2014年10月02日

Thievery Corporation『The Mirror Conspiracy』

ワシントンD.C.のユニットによるダウンテンポ/フューチャー・ラウンジ☆Thievery Corporation『The Mirror Conspiracy』
Mirror Conspiracy
発表年:2000年
ez的ジャンル:ダウンテンポ系フューチャー・ラウンジ
気分は... :明るすぎず、軽すぎず・・・

今回はワシントンD.C.を拠点にするDJ/プロデュース・ユニットThievery Corporationの2ndアルバム『The Mirror Conspiracy』(2000年)です。

Thievery Corporationは1995年にRob GarzaEric HiltonがワシントンD.C.で結成したユニット。

DJ/プロデューサーとして活躍する一方で、『Sounds from the Thievery Hi-Fi』(1997年)、『The Mirror Conspiracy』(2000年)、『The Richest Man in Babylon』(2002年)、『Babylon Rewound』(2004年)、『The Cosmic Game』(2005年)、『Versions』(2006年)、『Radio Retaliation』(2008年)、『Culture of Fear』(2011年)、『Saudade』(2014年)といったオリジナル・アルバムをリリースしています。これら以外にDJ Mix作品もあります。

僕がThievery Corporationの名を初めて知ったのは、Bebel Gilberto『Tanto Tempo』(2000年)でした。同作でThievery Corporationが1曲プロデュースを手掛けています。また、Bebel GilbertoもThievery Corporationの1st『Sounds from the Thievery Hi-Fi』(1997年)や本作『The Mirror Conspiracy』(2000年)に参加しています。

また、当ブログで紹介した作品でいえば、ベイエリア産アフロビート作品Afrolicious『California Dreaming』(2013年)にRob Garzaが共同プロデューサーとして参加しています。ちなみにAfrolicious『California Dreaming』『ezが選ぶ2013年の10枚』にセレクトした程のお気に入り作品でした。

アルバム全体としては、レゲエ/ダブ、インド、ブラジルなどのエッセンスを取り入れたダウンテンポなフューチャー・ラウンジ作品という印象です。洗練されていますが、明るすぎず、軽すぎずといった絶妙なさじ加減がいいですね。

こういったサウンドがワシントンD.C.から創り出されているというのも興味深いですね。

このグループのサウンド・センスの良さを実感できる魅惑の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Treasures」
Brother Jackのヴォーカルをフィーチャー。ダビーなダウンテンポ/トリップ・ホップ調のオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=GmGyTw4pNr0

「Le Monde」
Thievery Corporation作品ではお馴染みの女性シンガーLou Louをフィーチャー。オープニングに続き、ダブ/レゲエ調のダウナー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=XMEbEjq1-6U

「Indra」
Richie Havens「Somethin' Else Again」ネタのシタール音と共に始まるエキゾチックな幻想感に包まれたインド・モードのインスト。思わず瞑想ポーズになってしまいます・・・
https://www.youtube.com/watch?v=G7IFNnNMlwc

「Lebanese Blonde」
Pam Brickerをフィーチャー。彼女もThievery Corporation作品ではお馴染みの女性シンガーですね。前曲に続き、Rob Myersのシタールが印象的なインド・テイストの仕上がり。全体的にはエキゾチック・ラウンジといった雰囲気ですかね。アルバム・リリース以前の1998年にシングル・リリースされていた曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=_R7s8zpcaBg

「Focus on Sight」
ワシントンD.C.を拠点にするレゲエ・ユニットSEE-Iをフィーチャー。とはいってもモロにレゲエではなく、ルーツ・ロックのスピリットを持ったダビーなフューチャー・ラウンジといった趣の仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=naxNdKVArMs

「Air Batucada」
Pam Brickerをフィーチャー。この曲からはブラジリアン・フレイヴァーの楽曲が続きます。バトゥカーダ+アンビエントといった趣のクールなダンサブル・チューンです。僕はこういうの好きだなぁ!
https://www.youtube.com/watch?v=O1zCZ7Y9mvg

「So Com Voce」
前述のBebel Gilberto参加曲。アルバム・リリース以前の1998年にシングル・リリースされています。本作と同年にリリースされたBebelの『Tanto Tempo』がお好きな人であれば、気に入るであろうボッサ・ラウンジに仕上がっています。Gabriel Yared「Betty Et Zorg」のサックス・ネタをサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=q44jFHLC8FY

「Samba Tranquille」
Nicola Conteをはじめとする当時のSchema系クラブジャズがお好きな人であれば気に入るであろうボッサ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=ZzW7kPO6F1o

「Shadows of Ourselves」
Lou Louをフィーチャー。シングルにもなりました。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。Thievery Corporationの魅力がコンパクトに詰まったフューチャー・ラウンジ・サウンドを楽しめます。ホーン隊も盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=I2cgoGrRlJk

「The Hong Kong Triad」
タイトルからオリエンタルな雰囲気をイメージしてしまいますが、実際はそんな事はなくクールに疾走するインスト・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=d3MSHfokPEk

「Illumination」
エキゾチックなコーラスが支配するリズミックなインストです。
https://www.youtube.com/watch?v=mQzGaS24XAM

「The Mirror Conspiracy」
タイトル曲はPam Brickerをフィーチャー。Pamの気怠いヴォーカルとダウナーなサウンドがよくマッチしています。マッタリとしたユルさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=o8VzrgH-9sc

「Tomorrow」
Jimmy Smith「Number One」をサンプリングしたリズムを用いた落ち着いた序盤、ダビーな中盤、ドラムンベースな後半へとサウンドの表情が変わっていきます。Ella Fitzgerald「We'll Be Together Again」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=gyh5r7xbMnY

本編はここまですが、僕が保有する盤には、さらに以下の2曲が追加されています。

「Bario Alto」
Ramon Gonzalezの哀愁ギターとダンサブル・サウンドの組み合わせが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=LiLH3PQoPOU

「Guide for I and I」
Plejahをフィーチャー。ダビーな疾走感が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=AT6HaDbOiKk

Thievery Corporationの他作品もチェックを!

『Sounds from the Thievery Hi-Fi』(1997年)
Sounds From the Thievery Hi-Fi (Reis)

『The Richest Man in Babylon』(2002年)
Richest Man in Babylon

『Babylon Rewound』(2004年)
Babylon Rewound

『The Cosmic Game』(2005年)
Cosmic Game

『Versions』(2006年)
Versions

『Radio Retaliation』(2008年)
Radio Retaliation (Dig)

『Culture of Fear』(2011年)
Culture of Fear

『Saudade』(2014年)
Saudade
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2014年10月01日

Invisible Man's Band『Really Wanna See You』

Burke兄弟によるディスコ/ファンク・グループ☆Invisible Man's Band『Really Wanna See You』
Really Wanna See You
発表年:1981年
ez的ジャンル:Burke兄弟ディスコ/ファンク・グループ
気分は... :あえてセクシー&猥雑に・・・

今回はClarence BurkeKeni Burke等のBurke兄弟によるバンドInvisible Man's Bandの2ndアルバム『Really Wanna See You』(1981年)です。

Invisible Man's Bandは、シカゴ出身のBurke兄弟によるソウル・ヴォーカル・グループThe Five Stairstepsを前身とするディスコ/ファンク・グループ。

The Five Stairstepsは1965年に結成され、1967年の1stアルバム『The Five Stairsteps』から『The Stairsteps』(1971年)まで6枚のアルバムをリリースしています。

その後、Stairsteps名義のアルバム『2nd Resurrection』(1976年)をリリースしますが、ここでグループの第一幕は終幕を迎えます。直後にKeni Burkeは1stソロ『Keni Burke』(1977年)をリリースしています。

しかし、Burke兄弟は再度結集し、その第二幕として結成されたのがInvisible Man's Bandです。ここではヴォーカル・グループというよりも、サウンド重視のディスコ/ファンク・グループという色合いが強くなっています。

メンバーはClarence Burke(vo、g)、James Burke(vibe、vo)、Keni Burke(b、g、vo)、Dennis Burke(g、vo)、Dean Gant(key、syn)の5名。

グループは『The Invisible Man's Band』(1980年)、『Really Wanna See You』(1981年)という2枚のアルバムをリリースしています。

その後、Keni Burke『You're The Best』(1981年)、『Changes』(1982年)といったソロ・アルバムをリリースすることになります。また、グループの中心であったClarence Burkeは昨年惜しくも逝去しました。

本当はStairsteps『2nd Resurrection』(1976年)を先に紹介しようと思っていたのですが、ファンク/ディスコ色の強い本作『Really Wanna See You』(1981年)の方が今の気分にフィットしているので、こちらを取り上げました。

ダンス・クラシックのタイトル曲「Really Wanna See You」をはじめ、ダンサブルな楽曲がズラリと並ぶアルバムです。また、ヴォーカルはセクシーかつ猥雑な印象も強く、あえてソウル・ヴォーカル・グループとしての前身からのイメチェンを図っているようですね。そんな中でアルバム唯一のメロウ・バラード「Along The Way」も今日人気の高い曲になっています。

「Rated X」「Party Time」「Same Thang」も飽きのこないファンキー・チューンでオススメです。

オリジナルは全6曲と曲数少なめですが、そういったことが気にならない充実作です。

全曲紹介しときやす。

「Really Wanna See You」
タイトル曲は本作のハイライトと呼べるダンス・クラシック。スウェイ・ビート系のダンス・サウンドはハッピー・モードで盛り上がること間違いなし!Big Noyd「Downfall」のサンプリング・ソースになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=aV8X8uAhzPM

「Rated X」
セクシーにうねるファンキー・グルーヴ。甘く危険な香りのするファンク・チューン!といった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-XARfU3bH2U

「Circles」
少し変わった雰囲気のミディアム・グルーヴ。あえて行儀良くない雰囲気がInvisible Man's Bandなのでしょうね。

「Party Time」
メロウに疾走するモダン・ソウル。セクシー・ヴォーカルと軽快なダンサブル・サウンドがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=l7jeezC2Vfc

「Along The Way」
「Really Wanna See You」と並ぶ本作のハイライト。ブラジリアン・テイストのメロウ・フローター。爽快なメロウネスがたまりません。ブラジル好きの僕にはど真ん中な1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=ucOOuRQn3VI

「Same Thang」
軽快なホーン隊とうねるグルーヴが織り成すセクシー・ファンキー・チューン。どこまでもセクシーな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9wTkdKmrE4I

CDにはボーナス・トラックとして、「Rated X (Edited Version)」が追加収録されています。

Stairsteps『2nd Resurrection』(1976年)も、そのうち紹介したいと思います。

『The Invisible Man's Band』(1980年)
インヴィジブル・マンズ・バンド

Stairsteps『2nd Resurrection』(1976年)
2nd Resurrection

Keni Burke『Keni Burke』(1977年)
Keni Burke

Keni Burke『You're The Best』(1981年)
ユーアー・ザ・ベスト(紙ジャケット仕様)

Keni Burke『Changes』(1982年)
チェンジズ(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 02:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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