2014年07月19日

Martha Reeves & The Vandellas『Black Magic』

モータウンを代表する女性グループのラスト・アルバム☆Martha Reeves & The Vandellas『Black Magic』
ブラック・マジック
発表年:1972年
ez的ジャンル:モータウン女性R&Bグループ
気分は... :最後の輝き・・・

今回は60年代モータウンを代表する女性グループMartha Reeves & The Vandellasのラスト・アルバム『Black Magic』(1972年)です。

「(Love Is Like A) Heat Wave」「Dancing In The Street」「Jimmy Mack」等のヒットで知られるMartha Reeves & The Vandellasの紹介は、ベスト盤『Ultimate Collection』に続き2回目となります。

僕の場合、ピンク・レディーよりもキャンディーズ、TLCよりもSWVといったように1番手グループのライバル的な存在の2番手グループを好む傾向があるみたいです。性格が素直じゃないんですね(笑)

その流れで、昔からSupremesよりもVandellasという感じでしたね。

そうは言いつつも、ついついお手軽なベスト盤でヒット曲を楽しむという聴き方で、なかなかオリジナル・アルバムを聴く機会がありませんでした。

ちなみにオリジナル・アルバムとしては、『Come and Get These Memories』(1963年)、『Heat Wave』(1963年)、『Dance Party』(1965年)、『Watchout!』(1966年)、『Martha and the Vandellas Live!』(1967年)、『Ridin' High』(1968年)、『Sugar 'n' Spice』(1969年)、『Natural Resources』(1970年)、『Black Magic』(1972年)といった作品を残しています。

今日紹介する『Black Magic』(1972年)はVandellasのラスト・アルバムです。既に60年代全盛期の勢いはなく、商業的にも不発に終わり、グループ解散を方向づけてしまったアルバムですが、再評価の高い1枚です。

本作におけるVandellasのメンバーはMartha ReevesLois Reeves(Marthaの妹)、Sandra Tilleyの3名。

プロデュースはThe CorporationBerry Gordy, Jr.Alphonso MizellFreddie PerrenDeke Richards)とAshford & SimpsonNickolas Ashford & Valerie Simpson)。The Funk Brothersがバックを務めています。

Martha Reevesというシンガーの素晴らしさを実感できる1枚です。このエネルギッシュでパンチの効いたMarthaのヴォーカルがあるからこそ、僕はSupremesよりもVandellasが好きなのだと思います。あとはポップになりすぎず、あくまでR&Bグループとしてのスタンスを貫いているのもいいですね。

今日ではフリーソウル人気曲「I Want You Back」(Jackson 5のカヴァー)あたりに注目が集まりますが、僕のイチオシは「Tear It On Down」「I've Given You the Best of My Life」というMarthaのヴォーカルの素晴らしさを堪能できる2曲です。

また、「Your Love Makes It All Worthwhile」「Bless You」のような60年代最盛期を彷彿させるような楽曲も楽しいです。

Vandellas最後の輝きを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「No One There」
Johnny Bristol/Jack Goga作。大人のポップ・チューンといった感じがいいですね。Vandellasの成熟を感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=f-KPeeyax3w

「Your Love Makes It All Worthwhile」
The Corporation作。思わずハンドクラップしてしまう軽快な仕上がり。「(Love Is Like A) Heat Wave」あたりと一緒に聴きたくなります。Marthaにはこういったダンス・チューンが似合いますね。
http://www.youtube.com/watch?v=jA1tRpCtuEc

「Something」
George Harrison作のThe Beatles名曲をカヴァー。前作『Natural Resources』(1970年)に収録されていた楽曲です。この名曲を貫録のヴォーカルで完全に自分のものにしてしまうMarthaの歌力を実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=L6oZ1ABfru0

「Benjamin」
Dino Fekaris/Nick Zesses作。落ち着いた雰囲気のビューティフル・バラード。Marthaのコントロールの効いたヴォーカルが美しい。
http://www.youtube.com/watch?v=1G1vamEbm04

「Tear It On Down」
Nickolas Ashford/Valerie Simpson作。シングルにもなった楽曲です(全米R&Bチャート第37位)。元々はMarvin Gaye『I Heard It Through the Grapevine!』(1968年)に収録されていた楽曲です。本作における僕の一番のお気に入り。ファンキーなバックとMarthaのエネルギッシュなヴォーカルの組み合わせがサイコーです。決してポップになりすぎずR&Bグループとしてのスタンスを忘れないVandellas魂を感じます!
http://www.youtube.com/watch?v=wPt7BN7ZuJk

「I've Given You the Best of My Life」
Dino Fekaris/Nick Zesses/Jack Goga作。ストリングスとギターによるドラマチックなサウンドをバックに、Marthaがそれに負けないパワフル・ヴォーカルで聴く者を圧倒するバラード。Martha Reevesのヴォーカルの素晴らしさを存分に楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=tHBFkdUe1gg

「Bless You」
The Corporation作。アルバムに先駆けてシングル・カットされた楽曲(全米R&Bチャート第29位)。アルバムの中で最もキャッチーな仕上がり。60年代最盛期のような躍動感があります。
http://www.youtube.com/watch?v=wZ9dZ0p3208

「I Want You Back」
Berry Gordy, Jr./Alphonso Mizell/Freddie Perren/Deke Richards作。お馴染みJackson 5の大ヒット曲をカヴァー。フル―ソウルのコンピにも収録されている再評価の高い1曲です。Marthaのパンチの効いたヴォーカルが引き立つナイス・カヴァー。ノーザン・ソウル好きの人はグッとくるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=sj_qzoTjHao

「In and Out of My Life」
Lawrence Brown作。この曲もアルバムに先駆けてシングル・カットされた曲です(全米R&Bチャート第22位)。グループの歴史を振り返るようにMarthaが歌い上げる感動バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=5HwM7d4uONY

「Anyone Who Had a Heart」
Burt Bacharach/Hal David作。Dionne Warwick、1963年のヒット曲をカヴァー。Bacharach作品をドラマチックなアレンジをバックに、Vandellasらしいエネルギッシュなヴォーカルで堂々と歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=x4xo0dckHWY

「Hope I Don't Get My Heart Broke」
Lawrence Brown/George Gordy/Allen Story作。やっぱりSupremesよりもVandellasだよね!と思わせてくれるR&Bグループらしい歌いっぷりで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=1J3tfR3zG5E

『Ultimate Collection』(1998年)※ベスト盤
Ultimate Collection

ご興味がある方はオリジナル・アルバムもチェックを!

『Come and Get These Memories』(1963年)
Come & Get These/Heatwave

『Heat Wave』(1963年)
ヒート・ウェイヴ

『Dance Party』(1965年)
ダンス・パーティ

『Natural Resources』(1970年)
Natural Resources / Black Magic
posted by ez at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする