発表年:2001年
ez的ジャンル:紅一点系R&B/Hip-Hopトリオ
気分は... :Fugeesを連想させますが・・・
今回は男性2人女性1人のR&B/Hip-HopトリオCity Highの『City High』(2001年)です。
City Highはニュージャージー出身のR&B/Hip-Hopユニット。メンバーはRyan Toby、Robbie Pardlo、紅一点Claudette Ortizの3名。
Wyclef JeanとJerry "Wonder" Duplessisが設立したレーベルBooga Basementとの契約に成功し、彼らのバックアップでデビューしました。
グループは「What Would You Do?」(全米チャート第8位、同R&Bチャート第13位)、「Caramel (feat. Eve)」(全米チャート第18位、同R&Bチャート第9位)といったシングル・ヒットを放ち、これらが収録されたデビュー・アルバム『City High』(2001年)をリリースしています。
唯一のアルバム『City High』には、Wyclef Jean、Jerry "Wonder" Duplessisをはじめ、Andre Harris、Vidal Davis、Salaam Remi、DJ Clark Kentといった敏腕プロデューサーが名を連ねます。さらにはRyan Toby、Robbie Pardloといったメンバー自身もプロデュースを手掛けています。
Wyclef JeanとJerry "Wonder" Duplessisのバックアップ、男性2人女性1人のR&B/Hip-Hopトリオといえば、どうしてもFugeesをイメージしてしまいますよね。紅一点のClaudette OrtizにもLauryn Hillの姿が重なってしまいます。
実際聴いてみると、Fugeesのイメージとは少し異なりますが、男性2人女性1人のR&B/Hip-Hopトリオの魅力を堪能できるアルバムに仕上がっています。ラップのみで押し通すHip-Hopチューンは少なく、ヴォーカル・プロダクションを重視したR&B作品にHip-Hopのエッセンスでメリハリをつけているという印象ですね。
どうしても紅一点Claudette Ortizのキュートなヴォーカルが気になってしまいますが、男性メンバーも二人もなかなかのヴォーカルを聴かせてくれます。
こんな素敵なアルバムを届けてくれたのに、この1枚のみで活動が途絶えてしまったのは本当に残念です。
まずは、シングルになった「What Would You Do?」、「Caramel」、「City High Anthem」や「Song For You」あたりを聴けば、このグループに持つグッド・ヴァイヴを実感できるはずです。
全曲紹介しときやす。
「Didn't Ya」
Salaam Remiプロデュース。Salaam RemiによるHip-Hop調トラックとClaudetteの艶やかヴォーカルがよくマッチしたオープニング。Fugees的な展開も期待させます。
http://www.youtube.com/watch?v=et2O0HIjyq4
「Three Way」
Vidal Davisプロデュース。Vidal Davisの巧みなサウンド・プロダクションに惹かれます。さすがはA Touch of Jazz!
http://www.youtube.com/watch?v=_84QD1WL3NU
「Why」
Wyclef Jean/Jerry "Wonder" Duplessis/Robby Pardlo/Ryan Tobyプロデュース。押し寄せてくる哀愁メロディが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=coxFsbqqtgM
「Song For You」
Wyclef Jean/Jerry "Wonder" Duplessisプロデュース。Donny Hathawayでもお馴染みのLeon Russell作の名曲「A Song For You」をカヴァー。雰囲気としては、FugeesがRoberta Flack「Killing Me Softly With His Song」をカヴァーしたパターンに近いのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=yLZkqvk7CM4
「15 Will Get You 20」
DJ Clark Kentプロデュース。Hip-Hop調トラックとキャッチーなヴォーカル・プロダクションが織り成すR&B/Hip-Hopトリオらしいミッド・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=jqy1aMxDf9Y
「Cats and Dogs」
Wyclef Jean/Jerry "Wonder" Duplessisプロデュース。高速フロウで捲し立てます。
http://www.youtube.com/watch?v=BEQhKmaqlNU
「Caramel」
Jerry "Wonder" Duplessis/Ryan Toby/Jee Eye Zeeプロデュース。前述のようにEveのラップをフィーチャーしたヴァージョンが2ndシングルとしてヒットしました。このアルバム・ヴァージョンはラップ・パートなしのヴァージョンです。Claudetteのキュートな魅力を前面に打ち出したラブリー・グルーヴ。Al Green「I'm Glad You're Mine」をサンプリングし、The Roots「Silent Treatment」のリリックを引用しています。
http://www.youtube.com/watch?v=GZShbO_mST0
Eveをフィーチャーしたシングル・ヴァージョンもチェックを!
「Caramel (feat. Eve)」
http://www.youtube.com/watch?v=kwA742VJ-7c
「Best Friends」
Robby Pardlo/Gerard Avant/Walter Gilmore/Ryan Tobyプロデュース。切々と歌い上げるバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=qAOYh2Kf2hE
「Sista」
Andre Harris/Vidal Davisプロデュース。A Touch of Jazzが創り出すトラックとRyan Tobyのヴォーカル・プロダクションがうまく融合したミディアム・グループ。
http://www.youtube.com/watch?v=FJgMvI6j8WU
「What Would You Do?」
Wyclef Jean/Jerry "Wonder" Duplessis/Robby Pardlo/Ryan Tobyプロデュース。前述のように彼らのデビュー・シングルであり、Eddie Murphy、Martin Laurence主演の映画『Life』(1999年)のサントラにも収録されていました。R&B/Hip-Hopトリオらしさの出たキャッチーな仕上がり。Claudetteのキュートなヴォーカルにグッときます。Dr. Dre feat. Snoop Dogg, Nate Dogg & Kurupt「The Next Episode」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=LahcSFleKm8
「So Many Things」
Jerry "Wonder" Duplessis/Robby Pardlo/Gerard Avantプロデュース。男性メンバーの頑張りが光る美メロ・バラード。純粋に良い曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Ra-Tauc2adQ
「The Only One I Trust」
Jerry "Wonder" Duplessis/Robby Pardlo/Ryan Tobyプロデュース。哀愁が漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=AEe60iwPUKY
「City High Anthem」
Robby Pardlo/Ryan Tobyプロデュース。この曲もシングルになりました。さり気ないですが、グッド・ヴァイヴが伝わってくる僕の一番のお気に入り。プロデュース、ソングライティングも含めてユニットのトータルな実力を感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=a__M-AXgvxQ
「You Don't Know Me」
Wyclef Jean/Jerry "Wonder" Duplessis/Robby Pardlo/Ryan Tobyプロデュース。70年代ソウル/ファンクへのオマージュ的なミディアム・グルーヴ。なかなかファンキーでいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=KJB4W0SIkBo
ようやく梅雨が明けましたね。そろそろサマー・モードの作品を強化したいと思います。