発表年:1975年
ez的ジャンル:Sky High Production系レア・グルーヴ
気分は... :美しき敗者!
昨日のエントリーで書き忘れてしまいましたが、一昨日のCL決勝レアル対アトレティコのマドリード・ダービーは興奮しました。
個人的にはアトレティコを応援していたのですが、最後の最後でサッカーの神様に見放されてしまいましたね。でも試合を通して観る者を感動させたのは、デシマを達成した王者レアルではなく、アトレティコの魂のサッカーではなかったかと思います。シメオネ監督、惚れ直しました!
今回は実力派アルト・サックス奏者Gary BartzがMizell Brothers(Larry Mizell & Fonce Mizell)と組んだ1枚、『The Shadow Do』(1975年)です。
昨日のCollins & Collins『Collins & Collins』(1980年)に続き、『Free Soul Collection 1000』シリーズの1枚です。まぁ、しばらくは同シリーズからの紹介が多くなりそうです。
これまで当ブログで紹介したGary Bartz作品は以下の3枚。
Gary Bartz Ntu Troop『Juju Street Songs/Follow The Medicine Man』(1972年、2in1CD)
『Music Is My Sanctuary』(1977年)
Gary Bartz『Bartz』(1980年)
本作『The Shadow Do』(1975年)は、Mizell Brothers(Larry Mizell & Fonce Mizell)がプロデュースしたSky High Production作品です。BartzとMizell Brothersは本作および『Music Is My Sanctuary』(1977年)でタッグを組んでいます。
レコーディングにはGary Bartz(as、ss、syn、vo)以下、Larry Mizell(syn)、Michael Henderson(b)、James Mtume(congas、per)、Reggie Lucas(g)、Hubert Eaves III(p、syn)、Howard King(ds、syn)が参加しています。James Mtume/Reggie Lucasをはじめ、後のMtumeメンバー4名の参加が目立ちますね。
ジャケからはミステリアスなイメージが漂いますが、中身はヴォーカル入りのメロウなジャズ・ファンク作品という印象です。正直、ヴォーカルはお世辞にも上手とはいえませんが、アルバムを聴きやすいものにしています。
Sky High Productionらしいサウンドを堪能できますが、他のMizell Brothersプロデュース作と比較すれば、Sky Highサウンドが目立ちすぎることはなく、あくまでGary Bartzのサックスが主役になっていると思います。
逆に、Sky Highらしい音を欲している人であれば、「Sea Gypsy」、「Winding Roads」あたりがオススメです。
全曲紹介しときやす。
「Winding Roads」
Gary Bartz/Hubert Eaves作。後にD-Trainの仕事でも知られるHubert Eavesとの共作です。Sky Highらしいサウンド&コーラスを満喫できるオープニングです。Reggie Lucasのギターもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=NNWgsFVoFlM
「Mother Nature」
Gary Bartz作。Sky Highらしいサウンドでヴォーカルも入っていますが、主役はあくまでGary Bartzのサックスというのがいいですね。爽快な高揚感に包まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=d86Wme9v4sQ
「Love Tones」
Gary Bartz作。Sky Highらしいメロウ・グルーヴ。ヴォーカルとサックスの掛け合いで盛り上げてくれます。キャッチーという点では、かなり聴きやすいと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Ks3msPigOXs
「Gentle Smiles (Saxy)」
Gary Bartz/Reggie Lucas作。本作のハイライトかもしれませんね。Bartz本人のヴォーカル入りのジェントル&メロウな仕上がりです。作者としてReggie Lucasが加わっており、彼の貢献も大きいかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=duOcsK2H6D4
本曲はA Tribe Called Quest「Butter」、The Beatnuts「Third of the Trio」、Tek 9「The Theme」、Technical「Stress」、DJ Mitsu feat. Dwele「Right Here」のサンプリングソースになっています。
DJ Mitsu feat. Dwele「Right Here」
http://www.youtube.com/watch?v=T-h39BKriBw
「Make Me Feel Better」
Michael Henderson作。ヴォーカルを前面に出したミディアム・ファンク。
「Sea Gypsy」
Deena Glover/Larry Mizell作。個人的には本作のハイライト!Sky Highサウンド好きの人であれば、このサマー・モードのジャズ・ファンク・チューンが一番フィットすると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=BWEChVRdccc
「For My Baby」
Gary Bartz作。ヴォーカルを前面に出したメロウ・チューン。前半はやや単調ですが、後半はなかなか盛り上げてくれます。
「Incident」
Countee Cullen/Gary Bartz作。ラストはクラヴィネットが印象的なファンク・チューンで締め括ってくれます。ファンキーなシンセ・サウンドにのって、Bartzのプレイも好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=g0NeMFra9t4
Gary BartzおよびMizell Brothers関連の過去記事もご参照下さい。
Gary Bartz Ntu Troop『Juju Street Songs/Follow The Medicine Man』(1972年)
Gary Bartz『Music Is My Sanctuary』(1977年)
Gary Bartz『Bartz』(1980年)
Donald Byrd『Black Byrd』(1972年)
Donald Byrd『Street Lady』(1973年)
Donald Byrd『Places and Spaces』(1975年)
Johnny Hammond『Gears』(1975年)
Bobbi Humphrey『Fancy Dancer』(1975年)
The Rance Allen Group『Say My Friend』(1977年)
A Taste Of Honey『Another Taste』(1979年)