2014年05月10日

Original Soundtrack『Blow-Up』

Herbie Hancockが音楽を手掛けたスウィンギン・ロンドン系サウンドトラック☆Original Soundtrack『Blow-Up』
Blow Up
発表年:1966年
ez的ジャンル:スウィンギン・ロンドン系サウンドトラック
気分は... :写真を引き伸ばすと・・・

今回はイタリア映画の巨匠Michelangelo Antonioniが監督し、Herbie Hancockが音楽を担当した映画『Blow-Up(邦題:欲望)』(1966年)のオリジナル・サウンドトラックです。

これまで当ブログで紹介したHerbie Hancock作品は以下の8枚(録音年順)。

 『Inventions And Dimensions』(1963年)
 『Empyrean Isles』(1964年)
 『Maiden Voyage』(1965年)
 『Speak Like A Child』(1968年)
 『The Prisoner』(1969年)
 『Fat Albert Rotunda』(1969年)
 『Thrust』(1974年)
 『Sunlight』(1978年)

映画『Blow-Up(邦題:欲望)』(1966年)は、人気カメラマンの主人公をめぐる出来事を通して、当時のロンドンを席巻したスウィンギン・ロンドンの空気を伝えてくれる人気カルト・ムーヴィーです。映画はカンヌ映画祭で見事パルムドールを受賞しています。

DVD『Blow-Up(邦題:欲望)』
欲望 [DVD]

そんな映画の音楽を託されたのがHerbie Hancockです。当初Antonioni監督は音楽を使う予定がありませんでしたが、撮影中に耳にしたHancockの音楽に魅せられ、起用を決定した模様です。

参加メンバーはHerbie Hancock(p)以下、Freddie Hubbard(tp)、Joe Newman(tp)、Phil Woods(as)、Joe Henderson(ts)、Paul Griffin(org)、Jimmy Smith(org)、Jim Hall(g)、Ron Carter(b)、Jack DeJohnette(ds)という、なかなか豪華な顔ぶれです。

スウィンギン・ロンドンを扱った映画のサントラのせいか、Hancockらによる演奏もロック、ブルースなどのエッセンスを取り入れたヒップなサウンドを楽しめます。

まずはまずは「Main Title from Blow Up」「Bring Down the Birds」「The Thief」あたりを聴けば、本作のスウィンギン・ロンドンな空気を実感できます。

本作のもう一つの目玉は映画内で演奏シーンが挿入されるYardbirds「Stroll On」です。しかも、ここでのYardbirdsはJeff BeckJimmy Pageのツイン・ギター!ロック好きの人にはたまらないですよね。Antonioni監督はこの演奏シーンでThe Whoに出演を依頼していましたが、交渉がまとまらず敏腕マネジャーGiorgio Gomelskyが割って入りYardbirdsの出演が決まったようです。

最後はThe WhoのPete TownshendばりにBeckがギターを叩き壊す姿が印象的です。

スウィンギン・ロンドン好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Main Title from Blow Up」
スウィンギン・ロンドンな空気が伝わってくるメイン・テーマ。1分半強の短い演奏ですが、モッズ好きの人を虜にするビートの効いたロッキンな演奏を楽します。終盤はジャズ・モードで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=xubk-WNvkJI

James Taylor Quartetの格好良いカヴァーもありますね。
James Taylor Quartet「Blow Up」
 http://www.youtube.com/watch?v=nD2EUNtYBlc

「Verushka (Part 1)」
ブルース・フィーリングたっぷりの演奏です。

「Verushka (Part 2)」
パート2も相変わらずブルースですが、こちらはサックスがメインになっています。

「Verushka (Part 1 & 2)」
http://www.youtube.com/watch?v=KjMNkRC95xw

「The Naked Camera」
この参加メンバーらしいャズ・サウンドを堪能できます。格好良いトランペットがキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=x7Y2-tIgGMY

「Bring Down the Birds」
この演奏も本作のハイライトの1つです。イントロのベースラインをどこかで聴いたことがある人も多いのでは?そうです、大ヒット・ダンス・チューンDeee-Lite「Groove Is In The Heart」のサンプリングソースです。グルーヴ―でヒップな演奏は文句ナシに格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tADslgXuYig

Deee-Lite「Groove Is In The Heart」以外にCircuit「Shelter Me (Touchdown Mix)」、Lorna「Papi Chulo... (Te Traigo El Mmmm)」のサンプリングソースにもなっています。

Deee-Lite「Groove Is In The Heart」
 http://www.youtube.com/watch?v=etviGf1uWlg

「Jane's Theme」
Jim Hallの美しいギター・プレイを堪能できるバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=ohTE2DLQ93w

「Stroll On」
前述のように、この曲のみYardbirdsの演奏です。Beck & Pageのツイン・ギターを堪能しましょう。当初、Tiny Bradshawのカヴァー「Train Kept A Rollin'」を演奏しようとしたのですが、権利の問題が発生し、メンバーらが新たに詞を書き、同曲を改作するかたちで本曲「Stroll On」となった模様です。ロック好きは聴き逃せない名演なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=cj8QQizmykY

「The Thief」
Manfred Mannあたりが好きな人ならばグッとくるスウィンギン・ロンドンらしいグルーヴィーなモッド・ジャズです。
http://www.youtube.com/watch?v=JyN7XVa2Aiw

「The Kiss」
Jim Hallのギターとオルガンによるロマンティックな演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=m5TpwEH1PrM

「Curiosity」
さすがはHancockと思わせる美しい演奏を堪能できます。もっと長尺で聴きたい!
http://www.youtube.com/watch?v=yks2E-b0eEk

「Thomas Studies Photos」
ポリリズムで疾走する格好良いサウンドです。これも長尺で聴きたい!
http://www.youtube.com/watch?v=WCryOMixNu0

「The Bed」
Hancockらしい美しいピアノ・プレイを堪能できるエレガント・バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=eoWH7Po5f34

「End Title Blow Up」
エキサイティングなタイトルのリプライズです。
http://www.youtube.com/watch?v=S7Bn33Cte3U

オリジナルには未収録でしたが、UKのロックバンドTomorrow(Steve Howe、Keith WestらがいあたアノTomorrow)による演奏が収録されているヴァージョンもあります。

Herbie Hancock作品の過去記事もご参照下さい。

『Inventions And Dimensions』(1963年)
Inventions & Dimensions

『Empyrean Isles』(1964年)
エンピリアン・アイルズ+2

『Maiden Voyage』(1965年)
処女航海

『Speak Like A Child』(1968年)
スピーク・ライク・ア・チャイルド

『The Prisoner』(1969年)
ザ・プリズナー

『Fat Albert Rotunda』(1969年)
ファット・アルバート・ロトゥンダ<紙ジャケット仕様>

『Thrust』(1974年)
Thrust

『Sunlight』(1978年)
Sunlight
posted by ez at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする