発表年:1970年
ez的ジャンル:Brunswick系インスト・ファンク
気分は... :ゆべし?ままどおる?それとも・・・
今回はBrunswickレーベルの名プロデューサー/アレンジャーとして知られるWillie Hendersonが自身の名義でリリースしたアルバム『Funky Chicken』(1970年)です。レア・グルーヴ名盤としてもお馴染みですね。
Willie Hendersonは1941年フロリダ生まれのプロデューサー/アレンジャー、サックス奏者、シンガー。
バリトン・サックス奏者としてミュージシャン活動をスタートさせ、Otis Rush、Syl Johnson、Alvin Cashらのバッキングを務めました。
1968年にシカゴ・ソウルの名門レーベルBrunswickで働くようになり、名プロデューサーCarl Davisの下、Tom Washington(Tom Tom 84)らと共にアレンジャーとして活躍し、 The Chi-Lites、Jackie Wilson、Tyrone Davis、Barbara Acklinらの作品で手腕を発揮します。。さらには大ヒット曲Tyrone Davis「Can I Change My Mind」を皮切りに、プロデューサーとしても頭角を現し、Brunswickおよび傘下レーベルで数多くの楽曲を手掛けました。
そんな名プロデューサー/アレンジャーであるWillie Henderson、唯一のアルバムが本作『Funky Chicken』(1970年)です。1974年に『Dance With Willie Henderson "The Master"』というアルバムがリリースされていますが、これは本作+プラス4曲という構成の作品です。
本作『Funky Chicken』はジャケの雰囲気通りのインスト・ファンク作品です。
Carl Davis、Tom Washington(Tom Tom 84)、Eugene Record(The Chi-Lites)といったBrunswickの強者たちがプロデュース、アレンジ等で参加しています。
過去トラックの二次活用や有名曲を堂々と引用といった楽曲もありますが、アルバムを貫くファンキー・グルーヴは抗うことができない魅力に満ちています。
一気にハイ・テンションになりたい時にはオススメのファンキー作品です。
今、赤ワインを飲みながら記事を書いていますが、ウイスキーやウォッカが飲みたくなる1枚です。
全曲を紹介しときやす。
※本作は盤によって曲順等が異なるのでご注意を!ここに示すのはオリジナル曲順です。
「Soulful Football」
Sly & The Family Stone「Sing a Simple Song」のパート2みたいなファンキー・グルーヴです。ここまでやっちゃうと逆に痛快です。「Sing a Simple Song」をよりパーカッシヴにしたラテン・フレイヴァーの効かせ方が僕好み!
http://www.youtube.com/watch?v=iaTabzwPFWs
Pete Rock & C.L. Smooth「It's Not a Game」のサンプリングソースとなっています。
Pete Rock & C.L. Smooth「It's Not a Game」
http://www.youtube.com/watch?v=A8ZoPqzFjjI
「Oo Wee Baby, I Love You」
Fred Hughes、1965年ヒット曲のカヴァー。僕は当ブログでも紹介したAl Kooperヴァージョンをよく聴いていましたが。本ヴァージョンは Fred Hughes がアルバム『Baby Boy』(1970年)で再演したものと同じトラックのインスト・ヴァージョンになっています。
「Can I Change My Mind」
前述の自らがプロデュースしたTyrone Davisの大ヒット曲と同トラックですが、ヴォーカルの代わりにトロンボーンを加えたヴァージョンになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=uLMbTg1ol-E
Tyrone Davis「Can I Change My Mind」
http://www.youtube.com/watch?v=zgQKgnw2Cdw
「Funky Chicken - Part 1」
シングルにもなり全米R&Bチャート第22位となりました。イントロはJackson 5「I Want You Back」そのまんまですね(笑)。ファンキーに疾走するインストですが、もう少し尺が長くてもいい気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=cr0wHMm9kkk
「Sugar Sugar」
Andy Kim/Jeff Barry作。The Archiesの全米No.1ヒットをカヴァー。ポップ名曲をファンキー・ソウル風味で聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=MVHriy8h2I8
「Off Into A Black Thing」
Willie Hendersonのオリジナル。本曲をハイライトに挙げる方も多いのでは?サイケもブラス・ロックもラテンもぶち込んだ強烈なファンク・チューンです。妖しげなギターが目立ちます。
http://www.youtube.com/watch?v=q5h9iJIJESY
「Is It Something You've Got」
再びTyrone Davisのシングル・ヒットのトラックを使ったもの。ここではヴォーカルの代わりにWillie Hendersonのバリトン・サックスがフィーチャーされています。
http://www.youtube.com/watch?v=jldhHpv-7AE
「Funky Chicken - Part 2」
ラストは「Funky Chicken」のパート2です。
http://www.youtube.com/watch?v=DgHe_SKfGC0
僕が保有する国内盤には「Break Your Back」、「Windjammer」、「Loose Booty」、「Harlem」、「The Whole Thing(With Rodney Jones)」、「Instrumental 1 - Untitled」、「Instrumental 2 - Untitled」 という6曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
ご興味がある方はWillie HendersonがプロデュースしたTyrone Davis作品あたりをチェックするのも楽しいのでは?
Tyrone Davis『Can I Change My Mind』(1969年)
Tyrone Davis『Turn Back The Hands Of Time』(1970年)
Tyrone Davis『I Had It All The Time』(1972年)