2014年07月14日

Nara Leao『Os Meus Amigos Sao Um Barato』

豪華なゲスト陣とのコラボ作品☆Nara Leao『Os Meus Amigos Sao Um Barato』
ナラと素晴らしき仲間たち
発表年:1977年
ez的ジャンル:豪華コラボ系女性MPB
気分は... :祭りの終わり・・・

サッカーW杯はいよいよ最後の一戦、「ドイツ対アルゼンチン」です。
ドイツの圧勝で終わるのか、アルゼンチンが意地を見せることができるのか?

その前に昨日の3位決定戦「ブラジル対オランダ」は、両国の明暗がはっきり分かれた試合になりましたね。

ブラジルは結局、ネイマールとオスカル以外はタレントいなかったのか?と思わせる残念な幕切れでしたね。一方、オランダの試合巧者ぶりを見るにつけ、やはりドイツとの決勝が観たかったなぁ、という気がします。

今回は夢破れたセレソンに思いを馳せながら、ブラジル人アーティストの作品を取り上げたいと思います。

ブラジルを代表する女性シンガーNara Leaoが1977年にリリースした『Os Meus Amigos Sao Um Barato(邦題:ナラと素晴らしき仲間たち)』(1977年)です。

これまで当ブログで紹介したNara Leao作品は以下の4枚。

 『Nara』(1964年)
 『O Canto Livre De Nara』(1965年)
 『Vento De Maio』(1967年)
 『Dez Anos Depois』(1971年)

本作『Os Meus Amigos Sao Um Barato』は、Gilberto GilCaetano VelosoErasmo CarlosDominguinhosEdu LoboNelson RufinoChico BuarqueJoao DonatoRoberto MenescalCarlos LyraTom Jobimといった豪華なオールスター・ゲストを迎えてコラボした作品です。

『ナラと素晴らしき仲間たち』という邦題がピッタリですね。豪華ゲストが自身の楽曲を自らアレンジし、Naraと共演しています。その意味では、アルバム全体の統一感というよりも、コンピ作品のようなバラエティ感を楽しむアルバムかもしれません。

Nara Leao好きの方は勿論、ブラジル音楽初心者の方も楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Sarara Miolo」
Gilberto Gilとの共演。当ブログでは『Realce』(1977年)収録のGil本人のヴァージョンも紹介済みです。♪サラ・サラ♪サラ・サララ〜♪というリズミカルなフレーズを思わず口ずさんでしまう、軽やかな雰囲気でリラックスできる名曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=QL2mq0ocIgs

「Odara」
Caetano Velosoとの共演。Caetano本人のヴァージョンは『Bicho』(1977年)に収録されています。また、当ブログでは『Caetano Veloso (1986)』収録のヴァージョンを紹介済みです。本ヴァージョンはクール&メロウな疾走感がたまりません。僕の一番のお気に入り。

「Meu Ego」
Roberto Carlos/Erasmo Carlos作。60年代半ばのブラジリアン・ロック黎明期から活躍する男性シンガー/ソングライターErasmo Carlosとの共演。Erasmo Carlos本人のヴァージョンは『Pelas Esquinas De Ipanema』(1978年)に収録されています。ベースラインが印象的な大人のメロウ・チューンに仕上がっています。なかなか雰囲気があります。

「Chegando De Mansinho」
Dominguinhos/Anastacia作。惜しくも昨年逝去したアコーディオン奏者Dominguinhosとの共演。Dominguinhoのアコーディオンが郷愁感を誘う味わい深い1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=YXrdZzgxqww

「Repente」
Edu Loboとの共演。Edu Loboのオリジナルは『Limite Das Aguas』(1976年)に収録されています。ここではSivucaもアコーディオンで参加し、北東部らしい土着的リズムで疾走します。ダンス・チューンとして聴いても楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=Yj6xRk_nRMw

「Nono」
Nelson Rufinoとの共演。華やいだ雰囲気のアコースティック・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Bxc4i7WUf4s

「Joao E Maria」
Chico Buarque/Sivuca作。Chico Buarqueとの共演。ブラジルというよりもパリの街角が似合いそうな雰囲気です。
http://www.youtube.com/watch?v=5tQdqepsLOs

「Amazonas」
Joao Donatoとの共演。この名曲について、当ブログではJoao Donato自身(アルバム『Quem e Quem』収録ヴァージョン)やAgustin Pereyra LucenaCal TjaderSteen Rasmussen Feat. Josefine CronholmAdam DunningWalter Wanderleyのヴァージョンを紹介済みです。ここではテンポを少し落としたサウダージ・モードの「Amazonas」を聴かせてくれます。涼しげなフルートがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=x5R7tEezAgs

「Flash Back (Risos de Retrato)」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。Naraのギターの師匠であるRoberto Menescalとの共演です。「Odara」と並ぶ僕のお気に入り。キュートな魅力が伝わってくる胸キュンの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=WEMO57gsIoY

「Cara Bonita」
Menescalと同じくNaraのギターの先生であったCarlos Lyraとの共演。Carlos Lyra本人のヴァージョンは『Heroi Do Medo』(1975年)で聴くことができます。ここでのメロウな雰囲気は僕好みです。

「Fotografia」
ラストは大御所Tom Jobimとの共演。名盤『Dez Anos Depois』(1971年)でもカヴァーしていましたね。当ブログではElis ReginaAdam DunningDaniela Basso/Ernesto Salgueiroのカヴァーも紹介済みです。NaraのJobimへのリスペクトを感じるデュエットになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=WY3p3WxBBZ4

Nara Leaoの過去記事もご参照下さい。

『Nara』(1964年)
ナラ

『O Canto Livre De Nara』(1965年)
ナラ自由を歌う+2

『Vento De Maio』(1967年)
5月の風+1

『Dez Anos Depois』(1971年)
美しきボサノヴァのミューズ
posted by ez at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月13日

Taylor McFerrin『Early Riser』

ビート・ミュージック、Hip-Hop、ソウル、エレクトロニカと融合した最新形ジャズ☆Taylor McFerrin『Early Riser』
Early Risr [帯解説・ボーナストラック収録 / デジパック仕様 / 国内盤] (BRC418)
発表年:2014年
ez的ジャンル:Brainfeeder系最新形ジャズ
気分は... :最新形ジャズには気鋭のドラマーあり!

今回は新作ジャズ・アルバムから最新形ジャズを聴かせてくれる話題作Taylor McFerrin『Early Riser』です。

Taylor McFerrinは「Don't Worry, Be Happy」の大ヒットでも知られる人気の黒人ジャズ・シンガーBobby McFerrinの子息である男性シンガー/ビートボクサー/DJ/プロデューサー/キーボード奏者/マルチプレイヤー。

2008年に1stEP『Broken Vibes EP』をリリース。2010年にはJose James『Blackmagic』、2011年にはDego『A Wha' Him Deh Pon?』といった話題作に参加し、注目されるようになります。

2011年にはLAビート・ミュージックの牽引者Flying Lotusが主宰するBrainfeederと契約し、本作のプロローグ的なEP『Place In My Heart』をリリース。その後約3年の歳月をかけて創り上げたデビュー・アルバムが本作『Early Riser』です。

Brainfeeder作品らしく、ビートミュージック、Hip-Hop、ネオソウル、エレクトロニカと融合した最新形ジャズ・サウンドを堪能できる1枚に仕上がっています。

ヴォーカリストとしても活動しているTaylorですが、本作では自らの歌は封印し、演奏、トラックメイクに専念しています。その代わり、ヴォーカル曲ではNai PalmHiatus Kaiyote)、Emily KingRyat(Christina Ryat)、実父Bobby McFerrinがヴォーカルを務めています。

それ以外にも、世界で最も注目されている先鋭ジャズ・ピアニストRobert Glasper、Brainfeederのレーベル・メイトである天才ベーシストThundercat、ブラジルの国民的歌手であった故Elis Reginaの公私のパートナーであったCesar Camargo Mariano、新進ジャズ・ドラマーMarcus Gilmore、Taylorを以前から支えるベーシストJason Fraticelliといった気鋭のミュージシャンがレコーディングに参加しています。

特にドラムのMarcus Gilmoreの貢献が大きいですね。"最新形ジャズには気鋭のドラマーあり"というのが最近の傾向ですね。

本作に合わせて、5月にはFlying LotusThundercat等のBrainfeederファミリーと共に来日公演も行いました。

Brainfeeder作品なので、必ずしも聴きやすいアルバムではありませんが、最新形ジャズにご興味がある方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Postpartum」
Taylor、Marcus Gilmore、Jason Fraticelliが創り出す圧倒的な音世界で惹きつけるオープニング。
http://www.youtube.com/watch?v=5CEocRDSXn8

「Degrees Of Light」
サウンドスケープのような美しさとアブストラクトなエッセンスが交錯するインスト。
http://www.youtube.com/watch?v=Hb_RQFpst_E

「The Antidote」
Hiatus KaiyoteのNai Palmをフィーチャー。ハイブリッドなフューチャー・サウンドが話題となったデビュー・アルバム『Tawk Tomahawk』(2013年)を当ブログでも紹介したHiatus Kaiyote。その紅一点で個性的なヴォーカルを聴かせてくれたNai Palm。ここではNai Palmのミステリアスでコケティッシュなヴォーカルを活かしたポストロック/エレクトロニカ的なサウンドを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=B9EK1YOJYis

「Florasia」
この曲はヴォーカル、演奏すべてをTaylorがこなしています。D'AngeloJ Dillaなんかが好きな人は気に入るネオソウル的な仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=07fwW1S82_0

「4 AM」
Marcus Gilmoreのドラミングを満喫する小曲。
http://www.youtube.com/watch?v=HnUYkBafXGE

「Stepps」
Taylorの鍵盤とMarcus Gilmoreのドラムが織り成すサウンドスケープ的な演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=t67_he60G_M

「Already There」
Robert Glasper(p)、Thundercat(b)をフィーチャー。さらにTaylor(syn)、Marcus Gilmore(ds)が加わった演奏は、まさに最新形ジャズ!本作のハイライト的なサウンドを堪能できます。 Gilmoreのドラムを中心に4人のプレイヤーの生み出す最新ジャズ・ビームがビンビン伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=vY-MZ0bL1Gc

「Decisions」
デビュー・アルバム『East Side Story』(2007年)がグラミーにもノミネートされていた女性シンガー・ソングライターEmily Kingをフィーチャー。彼女はJose James『No Beginning No End』(2013年)にも参加していたし、意外に最新ジャズとの接点があるアーティストですね。ここではBrainfeederらしいアブストラクトなエレクトロ・サウンドで、Emilyの哀愁ヴォーカルを支えます。
http://www.youtube.com/watch?v=MbIFP9fchIg

「Blind Esthetics」
サウンドスケープ的なインタールード。
http://www.youtube.com/watch?v=g_bRWn3aKpo

「Place In My Heart」
Brainfeederのレーベル・メイトでもある女性アーティストRyat(Christina Ryat)をフィーチャー。この曲はアルバムに先駆けてリリースされていたEP『Place In My Heart』にも収録されています。Ryatをコケティッシュなヴォーカルの魅力を活かした北欧クロスオーヴァー・ジャズ的な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=coBm1GyUp58

「Invisible/Visible」
父Bobby McFerrin(vo)とブラジル人ミュージシャンCesar Camargo Mariano(p)という大先輩ミュージシャン2人をフィーチャー。リラックスしたオーセンティックな作品になると思いきや、ミステリアスな雰囲気の最新ジャズを貫いています。
http://www.youtube.com/watch?v=hyGenYmwcTY

「Pls Dnt Lstn」
ラストはTaylor(el-p、syn)、Marcus Gilmore(ds)、Jason Fraticelli(b)によるエキサイティングな演奏で締め括ってくれます。特にGilmoreのドラムとFraticelliのベースがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=rog5N95gxK8

「My Queen」
国内盤ボーナス・トラック。Vincent Parkerのヴォーカルをフィーチャー。ディープなVincent Parkerのヴォーカルがいい感じです。

CDを購入したら、特典で『Place In My Heart』収録曲である「Awake To Youn」のCDが貰えました。
「Awake To Youn」
http://www.youtube.com/watch?v=N0t_zqHXkRU

本作の流れで本作参加のBrainfeeder所属アーティストの作品をチェックするのも楽しいのでは?

Thundercat『The Golden Age of Apocalypse』(2011年)
The Golden Age of Apocalypse [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC302)

Thundercat『Apocalypse』(2013年)
Apocalypse [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC383)

Ryat『Totem』(2012年)
Totem [解説付 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC340)
posted by ez at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月12日

Ted Coleman Band『Taking Care Of Business』

レア・グルーヴで人気!メロウ・サウンドが魅力の1枚☆Ted Coleman Band『Taking Care Of Business』
テイキング・ケア・オブ・ビジネス(紙ジャケット仕様)
発表年:1980年
ez的ジャンル:ヴァイヴ&ソフト・ヴォーカル系メロウ・グルーヴ
気分は... :あっさりショート・ヴァージョンで・・・

今回はレア・グルーヴで注目された作品、Ted Coleman Band『Taking Care Of Business』(1980年)です。

Ted Colemanはピッツバーグ出身のヴィブラフォン奏者。自身のグループTed Coleman Bandを率いてニュージャージーを拠点に活動していたようです。

そんなTed Coleman Band唯一のアルバムが本作『Taking Care Of Business』(1980年)です。

全7曲と収録曲数は少ないですが、どの曲もレア・グルーヴ/フリーソウル好きの人であればニンマリするであろう楽曲が並ぶメロウ・グルーヴ作品。多くの楽曲でTed Colema自身がヴォーカルをとっており、決して上手くはないのですがソフトなヴォーカルがメロウ・サウンドとよくマッチしています。

楽曲はすべてTed Colemanのオリジナルです。

メロウ・グルーヴ好きの人はかなりグッとくるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Can You Feel It」
70年代シティ・ミュージック的な味わいのメロウ・グルーヴ。決して上手くはないTed Colemanのソフト・ヴォーカルが逆に良かったりします。Ted Colemanのヴァイヴがメロウ・エレピのような響きで実に心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=JBhK67dfCGs

「Due Consideration」
フリーソウル好きの人が気に入りそうなメロウ・グルーヴ。聴けば聴くほどクセになる1曲です。

「If We Took The Time」
MURO氏のMixCDにも収録された人気曲。心地好いヴァイヴの音色と共に始まるメロウ・グルーヴ。線の細いTed Colemanのソフト・ヴォーカルがよくマッチします。アイランド気分になれる夏向けの仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=Uf7oUuRr-3Q

「Due Consideration Interlude」
「Due Consideration」のリプライズ。

「Sweet Bird」
サンセット・モードのインスト・チューン。Ted Colemanのヴァイヴを存分に堪能できます。

「What A Lovely Way To Spend A Lifetime」
ハワイアンAORあたりとセットで聴きたいサマー・モードのメロウ・チューン。メロウ・エレピのようなTed Colemanのヴァイヴがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=XLLtqrAQsIc

「Samba De」
タイトル通りの軽やかに疾走するメロウ・サンバ・グルーヴ。Ted Colemanのヴァイヴもメロウに弾けます。中盤のドラム、コンガのブレイクもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=x6zJQPYXVBo

ブラジルW杯は3位決定戦「ブラジル対オランダ」ですね。

オランダのモチベーションがどの程度なのかが懸念されますが、ブラジルが歴史的大敗から立ち直れるのか、ショックが尾を引いているのか注目です。
posted by ez at 13:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月11日

Marie Queenie Lyons『Soul Fever』

ファンキー・ソウル・ディーヴァ唯一のアルバム☆Marie Queenie Lyons『Soul Fever』
SOUL FEVER
発表年:1970年
ez的ジャンル:南部系ファンキー・レディ・ソウル
気分は... :台風の前の静けさ・・・

今回はUS女性ソウル・シンガーMarie Queenie Lyons唯一のアルバム『Soul Fever』(1970年)です。

レア・グルーヴ/フリーソウル方面で再評価の高まった1枚ですね。

Marie Queenie Lyonsは、(多分)南部出身の女性シンガー。

マイナー・レーベルDeLuxeに数枚のシングルと唯一のアルバムである本作『Soul Fever』(1970年)を残しています。

本作『Soul Fever』は、"これぞファンキー・レディ・ソウル"と思わせてくれるアルバムです。少しハスキーでエモーショナルなMarieのヴォーカルの圧倒的な存在感に魅了されます。

彼女はJames Brownに憧れていたようで、Lyn Collins、Vicky Anderson、Marva WhitneyといったJBお抱えのディーヴァたちに通じる魅力があるかもしれませんね。

「See And Don't See」「Your Thing Ain't Good Without My Thing」といった人気曲は勿論のこと、それ以外の楽曲もファンキー&エモーショナルな魅力に溢れています。

ジャズ・ピアニスト/オルガニストDon Pullenが参加し、楽曲提供もしています。

全曲紹介しときやす。

「See And Don't See」
本作のハイライトその1。Rose Marie McCoy作。Marieのエモーショナルなヴォーカルが圧倒的な存在感を示すミディアム・ファンク。心を剥き出しにしたヴォーカルがたまりません・・・
http://www.youtube.com/watch?v=PwcEFnwbVuo

「Daddy's House」
Hal Miller/Rose Marie McCoy作。軽やかなファンキー・ソウル。はつらつとした歌いっぷりがいいですね。イナたいファンキー・ホーンもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=41ShhM6lu4Q

「You Used Me」
Don Pullen作。ジワジワと心に染み入るソウル・バラード。いい酒の肴になりそう・・・
http://www.youtube.com/watch?v=pro-UVlYrV8

「Your Thing Ain't Good Without My Thing」
本作のハイライトその2。Don Pullen作。パーカッシヴに疾走するファンキー・ソウル。Marieのハスキーなシャウトがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=pcofLWmIdD8

「Snake In The Grass」
Don Pullen作。イナたいメロウ感とMarieの切々としたヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=tXSFgOG9e44

「Your Key Don't Fit It Anymore」
Alecia Evelyn/Henry Glover作。Marieのシャウトでグイグイと引っ張るファンキー・グルーヴ。そのパワーに圧倒されます。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=I9zIYxSK0q8

「Fever」
僕の一番のお気に入り。Eddie Cooley/John Davenport作。Peggy Leeでお馴染みの名曲。オリジナルはLittle Willie Johnです。絶妙なホーン・アンサンブルと共にMarieのハスキー・ヴォーカルがフィーバーするファンキー・グルーヴ。ブレイクもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=UO7mLw2QONM

「I Don't Want Nobody To Have It But You」
Don Pullen作。レディ・ソウルらしい魅力に溢れた1曲。Marieの迷いのない歌いっぷりの良さが実に気持ちいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=MD9dhWDggfI

「We'll Cry Together」
Helen Miller/Rose Marie McCoy作。Marieの真摯なヴォーカルが聴く者の胸を熱くするバラード。胸に込み上げてくます・・・
http://www.youtube.com/watch?v=lfxSluwclvM

「I'll Drown In My Tears」
Henry Glover作。シャウトするMarieのヴォーカルが牽引する小気味良いファンキー・ソウル。
http://www.youtube.com/watch?v=14UYpV-RYlY

「I Want My Freedom」
Don Pullen作。ゴスペル仕込みのヴォーカルでMarieが自由への渇望を高らかに歌います。
http://www.youtube.com/watch?v=Jl5FkaToclM

「Try Me」
ラストはJames Brown、1958年全米R&BチャートNo.1のヒット曲をカヴァー。Marieの憧れの存在であるJBの楽曲を愛おしく歌いアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=kPjsIOYMnOo

サッカーW杯はアルゼンチンが勝ち上がり、「ドイツ対アルゼンチン」という90年イタリアW杯決勝の再現カードとなりました。

アルゼンチンには申し訳ないですが、「ドイツ対ブラジル」の衝撃の一戦を観た後の率直な感想としては、「ドイツ対オランダ」の決勝、「ブラジル対アルゼンチン」の3位決定戦が観たかったですね。

楽しかった宴も残りわずか・・・寂しいなぁ。。。
posted by ez at 03:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月09日

Jackson Conti『Sunjinho』

人気トラックメーカーMadlibとAzymuthのドラマーIvan Contiのコラボ作☆Jackson Conti『Sunjinho』
Sujinho
発表年:2008年
ez的ジャンル:奇才トラックメーカー系ブラジリアン・フュージョン
気分は... :ブラジル、これは悪夢か・・・

サッカーW杯「ブラジル対ドイツ」が前半終了。
勝負は後半なんて思いながら、のんびりモードで見ていたら、あっという間のドイツ5得点・・・信じられない悪夢に泣き出してしまうブラジル人サポーターに同情してしまいます。

今回は奇才トラックメーカーMadlibとブラジルの人気グループAzymuthのドラマーIvan "Mamao" Contiのコラボ作品Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)です。

Madlib(本名Otis Jackson Jr.)作品の紹介はTalib Kweliとのコラボ・アルバム『Liberation』(2007年)、Blue Note音源のリミックス/リメイク集『Shades Of Blue』(2003年)、Quasimoto名義の『Yessir, Whatever』(2013年)に続き3回目となります。

また、Ivan Contiが属するブラジルの人気グループAzymuthについては、デビュー・アルバム『Azimuth』(1975年)を紹介済みです。

Jackson Contiというユニット名は2人の名前を合わせたものです。

Madlibのブラジル音楽への憧れを具現化した作品という印象です。お馴染みのブラジル名曲の数々をIvan Contiの力を借りながら、Madlibらしい解釈で再構築しています。それ程モロにHip-Hopしている曲はないので、ブラジル音楽好きの人であれば、スンナリ聴けると思います。

僕が所有するCDは上記ジャケですが、下記のジャケの盤もあるようです。

Jackson Conti『Sunjinho』 ※別ジャケット
Sujinho

全曲紹介しときやす。

「Mamaoism」
Ivan Contiのドラミングによるアルバムのプロローグ。

「Barumba」
Luiz Eca/Bebeto作。Tamba Trioのカヴァー。オリジナルは『Tempo』(1964年)に収録されています。小粋なジャズ・サンバ名曲をパーカッシヴなアフロ・サンバ調のカヴァーで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=MsTeEz6qKwU

「Anna de Amsterdam (Interlude)」
Chico Buarque作品を使った軽快なインタールード。オリジナルは『Chico Canta』(1973年)に収録されています。

「Praca da Republica」
アルバムの中でも人気の1曲なのでは?クロスオーヴァー好きの人が気に入りそうなコズミック・フュージョンです。キレの良い疾走感がグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=x1AhFX3rdKU

「Papaya」
AzymuthのベーシストAlex Malheiros(Sabrina Malheirosの父親)の作品。オリジナルはAlexのソロ・アルバム『Atlantic Forest』(1985年)に収録されています。爽快メロウ・フュージョンであったオリジナルに対して、本ヴァージョンはコズミック&アブストラクトな雰囲気が漂います。MadlibとAzymuthがうまく融合しているグッド・トラックだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=vnzGjMGaUNU

「Brasilian Sugar」
George Duke作。Flora Purimをフィーチャーしたオリジナルは『A Brazilian Love Affair』(1979年)に収録されています。ここではIvan Contiのエキサイティング・ドラムに続き、オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつMadlibらしいスパイスを効かせています。
http://www.youtube.com/watch?v=aENlN4YfYME

「Sao Paulo Nights」
本作らしいコズミック・フュージョンなサウンドを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=Oo8QHGWHvaw

「Xibaba」
Airto Moreiraの名曲。オリジナルは『Natural Feelings』(1970年)に収録されています。当ブログでは少し前にGilles Petersonのブラジリアン・オールスター・プロジェクトSonzeiraのカヴァーを紹介したばかりです。それ以外にDonald ByrdCal Tjaderのカヴァーを紹介済みです。ここでカラフルな軽快感のある「Xibaba」を楽しめます。

「Upa Neguinho」
Edu Lobo/Gianfrancesco Guarnieri作。Edu Loboの名曲をカヴァー。当ブログでは『Edu E Bethania』収録の本人のヴァージョンやElis ReginaLe Trio Camaraのカヴァーを紹介済みです。ここではシャープなドラムが主役の「Upa Neguinho」を聴くことができます。ブラジル音楽とジャズとHip-Hop的エッセンスが融合した本作らしい仕上がりなのでは?

「Casa Forte」
Edu Loboの名曲をカヴァー。当ブログではEdu Loboのオリジナル、Elis ReginaSergio Mendes & Brasil '66Isabelle AubretHeraldo Do MonteBanda Black Rioのカヴァーを紹介済みです。このミステリアスな名曲を軽快なアッパー・チューンで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Xh8Duss1R4c

「Amazon Stroll」
リズミカルで歯切れの良いトラックで一気に駆け抜けます。

「Berimbau」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作のアフロ・サンバ名曲をカヴァー。アフロ・サンバ色をより強くしたカヴァーではなく、コズミック&エレガントなカヴァーにするあたりが心憎いですね。

本曲については、当ブログでLennie DaleDiane Denoir/Eduardo MateoAgustin Pereyra LucenaSambalanco TrioNara LeaoFelicidade A BrasilGary McFarlandKenny RankinLe Trio CamaraTrio 3DWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca のカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。

「Anna de Amsterdam (Reprise)」
「Anna de Amsterdam」のリプライズ。小出しにするなら、きちんと長尺で聴きたい(笑)

「Waiting On The Corner」
Humberto Teixeira/Sivuca作。オリジナルはDom Um Romao『Spirit Of The Times (Espirito Du Tempo)』(1975年)に収録されています。個人的にはアルバムの中でもかなりお気に入りの1曲。Madlibが手掛けるブラジリアン・フュージョンらしいサウンドに仕上がっている気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=4uofs-9sVIg

「Tijuca Man」
インタ―ルード的なパーカッシヴ小曲。

「Nao Tem Nada Nao」
Marcos Valle作。オリジナルは『Previsao Do Tempo』(1973年)に収録されています。Marcos Valleのメロウ作品を、ここではよりパーカッシヴかつコズミックに聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=4wClExQ0qGM

「Sunset At Sujinho」
エンディング前の小休憩といった感じのフュージョン調小曲。

「Segura Esta Onda」
ラストは表情が次々と変わるブラジル音楽絵巻といったサウンドで楽しませてくれます。

AzymuthMadlibの過去記事もご参照下さい。

Azymuth『Azimuth』(1975年)
Azimuth

Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
Shades of Blue

Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
Liberation

Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)
Yessir Whatever
posted by ez at 05:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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