2014年06月27日

Pointer Sisters『Having A Party』

人気曲「Don't It Drive You Crazy」、「Waiting on You」など再評価の高い1枚☆Pointer Sisters『Having A Party』
ハヴィング・ア・パーティー
発表年:1977年
ez的ジャンル:姉妹系R&Bコーラス・グループ
気分は... :クリンスマン対レーブ!勝者は・・・

今日のW杯はグループDに続く激戦区であるグループGの最終戦。特に「アメリカ対ドイツ」は面白そうですね。個人的にはガーナに勝ち上がって欲しいし・・・でもポルトガルも底力があるし、ドラマティックな結末も期待してしまいます。

今回はPointer Sisters『Having A Party』(1977年)です。

Pointer Sistersはカリフォルニア州オークランド出身のRuthAnitaBonnieJuneというPointer姉妹によって結成されたコーラス・グループ。

1973年にBlue Thumbからデビュー・アルバム『The Pointer Sisters』をリリース。Allen Toussaint作のシングル「Yes We Can Can」が全米チャート第11位のヒットとなりました。初期のPointer SistersはR&Bやゴスペルをベースにしつつ、ジャズ・コーラスやカントリーのエッセンスも取り入れ、シングル「Fairytale」ではカントリー部門でグラミーを受賞しています。

1977年にBonnieがソロ活動のためにグループを脱退。残った3姉妹はRichard PerryのPlanetへ移籍し、Richard Perryのプロデュースの下、コンテンポラリーなポップ路線の作品をリリースし、70年代後半から80年代半ばにかけて、「Fire」(全米チャート第2位)、「He's So Shy」(全米チャート第3位)、「Slow Hand」(全米チャート第2位)、「Automatic」(全米チャート第5位)、「Jump (For My Love)」(全米チャート第3位)、「I'm So Excited」(全米チャート第9位)、「Neutron Dance」(全米チャート第6位)といったヒットを連発しました。

2006年、Juneは癌のために死去しています。

僕がリアルタイムでPointer Sistersを聴いたのは、ヒット曲「Slow Hand」だった記憶があります。当時は全米Top40(そういえば先日Casey Kasemが亡くなりましたね)を中心に洋楽を聴いていたので、上記に挙げたようなヒット曲もよく聴きました。でも、それほど好きという印象ではなかったですね。我が家のCD棚にもグループ最大のヒット・アルバム『Break Out』(1983年)もありますが、正直あまり聴いていません(泣)

その意味では、今日紹介する『Having A Party』が彼女たちの作品の中で、僕の嗜好に一番フィットします。商業的には最も振るわなかった作品の1つですが、今日的にはフリーソウルをはじめ再評価の高い1枚ですね。

『Having A Party』はデビュー時から在籍してきたBlue Thumbのラスト作品であり、一時的にJuneが抜け(「Having a Party」のみ参加)、RuthAnitaBonnieという三人体制によるアルバムです。また、Bonnieのグループ在籍最後のアルバムでもあります。

デビュー時から彼女たちを手掛けてきたDavid Rubinsonのプロデュースの下、レコーディングにはSonny Burke(key、syn)、Stevie Wonder(key、syn)、Tom Salisbury(key、syn)、James Gadson(ds)、Ed Greene(ds)、Gaylord Birch(ds)、Louis Johnson(b)、Chuck Domanico(b)、James Jamerson(b)、Willie Weeks(b)、Gene Santini(b)、Wah Wah Watson(g)、Ray Parker, Jr.(g)、David T. Walker(g)、Robert Bowles(g)、Chris Michie(g)、Ernie Watts(sax)、Kenneth Nash(per)、Andy Narell(steel drums)等が参加しています。

アルバム全体としては、日産ティーダのCM曲にもなった「Don't It Drive You Crazy」に代表されるソリッドなファンク・サウンドが中心です。また、躍動するグルーヴィー・ソウル「Waiting on You」とブラジリアン・メロウ・グルーヴ「Bring Your Sweet Stuff Home to Me」という2曲のフリーソウル・クラシックがアルバムの魅力を倍増させています。

Pointer Sistersというグループの魅力が凝縮された捨て曲ナシの全7曲です。

全曲紹介しときやす。

「Having a Party」
Sam Cooke作。オープニングはSam Cooke、1962年のシングルをカヴァー。デビュー当初からのノスタルジックなスタイルで、その素晴らしいコーラスワークを堪能できます。アルバムからの1stシングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=_D1i9xrYEmY

「Don't It Drive You Crazy」
Ted Ashford作。前述のように日産ティーダのCM曲としてお馴染みですね。このイントロを聴いただけでゾクッとします。ソリッドなファンク・チューンですが、彼女たちのヴォーカルが醸し出す妖艶なムードにクラクラです。聴けば聴くほど完璧な1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=PCmI_3wy1qU

本曲はGang Starr「Execution of a Chump」のサンプリングソースとしてもお馴染みですね。「Execution of a Chump」も大好きです。それ以外にRakim「Put It All to Music」、Willie the Kid「#!Chump」、Xatar「Ein Dieb Kann Kein Dieb Beklauen」のサンプリングソースにもなっています。また、当ブログでも紹介したMadelaineのカヴァーも合わせてチェックしてみてください。

Gang Starr「Execution of a Chump」
 http://www.youtube.com/watch?v=Z75mfqaaHvE
Madelaine「Don't It Drive You Crazy」
 http://www.youtube.com/watch?v=LE37KuojSyw

「I Need a Man」
David Rubinson/Bruce Good/Jeffrey Cohen/Anita Pointer/Bonnie Pointer/June Pointer作。アルバムからの2ndシングル。ファンキーなカッティング・ギターが先導するソリッドなダンサブル・チューン。あまり注目を浴びない曲ですが、個人的にはかなり格好良いと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=BgksA9hIcf4

「Waiting on You」
Melvin Ragin/Ruth Pointer作。フリーソウル・クラシックとしてお馴染みの人気曲。躍動感に包まれたヤングソウル調の爽快グルーヴィー・ソウルです。スティール・ドラムもいいアクセントになっています。聴いているだけで活力が湧いてきます。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=yjqZxGYY_Fs

「I'll Get by Without You」
Melvin Ragin/Bonnie Pointer/Don Grusin作。トロピカル・テイストを織り込んだミディアム・グルーヴ。どっしりしているけど重すぎず、ビターな味わいの中にほんのり甘さが香る絶妙のサジ加減です。
http://www.youtube.com/watch?v=cTQRK2PIoGY

「Bring Your Sweet Stuff Home to Me」
Stevie Wonder/Anita Pointer/Bonnie Pointer作。Stevie Wonderが書き下ろした本曲もフリーソウル人気曲です。Stevie自身のエレピも聴けるブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴです。ブラジリアン・リズムと彼女たちのキュートなヴォーカルがよくマッチしています。後半の盛り上がりもサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=rvLZzQXkVI4

「Lonely Gal」
Anita Pointer/Bonnie Pointer/Ruth Pointer作。ラストはソリッドなファンキー・サウンドをバックに、大人のコーラスワークを貫録たっぷりに披露してくれます。

Pointer Sistersの他作品もチェックを!

『The Pointer Sisters』(1973年)
ポインター・シスターズ

『That's A-Plenty』(1974年)
That's A-Plenty

『Steppin'』(1975年)
Steppin

『Energy』(1978年)
Energy: Expanded Edition

『Priority』(1979年)
Priority: Remastered

『Special Things』(1980年)
Special Things

『Black & White』(1981年)
Black & White: Expanded Edition

『So Excited』(1982年)
So Excited

『Break Out』(1983年)
Break Out: Deluxe Expanded Edition

『Contact』(1985年)
Contact

『Hot Together』(1986年)
Hot Together

『Serious Slammin』(1988年)
Serious Slammin

『Right Rhythm』(1990年)
Right Rhythm

『Only Sisters Can Do That』(1993年)
Only Sisters Can Do That
posted by ez at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする