発表年:1978年
ez的ジャンル:MPB第二世代男性シンガー・ソングライター
気分は... :ハノイの街角で・・・
今回はブラジル人の世界的シンガー・ソングライターDjavanの2ndアルバム『Djavan』(1978年)です。
僕の保有するCDおよび上記ジャケのAmazonへのリンクは、3rdアルバム『Alumbramento』(1980年)との2 in 1CDです。
Djavanは1947年ブラジル北東部アラゴアス州マセイオ生まれ。
1975年にサンパウロで開催された音楽フェスティバルで彼の楽曲「Fato Consumado」が入賞したことがきっかけでレコード会社との契約に成功し、1976年にSom Livreから1stアルバム『A Voz, O Violao, A Musica de Djavan』をリリースします。
1978年にEMIからリリースした2ndアルバム『Djavan』(1978年)の収録曲「Alibi」をMaria Bethaniaが取り上げたことでDjavanへの注目が高まりました。Maria Bethaniaヴァージョンは当ブログでも紹介した『Alibi』(1978年)に収録されています。
1982年にはCBSと契約し、アメリカ進出作品『Luz』をリリースします。Ronnie Fosterがプロデュースし、Stevie Wonder、)、Hubert Laws、Jorge Dalto、Harvey Mason等が参加した同作で、Djavanの名はブラジルに止まらず、世界中の音楽ファンに知られるようになりました。
その後もコンスタントに作品をリリースし、世界的シンガー・ソングライターとして活躍しています。
何故か当ブログで紹介する機会を逸していた大物アーティストDjavan。ようやく紹介できて安堵しています。
僕がDjavanの名を知ったのは、『Luz』(1982年)がリリースされた時ですね。当時高校生で全米Top40中心の洋楽生活であったような僕でも、音楽雑誌のレビュー・宣伝で『Luz』のことは知っていたので、当時日本でもかなり話題の作品であったと記憶しています。
最初にDjavanのCDを購入したのは、80年代後半にリリースされた『Flor De Lis』でした。この作品は、1stアルバム『A Voz, O Violao, A Musica de Djavan』をタイトル、ジャケを一新してリリースした新装盤だったのですが、当時はブラジル音楽に関する情報源など殆どない時代だったので、そのような事実さえ知らぬままワールド・ミュージック・ブームの流れで購入していました(笑)。その後、オリジナル・ジャケでのCDも欲しかったので、改めて『A Voz, O Violao, A Musica de Djavan』も購入したのですが・・・
Djavanを紹介するのであれば、『Djavan』(1978年)、『Alumbramento』(1980年)、『Seduzir』(1981年)のいずれかにしようと思っていました。これらの3枚にこそ、Djavanというアーティストの個性が一番純粋なかたちで詰まっていると感じたからです。
ボサノヴァ色の強かった1st『A Voz, O Violao, A Musica de Djavan』(1976年)に対して、2ndとなる本作『Djavan』(1978年)はDori Caymmi、Gilson Peranzzettaらのサポートを受けながら、Djavan独自の音世界を創り出しています。
「Cara De Indio」、「Alibi」、「Estoria De Cantador」のような名曲もいいですが、僕のオススメは軽快なリズムの「Serrado」、素敵なアコースティック・グルーヴの「Numa Esquina De Hanoi」、「Alagoas」、心地好いメロウ・サンバ「Samba Dobrado」あたりですかね。
とにかく良い曲がぎっしり詰まっています。
Djavanを聴くならば、最初の1枚として推奨します。
全曲紹介しときやす。
「Cara De Indio」
邦題「インディオの顔をした白人」。淡々とした中にミステリアスな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=XavMY3vdij4
「Serrado」
邦題「ふるさとの山地」。当ブログではSirius Bのカヴァーも紹介済みです。軽快なリズムにのって、Djavanの歌が瑞々しく躍動します。
https://www.youtube.com/watch?v=M6apeWgnhqA
「Agua」
Djavanならではの美しく透明感のあるメロディを味わい深く歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=C5ZbDfTRfog
「Alibi」
前述のようにMaria Bethaniaがカヴァーし、Djavanが注目されるきっかけを作った名曲です。哀愁のメロディを切々と歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=zMn9CLOEiXM
「Numa Esquina De Hanoi」
邦題「ハノイの街角で」。僕の一番のお気に入り。今聴いても実にフレッシュ!美しいアコースティック・メロウ・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=NzbWmDU4Ddo
「Minha Mae」
邦題「僕の母」。郷愁感がたまらない1曲。終盤の展開も美しい・・・
https://www.youtube.com/watch?v=QIVJs9w9WsA
「Alagoas」
この曲も大好き!心地好いアコースティック・サウンドとDjavanの軽やかな歌声がよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=zr-NVhHQ6jA
「Estoria De Cantador」
邦題「即興詩人の物語」。Djavanのソングライターとしての才能を実感できる名曲です。ピュアな歌声が聴く者を優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=fnZ5cW-J8ic
「Nereci」
ヴァイヴの音色が心地よいジャジーなアレンジに惹かれます。サウンドの洗練という意味ではアルバム随一では?
https://www.youtube.com/watch?v=IarcA-HRnP0
「Samba Dobrado」
邦題「朝から晩までサンバを」。Elis Reginaもカヴァーした楽曲です。Djavan流メロウ・サンバ!Elis姐さんが歌いたくなったのも頷けるオトナの素敵なメロウ・サンバです。
https://www.youtube.com/watch?v=tafaYIJ1gGE
「Dupla Traicao」
邦題「二重の裏切り」。ラストは哀愁モードでしっとりと締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aYTvPBfWBKg
Djavanの他作品をチェックを!
『A Voz, O Violao, A Musica de Djavan』(1976年)
『Alumbramento』(1980年)
『Seduzir』(1981年)
『Luz』(1982年)
『Lilas』(1984年)
『Meu Lado』(1986年)
『Bird of Paradise』(1987年)
『Djavan』(1989年)
『Puzzle of Hearts』(1990年)
『Coisa de Acender』(1992年)
『Novena』(1994年)
『Ao Vivo』(1999年)