2014年06月23日

Chaba Fadela『You Are Mine』

ポップ・ライの歌姫のインターナショナル作品☆Chaba Fadela『You Are Mine』
You Are Mine
発表年:1988年
ez的ジャンル:ポップ・ライ女性シンガー
気分は... :アルジェリアのサッカーも面白い・・・

今日もW杯の話から・・・
フランスW杯以降、毎大会期待しているのがアフリカ勢の躍進です。

アトランタ五輪サッカーでナイジェリアが金メダルを獲得して以来、アフリカ勢が欧州、南米の間を割ってW杯を制するも近いと感じていました。

ただし、それはガーナ、ナイジェリア、コートジボアール、セネガル等の代表選手に見られる圧倒的な身体能力に期待するものでした。その意味では、これまでエジプト、チュニジア、モロッコ、アルジェリア等の北アフリカ勢は少し落ちるようなイメージを持っていました。

しかし、今大会のベルギー対アルジェリア戦を見て、敗れはしたもののアルジェリアの素晴らしいサッカーに魅了されました。同時に、自分の北アフリカ・サッカーに対する偏見を猛省しています。

そこで懺悔の意味も込めて、今回は当ブログ初のアルジェリア人アーティストの作品を紹介したいと思います。

ということで、今回はアルジェリアのダンス・ミュージックであるポップ・ライを代表する女性シンガーChaba Fadela『You Are Mine』(1988年)です。

ライという音楽ジャンルは、80年代後半のワールド・ミュージック・ブームをリアルタイムで体験していないとピンと来ないかもしれませんね。

ライはアルジェリア西部、オラン地方起源のポップ・ミュージックであり、1940年代には既にそのスタイルを確立していたようです。セックス、アルコールなどイスラム社会のタブーを大胆に扱っていました。

80年代後半のワールド・ミュージック・ブームの時期に、そんなライを現代的ダンス・ミュージックと結びつけたポップ・ライが大きな注目を浴びました。

このライ・ブームの火付け役となったのが、Cheb Khaled(現Khaled)の『Kutche』(1988年)であり、その流れでChaba FadelaChaba ZahouaniaCheb Mamiといったアーティストの作品も世界発信されました。

本日の主役であるChaba Fadelaは1962年アルジェリア、オランの生まれ。公私のパートナーであるCheb Sahraouiとデュエット「N'sel Fik (You Are Mine)」(1986年)がヒットし、世界的に注目され、ポップ・ライの歌姫として躍り出ます。

本作『You Are Mine』(1988年)は、『Fadela(Etoile Du Rai)』(1986年)をインターナショナル向けに新装したものです。

僕の場合も上記のように、まずCheb Khaled『Kutche』を購入し、その独特の節回しを聴きながら"ライってこんな感じの音楽なんだ"と認識し、その流れで本作『You Are Mine』を購入した記憶があります。

Cheb Khaled『Kutche』でライに対する免疫ができていたせいか、本作を最初に聴いた印象は"かなり聴きやすくダンサブル"というものでした。

今回、約20年ぶりにCD棚から引っ張り出して本作を聴きましたが、エキゾチックでダンサブルなアラビックビートと艶やかなChaba Fadelaの歌声は今でも色褪せていない印象を受けました。

ダンサブルなポップ・ライで気分を盛り上げながら、今日のW杯アルジェリア戦をTV観戦しようかな・・・

全曲紹介しときやす。

「N'sel Fik (You Are Mine)」
前述のようにCheb Sahraouiとのデュエットによるヒット曲。エキゾチックでダンサブルなアラビックビートをバックに、Cheb SahraouiとChaba Fadelaが独特の節回しのヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=kgJXmUr8xgk

「Nebki Ouahdi (Crying Alone)」
電化サウンドと融合したアラビックビートが実に心地好いです。純粋にエキゾチックなダンスミュージックとして楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=Y8srC2DFkBE

「Ateni Bniti Part 1 (Give Me Back My Daughter)」
ポップな味わいのアラビック・エレクトロといった趣の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=s03DFEV9YZ8

「Ateni Bniti Part 2 (Give Me Back My Daughter) 」
前曲のパート2。こちらはよりリズミックで、エキゾチックな雰囲気が増しています。個人的にはPart 1より断然好き!
http://www.youtube.com/watch?v=1nmoPutzSzY

「Ha-Liya-Ouana Alach (Why Does This Happen To Me)」
ポップなアラビックビートとChaba Fadelaの歯切れの良い節回しがよくマッチしています。アラビック・シンセ・ポップといった趣です。
http://www.youtube.com/watch?v=LELYDPiQUmU

「Dja Yadhak (He Came Smiling)」
シンセ・サウンドが印象的な哀愁チューンでアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=b7-gtywmd0c

Chaba Fadela & Cheb Sahraoui『Hana Hana』(1989年)
Hana Hana
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする