2014年06月25日

Georgie Fame & The Blue Flames『Rhythm and Blues at The Flamingo』

モッズ・アイドルのデビュー作はフラミンゴでのライブ盤☆Georgie Fame & The Blue Flames『Rhythm and Blues at The Flamingo』
リズム・アンド・ブルース・アット・ザ・フラミンゴ+10
発表年:1964年
ez的ジャンル:モッズ・アイドル系オルガン・グルーヴィー
気分は... :イングランドは蚊帳の外・・・

サッカーW杯はいよいよ日本戦ですが、今日はあえて触れないでおきます。

その前に死の組DグループのGL最終戦が行われ、イタリアとウルグアイの死闘はウルグアイが勝ち、生き残りました。

そんな中でイングランドは早々とGL敗退が決まり、虚しい第3戦となりました。昨日のスペインもそうでしたが、強豪国が勝ってもGL通過がない状況で試合を行うのは見ている方も実に辛いですね。

それにしても、まさかイタリア、イングランドの両国が共にGLで敗退すると予想した人は殆どいなかったでしょうね。

今回は去りゆくイングランドに惜別の情を込めて、UKのアーティストを紹介したいと思います。

ということで、UKのオルガン奏者/シンガーGeorgie Fameのデビュー・アルバムGeorgie Fame & The Blue Flames『Rhythm and Blues at The Flamingo』(1964年)です。モッズ・アイドルのデビュー作として人気の高い1枚ですね。

2006年に国内再発CDがリリースされたものの、少し入手しづらい状況になっていました。しかし、先月『Free Soul Collection 1000』シリーズの1枚として再発CDがリリースされ、廉価で入手できるようになりました。

Georgie Fameの紹介は『Going Home』(1971年)に続き2回目となります。

本作『Rhythm and Blues at The Flamingo』(1964年)は、Georgie Fameのデビュー・アルバムであり、The Blue Flamesを従えたフラミンゴ・クラブでのライブ・アルバムでもあります。デビュー・アルバムをライブ・アルバムにするあたりに、当時のGeorgie Fameの勢いやモッズ・クラブの熱狂ぶりを感じることができます。

Georgie Fame & The Blue Flamesのメンバーは、Georgie Fame(vo、org)、Johnny Marshall(bs)、Michael Eve(ts)、Big Jim Sullivan(g)、Boots Slade(b)、Red Reece(ds)、Tommy Thoma(congas)という編成です。このうち、Big Jim SullivanはLord Sitar名義の作品を当ブログで紹介済みです。

モッズ・アイドルのデビュー作として定評のある1枚ですが、中身はブルース・カヴァーが多いせいもあって意外とシブめです。それでもグルーヴィーなオルガンR&Bで躍らせてくれます。何よりライブ・アルバムならでは熱気が伝わってきます。

グルーヴィー・オルガン好きの人は、ぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Night Train」
Oscar Washington/Lewis P. Simpkins/Jimmy Forrest作。グループの紹介も兼ねたJimmy Forrestのブルース名曲のグルーヴィー・カヴァー。フラミンゴ・クラブの熱気が伝わってくるオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=LvINXF0N1zQ

「Let the Good Times Roll」
Sam Theard/Fleecie Moore作。Louis Jordan & his Tympany Fiveによるブルース・スタンダードをカヴァー。ブルージー・サウンドにのって、Fameが張りのあるヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=b8E9V7rWdgE

「Do the Dog」
Rufus Thomas作。Rufus Thomas、1963年のシングル「Walking The Dog」をカヴァー。グルーヴィーなオルガンR&Bで格好良くキメてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Lhvep_QDQJA

「Eso Beso」
Joe Sherman/Noel Sherman作。Paul Ankaなどで知られる「Eso Beso (That Kiss)」をカヴァー。カリプソ・フレイヴァーを効かせたメロウ&グルーヴィーな仕上がりです。僕の一番のお気に入り曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=XLhHYHsl6-8

「Work Song」
Nat Adderley/Oscar Brown Jr.作。お馴染みのジャズ名曲をヒップにカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=OFELpG17ivk

「Parchman Farm」
Mose Allison作。シブめのオルガン・グルーヴで疾走します。ジワジワと煽られる感じがいいですね。Big Jim Sullivanのギター・ソロも聴きどころです。

「You Can't Sit Down」
Dee Clark/Kal Mann/Cornell Muldrow作。The Dovellsヴァージョンのヒットで知られる曲です。ここではグルーヴィーなインストで聴かせてくれます。インストですが、なかなかエキサイティングで好きです。

「Humpty Dumpty」
ジャマイカのスカ・シンガーEric Morrisの作品をカヴァー。開放的な演奏で会場を盛り上げます。

「Shop Around」
Smokey Robinson/Berry Gordy作。The Miracles、1960年のシングルをカヴァー。モッドな格好良さに充ちたヴォーカルと演奏を満喫できます。「Eso Beso」と並ぶ僕のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=qKE3a0vqU_Q

「Baby, Please Don't Go」
Sonny Boy Williamson作。数多くのアーティストがカヴァーしているブルース名曲カヴァーで締め括ってくれます。なかなかノリのいいカヴァーで観客も大盛り上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=TiAN8rAqYgg

再発CDには、「Baby Please Don't Go」「Parker's Mood」「Money (That's What I Want)」「Madness」「Tom Hark Goes Blue Beat」「Humpty Dumpty (Studio Version)」「One Whole Year Baby」「Do Re Mi」「Bend A Little」「I'm In Love With You」「Humpty Dumpty (German language Version)」の10曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

他のGeorgie Fame作品もチェックを!

『Fame at Last』(1965年)
フェイム・アット・ラスト+9(紙ジャケット仕様)

『Sweet Things』(1966年)
スウィート・シング+10(紙ジャケット仕様)

『The Two Faces of Fame』(1967年)
Two Faces of Fame

『The Third Face of Fame』(1968年)
ザ・サード・フェイス・オブ・フェイム(紙ジャケット仕様)

『Seventh Son』(1969年)
セヴンス・サン(紙ジャケット仕様)

『Shorty Featuring Georgie Fame』(1970年)
ショーティ・フィーチャリング・ジョージィ・フェイム(紙ジャケット仕様)

『Going Home』(1971年)
ゴーイング・ホーム(紙ジャケット仕様)

Fame and Price, Price and Fame『Together!』(1971年)
※Alan Priceとの共演作
Together

『Georgie Fame』(1974年)
ジョージィ・フェイム(紙ジャケット仕様)

コンパクトなベスト盤『20 Beat Classics』も便利だと思います。僕も長い間、愛聴しています。

『20 Beat Classics』
20 ビート・クラシックス
posted by ez at 03:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月24日

Barrabas『Barrabas(Watch-Out)』

ラテン・ロックとディスコが融合したファンキー作品☆Barrabas『Barrabas(Watch-Out)』
Watch Out
発表年:1976年
ez的ジャンル:スパニッシュ・ファンキー・ラテン・ロック
気分は... :スペイン王朝の落日?

ここまでのブラジルW杯で最もショッキングだったのはスペインのGL敗退ですね。

優勝候補から一転し、スペイン王朝の落日が囁かれています。
今回のGL敗退はたまたま運がなかったのか、それとも確実に時代が動いたのか?

スペインには申し訳ないですが、時代が動いた方がサッカー界全体のためにはいいのかもしれませんね!

今回はスペインつながりで、70年代〜80年代に活躍したスペインのファンキー・ロック・グループBarrabasの6thアルバム『Barrabas(Watch-Out or Swinger)』(1976年)です。

Fernando Arbexを中心にスペイン、マドリードで結成されたロック・グループBarrabasの紹介は、4thアルバム『Heart of the City』(1975年)に続き2回目となります。

このグループの場合、1つのアルバムに様々な呼称があるのでややこしいのですが、本作『Barrabas』(1976年)は『Watch-Out』もしくは『Swinger』のタイトルが冠されています。僕が所有するのは『Watch-Out』のタイトルの再発CDです。

ただし、『Watch-Out』というタイトルは、5thアルバムとなる『Desperately』(1975年)にも冠されているので注意が必要です。

『Desperately(Watch Out)』(1975年)
Desperately

本作におけるメンバーはJose Luis Tejada(vo)、Enrique "Ricky" Morales(g、vo)、Miguel Morales(g、b、vo)、Juan Vidal(org、vo)、Daniel Louis(ds)、Ernesto "Tito" Duarte(per、sax、fl、ds)の6名。中心人物のFernando Arbexは本作でもプロデューサーとして裏方に専念しています。レコーディングはN.Y.で行われました。

アルバムにはMichael Brecker(sax)、Herbie Mann(fl)、Ray Gomez(g)がゲスト参加しています。

アルバム中身は、ラテン、ロック、ソウル/ファンク、ディスコ、ジャズ/フュージョンを変幻自在に織り交ぜたファンキーな1枚に仕上がっています。また、メロウな楽曲も適度に織り交ぜて、全体としてのバランスもいい感じです。

相変わらずジャケはイマイチですが(笑)、中身はサイコーです!

全曲紹介しときやす。

「Swinger」
Fernando Arbex作。ファンキー・ロック+ディスコなロック・ダンサーでアルバムは幕を開けます。とにかくノリのいい感じがたまりません。Herbie Mannがフルートで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=RovdTGSrka0

「Movi'on」
Ernesto Duarte作。僕の一番のお気に入り。フリーソウル好きの人はグッときそうなラテン・ロック調のメロウ・グルーヴ。華やかな女性コーラスもグッド!素敵なギター・ソロを聴かせてくれるのはゲストのRay Gomez。
http://www.youtube.com/watch?v=U2k748mAMp4

「Turn Me Love」
Enrique Morales作。ソウルフルな味わいのファンキー・ディスコ。うねるファンキー・リズム隊とセクシー女性コーラス隊にグッときます。

「Oldie」
Ernesto Duarte/Enrique Morales/ Miguel Morales作。ジャズ・ファンク調のファンキー・グルーヴ。ジャンルの枠に囚われないこのグループらしいセンスに溢れた演奏です。

「Week End」
nrique Morales/Miguel Morales作。セクシー女性コーラスともに疾走するファンキー・ロック。

「Do It」
Miguel Morales作。キレのあるファンキー・グルーヴ。Michael Breckerがサックス・ソロで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=3AfRbYFcoPQ

「Sweet and Mellow」
Enrique Morales作。メロウ・フュージョン調の仕上がり。メロウなジャズ・ファンクと一緒に聴きたいですね。

「Love Is in the Air」
Miguel Morales作。ラストはまったりモードのメロウ・チューンでロマンティックに締め括ってくれます。

ご興味がある方はBarrabasの他作品もチェックを!

『Wild Safari(Barrabas)』(1971年)
Wild Safari

『Power』(1973年)
Power

『iSoltad a Barrabas!(Release Barrabas or Hi-Jack)』(1974年)
Release Barrabas

『Heart of the City』(1975年)
Heart of the City

『Desperately(Watch Out)』(1975年)
Desperately

『Piel de Barrabas』(1981年)
Piel De Barrabas

『Bestial』(1982年)
Bestial

『Forbidden』(1983年)
Forbidden
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2014年06月23日

Chaba Fadela『You Are Mine』

ポップ・ライの歌姫のインターナショナル作品☆Chaba Fadela『You Are Mine』
You Are Mine
発表年:1988年
ez的ジャンル:ポップ・ライ女性シンガー
気分は... :アルジェリアのサッカーも面白い・・・

今日もW杯の話から・・・
フランスW杯以降、毎大会期待しているのがアフリカ勢の躍進です。

アトランタ五輪サッカーでナイジェリアが金メダルを獲得して以来、アフリカ勢が欧州、南米の間を割ってW杯を制するも近いと感じていました。

ただし、それはガーナ、ナイジェリア、コートジボアール、セネガル等の代表選手に見られる圧倒的な身体能力に期待するものでした。その意味では、これまでエジプト、チュニジア、モロッコ、アルジェリア等の北アフリカ勢は少し落ちるようなイメージを持っていました。

しかし、今大会のベルギー対アルジェリア戦を見て、敗れはしたもののアルジェリアの素晴らしいサッカーに魅了されました。同時に、自分の北アフリカ・サッカーに対する偏見を猛省しています。

そこで懺悔の意味も込めて、今回は当ブログ初のアルジェリア人アーティストの作品を紹介したいと思います。

ということで、今回はアルジェリアのダンス・ミュージックであるポップ・ライを代表する女性シンガーChaba Fadela『You Are Mine』(1988年)です。

ライという音楽ジャンルは、80年代後半のワールド・ミュージック・ブームをリアルタイムで体験していないとピンと来ないかもしれませんね。

ライはアルジェリア西部、オラン地方起源のポップ・ミュージックであり、1940年代には既にそのスタイルを確立していたようです。セックス、アルコールなどイスラム社会のタブーを大胆に扱っていました。

80年代後半のワールド・ミュージック・ブームの時期に、そんなライを現代的ダンス・ミュージックと結びつけたポップ・ライが大きな注目を浴びました。

このライ・ブームの火付け役となったのが、Cheb Khaled(現Khaled)の『Kutche』(1988年)であり、その流れでChaba FadelaChaba ZahouaniaCheb Mamiといったアーティストの作品も世界発信されました。

本日の主役であるChaba Fadelaは1962年アルジェリア、オランの生まれ。公私のパートナーであるCheb Sahraouiとデュエット「N'sel Fik (You Are Mine)」(1986年)がヒットし、世界的に注目され、ポップ・ライの歌姫として躍り出ます。

本作『You Are Mine』(1988年)は、『Fadela(Etoile Du Rai)』(1986年)をインターナショナル向けに新装したものです。

僕の場合も上記のように、まずCheb Khaled『Kutche』を購入し、その独特の節回しを聴きながら"ライってこんな感じの音楽なんだ"と認識し、その流れで本作『You Are Mine』を購入した記憶があります。

Cheb Khaled『Kutche』でライに対する免疫ができていたせいか、本作を最初に聴いた印象は"かなり聴きやすくダンサブル"というものでした。

今回、約20年ぶりにCD棚から引っ張り出して本作を聴きましたが、エキゾチックでダンサブルなアラビックビートと艶やかなChaba Fadelaの歌声は今でも色褪せていない印象を受けました。

ダンサブルなポップ・ライで気分を盛り上げながら、今日のW杯アルジェリア戦をTV観戦しようかな・・・

全曲紹介しときやす。

「N'sel Fik (You Are Mine)」
前述のようにCheb Sahraouiとのデュエットによるヒット曲。エキゾチックでダンサブルなアラビックビートをバックに、Cheb SahraouiとChaba Fadelaが独特の節回しのヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=kgJXmUr8xgk

「Nebki Ouahdi (Crying Alone)」
電化サウンドと融合したアラビックビートが実に心地好いです。純粋にエキゾチックなダンスミュージックとして楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=Y8srC2DFkBE

「Ateni Bniti Part 1 (Give Me Back My Daughter)」
ポップな味わいのアラビック・エレクトロといった趣の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=s03DFEV9YZ8

「Ateni Bniti Part 2 (Give Me Back My Daughter) 」
前曲のパート2。こちらはよりリズミックで、エキゾチックな雰囲気が増しています。個人的にはPart 1より断然好き!
http://www.youtube.com/watch?v=1nmoPutzSzY

「Ha-Liya-Ouana Alach (Why Does This Happen To Me)」
ポップなアラビックビートとChaba Fadelaの歯切れの良い節回しがよくマッチしています。アラビック・シンセ・ポップといった趣です。
http://www.youtube.com/watch?v=LELYDPiQUmU

「Dja Yadhak (He Came Smiling)」
シンセ・サウンドが印象的な哀愁チューンでアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=b7-gtywmd0c

Chaba Fadela & Cheb Sahraoui『Hana Hana』(1989年)
Hana Hana
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月22日

The Far Out Monster Disco Orchestra『The Far Out Monster Disco Orchestra』

ブラジル人ミュージシャンによるディスコ・ユニット☆The Far Out Monster Disco Orchestra『The Far Out Monster Disco Orchestra』
The Far Out Monster Disco Orchestra
発表年:2014年
ez的ジャンル:Far Out系ディスコ・ユニット
気分は... :メッシの大会になるのか?

今回は新作アルバムの中から、Joe Davisが主宰するUKの人気レーベルFar Out所属のブラジル人アーティストによるスーパー・ユニットThe Far Out Monster Disco Orchestraがリリースしたディスコ作品『The Far Out Monster Disco Orchestra』です。

The Far Out Monster Disco Orchestraは2008年からスタートしたプロジェクト。ブラジル人アーティストによるソウル/ディスコへのオマージュがテーマになっています。

レコーディングには、Jose Roberto Bertrami(Azymuth)(p、el-p、org、syn)、Arthur Verocai(strings & horn arr、g)、Alex Malheiros(AzymuthSabrina Malheirosの父親)(b、g)、Paulinho Black(Banda Black Rio)(ds)、Jose Carlos(g)、Marcina Arnold(vo)、Mia Mendes(vo)をはじめ、多くのブラジル人ミュージシャンが参加しています。

特にアレンジも手掛けたJose Roberto BertramiArthur VerocaiAlex Malheirosの3名が中心的な役割を果たしています。また、Far Outでニュー・ボッサの歌姫Sabrina Malheiros(Alex Malheirosの娘)の作品をプロデュースしているDaniel MaunickIncognitoのリーダーJean-Paul "Bluey" Maunickの息子)がドラム・プログラミングを手掛けています。

2010年にリリースされた12"シングル「Mystery」を皮切りにリミックス作品をリリースしてきましたが、プロジェクトの全貌はフルアルバムの完成を待つばかりでした。しかし、その完成を待たず2012年にJose Roberto Bertramiが逝去してしまいます。そこで、残された他の参加メンバーがBertramiの遺志を受け継ぎながら作業を継続し、ブラジルW杯の開幕に間に合わせたかのように完成させたフルアルバムが本作『The Far Out Monster Disco Orchestra』です。

アルバムを貫くのは70年代ディスコ・ミュージックへのリスペクトです。特にMFSBやThe Salsoul Orchestraを意識したサウンドを随所で聴くことができます。

アルバムはCD2枚組であり、Disc1がオリジナル、Disc2がTheo ParrishMark PritchardJohn MoralesLuca TrevisiMark E等によるリミックス集になっています。


ブラジリアン・ミュージックのDNAが創り出したディスコ・サウンドを満喫しましょう。

ディスコ好き、Far Out好きの方はぜひチェックを!

Disc1を全曲紹介しときやす。

「Mystery」
このオープニングを聴けば、70年代ディスコ・ミュージックへのリスペクトという本プロジェクトの性格が一発で理解できると思います。ここではArthur Verocaiのストリングス・アレンジが冴え渡ります。「Freefall」と並ぶ僕のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=MsvMmFVyZeI

「Don't Cha Know He's Alright」
哀愁のメロディにグッとくる都会的なミディアム・ディスコ。甘く危険な香りが漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=CX0KbFs-WiM

「Freefall」
僕の一番のお気に入り。70年代ディスコ・ミュージックへのオマージュ感たっぷりなのがいいですね。Arthur Verocaiのストリングス・アレンジが冴え渡り、Bertramiのメロウな鍵盤の音色もいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=AygP-drNBr4

「Last Carnival」
ブラジル色が最も出ているのがこの曲。タイトルの通り、カーニヴァル・モードのダンス・チューンに仕上がっています。ブラジリアン・フュージョン調の中でBertramiのメロウ・エレピを存分でき、Azymuth好きにはたまらない1曲なのでは?

「Keep Believing (Can You Feel It)」
この曲も70年代へのタイム・トリップ感を満喫できるディスコ・チューンです。Arthur Verocaiのドラマティックなアレンジに惚れ惚れします。

「A Disco Supreme」
キュートな女性ヴォーカル、切れ味のあるディスコ・ビート、エレガントなストリングス&ホーン隊が織り成す華やかなディスコ・タイムを楽しめます。Alex Malheirosのベース・プレイも印象的です。

「Dead Dance」
タイトルが不吉ですが、Bertramiのピアノが牽引する軽快なミディアム・ディスコ・ファンクに仕上がっています。

「Vendetta」
ダークで妖しげな雰囲気が支配するラテン・ハウス調の仕上がり。

「Mystery (Instrumental)」
「Don't Cha Know He's Alright (Instrumental)」
「Freefall (Instrumental)」
「Keep Believing (Can You Feel It) (Instrumental)」
これら4曲は前述曲のインスト・ヴァージョンです。

Disc2はTheo ParrishMark PritchardJohn MoralesLuca TrevisiMark Eら豪華リミキサー陣によるリミックス集です。

「Dead Dance (LTJ Xperience Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=zo2MoW7aYEk
「Keep Believing (Can You Feel It) (SS Translation By Theo Parrish)」
http://www.youtube.com/watch?v=FiIYfKbsfeE
「Don't Cha Know He's Alright (Mark E Remix)」
「Vendetta (Mark Pritchard Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=aUEEcSYPh2s
「Mystery (M&M Main Mix)」
http://www.youtube.com/watch?v=hdwqx9FHKsY
「Freefall (Jose Carretas Remix)」
「Dead Dance (Mark E Remix)」
「Vendetta (Marcellus Pittman Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=orQ1je1Cs2g

サッカーW杯はアルゼンチンが後半追加タイムにメッシの決勝ゴールでイランに辛勝しました。あの時間帯にあのゴールを決めたメッシはさすがですが、アルゼンチンとしては課題の残る一戦でしたね。

逆に敗れたイランの戦いぶりは見事だったと思います。守りばかりではなく、カウンター攻撃でいくつか惜しいシーンもありましたし・・・。ただし、観戦側のわがままをいえば、あそこまで堅守速攻に徹すると少し面白みに欠けますね。

次は「ドイツ対ガーナ」戦です。ドイツの強さが本物なのか?楽しみですね。
posted by ez at 03:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月21日

Cindy Mizelle『Cindy Mizelle』

売れっ子バック・シンガー唯一のアルバムは素敵なR&Bバラード満載!☆Cindy Mizelle『Cindy Mizelle』
Cindy Mizelle
発表年:1994年
ez的ジャンル:売れっ子バック・シンガー系女性R&B
気分は... :それでもW杯は面白い!

サッカーW杯、日本はギリシャ戦を痛恨のスコアレスドローで終え、GL突破は絶望的な状況になりましたね。

昨日のグループCの2試合「コロンビア対コートジボワール」と「日本対ギリシャ」を見比べれば、GL突破に相応しいサッカーをしているのは、コロンビアとコートジボワールであることは明白ですね。日本サッカーの4年間の成長を実感したかった今大会でしたが、逆に世界との差を見せつけられる結果に終わりそうです。

一方で、日本が大会直前に勝利したコスタリカが死の組グループDでウルグアイ、イタリアという強豪に連勝し、GL突破を確定させ、イングランドに引導を渡しました。これはスペインのGL敗退と並ぶ今大会のサプライズですね。イングランドに勝利した初戦のイタリアの状態を見れば、優勝候補に推したくなりましたが、一気にGL敗退の危機に追い込まれました。次戦GL突破を懸けたウルグアイとの直接対決というのもたまりませんね。でも、両国のどちらかがGL突破できないというのは残念な限りですね。

さっき見ていた「フランス対スイス」の強豪対決は5対2の打ち合いでフランスの勝利!フランスは内部崩壊した前大会とは対照的に、デシャン監督の下で一体感のあるチーム作りに成功したようですね。その意味でナスリのメンバー落選は妥当だった気がします。決勝トーナメントも期待できそうです!

さて、今回は売れっ子バック・シンガーCindy Mizelleが1994年にリリースした『Cindy Mizelle』です。

Cindy MizelleはN.Y.生まれの女性R&Bシンガー。80年代前半にAttitude、Lemelleといったユニットでも活動していましたが、音楽シーンで彼女が存在感を示しているのはバック・シンガーとしてのキャリアでしょう。

1980年代前半から今日までバック・シンガーとしてコンスタントに活躍しています。Whitney Houston、Mariah Carey、Rolling Stonesといった大物をはじめ、R&B/ソウル、ハウス、ロック/ポップス等ジャンルを問わず、300以上の作品にバックシンガーとして参加しています。

我が家のCD棚にも彼女が参加している作品が30枚以上はあるはずだと思います。当ブログで紹介した作品でいえば、『ezが選ぶ2013年の10枚』にも選んだElements Of Life『Eclipse』で彼女のヴォーカルがフィーチャーされています。

そんな超売れっ子バック・シンガーであったCindy Mizelleですが、彼女自身の名義でリリースされたアルバムは本作『Cindy Mizelle』(1994年)のみです。

Gerald LevertLuther Vandross等も参加している本作は、ミディアム〜スロウ中心のオーセンティックなヴォーカル作品に仕上がっています。

実力派シンガーである彼女に相応しい、余計な小細工のない王道ヴォーカル作品に仕上がっています。

プロデューサーとして、Brian McKnight、Greg Charley/John Winston、Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholas、Reggie Griffin、LeMel Humes、Arif Mardin等が起用されています。

また、Cindyと同じ売れっ子バック・シンガーであるBrenda White King、Paulette McWilliams、Audrey Wheeler等がバック・ヴォーカルを務めます。

ミディアム〜スロウのみのアルバムでも、聴く者をまったく飽きさせないのは、Cindyのピュアで伸びやかなヴォーカルが魅力的だからでしょう。

ジャケはB級ですが、中身は折り紙つきの女性R&B作品です。

全曲紹介しときやす。

「Because Of You」
アルバムからの1stシングル。Greg Charley/John Winstonプロデュース。Cindyの確かなヴォーカルを実感できる爽快メロウなミディアムです。自然体な雰囲気が実にいいですね。プロデュースの2人はR&BユニットKiaraのメンバーですね。そのうちKiaraの作品も紹介したいと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=wzkc1KnIuro

「I Can't Let Go」
売れっ子男性R&BシンガーBrian McKnightのプロデュース。バッキング・ヴォーカルでも彼が参加しています。透明感のあるCindyのヴォーカルを存分に堪能できる素敵なバラードです。

「I've Had Enough」
この曲もシングルになりました。Greg Charley/John Winstonプロデュース。素敵なメロディの胸キュンのメロウ・バラードです。Cindyのヴォーカルも素晴らしいの一言ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=axa_DI081Dk

「Over You」
Greg Charley/John Winstonプロデュース。哀愁モードのミディアムをサラッと歌い上げます。

「Smile」
Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholasプロデュース。お楽しみ、Gerald Levertとのデュエット。実力派同士のデュエットに相応しい、聴き応え十分の素敵な大人のラブ・バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=Zj0BoEBGHEc

「Two Hearts」
Reggie Griffinプロデュース。Brenda White King、Paulette McWilliamsがバッキングを務める爽快ミディアムR&B。
http://www.youtube.com/watch?v=mnKhpMEOI0k

「My Favorite Song」
Loris Holland/Reggie Griffinプロデュース。素直に良い曲、良いヴォーカルを思えるビューティフル・ソング。聴いていて清々しい気持ちになれます。ここでもBrenda White King、Paulette McWilliamsがバッキングを務めます。

「Back To Emotions」
Martin Van Blocksonプロデュース。切々と歌い上げるバラード。ここではAudrey Wheelerもバッキングで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=D2BiRwJUk00

「Imagine」
LeMel Humesプロデュース。John Lennonのアノ有名曲とは同名異曲です。Cindyの伸びやかなヴォーカルが輝きを放つ素敵なスロウ。
http://www.youtube.com/watch?v=3EvANuxC2Tc

「Love Talk To Me」
Arif Mardin/Joe Mardinプロデュース。ラストはLuther Vandross、Siedah Garrettという豪華バック・ヴォーカルを従え、堂々としたヴォーカルで歌い上げるラブ・バラードで締め括ってくれます。。
http://www.youtube.com/watch?v=ddvpuXOozpA

W杯は只今「ホンジュラス対エクアドル」を観戦中!
日本では注目度が落ちる一戦かもしれませんが、南米対中米の対決はかなり面白いですね。

GLからこれほど各試合が盛り上がるW杯は近年無かったのでは?
それでいえば、「日本対ギリシャ」は退屈な内容でしたね(泣)
posted by ez at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする