2014年06月09日

Joao Donato『A Bad Donato』

バッド・モードのDonatoによる凄まじいブラジリアン・レア・グルーヴ☆Joao Donato『A Bad Donato』
Bad Donato
発表年:1970年
ez的ジャンル:ブラジリアン・レア・グルーヴ
気分は... :いよいよW杯開幕ウィーク!

いよいよ今週はW杯開幕ウィークですね。
今から待ち遠しい!同時にW杯を楽しむために、出場各国の主要メンバーのおさらいをしっかりしておきたいですね。

今週からW杯終了までは、ブラジルW杯モードでブラジルものや出場国の作品を多めに紹介したいと思います。

今回はブラジル音楽界を代表するキーボード奏者/コンポーザー/アレンジャーJoao Donatoが1970年にリリースした『A Bad Donato』です。

Joao Donatoの紹介は、初のヴォーカル作品『Quem e Quem』(1973年)に続き2回目となります。

L.A.録音の本作は、一部の盤には"Joan Donato's psychedelic funky experience"という表記があるように、サイケでファンキーなクロスオーヴァー/フュージョンの先駆け的な内容です。多くの人が思い描く爽快イメージのJoao Donatoサウンドとは対極的な音を聴ける異色作であり、アルバム・タイトルもそのあたりを意識したのかもしれませんね。

今日ではブラジル音楽ファンのみならず、レア・グルーヴ方面からの評価も高く、『Rare Groove A to Z』にも掲載されています。

レコーディングにはDom Um Romao(ds)、Oscar Castro-Neves(g)、Paulinho Magalhaes(ds)等のブラジル人ミュージシャンや、Ernie Watts(reeds)、Bud Shank(fl)等のUSジャズ・ミュージシャンが参加しています。また、Eumir Deodatoがホーン・アレンジが参加しています。

ちょっと悪顔でポーズをキメるジャケのDonatoの表情をそのまま音にしたような、不気味な空気の漂うブラジリアン・クロスオーヴァー/フュージョンを堪能しましょう。

楽曲はすべてDonato作品であり、オープニングの「The Frog」以外は本作のために書きおろした新曲です。

全曲紹介しときやす。

「The Frog」
名曲「A Ra(The Flog)」をアッパーなサイケ&ファンキー・グルーヴで聴かせてくれます。Sergio Mendes & Brasil '66のカヴァーや『Quem e Quem』の歌ヴァージョンを聴き慣れていると、本ヴァージョンが「A Ra(The Flog)」だと気づかないかもしれません。Eumir Deodatoのホーン・アレンジも冴える格好良いグルーヴィー・サウンドに本作の魅力が凝縮されていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=anai2-lTlk4

「Celestial Showers」
躍動するラテン・リズムにグッとくる1曲。グルーヴィーなDonatoのキーボードも存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=kbpdNtMTIq0

「Bambu」
妖しげに弾けるラテン・ファンクといった仕上がり。妖しげなキーボードの響きとパーカッシヴなリズムと軽快なホーン隊のバランスが絶妙です。
http://www.youtube.com/watch?v=VyFmf8OMa1Y

「Lunar Time」
アルバムで一番サイケ色が強い演奏かもしれません。妖しげなグルーヴ感が体内を駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=ZdpBR2cN5xs

「Cade Jodel? (The Beautiful One) 」
『Quem e Quem』にも収録されている楽曲です。アルバムの中では最もポップで聴きやすい演奏かもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=XlJtInhjGDU

「Debutante's Ball」
僕の一番のお気に入り。カオス感のあるサイケなブラジリアン・グルーヴを楽しめます。、エレクトリック・マイルスに通じる高揚感を包まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=XaKZFkesi84

「Straight Jacket」
振り切った感じのDonatoのマッドなキーボードの響きがたまりません。ロッキン・モードのDonatoを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=UyPbs_QITGE

「Mosquito (Fly)」
ファンキーな疾走感にシビれます。サンバ・リズムにのったグルーヴィー・サウンドはレア・グルーヴで再評価されるのも頷けます。
http://www.youtube.com/watch?v=DdDxisjk3Ts

「Almas-Irmas」
ラウンジ・ポップを思い切り、ファンキー&パーカッシヴにしたような躍動感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=UjhUqV_II0g

「Malandro」
ラストはクールな格好良さが漂うクロスオーヴァー・チューンで締め括ってくれます。Eumir Deodatoがホーン・アレンジもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=lCzi27dI0g8

Joao Donatoの他作品もチェックを!

『Muito A Vontade』(1962年)
Muito a Vontade

『A Bossa Muito Moderna De Donato E Seu Trio』(1963年)
A Bossa Muito Moderna de Donato

『The New Sound of Brazil』(1965年)
ニュー・サウンド・オブ・ブラジル

『Sambou, Sambou』(1965年)
Sambou Sambou

『Donato Deodato』(1969年)
ドナート/デオダート

『Quem e Quem』(1973年)
ケン・エ・ケン

『Lugar Comum』(1975年)
ルガール・コムン

小野リサ『Minha Saudade』(1995年)
サウダージ

Wanda Sa/Joao Donato『Wanda Sa com Joao Donato』(2003年)
Wanda Sa com Joao Donato

Joyce Moreno Feat. Joan Donato『Aquarius』(2009年)
アクエリアス

『Sambolero』(2010年)
Sambolero
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2014年06月08日

The Roots『...And Then You Shoot Your Cousin』

コンセプチュアルで重厚な最新作☆The Roots『...And Then You Shoot Your Cousin』
And Then You Shoot Your..
発表年:2014年
ez的ジャンル:コンセプチュアル・コンシャスHip-Hop
気分は... :まゆゆ念願叶う!

今回は最強Hip-HopバンドThe Rootsの最新作『...And Then You Shoot Your Cousin』です。

これまで当ブログで紹介したThe Roots作品は以下の10枚。

 『Do You Want More?!!!??!』(1994年)
 『Things Fall Apart』(1999年)
 『Phrenology』(2002年)
 『Game Theory』(2006年)
 『Rising Down』(2008年)
 『How I Got Over』(2010年)
 John Legend & The Roots『Wake Up!』(2010年)
 Betty Wright & The Roots『Betty Wright: The Movie』(2011年)
 『Undun』(2011年)
 Elvis Costello & The Roots『Wise Up Ghost』(2013年)

昨年Elvis Costelloとのコラボ作『Wise Up Ghost』をリリースしていますが、グループのオリジナル・アルバムということでは『Undun』(2011年)以来、約2年半ぶりの新作となります。

前作『Undun』はRedford Stephensという人物の短い生涯を軸にしたコンセプト・アルバムでしたが、本作『...And Then You Shoot Your Cousin』もコンセプチュアルなコンシャスHip-Hop作品に仕上がっています。

ちなみにアルバム・タイトルはKRS-One「Step Into A World(Rapture's Delight)」のリリックに因んだもののようです。また、アーティスティックなジャケは黒人芸術家/作家のRomare Beardenが1964年に発表した「Pittsburgh Memory」を使用したものです。

本作におけるバンド・メンバーはAhmir "?uestlove "Thompson(ds)、Tariq "Black Thought" Trotter(vo)、 Kirk "Captain Kirk" Douglas(g)、Kamal Gray(key)、James Poyser(key)、Frank "Frankie Knuckles" Walker(per)、Damon "Tuba Gooding Jr." Bryson(sousaphone)、Mark Kelley(b)の8名。前作『Undun』と同じラインナップです。

ゲストとして、元メンバーのDice Rawをはじめ、Greg Porn(P.O.R.N.)Mercedes MartinezJazzyfatnastees)、Modesty LycanPatty CrashRaheem DeVaughnが参加しています。

また、オリジナルのみならず、偉大な黒人女性シンガーであったNina Simone、黒人女性ジャズピアニストの草分けMary Lou Williams、フランスの電子音楽家Michel Chionといったアーティストのパフォーマンスを織り交ぜている点も興味深いです。

アルバム全体としては、ダークなトーンが支配する聴き応えのある重厚な作品に仕上がっています。

個人的にはもっと弾けたRootsサウンドを聴きたい気もしますが、Rootsだからこそ創ることができる重厚でコンセプチュアルなコンシャスHip-Hopに納得してしまいました。

最強Hip-Hopバンドによる圧倒的なHip-Hopワールドを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Theme From Middle of the Night」
アルバムはNina Simone「Theme From Middle of the Night」からスタートします(George Bassman/Paddy Chayefsky作)。Nina Simoneのオリジナルは『The Amazing Nina Simone』(1959年)に収録されています。Nina Simoneのディープな歌声が、これから語られる様々なストーリーを暗示しているかのようです。
http://www.youtube.com/watch?v=jAQS-mh9h6A

「Never」
Patty Crashをフィーチャー。彼女のコケティッシュなヴォーカルと美しくも重厚なサウンドのコントラストが印象的です。ダークなストリングスやBlack Thoughtのライムにも重みがあります。

「When the People Cheer」
Modesty Lycan & Greg Pornをフィーチャー。アルバムからの先行シングル。哀愁トラックにのって、Greg PornとBlack Thoughtが噛みしめるようにライムを叩きつけ、それを包み込むようにModesty Lycanの女性ヴォーカルが絡みます。ストップモーション・アニメのPVも秀逸です。
http://www.youtube.com/watch?v=51K4gqmgoPU

「The Devil」
黒人女性ジャズピアニストの草分けMary Lou Williams(1910-1981年)の「The Devil」。Howard Roberts Singersをフィーチャーしたオリジナルは『Black Christ Of The Andes』(1964年)に収録されています。

「Black Rock」
Dice Rawをフィーチャー。やはりDice RawとBlack Thoughtが揃うと、一気にThe Rootsらしくなりますね。ダークな中にも深みを感じる聴き応え十分の1曲です。

「Understand」
Dice Raw & Greg Pornをフィーチャー。オルガンの音色が印象的なソウルフル・サウンドにのった、Dice Raw、Greg Porn、Black Thoughtのマイクリレーを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=Ys3HCHJ_8r0

「Dies Irae」
フランスの電子音楽家Michel Chionの実験的作品。オリジナルは『Requiem』(1978年)にリリースされています。

「The Coming」
Mercedes Martinezをフィーチャー。彼女は当ブログでも紹介したThe RootsファミリーのグループJazzyfatnasteesのメンバーとしてもお馴染みですね。美しいピアノをバックに、哀愁のメロディを切々と歌います。ミステリアスでドラマチックなアレンジも秀逸です。
http://www.youtube.com/watch?v=_dRetzIui3E

「The Dark (Trinity)」
Dice Raw & Greg Pornをフィーチャー。タイトルの通り、ダークなトーンが支配します。本作らしい世界観がよく表れた1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=kbo3AfHI1mg

「The Unraveling」
実力派男性R&BシンガーRaheem DeVaughnをフィーチャー。物悲しいメロディを切々とRaheemが歌い上げます。それに続くBlack Thoughtのラップは物語の語り部のようです。

「Tomorrow」
ラストもRaheem DeVaughnをフィーチャー。ダークな雰囲気が支配するアルバムですが、最後は希望の光が差し込むかのような美しいしたソウル・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=LmjXL6jLkJY

The Rootsの過去記事もご参照下さい。

『Do You Want More?!!!??!』(1994年)
Do You Want More?!!!??!

『Things Fall Apart』(1999年)
シングズ・フォール・アパート

『Phrenology』(2002年)
Phrenology

『Game Theory』(2006年)
Game Theory

『Rising Down』(2008年)
Rising Down

『How I Got Over』(2010年)
How I Got Over

John Legend & The Roots『Wake Up!』(2010年)
Wake Up

Betty Wright & The Roots『Betty Wright: The Movie』(2011年)
Betty Wright: the Movie

『Undun』(2011年)
Undun

Elvis Costello & The Roots『Wise Up Ghost』(2013年)
Wise Up Ghost
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2014年06月07日

Sa-Deuce『Sa-Deuce』

ティーンエイジャーとは思えない早熟のR&Bデュオ☆Sa-Deuce『Sa-Deuce』
Sa Deuce
発表年:1996年
ez的ジャンル:早熟系ティーンエイジャーR&Bデュオ
気分は... :雨ニモマケズ...

梅雨入りで雨模様の週末ですね・・・

今日ははセクシーな女性R&Bが聴きたい気分・・・
セレクトしたのは90年代の女性R&BデュオSa-Deuceのアルバム『Sa-Deuce』(1996年)です。

Sa-DeuceJanai(Janai Abercrombie)Asiah(Paula Pierre-Louis)による女性R&Bデュオ。

1995年にデビュー・シングル「Don't Waste My Time」をリリースした当時、2人はまだ17歳でした。このティーンエイジャーR&Bデュオ、唯一のアルバムが本作『Sa-Deuce』(1996年)です。

とてもティーンエイジャーとは思えない、ミディアム〜スロウ中心の大人のR&Bアルバムに仕上がっています。個人的には、Bobby Caldwell「What You Won't Do For Love」使いのデビュー・シングル「Don't Waste My Time」Mary Jane Girls「All Night Long」使いの「Just Can't Live Without Your Love」DeBarge「Stay With Me」使いの「Don't Take Your Love Away」といった大ネタ使いのメロウ・チューンの数々にグッときます。

FlavaHood(Darryl "Big Baby" McClary/Michael "Sugar Baby" Allen)The Mecca Don Bros. (Max Gousse/Roget Romain)Melieck Britt等がプロデュースを務めています。

この一作のみでシーンから消えてしまったのが勿体ないと思えるほど、充実した内容の1枚だと思います。

90年代女性R&Bグループ好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Can't Get You Off My Mind」
David T. Walker「The Windows of The World」、The Whatnauts「Why Can't People Be Colors Too?」ネタの乾いたリズムとセクシーだけど少し切ない早熟ヴォーカルに魅了されるオープニング。Ez Elpeeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=3fD4ymP6maE

「Don't Waste My Time」
前述のように彼女たちのデビュー・シングル。Bobby Caldwell「What You Won't Do For Love」使いの胸キュン・メロウ・グルーヴ。2人のセクシー・ヴォーカルもサイコー!90年代女性R&Bグループの魅力が凝縮されています。「What You Won't Do For Love」に加え、A Tribe Called Quest「Electric Relaxation」ネタもいいアクセントになっています。FlavaHood/The Mecca Don Brosプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=u6psUIRup4w

「Just Can't Live Without Your Love」
Mary Jane Girls「All Night Long」ネタのドラム・ループを使ったミディアム・グルーヴ。この曲も胸キュンの切ない感じがたまりません。FlavaHood/The Mecca Don Brosプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=6QJPAmhdwHI

「Don't Take Your Love Away」
DeBarge「Stay With Me」ネタの哀愁メロウ。ここでも早熟ヴォーカルに感心するばかりです。素晴らしい!FlavaHood/The Mecca Don Brosプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ruQuaoqhkyM

「Go Down」
Barry White「Playing Your Game, Baby」使いのミディアム・スロウ。透明感のある仕上がりと見事な歌い回しにグッときます。FlavaHood/The Mecca Don Brosプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=XvtYgUT4FJU

「Ordinary People」
男性R&BシンガーMichael Speaksをフィーチャー。歌力で聴く者を魅了する素敵なバラードです。とてもティーンエイジャーが歌っているとは思えません。FlavaHood/The Mecca Don Brosプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=F1V9PWjjoTg

「Born In」
雷鳴と共に始まるインタールード的な小曲。FlavaHood/The Mecca Don Brosプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=vwJnO0veNGw

「One Man Woman」
FlavaHood/The Mecca Don Brosプロデュース。オーセンティックなバラードですが、堂々とした歌い回しで彼女たちが只者ではないことを実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=wkh_D3uGgbw

「Body Knockin'」
FlavaHood/The Mecca Don Brosプロデュース。この曲もシングルになりました。アコギがアクセントになっている哀愁スロウです。
http://www.youtube.com/watch?v=MJSpR9kWq7M

「Full Time Lover」
Melieck Brittプロデュース。切々と歌い上げる感じがたまらない胸に込み上げてくる僕好みのスロウ。
http://www.youtube.com/watch?v=zEXOj5pEzuc

「Does She」
Melieck Britt/Swoop Brownプロデュース。ラストも早熟のバラードで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=SdvCsjjj0c4

サッカーはいよいよW杯前の最終試合のザンビア戦ですね。

気になるのは別調整の長友の状態・・・
ザンビア戦に無理する必要はありませんが、初戦のコートジボアール戦に間に合わせて欲しいです。彼だけは代わりがいない日本の生命線ですからね。
posted by ez at 01:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月06日

Brooklyn Dreams『Brooklyn Dreams』

都会派ブルー・アイド・ソウル/メロウ・ディスコ☆Brooklyn Dreams『Brooklyn Dreams』
リズム&ハーモニー+3
発表年:1977年
ez的ジャンル:N.Y.ブルー・アイド・ソウル/メロウ・ディスコ
気分は... :Music, Harmony And Rhythm...

今回はN.Y.ブルックリン出身のブルー・アイド・ソウル・グループBrooklyn Dreamsの1stアルバム『Brooklyn Dreams』(1977年)です。

Joe Esposito(g、vo)、Bruce Sudano(key、vo)、Eddie Hokenson(ds、vo)というブルックリン生まれのイタリア系アメリカ人によるトリオBrooklyn Dreamsの紹介は、『Sleepless Nights』(1979年)に続き2回目です。

1979年にディスコ・クイーンDonna Summer(彼女は後にメンバーのBruce Sudanoと結婚)と共演した大ヒット・シングル「Heaven Knows」で一躍名が知れ渡るようになる彼らですが、1stアルバムとなる本作でも都会的なメロウ・ディスコで楽しませてくれます。

アルバム全体としては、N.Y.らしいブルー・アイド・ソウル作品といった感じですね。メロウ・ディスコあり、ファンキー・ロックあり、SSW風のバラードありとメリハリのある構成も気に入っています。随所で聴くことができるソウルフル・ヴォーカルと爽快ハーモニーも魅力です。

プロデュースは元Three Dog Nightのキーボード奏者としても知られるSkip Konteが務めています。また、彼らのブレイクに大きく貢献することになるDonna Summerが本作にも参加しています。

1stシングルになった哀愁メロウ「Sad Eyes」、ガラージ・クラシックとしてお馴染みの2ndシングル「Music, Harmony And Rhythm」あたりが有名ですが、メロウ・ディスコ「Street Dance」、素敵なバラード「(Baby) You're The One」あたりもオススメです。

都会的センスに溢れた好盤をぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Music, Harmony And Rhythm」
Bruce Sudano/Joe Esposito/Eddie Hokenson作。2ndシングルにもなったガラージ・クラシック。キャッチーなメロディ、爽快なハーモニーとメロウ・ディスコ・サウンドが見事に調和した、このグループらしいダンス・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=j4_PPWXv3_w

Steady B feat. KRS-One「Serious (Ceereeus BDP Remix)」、Just-Ice「The Original Gangster of Hip-Hop」、Tall Dark & Handsome「Call It What You Wanna」、Pete Rock> feat. Rell「That's What I Am Talking About」のサンプリング・ソースになっています。

Tall Dark & Handsome「Call It What You Wanna」
 http://www.youtube.com/watch?v=IwwEBUsEE2o
Pete Rock feat. Rell「That's What I Am Talking About」
 http://www.youtube.com/watch?v=Oq90fFkwbgs

「Sad Eyes」
Bruce Sudano/Joe Esposito作。記念すべき彼らの1stシングル。都会的な哀愁メロウ感にグッとくるブルー・アイド・ソウル。Rufus & Chaka Khanでお馴染みのギタリストTony Maidenが参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=gk9z7bmmMCo

「I Never Dreamed」
Bruce Sudano/Joe Esposito作。ジェントルな雰囲気が漂うメロウ・バラード。ドリーミーなハーモニーがいい感じです。

「Don't Fight The Feeling」
Bruce Sudano/Vito Albano作。ロッキン・モードのファンキー・メロウ。ファンキーでもあくまでも都会的なのがこのグループらしいですね。

「Another Night At The Tango」
Assunta/Bruce Sudano/Joe Esposito/Eddie Hokenson作。SSW系のAOR作品といった趣の仕上がり。彼らのセンスの良さを実感できます。

「On The Corner」
Bruce Sudano作。この曲もSSW風のメロウ・チューン。Bruce Sudanoのソングライターとしての確かな実力を確認できます。
http://www.youtube.com/watch?v=qj3kKM2kQCU

「Street Dance」
Bruce Sudano作。僕の一番のお気に入り曲。Doobie Brothersがメロウ・ディスコを演奏しているような感じが大好きです!
http://www.youtube.com/watch?v=3PfyKRw8wrY

「(Baby) You're The One」
Bruce Sudano作。この曲も僕のお気に入り。素敵なサックス・ソロと共に始まる素敵なメロウ・バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=JZEm9kjlONs

「Old Fashioned Girl」
Bruce Sudano/Vito Albano作。Donna Summerをフィーチャーした話題曲。哀愁モードのバラードでしっとりと聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Wje2k-oFZUI

「Hollywood Circles」
Bruce Sudano作。ラストは味わい深いメロウ・バラードで締め括ってくれます。ただし、ラストはロッキン・モードで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=IM76ndQwnJ0

僕の保有するCDには、「Sad Eyes (Single Version)」「Music, Harmony And Rhythm (12" Disco Version)」「Street Dance (12" Disco Version)」の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

『Sleepless Nights』(1979年)
スリープレス・ナイト
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2014年06月05日

Dream Machine『Dream Machine』

Norman Whitfieldプロデュースの80年代ソウル/ファンク作品☆Dream Machine『Dream Machine』
DREAM MACHINE
発表年:1981年
ez的ジャンル:Norman Whitfield系ソウル/ファンク
気分は... :ジャケはベタですが・・・

今回は80年代ソウル/ファンク作品からDream Machine『Dream Machine』(1981年)です。

Dream Machineは、名プロデューサーNorman Whitfieldの呼び掛けにより、L.A.で結成されたグループ。

メンバーはYvonne (Taka Boom) Brumbach(vo)、Joe T. Harris(vo)、Melvin D. Stewart(vo、b)、Lloyd Williams(vo)、James R. McKinney, Jr.(key、tp、moog)、Ron Artis(key、syn)、Pete Carr(ds、per)の7名。

メンバーのうち、Joe T. Harrisと紅一点Yvonne (Taka Boom) Brumbachは、同じくNorman Whitfieldがプロデュースしていたソウル/ファンク・グループThe Undisputed Truthのメンバーでした。The Undisputed Truthは1970年代にNorman Whitfieldプロデュースで8枚のアルバムをリリースしています。

そんなDream Machine唯一のアルバムが本作『Dream Machine』(1981年)です。星条旗コスチュームでメンバーがポーズをとるジャケは、ベタすぎて思わず笑ってしまいますが・・・

アルバムは大きく、重低音ベースが響くファンク・チューンと、素晴らしいヴォーカル&コーラスで魅了するミディアム〜スロウから構成されています。「Shakedown」 あたりのファンク・チューンもいいですが、このアルバムの魅力は「All My Love」「Simple Love Song」「Don't Walk Away」「Just Say When」 といったミディアム〜スロウにあると思います。

ジャケはイマイチですが、ヴォーカルは素晴らしいです!

全曲紹介しときやす。

「The Force」
Norman Whitfield作。重低音ベースとシンセが印象的なスペイシー・ファンク・チューン。Taka Boomのパワフル・ヴォーカルも迫力があります。

「Shakedown」
Melvin Stewart/Norman Whitfield Jr.作。ダンサブルなアッパー・チューンならば、この曲がハイライトです。シングルにもなりました。弾けたファンク・サウンドは、ジャケの星条旗コスチュームによくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=6ufc1r9_dig

「All My Love」
S. Jackson/Norman Whitfield Jr.作。80年代というより70年代ソウル作品を聴いているかのようなオーセンティックなラブ・バラード。その王道感がとてもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=oWNEvyOf4V0

「Living Too High」
Isadora Martin作。Taka Boomのパンチのあるヴォーカルが牽引するファンキー・チューン。

「Dream Machine」
Norman Whitfield Jr.作。グループ名を冠したタイトル曲はP-Funk風のスペイシー・ファンク・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=vlN1kTFFCGQ

「Simple Love Song」
Marvin Smith/Melvin Stewart/Ron Artis作。奇をてらわず、直球ど真ん中で勝負する正統派バラード。ジワジワと感動が胸に込み上げてきます。

「Don't Walk Away」
Billie Rae Calvin/Melvin Ragin作。Taka Boomがしっとりとしたヴォーカルで魅了する素敵なメロウ・バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=vD80ehChGQ4

「Just Say When」
Marvin Smith/Robert Daniels作。ラストはアーバン・メロウなミディアムで締め括ってくれます。個人的には一番のお気に入りです。
http://www.youtube.com/watch?v=CQaEORAqdDE

ご興味がある方はThe Undisputed Truthのアルバムもチェックを!

The Undisputed Truth『Face to Face With the Truth』(1972年)
Face to Face With the Truth

The Undisputed Truth『Method to the Madness』(1976年)
Method to the Madness

The Undisputed Truth『Smokin'』(1979年)
Smokin'
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