと思います。

全曲紹介しときやす。

「Chariots Of The Gods」
アヒルの不敵な鳴き声と共に始まるオープニング。フランスのスペース・ロック・ユニットRocketsが1977年にリリースしたシングル「Space Rock」がベースになっています。スペイシーなシンセ・ポップをフロア仕様のディスコ・チューンへ再生させています。
http://www.youtube.com/watch?v=zyVh26BJSho

Rockets「Space Rock」(1977年)
 http://www.youtube.com/watch?v=FBFHhixnhY0

「Charlie Chazz & Rappin Ralph」
ヴォーカルを務める2人の名がそのままタイトルになっています。本曲ではLenny Williams「When I'm Dancin'」(1979年)をサンプリングし、早回しのアッパー・チューンに仕上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=J_eeYS7TFHU

Lenny Williams「When I'm Dancin'」
 http://www.youtube.com/watch?v=jQE9fe_3JR4

「It's You」
2013年にリリースされた4thシングル。50年代のドゥーワップAlan Sanchez & Bruce Patch「It's You」をサンプリングした軽快なディスコ・チューン。ドゥーワップをディスコ・チューンに仕立ててしまう腕前は実に鮮やかです。
http://www.youtube.com/watch?v=8uInyR5KwCY

Alan Sanchez & Bruce Patch「It's You」
 http://www.youtube.com/watch?v=EPt7hIDlW38

「Goody Two Shoes」
カナダのディスコ・ユニットTHP Orchestraが1979年にリリースした「Good to Me」をサンプリング。「Good to Me」の美味しいところのみを上手く抽出しています。
http://www.youtube.com/watch?v=zzXwRZrD3yM

THP Orchestra「Good to Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=NNle2f0Y87A

「Radio Stereo」
2013年にリリースされた5thシングル。UKのパンク・バンドThe Membersの「Radio」(1982年)をサンプリング。この曲は元ネタと少しギャップがあるかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=TZ9W4LxKZDI

The Members「Radio」
 http://www.youtube.com/watch?v=xvWQenFo9Xo

「aNYway」
記念すべき彼らの1stシングル。Final Edition「I Can Do It (Anyway You Want)」(1979年)をサンプリングした痛快ディスコ・ハウス!やっぱり僕はコレが一番好きだなぁ。バック・コーラスでMtumeでお馴染みのTawatha Ageeが参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=vWM5D3MwSgA

Final Edition「I Can Do It (Anyway You Want)」
 http://www.youtube.com/watch?v=AVcP0itjIIA

「NRG」
Melissa Manchester「Energy」(1985年)をサンプリング。良くも悪くも80年代丸出しのサウンドが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=J2ouQMCcOz4

Melissa Manchester「Energy」
 http://www.youtube.com/watch?v=loc533Vl65w

「Everyone」
Teddy Toothpickのヴォーカルをフィーチャー。Stephen Stills「Stranger」(1984年)をサンプリングしています。意外なサンプリングソースですね。改めて聴くと、元ネタもいい曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=sj3400oxy0o

Stephen Stills「Stranger」
 http://www.youtube.com/watch?v=Y6UjIqTtbHk

「Ring Me」
ドイツの女性ディスコ・ユニットA La Carteが1980年にリリースした「Ring Me Honey」をサンプリング。ユーロ・ディスコ感が全開です。中盤ではA-Trakらしいセンスを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=cvpTgUflfw8

A La Carte「Ring Me Honey」
 http://www.youtube.com/watch?v=MslUl_7BPrI

「Barbra Streisand」
前述のように彼らの2ndシングルであり、世界的大ヒットとなった出世作。ドイツの人気ディスコ・グループBoney M.のヒット曲「Gotta Go Home」をサンプリングしたオートチューン使いのイケイケのディスコ・チューン。タイトルは勿論、かの有名なシンガー/女優のBarbra Streisandからとったものです。PVには多数の有名アーティストがカメオ出演しています。それらを探してみるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=uu_zwdmz0hE

Boney M.「Gotta Go Home」
 http://www.youtube.com/watch?v=ddq5Rdx8Uw4

本シングルはBarbra Streisand『Guilty』(1980年)を模したジャケも話題になりましたね。この徹底ぶりも彼らの魅力ですね。

Duck Sauce「Barbra Streisand」(左下)
Barbra Streisand『Guilty』(右下)
Barbra Streisandギルティ

「Spandex」
オランダのシンセ・ポップ・グループTime Banditsの「Live It Up」(1982年)をサンプリング。遊び心満点のイケイケ・ディスコに仕上がっています。少しやり過ぎな気もしますが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=-3Ywtj_AOfc

Time Bandits「Live It Up」
 http://www.youtube.com/watch?v=LHUQ1ytogAk

「Time Waits For No-One」
UKのシンセ・ポップ・ユニットQ-Feelの「Time Waits For No-One」(1982年)をサンプリング。アッパーなシンセ・ディスコ・チューンに仕上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=z9BufUq1lPk

Q-Feel「Time Waits For No-One」
 http://www.youtube.com/watch?v=5u9VC92Z81k

国内盤には3rdシングルになった「Big Bad Wolf (Original Mix)」「It's You (Shinichi Osawa Remix)」「Barbra Streisand (Afrojack Meat Mix)」といったボーナス・トラック3曲が追加収録されています。

ご興味がある方は、Armand Van HeldenA-Trakのソロ作品もチェックしてみては?
posted by ez at 01:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする