2014年08月14日

Jukka Eskola『Walkover』

FCQのトランペット奏者のソロ第3作☆Jukka Eskola『Walkover』
WALKOVER
発表年:2009年
ez的ジャンル:北欧ジャズ
気分は... :真夏の夜の北欧ジャズ・・・

フィンランドの人気ジャズ・ユニットThe Five Corners Quintet(FCQ)の活動でも知られるトランペット奏者であるJukka Eskolaのソロ・アルバム『Walkover』(2009年)です。

Jukka Eskolaの紹介は、『Jukka Eskola』(2005年)、Jukka Eskola Orquesta Bossa『Jukka Eskola Orquesta Bossa』(2013年)に続き3回目となります。

僕の場合、現在活動休止中のThe Five Corners Quintet(FCQ)本体の作品を聴くよりも、Jukka EskolaTimo Lassy Teppo Makynen(Teddy Rokといったメンバーのソロ作品を聴く機会の方が多いかもしれません。

当ブログでもJukka EskolaTeppo Makynen(Teddy Rokのソロ作品は紹介しているのに、FCQは一度も取り上げておらず・・・といった状態です。FCQも好きなんですよ・・・

さて、本作『Walkover』(2009年)は、『Jukka Eskola』(2005年)、『Hub Up』(2006年)に続く、彼のソロ第3作となります。

前作『Hub Up』(2006年)は、彼がリスペクトするFreddie Hubbardのカヴァー集でしたが、本作は1st『Jukka Eskola』(2005年)に近い、70年代クロスオーヴァー的な音を楽しめます。

Jukka EskolaTeppo Makynen(Teddy Rokがプロデュースし、レコーディングには、Jukka Eskola(tp、flh)、Timo Lassy (sax、fl)、Jukkis Uotila(el-p)、Antti Lotjonen(b)、Teppo Makynen(Teddy Rok)(ds、per)、Timo Hirvonen(el-b)、Jussi Kannaste(ts)、Pope Puolitaival(fl)、Mikko Mustonen(tb)、Mikko Mustonen(violin)、Maija Linkola(violin)、Mikaela Palmu(violin)、Riikka Lampinen(cello)といったミュージシャンが参加しています。

全体的には70年代ジャズ/クロスオーヴァーのエッセンスを北欧ジャズらしいセンスでまとめ上げた1枚という印象ですね。ストリングスの織り交ぜ方など実に計算されている感じがします。また、決して小難しくなく、聴きやすく、心地好く、格好良いのがいいですね。

僕が保有するのは国内盤であり、ジャケも上記のものですが、輸入盤はジャケが異なるのでご注意を!

Jukka Eskola『Walkover』 ※輸入盤
Walkover

真夏の夜の北欧ジャズ・・・

全曲紹介しときやす。

「First Time」
アルバムのイントロダクション。弦を交えた幻想的な雰囲気をTeppo Makynenのドラムが打ち破るように突き進みます。

「Jova」
クールに疾走するブラジリアン・ジャズ。JukkaのフリューゲルホーンとJukkis Uotilaのローズが心地好いですね。ストリングスも交えたメリハリのつけかたもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=uxT7Coo09Uw

「Chip 'n' Charge」
アフロ・ラテン調の仕上がり。Antti Lotjonenのベースに先導され、Jukkaのプレイも緩急自在のです。
https://www.youtube.com/watch?v=QA25gRvJiA8

「El Aedaps」
僕の一番のお気に入り。幻想的なローズの音色と共にスタートするクールでダンディな演奏が僕好みです。控えめなブラジリアン・リズムがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Zp-J9jSx0b0

「Half Time」
まさにハーフタイム的なモーダル・チューン。ちょっとマッタリ一休み・・・

「Cadets」
Teppo Makynenの叩き出すソリッドなリズムが演奏を支配します。ストリングスも含め計算された音創りがいいですね。

「Teddy's Stretch」
70年代ジャズ/クロスオーヴァーな雰囲気がいいですね。ここでもストリングスの使い方が絶妙です。

「Dark Corner」
格好良いホーン・アンサンブルと共にブラジリアン・モードで疾走します。ブラジリアン・ジャズ好きの方はコレが一番グッとくるかもしれませんね。

「Double Time」
ラストはハイスピードで一気に駆け抜け、その余韻を残してアルバムは幕を閉じます。

国内盤には「El Aedaps」の別ヴァージョン「El Aedaps (Beni Mellal Version)」がボーナス・トラックとして追加収録されています。エスニック雰囲気がなかなかいいです。

未聴の方は他のJukka Eskola作品やFCQ作品もチェックしてみて下さい。

『Jukka Eskola』(2005年)
Jukka Eskola

『Hub Up』(2006年)
HUB UP

Jussi Lampela Nonet Featuring Jukka Eskola『Lampela X Eskola』(2010年)
ランペラ・エツクス・エスコラ

Jukka Eskola Orquesta Bossa『Jukka Eskola Orquesta Bossa』(2013年)
JUKKA ESKOLA ORQUESTRA BOSSA

The Five Corners Quintet『Chasin' the Jazz Gone By』(2005年)
チェイシン・ザ・ジャズ・ゴーン・バイ

The Five Corners Quintet『Hot Corner』(2008年)
HOT CORNER

The Five Corners Quintet『Helsinki Sessions』(2011年)
Helsinki Sessions
posted by ez at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月13日

Classic Example『Classic Example』

"クラシック"を冠したグループ名に偽りなし!☆Classic Example『Classic Example』
CLASSIC EXAMPLE
発表年:1992年
ez的ジャンル:実力派男性R&Bグループ
気分は... :"クラシック"のグループ名に偽りなし!

今回は若手男性R&BグループClassic Exampleのアルバム『Classic Example』(1992年)です。

Classic Exampleは、Darin CampbellGerald Alston(元Manhattansのアノ有名シンガーと同姓同名ですが別人です)、Jami ThomsonMarvin HarrisRobert Roseという5人組の男性R&Bグループ。

映画『South Central』(1992年)のサントラに収録されたメロウNJS「It's Alright」でデビューします。

「It's Alright」
https://www.youtube.com/watch?v=SWU9d73WwgI

そして、「It's Alright」に続きリリースされたのが、グループ唯一のアルバム『Classic Example』(1992年)です。

彼ら"キッズ・グループ"と形容しているサイトも多く見かけますが、歌と音を聴けばそのような形容が相応しくない、実力派の若手男性R&Bグループであることがわかると思います。

アルバムはCon Funk ShunNew Edition、New Kids on the Block等のプロデュースで知られるMaurice Starrをメイン・プロデューサーに据えています。

それ以外にもMaurice Starrと同じJonzun CrewのメンバーであったGordon WorthySurfaceのメンバーDavid ConleyModerniqueでの活動でも知られるLarry Woo WedgeworthThe Isley Brothersの弟分グループSunrizeのメンバーであったEverett Collins等の興味深いプロデューサー陣が起用されています。

NJSの流れで紹介されることが多いグループですが、アルバムの魅力はDarin Campbellの素晴らしいリード・ヴォーカルと美しいハーモニーによるバラード系の充実です。

実力派の男性R&Bグループらしい珠玉のバラードに聴き入りましょう。

全曲紹介しときやす。

「Don't Make Me Wait」
ラップ・パートも織り交ぜたダンサブルなオープニング。甘く危険な香りが漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=vWAYmf4ac6k

「I Do Care」
アルバムから唯一シングル・カットされた楽曲。グループの魅力が伝わってくるオーセンティックなスロウ。Darin Campbellの素晴らしい歌声とコーラスワークを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=-dtKQboVWbA

「Never Gonna Give You Up」
Bobby Brown「Every Little Step」をお手本にしたNJSチューンって感じですね。NJS好きの人は思わず体を揺らしてしまうのでは
https://www.youtube.com/watch?v=CKGfu9FZmH4

「Where Do I Run To」
当ブログでも紹介したCherrelle『High Priority』(1985年)に収録されていた名バラードをカヴァー。このドラマティック・バラードをDarin Campbellがファルセットを交えた熱唱で歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=4HC0ExWeeyI

「Toast To Our Love」
美しいハーモニーと真摯なDarin Campbellのリードに魅了されるラブ・バラード。個人的にはアルバムで一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=XLxIQ27f6yw

「Stay With Me Tonite」
ダンサブルな仕上がりですが、このあたりは今聴くとサウンドが少し古いかも?
https://www.youtube.com/watch?v=-vnfvAx3Wwc

「Lift Every Voice And Sing」
ア・カペラで素晴らしいコーラスワークを聴かせてくれます。

「The Other Side Of My Bed」
David Conley(Surface)とEverett Collins(元Sunrize)がプロデュース。Surfaceヴァージョンはアルバム『Love Zone』に収録されています。ここでは女性R&BグループLady Soulも加わったセクシーR&Bグルーヴに仕上がっています。

「Can You Find A Place In Your Heart」
前曲に続きLady Soulが参加。Darin CampbellとLady SoulのMargo Thunderのデュエットになっています。素晴らしい男女ヴォーカルを堪能できる感動的なバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=73yW1-uc-F4

「Treat Her Like A Lady」
Temptationsの楽曲とは同名異曲です。若手男性R&Bグループさしい清々しさが伝わってくるダンサブルなメロウR&Bです。

「All Your Love」
このグループの早熟ぶりが伝わってくる素晴らしいバラード。この熱唱を聴いただけでアルバム買ってよかった!と思うはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=IB1x_KENSgA

「You Need Love」
なかなかキャッチーなNJS。ダンサブルなアップものではコレが一番好き!
https://www.youtube.com/watch?v=0b3jhIzHDC8

「She Ain't Right」
ビートボックスを交えた彼らのヴォーカル・ワークを存分に堪能できます。

「Dear Lisa」
ラストは感動的なラブ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=EmGtnJESU70

僕が保有するのは輸入盤ですが、国内盤には「It's Alright」 が収録されています。
posted by ez at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月12日

Brownsmith『Brownsmith』

AOR好きの人からも評価が高い爽快アコースティック・メロウ☆Brownsmith『Brownsmith』
Brownsmith
発表年:1975年
ez的ジャンル:爽快アコースティック・メロウ
気分は... :メロウ・サウンドで心を落ち着かせて・・・

昨日はトラブル処理で1日丸々潰す羽目に・・・
イライラが募りそうでしたが、焦っても仕方がないので、ハワイアンAORやアコースティック・メロウを聴きながら心を落ち着かせて、何とか事態を収拾させました。

そんな流れで、今回は夏にぴったりな爽快アコースティック・メロウ作品、Brownsmith『Brownsmith』(1975年)です。AOR好きの人からも評価が高い1枚ですね。

Brownsmithは、Don BrownGarret Smithによる男性デュオ。Don Brownはソロ・アルバム『I Can't Say No』(1977年)も発表しているシンガー・ソングライターであり、本作も1曲を除き彼のペンによるものです(共作含む)。

アルバム全体としては、爽快ハーモニーのアコースティック・メロウ作品という印象ですが、曲によってはジャズ/フュージョン風の展開のものもあり、意外にバラエティに富んだ構成で楽しませてくれます。

「Circus Ride」「Forever」「Summer Afternoon」あたりが人気だと思いますが、「Lightning Lady」「Sunrise To Sunset」あたりの雰囲気も僕好みです。

お盆をマッタリと過ごしたい方にはぴったりの1枚では?

全曲紹介しときやす。

「Lightning Lady」
Don Brown作。メロウ・エレピとアコギをバックに、ソフトリーなヴォーカル&ハーモニーが実に心地好いメロウ・バラード。夏の海辺でマッタリと過ごしているような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=SSYO7eRcteU

「Circus Ride」
Don Brown作。本作のハイライト曲。微風のようなヴォーカル&ハーモニーとキャッチーなメロディがたまらない爽快メロウ・チューン。晴れた日の朝はこんな曲で目覚めたいですね。ハワイアンAORやThe Fifth Avenue Bandあたりと一緒に聴きたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=SkY6TOS-k_s

「Friends Of Mine」
Don Brown作。オールド・タイミーな雰囲気も漂う小粋なアコースティック・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=q_prQbhz0g8

「Yukon Lady」
Don Brown作。SSW好きの人はグッとくるであろうフォーキー・メロウ。緩急をつけながら疾走していく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=A7_4CyvYxwI

「July Moon」
Don Brown作。鳥の囀りと共に始まる哀愁メロウ。都会的なエレピとサックスの織り交ぜ方が絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=amVflUm5aSY

「Forever」
Don Brown/Boeing/Hayward/Thompson作。「Circus Ride」と並ぶ本作のハイライトかもしれませんね。Don Brownと女性シンガーShannon Rubicamとのデュエットで優しく包み込んでくれます。心安らぐラブソングといった雰囲気が実にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=scA1TQa8AnQ

「Only Love」
Bill Quateman作。作者Bill Quatemanは70年代に4枚のソロ・アルバムをリリースしている男性シンガー・ソングライター。本曲はBillの1stソロ『Bill Quateman』(1973年)に収録されていた楽曲のカヴァーです。情熱的なヴォーカルとドラマティックなアレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=-2wIK5duCLw

「Sunrise To Sunset」
Don Brown作。まさに夏の海辺のアコースティック・メロウって感じですね。一人佇みながら聴きたい気分の曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=LBsAUE_SowM

「Gold And Mellow」
Don Brown作。爽快ハーモニーと共に始まるメロウ・チューンですが、徐々にテンションが上がり、気づけばブラジリアン・フュージョンのような展開に・・・
https://www.youtube.com/watch?v=cKzc7MlVowM

「Summer Afternoon」
Don Brown作。ラストも夏にぴったりのアコースティック・メロウで締め括ってくれます。子供達のコーラスもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=nIv__9txW6w

昨日の遅れを今日取り戻さねば・・・・
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月10日

Timmy Regisford『Umoya』

N.Y.レジェンドDJによるアフロ・ディープ・ハウス☆Timmy Regisford『Umoya』
Umoya
発表年:2014年
ez的ジャンル:N.Y.レジェンドDJ系アフロ・ディープ・ハウス
気分は... :どこまでもディープに・・・

今回はN.Y.ハウスのレジェンドDJ、Timmy Regisfordの最新作『Umoya』です。

Timmy Regisfordはトリニダード・トバゴ生まれのハウスDJ。ジャマイカで育ち、11才のときにN.Y.へ移住してきたようです。

1991年より、伝説のパーティーThe Shelterを主宰し、その名をシーンに轟かせます。Fela Kutiの楽曲を積極的にプレイし、クラブミュージックの世界にアフロを浸透させ、アフロ・ハウスの隆盛にも貢献しました。

2007年の『Africa Calling』を皮切りに、『Places and Spaces in Time』(2008年)、『Sun Over Water』(2009年)、『At The Club』(2010年)、『Fela In The House Of Shelter』(2011年)、『Covers』(2012年)と自身名義の作品をリリースしています。

最新作『Umoya』は、南アフリカ出身のアーティストSouljay Musiqをパートナーに迎え、アフロ・ディープ・ハウス全開の1枚に仕上がっています。実際はTimmy RegisfordとSouljay Musiqの共演アルバムと呼んだ方が適切なのかもしれません。

内容は、とにかくディープなアフロ・ハウス作品がズラリと並びます。Fela Kutiの影響を感じる部分も多く、アフロビート好きの方も楽しめるハウス作品だと思います。90年代ハウス好きの人も結構楽しめるのでは?

詳細はわかりませんが、Souljay Musiqの貢献もかなり大きいのではないかと思います。僕は認識不足でしたが、南アフリカはディープ・ハウス・シーンで注目のエリアなんですね。今後は注視したいと思います。

N.Y.ハウスのレジェンドは今もトップランナーとして走り続ける!

全曲紹介しときやす。

「Ingoma」
呪術的なヴォーカルと共に疾走するアフロ・ハウス。妖しげなオルガンの響きがたまりません。

「I Fell In Love」
パーカッシヴなリズムとソウルフルな女性ヴォーカルが印象的な王道アフロ・ディープ・ハウス。妖しくスペイシーなシンセがいいアクセントになっています。

「Bathi Ndiyabanda」
Fela Kutiの楽曲をリミックスしたかのようなアフロビート・ハウス!

「Fly」
Souljay Musiqの貢献が大きいのかもしれませんが、アフリカ人アーティストによるアフロ・ハウスって雰囲気を感じられるアッパー・チューンです。

「Jungle Man」
土着的なパーカッシヴ・リズムに覚醒的なオルガン・サウンドが絡むフロアライクなアフロ・ディープ・ハウス。このディープ感覚、さすがはThe Shelter!

「Catch Me」
女性ヴォーカルをフィーチャーし、妖しげに疾走するディープ・ハウス。覚醒感のあるリズムがやみつきになります。

「Play」
アンダーグラウンドな雰囲気がたまらないディープ・ハウス。徐々にパーカッションやシンセの音色が重なっていく様がいいですね。

「I Wanna Know」
へヴィなアフロ・リズムがずっしり腹に響くディープ・ハウス。妖しげなアッパー感が身も心も覚醒させます。

「Thinking About You」
ラストも覚醒するリズムと妖しげな女性ヴォーカルとアッパーに駆け抜けます。

Timmy Regisfordの他作品やミックス作品もチェックを!

『Places and Spaces in Time』(2008年)
PLACES AND SPACES IN TIME

『Sun Over Water』(2009年)
Sun Over Water

『At The Club』(2010年)
At the Club

『Fela In The House Of Shelter』(2011年)
FELA IN THE HOUSE OF SHELTER

『Covers』(2012年)
Covers

『The Legacy Of Shelter』(2000年)
The legacy of shelter (Mix By Timmy Regisford)

『One Night At Shelter NYC』(2002年)
One Night at Shelter NYC

『NYC True Classics - Mixed By Timmy Regisford 』(2004年)
N.Y.C TRUE CLASSICS MIXED BY TIMMY REGISFORD

『Heartbeat Presents: Air (Daikanyama-Tokyo)』(2011年)
Heartbeat Presents Mixed By Timmy Regisford(The Shelter/NYC)×AIR(DAIKANYAMA/TOKYO)
posted by ez at 01:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月09日

Jon Hendricks『Salud! Joao Gilberto, Originator Of The Bossa Nova』

実力派男性ジャズ・ヴォーカリストによるボサノヴァ作品☆Jon Hendricks『Salud! Joao Gilberto, Originator Of The Bossa Nova』
Salud! Joao Gilberto
録音年:1963年
ez的ジャンル:男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :横浜でリフレッシュ!

台風のせいでモヤモヤする週末ですね。

といいつつ、昼は横浜のランドマークタワー68階で会食してきました。曇っていたものの横浜の街を一望しながらの食事は気分が良かったですね。やはり横浜に戻ると、気分が落ち着きますね。

今回は、革新的なヴォーカル・スタイルで50年代後半から活躍する男性ジャズ・ヴォーカリストJon Hendricksが1963年にリリースしたボサノヴァ作品『Salud! Joao Gilberto, Originator Of The Bossa Nova』(1963年)です。

Dave LambertAnnie Rossと組んだジャズ・コーラス・グループLambert, Hendricks & Ross(LH&R)の活動でも知られるJon Hendricksの紹介は、『Tell Me The Truth』(1975年)に続き2回目となります。

本作『Salud! Joao Gilberto, Originator Of The Bossa Nova』(1963年)は、タイトルのようにJoao Gilbertoに捧げたボサノヴァ・アルバムです。楽曲はJoao Gilbertoのレパートリーから選んだものです。

当時のアメリカはボサノヴァ・ブームであり、そうした流行にのって制作されたであろう1枚ですが、すべて英語で歌われており、バックのピアノ・トリオもHendricksのバンドのレギュラー・メンバーであるため、あくまでジャズ・ヴォーカリストのボサノヴァ/ジャズ・サンバ作品に仕上がっています。

本作におけるHendricksのヴォーカルは、囁くようなJoao Gilbertoのヴォーカルをかなり意識していますが、憂いを帯びたヴォーカルから、リラックスした快活なヴォーカル、楽器を模したスキャットなど彼の変幻自在のヴォーカルを楽しめます。

お馴染みのボサノヴァ名曲をHendricksがどう歌うのか、楽しんでください。

全曲紹介しときやす。

「The Duck (O Pato)」
Jayme Silva/Neuza Teixeira作。アヒルの声真似も出てくる楽しげなオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=G41e7W_3U_w

「Quiet Nights of Quiet Stars (Corcovado)」
Antonio Carlos Jobim作。Jobimの名曲「Corcovado」をしっりとムーディーな雰囲気で聴かせてくれます。

「Corcovado」について、当ブログではこれまでJoanie SommersCannonball AdderleyWanda Sa(Wanda De Sah)Mario Castro-Neves & Samba S.A.Diane Denoir/Eduardo MateoEarl OkinDardanellesCassandra WilsonO Quartetoのヴァージョンを紹介済みです。

「You and I (Voce E Eu)」
Carlos Lyra/Vinicius de Moraes作の名曲カヴァー。実にロマンティックなボッサ・チューンに仕上がっています。後半のギターを真似たスキャットもHendricksらしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=xrDNwqOGX80

「Voce E Eu」について、当ブログではNara LeaoRoberto MenescalPaul Winter With Carlos LyraAdam DunningJoyceChristiane Legrandのヴァージョンを紹介済みです。

「Love in Peace (O Amor Em Paz)」
Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作。当ブログではWanda Sa(Wanda De Sah)Trio 3Dのカヴァーを紹介済みです。Jobim作の「O Amor Em Paz」をサウダージ気分になる憂いのある歌声でしっとりと歌い上げます。

「Little Paper Ball (Bolinha de Papel)」
Geraldo Pereira作。本作のwikiにおける記述が誤っているせいか、作者がGeraldo Pereiraではなく、アルゼンチン人ギタリストAgustin Pereyra Lucenaになっているサイトが結構ありますが、誤りですね。ここでは軽快なジャズ・サンバをバックに、軽やかな歌声を聴かせてくれます。

「Longing for Bahia」
Dorival Caymmi作。しみじみとするボッサ・チューンを味わい深いヴォーカルでムーディーに歌い上げます。

「Little Train of Iron (Trem de Ferro)」
Lauro Maia作。汽車を模した伴奏に合わせて、愛する人を残して旅立つ心を歌い上げます。

「No More Blues (Chega de Saudade)」
Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作のボサノヴァ名曲。当ブログではTania MariaDaniela Basso/Ernesto Salgueiroのカヴァーも紹介済みです。Hendricksの哀愁ヴォーカルがよくマッチしたボッサ・チューンに仕上がっています。

「Rosa Moreno」
Dorival Caymmi作。ムーディーという点ではアルバムで一番かも?Hendricksのヴォーカルもどこまでもスウィート!

「The Most Beautiful Thing (Coisa Mais Linda)」
Carlos Lyra/ Vinicus De Moraes作。当ブログではPaul Winter With Carlos LyraBossa Tresのヴァージョンも紹介済みです。Jobimのストリングス・アレンジが冴えるロマンティックなボッサ・チューン。

「Samba of My Land (Samba da Minha Terra)」
Dorival Caymmi作。当ブログではRosinha De ValencaSebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriquesのカヴァーを紹介済みです。サンバのリズムとHendricksの味のあるヴォーカルがよくマッチしています。終盤のギターを模したスキャットもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=qSFBBUpLxYk

「Once Again (Outra Vez)」
Antonio Carlos Jobim作。当ブログではElis ReginaNara Leaoのカヴァーを紹介済みです。疾走するボッサ・チューンは、「Jive Samba」と並ぶ僕の一番のお気に入りです。Hendricksの憂いを帯びたヴォーカルもグッド!

「Jive Samba」
Nat Adderley作。Cannonball Adderleyの演奏もでお馴染みの曲。当ブログではBrother Jack McDuffGaetano Partipiloのカヴァーも紹介済みです。Gaetano Partipiloヴァージョンは、本ヴァージョンを意識したものになっていました。ラストは少しジャズ・ロック風のサンバ・チューンで格好良く締め括ってくれます。ジャズ・ヴォーカリストらしいサンバ・チューンに仕上がっていると思います。僕の一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=gIVZXvmsA08

Lambert, Hendricks & Ross『The Hottest New Group In Jazz』(1959年)
Hottest New Group in Jazz

Jon Hendricks『Cloudburst』(1972年)
Cloudburst

Jon Hendricks『Tell Me The Truth』(1975年)
テル・ミー・ザ・トゥルース
posted by ez at 15:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。