2014年09月21日

Nortec Collective Presents: Bostich+Fussible『Motel Baja』

メキシコ北部の大衆音楽とエレクトロニカ/テクノの融合☆Nortec Collective Presents: Bostich+Fussible『Motel Baja』
Motel Baja
発表年:2014年
ez的ジャンル:メキシコ産エレクトロニカ/テクノ
気分は... :レトロなのに近未来的・・・

今月に入り、週末の新作紹介はJazz The New Chapter(JTNC)絡みの作品が続いたので、気分の変えてそれ以外の新作を・・・

ということで、今回はメキシコ大衆音楽とエレクトロニカ/テクノを融合させたユニークな音楽スタイルの先鋭集団Nortec Collectiveの派生プロジェクトNortec Collective Presents: Bostich+Fussible『Motel Baja』です。

Nortec Collectiveは、アメリカとの国境の町、メキシコのティファナで結成されたユニット。メキシコ北部の伝統音楽(ノルテ―ニョ)と電子ビートを融合させたノスタルジックなのに電脳的な独自のダンス・ミュージックを創り上げ、ラテンアメリカのエレクトロニカ/テクノ・シーンを牽引してきました。グラミーやラテン・グラミーにもノミネートされています。

Nortec Collective名義で『The Tijuana Sessions Vol. 1』(2001年)、『Tijuana Sessions Vol. 3』(2005年)という2枚のアルバムをリリースした後、Collective全体としての活動を休止し、メンバーは各々の活動をスタートさせます。

その中で主要メンバーのBostichRamon Amezcua)とFussiblePepe Mogt)の2人は、Nortec Collective Presents: Bostich+Fussibleというかたちで、『Tijuana Sound Machin』(2009年)、『Bulevar 2000』(2010年)という2枚のアルバムをリリースしています。

また、メンバーの一人ClorofilaNortec Collective Presents: Clorofila『Corridos Urbanos』(2010年)をリリースしています。

Bostich+Fussible名義の3作目となる本作『Motel Baja』は、残念ながらNortec Collectiveとしての最終作になる模様です。

そのフィナーレを飾るべく、アルバムにはTalking HeadsTom Tom Clubの活動で知られるChris FrantzTina Weymouth、元KraftwerkWolfgang Flur、シスコのエレポップ・バンドLoquatのメンバーKylee SwensonAtom HeartSenor Coconutでの活動でも知られるチリ在住のドイツ人アーティストUwe Schmidtといったゲストが参加しています。

ノスタルジックで適度にユルいエレクトロニカ/テクノ・サウンドは、一度聴いたらクセになりますよ!

ジャケ・デザインもサイコー!

全曲紹介しときやす。

「Tele-Vco」
Pepe Mogt/Argenis Brito作。メキシコのテレビ・メディアを皮肉ったオープニング。ローファイ感覚の電子サウンドが郷愁漂うメロディとよくマッチしています。適度なユルさがたまりません。ヴォーカルをとるのはSenor Coconut作品にも参加していたベネズエラ出身の男性シンガーArgenis Brito。

「Camino Verde」
Pepe Mogt/Melo Ruiz/Luiz Eloza/Gerardo Molina作。僕の一番のお気に入り。近未来とレトロが同居するラウンジ感覚にグッとくるダンサブル・チューン。ヴォコーダーを使っているのも僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=fhW1C1it9Lk

「Into Your Heaven」
Ramon Amezcua作。このユニットらしいノルテ―ニョとテクノの融合を楽しめます。伝統音楽の和んだ雰囲気と先鋭的サウンドのギャップが面白いですね。

「Motel Baja」
Pepe Mogt/Chris Frantz/Tina Weymouth作。タイトル曲にはChris Frantz(vo、ds)、Tina Weymouth(vo、b)の2人がゲスト参加しています。何となくメキシコ版Tom Tom Clubといった雰囲気がいいですね!「Camino Verde」と並ぶ僕のお気に入りです。アコーディオンの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=z2ukr-aYIdw

「Blue Pill」
Ramon Amezcua作。Alberto Nunez Palacioによるオーケストレーションを従え、TR-808とTB-303といった機材を駆使したダンサブル・サウンドはB級グルメのような味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=fHrjqxAnP7s

「Moda Makina」
Ramon Amezcua/Wolfgang Flur作。元KraftwerkのWolfgang Flurがヴォーカルで参加しています。哀愁のメロディと近未来的な電子サウンドの融合はKraftwerkとノルテ―ニョの出会いといったところとでしょうか。

「Preciosa」
Ramon Amezcua作。チリ在住のドイツ人アーティストUwe SchmidtがAtom名義で参加しています。電脳的なシンセ・サウンドとノスタルジックのアコーディオンの音色の組み合わせにハマります。

「Temporary Paradise」
Ramon Amezcua/Kylee Swenson作。前作にも参加していたLoquatの女性ヴォーカル&ギターKylee Swensonが参加しています。ダンサブルでキャッチーなエレクトロニカ/テクノ・チューンですが、ノルテ―ニョのエッセンスもきちんと織り込んでいます。

「Room Service」
Ramon Amezcua作。本人曰く、"アルバムで最もロマンティックなインスト曲"ということらしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=nGIB8_KbbkE

「El Coyote」
Pepe Mogt作。アルバム中最もノルテ―ニョ色の強いインスト。

「No Vacancy」
Pepe Mogt作。ラストはNortec Collectiveのフィナーレを惜しむかのようなメランコリックなサウンドで締め括ってくれます。

ご興味がある方は、他のNortec Collective関連作品もチェックを!

Nortec Collective『The Tijuana Sessions Vol. 1』(2001年)
Tijuana Sessions 1

Nortec Collective『Tijuana Sessions Vol. 3』(2005年)
Tijuana Sessions 3

Nortec Collective Presents: Bostich+Fussible『Tijuana Sound Machin』(2009年)
Tijuana Sound Machine

Nortec Collective Presents: Bostich+Fussible『Bulevar 2000』(2010年)
Bulevar 2000

Nortec Collective Presents: Clorofila『Corridos Urbanos』(2010年)
Corridos Urbanos
posted by ez at 02:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする