2014年08月19日

Rotary Connection『Songs』

Charles Stepneyの大胆なアレンジが炸裂する4thアルバム☆Rotary Connection『Songs』
ソングス
発表年:1969年
ez的ジャンル:サイケデリック・ソウル/ポップ
気分は... :やる時には思う存分やる

今回はサイケデリック・ソウル・グループRotary Connectionの4thアルバム『Songs』(1969年)です。

Minnie Ripertonが在籍し、Charles Stepneyがプロデュース&アレンジを手掛けていたサイケデリック・ソウル・グループRotary Connectionの紹介は、1stアルバム『Rotary Connection』(1967年)に続き2回目となります。

『Songs』(1969年)は、『Rotary Connection』(1967年)、『Aladdin』(1968年)、『Peace』(1968年)に続く4thアルバムです。

本作におけるメンバーは、Sidney BarnesMinnie RipertonJohn StocklinKenny VenegasBobby SimmsJerimiahMitch AliottaCharles Stepneyがプロデュース&アレンジを手掛けています。

全曲カヴァーで占められており、CreamJimi HendrixThe Rolling StonesThe Bandといったロック系の楽曲が多く取り上げています。中でもCream『Disraeli Gears』から3曲をカヴァーしているのが印象的です。

本作でもCharles Stepneyの大胆なアレンジが炸裂した実験的なサイケデリック・ソウル/ポップを満喫できます。というか、Charles Stepneyの作り出す、やり過ぎ一歩手前のサウンドを楽しむアルバムといえるかもしれませんね。有名曲カヴァーが多いですが、中にはオリジナルがわからないようなものもあり、そのあたりもお楽しみだと思います。

真夏のホラー映画のような怖いもの見たさな1枚をお試しを!

全曲紹介しときやす。

「Respect」
Otis Redding作。Aretha Franklinの大ヒットでもお馴染みのソウル・クラシックをカヴァー。しかしながら、何の予備知識もないと「Respect」だとわからない人もいるのでは?Charles Stepneyの大胆なアレンジが冴え渡ります。真夏のホラー映画のようなゾクゾク感がありますな。Souls of Mischief「A Name I Call Myself」でサンプリングされています。
https://www.youtube.com/watch?v=2elj9jm4RU0

「The Weight」
The Bandの名曲をカヴァー(Robbie Robertson作)。オリジナルは名盤『Music From Big Pink』(1968年)に収録されています。アーシーな味わいの名曲をドラマチックかつソウルフルにカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=kqDpUOO9Mk0

「Sunshine of Your Love」
Cream『Disraeli Gears』からのカヴァー1曲目(Jack Bruce/Pete Brown/Eric Clapton作)。サイケな名曲をサイケなアレンジで別の楽曲のようにしてしまうところが凄いですね。MF Doom「Songs in the Key of Tryfe」でサンプリングされています。
https://www.youtube.com/watch?v=NNZhb85SHvo

「I've Got My Mojo Working」
シカゴ・ブルースのMuddy Watersをカヴァー。シカゴ・ブルースをサイケデリック・ロック調に変貌させてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=Iqlf6jHVnDg

「Burning of the Midnight Lamp」
Jimi Hendrixをカヴァー。オリジナルは『Electric Ladyland』に収録されています。このグループならではの摩訶不思議なコーラスと大胆なサウンドがジミヘンを侵食していきます(笑)。Jay Z「Hova Song (Intro)」、Jigmastas feat. The Buildin Bloxx & Skam「Hip Hop」のサンプリング・ソースになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NSvgdzgDxSA

「Tales of Brave Ulysses」
Cream『Disraeli Gears』からのカヴァー2曲目(Martin Sharp/Eric Clapton作)。珍しくオリジナルに近い雰囲気です(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=yPNmq-OuSpc

「This Town」
Stevie Wonderの書下ろし。ミュージカル映画の一場面のような重厚なサウンドと素晴らしい歌声が感動を呼び起こします。
https://www.youtube.com/watch?v=apPGhfruhHE

「We're Going Wrong」
Cream『Disraeli Gears』からのカヴァー3曲目(Jack Bruce作)。よりサイケな味わいを増しているのがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=EOgAaJoHtuI

「Salt of the Earth」
The Rolling Stonesをカヴァー(Mick Jagger/Keith Richards作)。オリジナルは『Beggars Banquet』に収録されています。なかなかビューティフルな「Salt of the Earth」を聴くことができます。グルーヴィーなオルガンやハープのエレガントな音色が印象的です。

Rotary Connectionの他作品もチェックを!

『Rotary Connection』(1967年)
Rotary Connection

『Aladdin/Dinner Music』(1968年、1970年) ※2in1CD
Aladdin / Dinner Music

『Songs/Hey, Love』(1969年、1971年) ※2in1CD
SONGS/HEY-LOVE
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2014年08月18日

Instant Funk『Instant Funk』

ダンス・クラシック「I Got My Mind Made Up (You Can Get It Girl)」収録☆Instant Funk『Instant Funk』
INSTANT FUNK + 5
発表年:1979年
ez的ジャンル:サルソウル系ディスコ/ファンク
気分は... :蝉の抜け殻・・・

今回はSalsoulレーベルを代表するディスコ/ファンク・グループInstant Funk『Instant Funk』(1979年)です。

Instant Funkの紹介は、ベスト盤『I Got My Mind Made Up:The Best of Instant Funk』に続き2回目となります。

最近の当ブログはオリジナル・アルバムの紹介が基本ですが、以前はベスト盤の紹介で済ませていたアーティストもいました。ディスコ/ファンク・グループInstant Funkもそんな一組です。

Instant Funkについて、近年は『Instant Funk』(1979年)、『Witch Doctor』(1979年)、『The Funk Is On』(1981年)、『Looks So Fine』(1982年)、『Instant Funk V』(1983年)、『Kinky』(1983年)といったSalsoul時代のオリジナル・アルバムが入手しやすくなっています。

そこで今回は彼らの代名詞というべきダンス・クラシック「I Got My Mind Made Up (You Can Get It Girl)」が収録された『Instant Funk』(1979年)を紹介したいと思います。

上記のジャケは再発CDのものですが、何か色合いが変ですね。オリジナルは下記のように全体が赤っぽいものです。

Instant Funk

本作『Instant Funk』は、『Get Down With the Philly Jump』(1976年)に続く2ndアルバムであり、Salsoul第1弾アルバムとなります。

本作におけるメンバーはRaymond Earl(b)、Kim Miller(g)、Scotty Miller(ds)、Dennis Richardson(key)、James Carmichael(vo)、Larry Davis(tp)、Johnny Onderlinde(sax)、Eric Huff(tb)、George Bell(g)。

さらにJimmy Sigler(org)、 Bunny Sigler(p)、Fred Bahler(syn)、Mike Ray(tp)、 Charles Williams(congas)、 Ike Perkins(back vo)、Patricia Perkins(back vo)といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。

プロデュースは他のSalsoul時代のアルバムと同じくBunny Siglerです(本作ではBundino Siggalucci名義)。

どうしても「I Got My Mind Made Up (You Can Get It Girl)」メインのアルバムになってしまいますが、「Crying」など他の楽曲も含めてInstant Funkというグループを楽しみたい1枚ですね。

ジャケの雰囲気同様に、肉食系なディスコ・ファンクを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「I Got My Mind Made Up (You Can Get It Girl)」
前述のようにInstant Funkの名を一躍有名にしたダンス・クラシック。伝説のDJ、Larry Levanがプレイしたことでも有名ですね。全米R&Bチャートで第1位に輝き、ポップチャートでもスマッシュ・ヒットを記録しました。いつ聴いても盛り上がること請け合いの問答不要のクラシックですね。
https://www.youtube.com/watch?v=a1K2Z5Y0Ur4

サンプリング・ソースとしても人気であり、De La Soul「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」、Handsome Boy Modeling School「The Projects (Pjays)」、Public Enemy「Welcome to the Terrordome」、Terminator X feat.Whodini「It All Comes Down To Money」、Whodini「If You Want It」、2Pac & Redman feat. Daz Dillinger, Kurupt & Method Man「Got My Mind Made Up」等でサンプリングされています。やはり、De La Soul「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」の印象が強いですね。

De La Soul「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」
 https://www.youtube.com/watch?v=DfxiHxJheuc

「Crying」
「I Got My Mind Made Up (You Can Get It Girl)」に次ぐ人気曲なのでは?この曲もシングル・カットされ、全米R&Bチャート第41位となっています。アッパーに疾走するファンキー・ディスコ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=WvroZQ8QktE

M1「Dynomite」でサンプリングされています。
M1「Dynomite」
 https://www.youtube.com/watch?v=I-RR4VhWlfA

「Never Let It Go Away」
メロウ・エレピと共に始まるスロウ。アッパーなディスコ・ファンクが目的のアルバムなので、あまりスロウに期待はしていないのですが、なかなかいいですね。リード・ヴォーカルのJames Carmichaelはいいヴォーカリストだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=QTEMzD9_JBk

「Don't You Wanna Party」
重くうねるベースラインにグッとくるディスコ・ファンク。メロディアスなパートも織り交ぜたパワフルかつキャッチーな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=GyrXe3Wimww

「Wide World Of Sports」
疑似ライブ風にスタート!ホーン隊が活躍するインスト・ファンクです。軽快に疾走します。
https://www.youtube.com/watch?v=x4taf6uo7L0

「Dark Vader」
Darth Vaderをモジったタイトルなのでしょうね(笑)。そんな流れでダーク&スペイシーなディスコ・ファンクに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=H9xiKuu4UUc

「You Say You Want Me To Stay」
パーカッシヴなファンキー・グルーヴ!やや単調ですが肉食系な感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6BjzeoYLB_Q

「I'll Be Doggone」
妖しげなシンセの音色が印象的なファンク・グルーヴ。哀愁のメロディをJames Carmichaelがパワフルに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=zaN4Utp1o-Q

冒頭の叫び声はDe La Soul「Let, Let Me In」でサンプリングされています。
De La Soul「Let, Let Me In」
 https://www.youtube.com/watch?v=Y_4vQ_KeDkQ

CDには「I Got My Mind Made Up (You Can Get It Girl)」等の各種ヴァージョン、リミックスが収録されています。やはりLarry Levanのミックスが聴きどころだと思います。

Salsoul時代の他アルバムもチェックを!

『Witch Doctor』(1979年)
Witch Doctor -Expanded-

『The Funk Is On』(1980年)
The Funk Is on

『Looks So Fine』(1982年)
Looks So Fine

『Instant Funk V』(1983年)
V

『Kinky』(1983年)
Kinky

『I Got My Mind Made Up:The Best of Instant Funk』(2003年)
I Got My Mind Made Up: The Best of Instant Funk
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2014年08月17日

Maxi Priest『Easy To Love』

一世を風靡したUKレゲエ・シンガーによる最新ラヴァーズ・ロック☆Maxi Priest『Easy To Love』
Easy to Love
発表年:2014年
ez的ジャンル:最新UKラヴァーズ・ロック
気分は... :ez To Love・・・

今回は90年代に一世を風靡したUKの男性レゲエ・シンガーMaxi Priestの最新作『Easy To Love』です。

1961年ロンドン生まれの男性レゲエ・シンガーMaxi Priest(本名:Max Alfred Elliott)の紹介は、『Intentions』(1986年)に続き2回目となります。

日本では織田裕二とのデュエット「Love Somebody」(1997年)を歌ってしまったせいで相当誤解されたイメージがあると思いますが、80年代後半から90年代前半はかなりイケてたUKのレゲエ・アーティストでした。

特に、Jazzie B、Nellee Hooperらを迎えて当時流行のグラウンド・ビートを大胆に取り入れたシングル「Close To You」は、UKチャートのみならずUSチャートでも大ヒット(全米チャート第1位、同R&Bチャート第2位)を記録しました。

僕がリアルタイムでMaxi Priestの作品をチェックしていたのは、『Intentions』(1986年)、『Maxi』(1988年)、『Bonafide』(1990年)、『Fe Real』(1992年)の4枚ですね。

その後、織田裕二とのデュエット「Love Somebody」(1997年)がヒットが分岐点となり、僕にとってMaxi Priestというアーティストは興味の対象外となってしまいました。

そんなMaxi Priestの最新作『Easy To Love』が、かなりいいんです!
僕もCDショップのレゲエ・コーナーで本作の存在を知り、ショップ側が超プッシュしていたので半信半疑で試聴したところ、『Intentions』(1986年)、『Maxi』(1988年)を彷彿させる極上のラヴァーズ・ロックに思わず歓喜し、即買いしました。

本作『Easy To Love』は、ジャマイカで制作され、Collin "Bulby" YorkHundel Tuckerといった昔からのMaxiの仲間や、Penthouse RecordsのオーナーDonovan Germain等をプロデューサーに迎えています。

Beres HammondDeLaRoseAssassin(Agent Sasco)といったゲストをフィーチャーし、Sly Dunbar(ds)、Robbie Shakespeare(b)、Earl "Chinna" Smith(g)、Steven "Lenky" Marsden(b、key、org)等のミュージシャンがレコーディングに参加しています。

Maxi Priestという人が、過去のアーティストではなく、第一線で活躍するバリバリの現役アーティストであることを実感できる極上のラヴァーズ作品をぜひチェックしてみてください。

全曲紹介しときやす。

「Easy To Love」
タイトル曲はCollin "Bulby" Yorkがプロデュースし、Sly & Robbieがリズム・セクションを演奏しています。Maxiが「僕とBulbyはSly & Robbie門下生」と公言しており、門下生が師匠を招いて、その成長を見せているといったところでしょうか。リラックスした雰囲気の開放的なラヴァーズですが、コーラス・パートでZapp「Computer Love」をモチーフにしているのが、Zapp/Roger好きにはたまりません。Collin "Bulby" Yorkプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=VeMlj2RQQh8

「Loving You Is Easy」
哀愁モードのトラックが印象的なラヴァーズ。甘く切ない感じがいいですね。Handel Tuckerプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=reP86myyIno

「Every Little Thing」
アルバムからの先行シングル。僕も一番のお気に入りです!ラヴァーズらしいメロウな雰囲気を堪能できます。Maxiのソウルフル&セクシーなヴォーカルもサイコー!この1曲のみでも本作は買いという気がします。Collin "Bulby" Yorkプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=9K1zWoybpSk

「If I Gave My Heart To You」
Ariwa製男性ラヴァーズの名曲John McLean「If I Gave My Heart To You」(1988年)をカヴァー。オリジナルも含めて、この名曲を再認識する意味で絶妙のセレクトなのでは?この名曲をMaxiがセクシーに歌えば、鬼に金棒です!Handel Tuckerプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=UOg7mK_5Lfo

John McLeanのオリジナルもぜひチェックを!
John McLean「If I Gave My Heart To You」
 https://www.youtube.com/watch?v=bk1wwtaG61k

「Gravity」
なんとUS人気アーティストJohn Mayerの楽曲をカヴァー。オリジナルは『Continuum』(2006年)に収録されています。オリジナルをご存知の方は、レゲエ・チューンのイメージが湧かないかもしれませんが、黄昏モードが似合いそうなロマンティックな極上ラヴァーズに仕上がっています。Collin "Bulby" Yorkプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=ph_e1lAlOa4

「Without A Woman」
ジャマイカの偉大ソウル・シンガーBeres Hammondをフィーチャー。レゲエというよりも、ソウル調の重厚な仕上がりです。Collin "Bulby" York/Rob "Tron" Wellsプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=pyn6iNdD-bY

「Holiday」
バルバドスの注目プロデュース・チームDe Red Boyzが手掛けた楽曲。元々ソカのプロデュースで知られる彼らだけあって、汎カリブ的な仕上がりになっています。少し哀愁モードのメロディが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=oEd4tg9eMOQ

「Bubble My Way」
Sly & RobbieがプロデュースしたShaggy Feat. Beres Hammond「Fight This Feeling」(2013年)のリディムを用いた楽曲。このリディムにインスパイアされたことがアルバム制作のきっかけとなったようです。Assassin(Agent Sasco)をゲストに迎え、Assassinのダミ声とMaxiのソウルフル・ヴォーカルのコントラストがいい感じです。Sting Internationalプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=5grishFeJgM

Shaggy Feat. Beres Hammond「Fight This Feeling」
 https://www.youtube.com/watch?v=v_m783XAQjo

「Your Love To Me」
白人女性シンガーDeLaRoseをフィーチャーした開放的な1曲。日本人が聴くと、音頭っぽく聴こえてしまいますが(笑)。Livingstone Brown/Maxi Priestプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=DFvyKFtlh9Q

「I Could Be The One」
美しいスティール・パンの音色が印象的なレゲエの枠を飛び越えたビューティフル・ソング。Andre Fennellプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=4ggdgrL-DN4

「Hearts Across The World」
ラストは美しいピアノとストリングスによる壮大なサウンドをバックにした感動バラードで締め括ってくれます。Collin "Bulby" York/Rob "Tron" Wellsプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=8PcPlUw1QAc

Maxi Priestの過去作品もチェックを!

『You're Safe』(1985年)
You're Safe

『Intentions』(1986年)
インテンションズ

『Maxi』(1988年)
Maxi

『Bonafide』(1990年)
Bonafide

『Fe Real』(1992年)
Fe Real

『Man with the Fun』(1996年)
Man With the Fun

『CombiNation』(1999年)
Combination

『2 the Max』(2005年)
2 ザ・マックス

『Refused』(2007年)
Refused (Special Tour Edition)

『Time of the Year』(2011年)
Time of the Year
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2014年08月16日

Stephanie Mills『Sweet Sensation』

James Mtume/Reggie Lucasプロデュース!大ヒット「Never Knew Love Like This Before」収録☆Stephanie Mills『Sweet Sensation』
スウィート・センセーション
発表年:1980年
ez的ジャンル:ブロードウェイ仕込み女性R&B
気分は... :キュートなハイ・トーン・ヴォーカル・・・

今回は女性R&BシンガーStephanie Millsが1980年にリリースした『Sweet Sensation』です。

Stephanie Millsは1957年生まれ。N.Y.クイーンズで育った彼女は10代でブロードウェイ・ミュージカルに立ち、1974年にシングル「I Knew It Was Love/The Passion And The Pain」でデビュー。

さらに『Movin' in the Right Direction』(1975年)、『For the First Time』(1975年)という2枚のアルバムをリリースしますがヒットに恵まれませんでした。その一方で、ブロードウェイ・ミュージカル『The Wiz』にドロシー役で出演し、トニー賞を受賞するなど成功を収めました。

そんな『The Wiz』の成功を引っ提げて、20th Century-Foxと契約したStephanieは、James Mtume/Reggie Lucasのプロデュースで『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』(1979年)、『Sweet Sensation』(1980年)、『Stephanie』(1981年)という3枚のアルバムをリリースし、音楽面でも成功を収めました。その後は1990年前半までコンスタントにアルバムをリリースしています。

とりあえずStephanie Millsを聴くのであれば、やはり20th Century-Fox時代の3枚がいいですね。

本作『Sweet Sensation』(1980年)は、『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』(1979年)に続く、James Mtume/Reggie Lucasプロデュースの第2弾アルバムです。

前作『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』からは「What Cha Gonna Do with My Lovin'"」が全米R&Bチャート第8位のヒットとなりましたが、本作からは「Never Knew Love Like This Before」が全米チャート第6位の大ヒット、「Sweet Sensation」が全米R&Bチャート第3位のヒットとなっています。

レコーディングには、James MtumeReggie Lucas以外にも、Tawatha Agee(vo)、Hubert Eaves III(key)、Howard King(ds)、Basil Fearington(b)、Edward Moore(g)というMtumeメンバーが参加しています。

アルバム全体としては、Mtume一派が全面バックアップしたメロウなディスコ/ダンス・アルバムといった仕上がりです。

Stephanieのキュートなハイ・トーン・ヴォーカルとJames Mtume/Reggie Lucasらが創り出すメロウなディスコ/ファンク・サウンドがよくマッチしていると思います。

Stephanieのキュートな歌声は聴く者を元気にしてくれますね。

全曲紹介しときやす。

「Sweet Sensation」
James Mtume/Reggie Lucas作。前述のようにタイトル曲は全米R&Bチャート第3位のヒットとなりました。キュートでキャッチーなディスコ・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=tlOhNqPERBI

「Try My Love」
Tawatha Agee/Hubert Eaves III作。ミュージカル仕込みの伸びやかなハイ・トーン・ヴォーカルを堪能できるメロウ・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=VvN8uyjc48E

「I Just Wanna Say」
James Mtume/Reggie Lucas作。ロマンティックなラブ・バラード。基本的に歌が巧いので聴いていて安心できます。
https://www.youtube.com/watch?v=_S4EfEHjXvI

「Wish That You Were Mine」
James Mtume/Reggie Lucas作。開放的なメロウ・ディスコ・チューン。どこまでも爽快なのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Ij173NyyUn0

「D-A-N-C-I-N'」
Howard King/Edward Moore作。ボトムの効いたグルーヴが腹に響くディスコ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=07-xSNGGkSo

「Still Mine」
James Mtume/Reggie Lucas作。素敵なスウィート・バラード。ドラマティックなサウンドに負けないStephanieのヴォーカルを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=sjg6q7c5mok

「Never Knew Love Like This Before」
James Mtume/Reggie Lucas作。前述のように、全米チャート第6位、同R&Bチャート第12位の大ヒット曲。フリーソウル・クラシックとしても人気のメロウ・ダンサーです。キュートなStephanieの歌声がキラキラしたダンサブル・サウンドが胸キュンな気分にさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LExCRKCS5SM

Common「Puppy Chow」でサンプリングされています。また、Samantha Rose、Gwen Guthrie、Sinitta、Sonya、GTS feat. Kimara Lovelace、Natalia、Viola Wills、Juliana Aquino等多くのアーティストがカヴァーしています。僕のオススメは以下の3ヴァージョン。

Samantha Rose「Never Knew Love Like This Before」
 https://www.youtube.com/watch?v=Paxo_Gmt0Cs
GTS feat. Kimara Lovelace「Never Knew Love Like This Before」
 https://www.youtube.com/watch?v=3D2XAOwdFlo
Juliana Aquino「Never Knew Love Like This Before」
 https://www.youtube.com/watch?v=Waqazh5omsI

「Mixture of Love」
J. Simmons/Joe Mills作。ラストはメロウ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=J0gMu2Ar0cU

Stephanie Millsの他作品もチェックを!

『For the First Time』(1975年)
Stephanie Mills/For The First Time

『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』(1979年)
What Cha Gonna Do With My Lovin' ~ Expanded Edition

『Stephanie』(1981年)
ステファニー

『Merciless』(1983年)
Merciless ~ Expanded Edition + Bonus Tracks [from UK]

『I've Got the Cure』(1984年)
I've Got The Cure ~ Expanded Edition [from UK]

『Stephanie Mills』(1985年)
Stephanie Mills

『If I Were Your Woman』(1987年)
If I Were Your Woman

『Home』(1989年)
Home

『Something Real』(1992年)
Something Real

『Personal Inspirations』(1994年)
Personal Inspiration

また、この時期のJames Mtume/Reggie Lucasプロデュース作品をまとめてチェックするのも楽しいのでは?

Phyllis Hyman『You Know How To Love Me』(1979年)
You Know How to Love Me

Gary Bartz『Bartz』(1980年)
BARTZ

The Spinners『Can't Shake This Feelin'』(1981年)
Can’t Shake This Feelin’

Sadane『One Way Love Affair』(1981年)
ワン・ウェイ・ラヴ・アフェア

Marc Sadane『Exciting』(1982年)
エキサイティング

Sunfire『Sunfire』(1982年)
サンファイア(+1)
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2014年08月15日

Viva Voz『Viva Voz』

キラキラ輝くブラジリアン・コーラス☆Viva Voz『Viva Voz』
ヴィヴァ・ヴォス
発表年:1979年
ez的ジャンル:ブラジリアン・コーラス
気分は... :魅惑のハーモニー・・・

今回はブラジルのコーラス・グループViva Vozの1stアルバム『Viva Voz』(1979年)です。

Viva Vozはブラジルのコーラス・グループ。1stアルバム『Viva Voz』(1979年)におけるメンバーはBia Paes LemeAry SperlingSoraya NunesBelva ReedRonaldo NascimentoLu (Luciana Medeiros) という男性2名、女性4名の6人組。当時はメンバー全員が25歳以下だったようです。

1983年にはAry SperlingSoraya NunesBelva ReedRonaldo Nascimentoの男性2名、女性2名の4人組となった2ndアルバム『Viva Voz』をリリースしています。

ブラジル人コンポーザーMauricio Tapajosに目をかけられていたようですね。デビューEP
「O Bebado E O Equilibrista/To Voltando」をMauricio Tapajosがプロデュースし、本作でもエグゼクティヴ・プロデューサーに名を連ね、4曲を楽曲提供しています。

1stアルバムとなる本作『Viva Voz』(1979年)は、彼らの若々しい歌声による素晴らしいハーモニー、コーラスワークを存分に堪能できます。

アルバムにはJoyce MorenoIvan LinsDjavanが楽曲提供と共にゲスト参加しています。

それ以外にOscar Castro Neves(g、el-p)、Ary Sperling(g)、Joao Reboucas(p)、Antonio Adolfo(p)、Luiz Avelar(p、el-p)、Wagner Tiso(p)、Ronaldo Nascimento(b)、Sizao Machado(b)、Luiz Alves(b)、Wilson das Neves(ds)、Teo Lima(ds)、Robertinho Silva(ds)等のミュージシャンがバックを務めています。

若々しい歌声で躍動する曲と、実力派コーラス・グループらしい美しいハーモニーで魅了する曲はバランスよく配されているのがいいですね。

個人的には「To Aqui Te Esperando」「Desesperar, Jamais」「Sabor Impune」あたりが好きですが、「O Trenzinho Caipira」「Tomara」あたりの美しいハーモニーにもグッときます。

ブラジルのコーラス・グループの素晴らしさを再認識させてくれるアルバムです。

全曲紹介しときやす。

「To Aqui Te Esperando」
Mauricio Tapajos/Paulo Cesar Pinheiro作。Mauricio Tapajos作品を軽やかに歌い上げます。若々しく歯切れの良いテンポがいいですね。

「O Trenzinho Caipira」
Heitor Villa-Lobos/Ferreira Gullar作。素晴らしいハーモニー/コーラスワークに魅了されます。この曲を聴けば、彼らのコーラスグループとしての実力が一発でわかると思います。

「A Voz Do Brasil」
Mauricio Tapajos/Aldir Blanc作。サンバのリズムにのって、華やかな歌声を聴かせてくれます。

「Cancao Amiga」
Milton Nascimento/Carlos Drummond de Andrade作。Miltonのオリジナルは『Clube Da Esquina 2』(1978年)に収録されています。Miltonの楽曲を美しいハーモニーでじっくり堪能できます。

「Lado Do Avesso」
Joyce Moreno/Ana Terra作。作者Joyce Morenoもギターで参加しています。少しミステリアスな雰囲気で疾走するサウンドをバックに、幻想的なハーモニーを聴かせてくれます。

「Conquistador」
Mauricio Tapajos/Paulo Cesar Pinheiro作。美しいストリングをバックに、哀愁のコーラスを聴かせてくれます。

「Desesperar, Jamais」
Ivan Lins/Vitor Martins作。Ivan Lins本人のヴァージョンは『A Noite』(1979年)に収録されています。ここではIvan Lins本人もピアノで参加しています。彼らの若々しい歌声と躍動するリズムがよくマッチしていると思います。僕の一番のお気に入りです。

「Tomara」
Novelli/Mauricio Tapajos/Paulo Cesar Pinheiro作。サウダージな雰囲気の少し憂いを帯びた美しいハーモニーを聴かせてくれます。

「Sabor Impune」
Djavan作。Djavan本人がギターで参加。爽快なコーラスワークでDjavan作品を歌い上げます。聴いていて実に心地好いですね。

「Tarja Cravada」
Sergio Ricardo作。ギターに寄り添うようなコーラスワークがピュアな雰囲気でいいですね。心が浄化されます。

「Bela Bela」
Milton Nascimento/Ferreira Gullar作。Milton自身のヴァージョンは『Cacador De Mim』(1981年)に収録されています。美しい前半から一転して激しくなる後半へのドラマティックな展開がいいですね。

4人組となった2nd『Viva Voz』(1983年)も聴いてみたいです。
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