発表年:1980年
ez的ジャンル:ブロードウェイ仕込み女性R&B
気分は... :キュートなハイ・トーン・ヴォーカル・・・
今回は女性R&BシンガーStephanie Millsが1980年にリリースした『Sweet Sensation』です。
Stephanie Millsは1957年生まれ。N.Y.クイーンズで育った彼女は10代でブロードウェイ・ミュージカルに立ち、1974年にシングル「I Knew It Was Love/The Passion And The Pain」でデビュー。
さらに『Movin' in the Right Direction』(1975年)、『For the First Time』(1975年)という2枚のアルバムをリリースしますがヒットに恵まれませんでした。その一方で、ブロードウェイ・ミュージカル『The Wiz』にドロシー役で出演し、トニー賞を受賞するなど成功を収めました。
そんな『The Wiz』の成功を引っ提げて、20th Century-Foxと契約したStephanieは、James Mtume/Reggie Lucasのプロデュースで『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』(1979年)、『Sweet Sensation』(1980年)、『Stephanie』(1981年)という3枚のアルバムをリリースし、音楽面でも成功を収めました。その後は1990年前半までコンスタントにアルバムをリリースしています。
とりあえずStephanie Millsを聴くのであれば、やはり20th Century-Fox時代の3枚がいいですね。
本作『Sweet Sensation』(1980年)は、『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』(1979年)に続く、James Mtume/Reggie Lucasプロデュースの第2弾アルバムです。
前作『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』からは「What Cha Gonna Do with My Lovin'"」が全米R&Bチャート第8位のヒットとなりましたが、本作からは「Never Knew Love Like This Before」が全米チャート第6位の大ヒット、「Sweet Sensation」が全米R&Bチャート第3位のヒットとなっています。
レコーディングには、James Mtume、Reggie Lucas以外にも、Tawatha Agee(vo)、Hubert Eaves III(key)、Howard King(ds)、Basil Fearington(b)、Edward Moore(g)というMtumeメンバーが参加しています。
アルバム全体としては、Mtume一派が全面バックアップしたメロウなディスコ/ダンス・アルバムといった仕上がりです。
Stephanieのキュートなハイ・トーン・ヴォーカルとJames Mtume/Reggie Lucasらが創り出すメロウなディスコ/ファンク・サウンドがよくマッチしていると思います。
Stephanieのキュートな歌声は聴く者を元気にしてくれますね。
全曲紹介しときやす。
「Sweet Sensation」
James Mtume/Reggie Lucas作。前述のようにタイトル曲は全米R&Bチャート第3位のヒットとなりました。キュートでキャッチーなディスコ・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=tlOhNqPERBI
「Try My Love」
Tawatha Agee/Hubert Eaves III作。ミュージカル仕込みの伸びやかなハイ・トーン・ヴォーカルを堪能できるメロウ・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=VvN8uyjc48E
「I Just Wanna Say」
James Mtume/Reggie Lucas作。ロマンティックなラブ・バラード。基本的に歌が巧いので聴いていて安心できます。
https://www.youtube.com/watch?v=_S4EfEHjXvI
「Wish That You Were Mine」
James Mtume/Reggie Lucas作。開放的なメロウ・ディスコ・チューン。どこまでも爽快なのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Ij173NyyUn0
「D-A-N-C-I-N'」
Howard King/Edward Moore作。ボトムの効いたグルーヴが腹に響くディスコ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=07-xSNGGkSo
「Still Mine」
James Mtume/Reggie Lucas作。素敵なスウィート・バラード。ドラマティックなサウンドに負けないStephanieのヴォーカルを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=sjg6q7c5mok
「Never Knew Love Like This Before」
James Mtume/Reggie Lucas作。前述のように、全米チャート第6位、同R&Bチャート第12位の大ヒット曲。フリーソウル・クラシックとしても人気のメロウ・ダンサーです。キュートなStephanieの歌声がキラキラしたダンサブル・サウンドが胸キュンな気分にさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LExCRKCS5SM
Common「Puppy Chow」でサンプリングされています。また、Samantha Rose、Gwen Guthrie、Sinitta、Sonya、GTS feat. Kimara Lovelace、Natalia、Viola Wills、Juliana Aquino等多くのアーティストがカヴァーしています。僕のオススメは以下の3ヴァージョン。
Samantha Rose「Never Knew Love Like This Before」
https://www.youtube.com/watch?v=Paxo_Gmt0Cs
GTS feat. Kimara Lovelace「Never Knew Love Like This Before」
https://www.youtube.com/watch?v=3D2XAOwdFlo
Juliana Aquino「Never Knew Love Like This Before」
https://www.youtube.com/watch?v=Waqazh5omsI
「Mixture of Love」
J. Simmons/Joe Mills作。ラストはメロウ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=J0gMu2Ar0cU
Stephanie Millsの他作品もチェックを!
『For the First Time』(1975年)
『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』(1979年)
『Stephanie』(1981年)
『Merciless』(1983年)
『I've Got the Cure』(1984年)
『Stephanie Mills』(1985年)
『If I Were Your Woman』(1987年)
『Home』(1989年)
『Something Real』(1992年)
『Personal Inspirations』(1994年)
また、この時期のJames Mtume/Reggie Lucasプロデュース作品をまとめてチェックするのも楽しいのでは?
Phyllis Hyman『You Know How To Love Me』(1979年)
Gary Bartz『Bartz』(1980年)
The Spinners『Can't Shake This Feelin'』(1981年)
Sadane『One Way Love Affair』(1981年)
Marc Sadane『Exciting』(1982年)
Sunfire『Sunfire』(1982年)