2014年06月30日

『今の気分は...2014年6月30日編』

サッカーW杯「オランダ対メキシコ」は、呆気ない幕切れでしたね。
オランダには残って欲しかったけど、メキシコもいいサッカーしていたので残念ですね。

今日は時間がないので過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は最近のフリーソウル人気盤の再発ラッシュに因んで、入手しやすくなったフリーソウル人気曲をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Bob Dorough「Three Is A Magic Number」
http://www.youtube.com/watch?v=LDbeVB4admk
From 『Multiplication Rock』(1973年)
マルティプリケイション・ロック TVオリジナル・サウンドトラック

Reuben Wilson「Stoned out of My Mind」
http://www.youtube.com/watch?v=-20v1XK2j80
From 『Got To Get Your Own』(1975年)
ガット・トゥ・ゲット・ユア・オウン

Erik Tagg「Tell-Tale Eyes」
http://www.youtube.com/watch?v=YNb8cbGLe8M
From 『Smilin' Memories』(1975年)
スマイリン・メモリーズ

Odyssey「Battend Ships」
http://www.youtube.com/watch?v=V-eXQbY9WbQ
From 『Odyssey』(1972年)
オデッセイ

Maze Featuring Frankie Beverly「Feel That You're Feelin'」 
http://www.youtube.com/watch?v=6tE2dXFHNvE
From 『Inspiration』(1979年)
インスピレーション

Syreeta「I Love Every Little Thing About You」
http://www.youtube.com/watch?v=eSbPwkFzQgE
From 『Syreeta』(1972年)
シリータ

Kool & The Gang「Chocolate Buttermilk」
http://www.youtube.com/watch?v=B4bC0jXa3Y0
From 『Kool and the Gang』(1970年)
クール&ザ・ギャング+1

Marlena Shaw「Woman of the Ghetto」
http://www.youtube.com/watch?v=Avb2knTcD20
From 『The Spice Of Life』(1969年)
ザ・スパイス・オブ・ライフ

Blaze「I Wonder」
http://www.youtube.com/watch?v=WsaBudp5rIU
From 『25 Years Later』(1990年)
25イヤーズ・レイター

Elbow Bones & The Racketeers「A Night In New York」
http://www.youtube.com/watch?v=xpgQRnTulqY
From 『New York At Dawn』(1984年)
ナイト・イン・ニューヨーク
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2014年06月29日

Maria Rita『Coracao a Batucar』

名盤『Samba Meu』の続編的なサンバ回帰アルバム☆Maria Rita『Coracao a Batucar』
Coracao a Batucar
発表年:2014年
ez的ジャンル:コンテンポラリー感覚ルーツ・サンバ
気分は... :W杯なのに南米選手権?

ブラジルW杯は、いよいよ決勝トーナメントです。
今日は「ブラジル対チリ」「コロンビア対ウルグアイ」という南米対決の2試合です。この勝者が準々決勝で対決するわけで、このブロックに南米勢が集中してしまったのは勿体ないですね。

開催国で優勝候補No.1にとっては、南米対決2連戦は優勝に向けてかなりの試練になりそうですね。

新世代MPBを代表する女性シンガーMaria Ritaの待望の新作『Coracao a Batucar』です。

これまで当ブログではMaria Ritaのスタジオ・アルバムを全て紹介済みです。

 『Maria Rita』(2003年)
 『Segundo』(2005年)
 『Samba Meu』(2007年)
 『Elo』(2011年)

MPBの女王であった故Elis Reginaの娘であるMaria Ritaは、2012年に母Elis の没後30周年のトリビュート・ライブを行い、それまで歌うことを封印してきた母のレパートリーのみで構成されたショーで大成功を収めました。この模様はライブ・アルバム『Redescobrir』としてリリースされたました。

『Redescobrir』(2012年)
Redescobrir

そして、『Elo』(2011年)以来のスタジオ・アルバムとしてリリースされた最新作が『Coracao a Batucar』です。

『Coracao a Batucar』は、名盤の誉れ高い3rdアルバム『Samba Meu』(2007年)の続編というべきサンバ回帰のアルバムです。

僕にとって、新旧ブラジル作品に接する機会がグンと増えるきっかけを作ってくれた作品が『Samba Meu』でした。そんな思い出深い作品の続編となるサンバ・アルバムである『Coracao a Batucar』への期待は高まるばかりでした。

実際に聴いてみると、期待以上の充実した内容に大満足です。
まだ6月ですが、年末恒例の『ezが選ぶ2014年の10枚』入りは確実な気がします。

Maria Rita自身がプロデュースし、Jota De Moraesがアレンジを手掛けています。

レコーディングにはMaria Rita(vo)以下、Wallace Santos(ds、per)、Alberto Continentino(b)、Davi Moraes(g)、Rannieri Oliveira(key)、Marcelinho Moreira(per)、Andre Siqueira(per)等が参加しています。

この中ではMaria Ritaと結婚し、公私のパートナーとなった色男ギタリストDavi Moraesに注目です。ちなみに、アルバム・タイトル「Coracao a Batucar」『Elo』でDavi Moraesが楽曲提供した曲のタイトルです。

『Samba Meu』の続編らしく、Fred CamachoRodrigo MaranhaoArlindo Cruzといった『Samba Meu』に関与したミュージシャンが再び楽曲提供しています。

Fred Camachoは『Samba Meu』『ezが選ぶ2013年の10枚』にセレクトしたサンバ・アルバムPaula Lima『O Samba E Do Bem』でも楽曲提供していたコンポーザーです。

Rodrigo Maranhaoは『Samba Meu』で楽曲提供した「Caminho das Aguas」が第7回ラテングラミー賞の最優秀ブラジル歌曲賞を受賞したことでもお馴染みの新世代SSWです。

Fundo de Quintalのバンジョー奏者Arlindo Cruzも『Samba Meu』や前述のPaula Lima『O Samba E Do Bem』で楽曲提供していました。最近では先々週紹介したGilles Petersonの最新ブラジリアン・オールスター・プロジェクト
Gilles Peterson presents:Sonzeira『Brasil Bam Bam Bam』にも参加しています。

Fred CamachoやArlindo Cruz以外にもPaula Lima『O Samba E Do Bem』の楽曲提供者の名がクレジットで多く見られるのも興味深いですね。

そうそうJoyce Morenoの楽曲も忘れていけません。

そんな素晴らしい楽曲、躍動するサンバ・リズム、コンテンポラリーなアレンジを従え、Mariaのヴォーカルがさらにワンステージ上のランクへ進化した印象を受けます。女王Elis ReginaのDNAを受け継いだMariaの豊かなヴォーカル表現に惚れ惚れします。

これから長く聴き続けるであろう極上のブラジリアン作品です。

全曲紹介しときやす。

「Meu Samba, Sim, Senhor」
Fred Camacho/Marcelinho Moreira/Leandro Fab作。実力派バトゥケイロMarcelinho Moreiraらが叩き出すサンバのリズムにのって、Mariaが開放的かつリラックスしたヴォーカルを聴かせてくれるパーカッシヴなオープニング。
http://www.youtube.com/watch?v=twvJrnhA7RA

「Saco Cheio」
D. Fia/Marco Antonio作。華やいだムードに包まれたサンバ・チューン。大人のサンバって感じがいいですね。Mariaのヴォーカルも余裕のある感じが実にいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=RrvV3G9DqA4

「Fogo No Paiol」
Rodrigo Maranhao作。Rannieri Oliveiraの小粋なピアノともに始まる哀愁サンバ。軽快なサンバ・リズムをバックに、少し抑えたMariaの哀愁ヴォーカルがたまりません。実に完成度が高い1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=D9f2YWLE22Q

「No Meio Do Salao」
Magnu Sousa/Maurilio de Oliveira/Everson Souza作。派手さはありませんが、アレンジ・センスにグッとくる哀愁メロウ。キレがあるのにコクもあるって感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=IjwibuMa-Zs

「Abismo」
Thiago Silva/Lele/Davi Dos Santos作。少し抑えたバックがMariaの伸びやかなヴォーカルを際立てます。エレピがよく似合う感動的なメロウ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=_2B5jXzu5Os

「Vai, Meu Samba」
Noca da Portela/Sergio Fonseca作。ジャジー・ムードのシブめの仕上がり。Mariaの表情豊かな哀愁ヴォーカルが素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=BknOTygw0yU

「Abre O Peito E Chora」
Serginho Meriti/Rodrigo Leite/Cauique作。憂いを帯びたMariaのヴォーカルと共に疾走する哀愁サンバ。旦那Davi Moraesのギター・プレイも楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=BRzVLnRgTn0

「Bola Pra Frente」
Xande de Pilares/Gilson Bernini作。打楽器隊によるパーカッシヴ・リズムとRannieri OliveiraのミステリアスなピアノをMariaのヴォーカルが上手くまとめあげている感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=GI0wXekGBpc

「Nunca Se Diz Nunca」
Xande de Pilares/Leandro Fab/Charlles Andre作。旦那Davi MoraesのギターがMariaのヴォーカルに寄り添います。アルバムで最もシンプルなアレンジです。
http://www.youtube.com/watch?v=zNqRolAlYgQ

「Rumo Ao Infinito」
Arlindo Cruz/Marcelinho Moreira/Fred Camacho作。大人のジャジー感に包まれたビューティフル・サンバ。ヴォーカル、楽曲、アレンジ全てが噛み合った極上の1曲だと思います。大感動で胸に熱いものが込み上げてきます。僕の一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=Zot9mvURZD4

「Mainha Me Ensinou」
Arlindo Cruz/Xande de Pilares/Gilson Bernini作。シンプルながらもMariaのヴォーカリストとしての魅力を存分に堪能できるメロウ・サンバ。この曲も素晴らしすぎます!
http://www.youtube.com/watch?v=3G6pSKJRBrI

「No Misterio Do Samba」
Joyce Moreno作。清涼感のある爽快メロウ・サンバは実に心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=dyPSn648FNk

「E Corpo, E Alma, E Religiao」
Arlindo Cruz/Roge/Arlindo Neto作。ラストはハンド・クラッピングと共に始まる開放的なサンバ・チューンで締め括ってくれます。生命力に満ちたMariaのヴォーカルもサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=jdTTaFaqvto

Maria Ritaの過去記事もご参照下さい。

『Maria Rita』(2003年)
Maria Rita

『Segundo』(2005年)
Segundo

『Samba Meu』(2007年)


『Elo』(2011年)
maria rita elo.jpg
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2014年06月28日

Intro『Intro』

確かな実力を持った90年代男性R&Bグループ☆Intro『Intro』
Intro
発表年:1993年
ez的ジャンル:N.Y.ブルックリン出身男性R&Bグループ
気分は... :W杯がない日には・・・

ブラジルW杯開幕後、初めて試合のない日でしたね。少し拍子抜け・・・

今回は90年代に活躍した男性R&BグループIntroのデビュー・アルバム『Intro』(1993年)です。

IntroはN.Y.ブルックリンで結成された男性R&Bグループ。メンバーはKenny "G-Love" GreeneJeff SandersClinton "Buddy" Wikeの3名。

まずメンバーのKenny Greeneが大ヒット・アルバムMary J. Blige『What's The 411?』(1992年)からの3rdシングル「Reminisce」のソングライティング(Dave Hallとの共作)を手掛けたことで注目を浴びます。

グループは1993年にデビュー・アルバムとなる本作『Intro』、1995年には2ndアルバム『New Life』をリリースしています。2001年にグループの中心メンバーであったKenny Greeneがエイズのため死去しています。

デビュー作となる本作『Intro』(1993年)では、Dave "Jam" HallEddie "DJ Eddie F." FerrellNevelle HodgeというThe Untouchablesのメンバーがメイン・プロデュースを務めています。

実力派ヴォーカル・ワークと素晴らしい楽曲、当時流行のR&Bサウンドが三位一体となった素晴らしい男性R&Bグループ作品に仕上がっています。

ストリート系にジャケに惑わされるかもしれませんが、ヴォーカル・グループとしての実力はかなりのものだと思います。サウンド的にはMary J. Blige『What's The 411?』のプロデューサーの一人であるDave Hallが関与していることもあり、Hip-Hop Soul的な音を聴くことができます。その一方でNJSサウンドも楽曲も混在しているあたりが、1993年らしいのでは?

90年代男性R&Bグループ好きであれば、ぜひ揃えておくべき1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Love Thang」
記念すべき彼らのデビュー・シングルであり、90年代R&Bクラシック。Edie Brickell & New Bohemians「What I Am」をサンプリングしたHip-Hop Soulなグルーヴがたまりません。Eddie "DJ Eddie F." Ferrell/Nevelle Hodgeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=3s0_M9DlQfM

「Let Me Be The One」
アルバムからの2ndシングル。Ed.O.G. & The Bulldogs「Gotta Have It」のトラックを巧みにサンプリングしたメロウ・グルーヴ。実に聴きやすくキャッチーです。Hamilton Bohannon「Singing a Song for My Mother」もサンプリングしています。。Dave "Jam" Hallプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=9U8qTZD-9Cc

「Anything For You」
哀愁モードのR&Bグルーヴ。この時期の男性R&Bグループらしい雰囲気です。Kenny "G-Love" Greene/Darin "Piano Man" Whittingtonプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=-Ut43jgZErc

「Why Don't You Love Me」
僕の一番のお気に入り。爽快メロウなアップ・チューン。素晴らしいヴォーカルワークで涼しげに駆け抜けていきます。Nevelle Hodgeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=bvoNR6iAY7Q

「It's All About You」
この曲はNJSしています。ハネハネしたダンス・チューンも悪くありません。定番ブレイクThe Honeydrippers「Impeach The President」をサンプリング。Dave "Jam" Hallプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=t4fQUkMoiX4

「Ribbon In The Sky」
Stevie Wonderの名曲をカヴァー。シングル・カットされ、全米R&Bチャート第11位のヒットとなりました。PVにはStevie Wonder本人も登場しています。正統派男性ヴォーカル・グループとしての彼らの実力を存分に堪能できます。Nevelle Hodgeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=VKHMaeg43Iw

「Don't Leave Me」
哀愁モードで歌い上げる美メロ・スロウ。楽曲の良さとヴォーカルの上手さが噛み合ったからこその素晴らしい出来栄え。
Nevelle Hodgeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=pOJiNj8c-6I

「Come Inside」
アルバムからの3rdシングルであり、全米チャート第33位、同R&Bチャート第9位というグループ最大のヒットとなったセクシー・スロウ。エロエロ・モードですが、それ以上に素晴らしいヴォーカルが光ります。Nevelle Hodgeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=-6JEqj3k5fE

「One Of A Kind」
Melissa Pierceの女性コーラスも加わった美メロ・スロウ。今聴いても安定感があります。Nevelle Hodgeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=Ao2SyvD20Gk

「So Many Reasons」
本編のラストは改めてこのグループの素晴らしいヴォーカルワークを実感できるミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。Dave "Jam" Hallプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ncdyBwzZd0U

「Ecstasy Of Love」
CDボーナス・トラック。タイトルから想像がつくようにエロエロ・モードのバラードです。Genard Parkerプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=fVkHSmomnzM

ご興味がある方は2nd『New Life』(1995年)もチェックを!

『New Life』(1995年)
New Life
posted by ez at 06:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月27日

Pointer Sisters『Having A Party』

人気曲「Don't It Drive You Crazy」、「Waiting on You」など再評価の高い1枚☆Pointer Sisters『Having A Party』
ハヴィング・ア・パーティー
発表年:1977年
ez的ジャンル:姉妹系R&Bコーラス・グループ
気分は... :クリンスマン対レーブ!勝者は・・・

今日のW杯はグループDに続く激戦区であるグループGの最終戦。特に「アメリカ対ドイツ」は面白そうですね。個人的にはガーナに勝ち上がって欲しいし・・・でもポルトガルも底力があるし、ドラマティックな結末も期待してしまいます。

今回はPointer Sisters『Having A Party』(1977年)です。

Pointer Sistersはカリフォルニア州オークランド出身のRuthAnitaBonnieJuneというPointer姉妹によって結成されたコーラス・グループ。

1973年にBlue Thumbからデビュー・アルバム『The Pointer Sisters』をリリース。Allen Toussaint作のシングル「Yes We Can Can」が全米チャート第11位のヒットとなりました。初期のPointer SistersはR&Bやゴスペルをベースにしつつ、ジャズ・コーラスやカントリーのエッセンスも取り入れ、シングル「Fairytale」ではカントリー部門でグラミーを受賞しています。

1977年にBonnieがソロ活動のためにグループを脱退。残った3姉妹はRichard PerryのPlanetへ移籍し、Richard Perryのプロデュースの下、コンテンポラリーなポップ路線の作品をリリースし、70年代後半から80年代半ばにかけて、「Fire」(全米チャート第2位)、「He's So Shy」(全米チャート第3位)、「Slow Hand」(全米チャート第2位)、「Automatic」(全米チャート第5位)、「Jump (For My Love)」(全米チャート第3位)、「I'm So Excited」(全米チャート第9位)、「Neutron Dance」(全米チャート第6位)といったヒットを連発しました。

2006年、Juneは癌のために死去しています。

僕がリアルタイムでPointer Sistersを聴いたのは、ヒット曲「Slow Hand」だった記憶があります。当時は全米Top40(そういえば先日Casey Kasemが亡くなりましたね)を中心に洋楽を聴いていたので、上記に挙げたようなヒット曲もよく聴きました。でも、それほど好きという印象ではなかったですね。我が家のCD棚にもグループ最大のヒット・アルバム『Break Out』(1983年)もありますが、正直あまり聴いていません(泣)

その意味では、今日紹介する『Having A Party』が彼女たちの作品の中で、僕の嗜好に一番フィットします。商業的には最も振るわなかった作品の1つですが、今日的にはフリーソウルをはじめ再評価の高い1枚ですね。

『Having A Party』はデビュー時から在籍してきたBlue Thumbのラスト作品であり、一時的にJuneが抜け(「Having a Party」のみ参加)、RuthAnitaBonnieという三人体制によるアルバムです。また、Bonnieのグループ在籍最後のアルバムでもあります。

デビュー時から彼女たちを手掛けてきたDavid Rubinsonのプロデュースの下、レコーディングにはSonny Burke(key、syn)、Stevie Wonder(key、syn)、Tom Salisbury(key、syn)、James Gadson(ds)、Ed Greene(ds)、Gaylord Birch(ds)、Louis Johnson(b)、Chuck Domanico(b)、James Jamerson(b)、Willie Weeks(b)、Gene Santini(b)、Wah Wah Watson(g)、Ray Parker, Jr.(g)、David T. Walker(g)、Robert Bowles(g)、Chris Michie(g)、Ernie Watts(sax)、Kenneth Nash(per)、Andy Narell(steel drums)等が参加しています。

アルバム全体としては、日産ティーダのCM曲にもなった「Don't It Drive You Crazy」に代表されるソリッドなファンク・サウンドが中心です。また、躍動するグルーヴィー・ソウル「Waiting on You」とブラジリアン・メロウ・グルーヴ「Bring Your Sweet Stuff Home to Me」という2曲のフリーソウル・クラシックがアルバムの魅力を倍増させています。

Pointer Sistersというグループの魅力が凝縮された捨て曲ナシの全7曲です。

全曲紹介しときやす。

「Having a Party」
Sam Cooke作。オープニングはSam Cooke、1962年のシングルをカヴァー。デビュー当初からのノスタルジックなスタイルで、その素晴らしいコーラスワークを堪能できます。アルバムからの1stシングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=_D1i9xrYEmY

「Don't It Drive You Crazy」
Ted Ashford作。前述のように日産ティーダのCM曲としてお馴染みですね。このイントロを聴いただけでゾクッとします。ソリッドなファンク・チューンですが、彼女たちのヴォーカルが醸し出す妖艶なムードにクラクラです。聴けば聴くほど完璧な1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=PCmI_3wy1qU

本曲はGang Starr「Execution of a Chump」のサンプリングソースとしてもお馴染みですね。「Execution of a Chump」も大好きです。それ以外にRakim「Put It All to Music」、Willie the Kid「#!Chump」、Xatar「Ein Dieb Kann Kein Dieb Beklauen」のサンプリングソースにもなっています。また、当ブログでも紹介したMadelaineのカヴァーも合わせてチェックしてみてください。

Gang Starr「Execution of a Chump」
 http://www.youtube.com/watch?v=Z75mfqaaHvE
Madelaine「Don't It Drive You Crazy」
 http://www.youtube.com/watch?v=LE37KuojSyw

「I Need a Man」
David Rubinson/Bruce Good/Jeffrey Cohen/Anita Pointer/Bonnie Pointer/June Pointer作。アルバムからの2ndシングル。ファンキーなカッティング・ギターが先導するソリッドなダンサブル・チューン。あまり注目を浴びない曲ですが、個人的にはかなり格好良いと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=BgksA9hIcf4

「Waiting on You」
Melvin Ragin/Ruth Pointer作。フリーソウル・クラシックとしてお馴染みの人気曲。躍動感に包まれたヤングソウル調の爽快グルーヴィー・ソウルです。スティール・ドラムもいいアクセントになっています。聴いているだけで活力が湧いてきます。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=yjqZxGYY_Fs

「I'll Get by Without You」
Melvin Ragin/Bonnie Pointer/Don Grusin作。トロピカル・テイストを織り込んだミディアム・グルーヴ。どっしりしているけど重すぎず、ビターな味わいの中にほんのり甘さが香る絶妙のサジ加減です。
http://www.youtube.com/watch?v=cTQRK2PIoGY

「Bring Your Sweet Stuff Home to Me」
Stevie Wonder/Anita Pointer/Bonnie Pointer作。Stevie Wonderが書き下ろした本曲もフリーソウル人気曲です。Stevie自身のエレピも聴けるブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴです。ブラジリアン・リズムと彼女たちのキュートなヴォーカルがよくマッチしています。後半の盛り上がりもサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=rvLZzQXkVI4

「Lonely Gal」
Anita Pointer/Bonnie Pointer/Ruth Pointer作。ラストはソリッドなファンキー・サウンドをバックに、大人のコーラスワークを貫録たっぷりに披露してくれます。

Pointer Sistersの他作品もチェックを!

『The Pointer Sisters』(1973年)
ポインター・シスターズ

『That's A-Plenty』(1974年)
That's A-Plenty

『Steppin'』(1975年)
Steppin

『Energy』(1978年)
Energy: Expanded Edition

『Priority』(1979年)
Priority: Remastered

『Special Things』(1980年)
Special Things

『Black & White』(1981年)
Black & White: Expanded Edition

『So Excited』(1982年)
So Excited

『Break Out』(1983年)
Break Out: Deluxe Expanded Edition

『Contact』(1985年)
Contact

『Hot Together』(1986年)
Hot Together

『Serious Slammin』(1988年)
Serious Slammin

『Right Rhythm』(1990年)
Right Rhythm

『Only Sisters Can Do That』(1993年)
Only Sisters Can Do That
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2014年06月26日

Keziah Jones『Black Orpheus』

衝撃のブルーファンク第1幕の集大成☆Keziah Jones『Black Orpheus』
BLACK ORPHEUS
発表年:2003年
ez的ジャンル:パーカッシヴ・ギター系ブルーファンク
気分は... :奇跡を起こしたのはギリシャ・・・

サッカーW杯、注目のグループC「日本対コロンビア」は周知の通り、1対4で日本が完敗し、GLで姿を消すことになりました。

前半終了間際の同点ゴールで"もしかしたら・・・"なんて思ってしましたが、後半のロドリゲス投入でそれが幻想にすぎないことを見せつけられました。まぁ、これだけ実力差があれば、采配どうこうの問題ではないので敗けても納得です。

ザックが標榜した攻撃的サッカーが通用しなかったことで、日本代表はどこへ進むべきなのか?僕のような素人サポーターもとても気になりますね。

一方、グループCのもう一試合「ギリシャ対コートジボアール」は、ロスタイムにギリシャがPKで勝ち越し、GL突破という意外な結末が待っていました。ギリシャの試合巧者ぶりは称賛すべきと思いますが、コートジボアールの方が勝ち上がるに相応しいチームであったと思います。

アフリカ勢でいえば、今日は間もなくアルゼンチン対ナイジェリア戦です。ナイジェリアがGL突破なるかに注目です。

ということで、今回はナイジェリア人アーティストを取り上げたいと思います。

独自のパーカッシヴなギター奏法でファンを魅了するナイジェリア出身シンガー/ギタリストKeziah Jonesの4thアルバム『Black Orpheus』(2003年)です。

Keziah Jonesの紹介は、1stアルバム『Blufunk Is A Fact』(1992年)、2ndアルバム『African Space Craft』(1995年)に続き2回目となります。

前作『Liquid Sunshine』(1999年)では、歌重視で独自のパーカッシヴなギター奏法は控えめな内容でしたが、本作『Black Orpheus』では再びパーカッシヴなギターを聴くことができます。

デビュー作で世界に衝撃を与えた"Blufunk(BluesとFunkの合成語)"サウンドを進化、熟成させた、それまでのKeziah Jonesワールドの集大成的な1枚だと思います。

楽曲はすべてKeziah Jonesのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Afrosurrealism For The Ladies」
オープニングはバス・クラリネットの音色が印象的なミディアム・ファンク。
http://www.youtube.com/watch?v=g9kD4F9CctY

「Kpafuca」
ナイジェリア人ミュージシャンの先人である故Fela Kutiの影響を感じるアフロビート調のファンク・チューン。キレキレな感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=-kC7uihpqoQ

「Femiliarise」
哀愁メロウのヴォーカル&ギターが胸に染み入るアコースティック・グルーヴ。Keziahのソングライティングのセンスの良さも実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=X7C_DT8yRok

「Wet Questions」
Tatyana Okouのスポークン・ワードを織り交ぜた哀愁ゲットー・ソング。
http://www.youtube.com/watch?v=FumX4u1V_gI

「Neptune」
ブルージー&ソウルフルな味わいの哀愁アコースティック・チューン。チェロの音色が哀愁モードを盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=tkrYgas0Om8

「72 Kilos」
Keziahらしい音世界が繰り広げられるファンキー・チューン。ホーン・アンサンブルとアフリカン・リズムの絡みが実に格好良いですね。

「Al Praises」
Keziahのパーカッシヴなギターを存分に堪能できる仕上がり。Keziah Jonesならではの音世界が展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=dvZIORW9CF4

「Beautiful Emilie」
シンガー・ソングライラ―としてのKeziahを堪能できる味わい深いアコースティック・ソウル。
http://www.youtube.com/watch?v=TMumByIQ6Jw

「Sadness Is...」
タイトルの通り、哀愁モードのアコースティック・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=2G8q0HE3wXU

「Autumn Moon」
Sarah-Ann Webbの女性ヴォーカルをフィーチャーしたシンプルなアコースティック・チューン。Keziahのギターを堪能するには、こうしたシンプルな演奏もいいかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=N6ZC_1VBxNE

「Black Orpheus」
タイトル曲は1分半強の弾き語りです。
http://www.youtube.com/watch?v=bLcQRYJFEcU

「Orin O'lomi」
タイトルはヨルバ語ですかね?ヨルバ族のDNAを受け継ぐ弾き語りで締め括ってくれます。

Keziah Jonesの他作品もチェックを!

『Blufunk Is A Fact』(1992年)
Blufunk Is a Fact!

『African Space Craft』(1995年)
African Space Craft

『Liquid Sunshine』(1999年)
Liquid Sunshine

『Nigerian Wood 』(2008年)
ナイジェリアン・ウッド

『Captain Rugged』(2013年)
Captain Rugged
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