発表年:1975年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系インディー・ジャズ
気分は... :微妙に嗜好が変化しているかも?
今回はレア・グルーヴ/フリーソウル人気作Hugh Brodie And the Real Thing『Hugh Brodie And the Real Thing』(1975年)です。
Hugh Brodieは1933年ノースカロライナ生まれのジャズ・サックス奏者。N.Y.の音楽学校で学んだ後、N.Y.を拠点にライブ活動をしていたようです。
その彼が自身のレーベルからリリースしたアルバムが本作『Hugh Brodie And the Real Thing』(1975年)です。
レコーディング・メンバーはHugh Brodie(sax、vo)、Tyrone Crabb(b、vo)、John Anello(ds、per)、Bob Santiago(congas、per)、Bob Devos(g)、Allen Fallek(tp)、Donna Brodie(vo)です。ちなみにDonna BrodieはHughの娘さんです。
ファンキー・グルーヴ、アフロ・キューバンなハードバップ、メロウ・グルーヴ、アフロ・スピリチュアル、オーセンティックなジャズ・ヴォーカルとバラエティに富んだ演奏で楽しめる1枚です。
フリーソウル好きの人には、Donnaのヴォーカルをフィーチャーした透明感のあるメロウ・チューン「Since My Baby (Left Me Standing Alone)」がハイライトだと思います。また、レア・グルーヴ好きの人にはタイトル曲「The Real Thing」や「The Get Down Song」がオススメです。個人的にはアフロ・スピリチュアルな「Utopian Chant」あたりも好みです。
ジャケはモノトーンで地味ですが、中身は彩豊かで幕の内弁当のような1枚だと思います。
全曲Hugh Brodieのオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「The Real Thing」
タイトル曲はファンキーなジャズ・ファンク。クラブでのライブにおける本曲の反応の良さがアルバム制作のきっかけとなったようです。ソウル・ジャズ好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=BBpWrm-l9aI
「Down Lonely Roads」
Donna Brodieの女性ヴォーカルをフィーチャー。Bob Devosのギターをバックに、Donnaの澄み切ったヴォーカルとHughのサックスが織り成すメロウ・チューンです。甘く切ない雰囲気にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=0A1Hbir6YVA
「Tippin'」
アフロ・キューバン・リズムも取り入れたハードバップ・チューン。各メンバーが快調なプレイを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0IB4kBeYPs0
「Cornbread & Beans」
ベースのTyrone Crabbがヴォーカルをとるファンキー・グルーヴ。派手さはありませんが、うねるファンキー・グルーヴが格好良いですね。
「Since My Baby (Left Me Standing Alone)」
Donna Brodieをフィーチャー。フリーソウル好きは歓喜するであろう爽快メロウ・グルーヴ。DonnaのキュートなヴォーカルとBob Devosのギターを中心としたメロウ・サウンドが実によくマッチしています。本作のハイライトですね。
「Utopian Chant」
前曲とはガラっと雰囲気が変わるアフロ・スピリチュアル・ジャズ。きっとBlack Jazz Recordsの諸作がお好きな人は気に入るはずだと思います。アフロ・リズムをバックにHughのサックス、Allen Fallekのトランペットが冴えます。
「Truthful One」
Hugh Brodieが自らヴォーカルをとるオーセンティックなジャズ・ヴォーカル・チューン。
「The Get Down Song」
ラストは格好良いファンキー・グルーヴでキメてくれます。冒頭のブレイクもたまりません。レア・グルーヴ好きの人であれば、この格好良さに惹かれるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=t2OhQoZmh-4
先月のJazz The New Chapter(JTNC)強化月間で2000年以降の関連作品ばかり聴いていた影響からか、ここ数日セレクトに迷いが少しあるかも?この数ヵ月で微妙に僕の音楽嗜好に変化が生じているのかもしれません。一度頭を整理しようっと。