発表年:1971年
ez的ジャンル:スウェーデン産ブラジリアン・ジャズ
気分は... :サンバに魅せられた彼女...
今回はスウェーデン人女性シンガーSylvia Vrethammarが1971年にリリースした『Dansa Samba Med Mej』です。
スウェーデンを代表する国際的な女性シンガーSylvia Vrethammarの紹介は『Somebody Loves You』(1976年)に続き2回目となります。
3rdアルバムとなる本作『Dansa Samba Med Mej』は、ブラジル音楽を敬愛するSylviaの嗜好が全面的に反映された1枚です。特にサンバ・ソウル/サンバ・ホッキ色が強い楽曲が印象的です。
サンバ・ソウル/サンバ・ホッキなJorge Benのカヴァー「For Han E' Pianist」と「Att fa Resa」、
Ivan Linsの名曲をカヴァーした「Madalena」、某コンピにも収録された「Eh La La La La La」あたりが僕のオススメです。
バックを務めるのはRune Ofvermans Kor & Orkestra。
ブラジル音楽に魅せられたSylviaのキュートなヴォーカルを堪能しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Dansa Samba Med Mej」
Chico Buarque作品「Quem Te Viu, Quem Te Ve」をカヴァー。当ブログではNara Leao、Sonia Rosaヴァージョンも紹介済みです。サンバのリズムをバックに、少し哀愁を帯びたメロディをSylviaが情感たっぷりに歌い上げます。
「Madalena」
オススメその1。Ivan Lins/Ronaldo Monteiro de Souza作。当ブログでは有名なElis ReginaヴァージョンやTania Maria、Aquarius Y Luiz Antonioのカヴァーを紹介済みです。Elis Reginaヴァージョンのイメージが強い名曲ですが、Sylviaによるスウェーデン語ヴァージョンの「Madalena」もいい感じです。あらためてIvan Linsのメロディー・メイカーぶりを実感できます。
「Take me back to Piaui」
Juca Chavesのカヴァー。ファンキーなホーン・セクション、キュートなコーラスを伴うサンバ・ホッキ調の仕上がり。本作らしいサンバ・ホッキ・スタイルを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=iPM3eNEW9Mc
「Allting Forandras Utom Varen」
Erasmo Carlos/Roberto Carlos作「Sentado a Beira Do Caminho」をカヴァー。オーケストレーションをバックに、ノスタルジックなメロディをしっとりと歌い上げます。
「Att fa Resa」
オススメその2。Jorge Ben「Pais Tropical」をカヴァー。オリジナルは『Jorge Ben』(1969年)に収録されています。当ブログではオリジナル以外にSom Okey 5、Gal Costa?、Aquarius Y Luiz Antonioのカヴァーも紹介済みです。また、Sergio Mendes & Brasil '77も『Pais Tropical』(1971年)でカヴァーしています。ここでは少しテンポを落とし、小粋なアレンジのサンバ・ソウル色を強めたカヴァーを聴かせてくれます。
「Eh La La La La La」
オススメその3。Elisabeth Sanchez作「Pra Comeco de Assunto」をカヴァー。某コンピにも収録されていたリゾート・モードのポップな仕上がり。開放的なホーン・セクションと、タイトル通りの♪ラララ・コーラスが印象的です。
「Blasvart Samba」
Hawkey Franzen/Bo Nilsson作。アレンジの妙が冴え渡るボッサ・グルーヴ。Rune Ofvermans Kor & Orkestraの素晴らしいバッキングが光ります。
「I Skymningen」
Antonio Carlos Jobimの名曲「Wave」をカヴァー。美しいオーケストレーションをバックに配し、直球勝負のボッサ・カヴァーで聴かせてくれます。
「Ljumma Vindar」
Paulinho Tapajops/Edmundo Rosa Souto作「Cantiga Por Luciana」をカヴァー。当ブログではSom Okey 5のカヴァーも紹介済みです。ここでは憂いを帯びた哀愁バラードで聴かせてくれます。
「For Han E' Pianist」
オススメその4。Jorge Ben「Eu Tambem Quero Mocoto」をカヴァー。ファンキーなサンバ・ホッキにはモッドな魅力もあります。僕の一番のお気に入り。
『Somebody Loves You』(1976年)