発表年:2014年
ez的ジャンル:ドリーミー・ポップ系女性SSW
気分は... :5秒で誰もが虜になる!
今回は"5秒で誰もが虜になる"US女性シンガー・ソングライターMichelle Shaprowの最新作となる2ndアルバム『Earth One』です。
来週には東京、大阪で来日公演もある旬のアーティストですね。
Michelle Shaprowの紹介は、1stアルバム『Purple Skies』(2011年)に続き2回目となります。
1stアルバム『Purple Skies』は、Gilles Petersonも絶賛した「Back Down To Earth」をはじめ、クロスオーヴァー感覚の独自のドリーミー・ポップが満載で各方面から高い評価を得ました。
僕自身も年末恒例の『ezが選ぶ2011年の10枚』にセレクトしたほど、Michelleのドリーミーなポップ・ワールドに魅了されました。
その『Purple Skies』以来、約3年半ぶりの新作となる『Earth One』は、"世界中のラブ"をテーマにしたSFミュージカル・シアターであり、地球の周りを旋回する宇宙船から発信されるラジオ番組Earth Oneという設定の下、世界中のラブが歌われます。
プロデュースは前作も手掛けたAlex ElenaとMayer Hawthorneのバンド・メンバーでもあるTopher Mohrが手掛けています。
コンセプトに基づきよく練られ、完成度も高い1枚だと思います。ただし、あまりにコンセプトに忠実なため、アルバムを最初から最後までしっかり聴かねばならず、1曲単位で切り出しにくいのも事実です。こういうアルバムって、各曲の紹介も難しいんですよね(笑)
個人的には散漫ながらも、さまざまなタイプの曲が楽しめる『Purple Skies』のようなアルバム構成の方が好みなのですが・・・
それでもMichelleらしいドリーミー・ポップ・ワールドと、コケティッシュなヴォーカルで貫かれた素晴らしいアルバムだと思います。
僕は有名CDショップのジャズ売場で本作を購入しました。また、別の有名サイトではR&Bカテゴリーで扱われていました。確かに、どのカテゴリーで扱うのか戸惑う作品ですよね。それだけ唯一無二の音世界を持つ個性的なアーティストと呼べるのかもしれませんね。
Michelleのポップ・ワールドの虜になりませんか?
全曲紹介しときやす。
「Earth One」
タイトル曲は、宇宙船から発信されるラジオ番組Earth Oneという設定を説明しながら、番組ホストが本作のテーマである"ラブ"について問い掛けます。Michelleらしいキュートなドリーミー・ワールドの始まりです。
「Look Good With Your Money」
ミディアム・ファンク調の仕上がり。ファンク・グルーヴと♪金持ちは格好良く見える♪という皮肉交じりの歌が妙にマッチしています。
「Lost In The Stars」
本作における"愛のテーマ曲"といった位置付けの曲であり、この美しいメロディは本曲以降も繰り返し登場します。
「Fly To You」
序盤はジャジー・ポップ調ですが、その後ドラムンベース調の展開になります。クロスオーヴァー感覚のサウンドを堪能できるオススメ曲です。
「Hong Kong」
切々と二人のラブについて歌うMichelleのドリーミーなポップ・ワールド全開の1曲。"5秒で虜になる"Michelleのコケティッシュなヴォーカルがたまりません。
「Earth One To Lost In The Stars」
Earth Oneのラジオ・ジングルを交えたインタールード的な小曲。
「Lost In The Stars Again」
「Lost In The Stars」のパート2といった感じです。よりドラマティックな愛のテーマを聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=M014VPNDzZo
「Monte Carlo」
スペイシー・サウンドによるインタールード的な小曲。
「Broken Bad」
ダークな雰囲気のつなぎの1曲。
「Little Bird」
自由に羽ばたくラブについて歌う感動的なドリーミー・ラブ・ソング。SFミュージカル・シアターの最初のヤマ場を迎えます。
「Rain Movement One」
序盤は美しいピアノ独奏ですが、その後サイケデリックなエレクトロニカ・サウンドへと展開します。
「Rain」
宇宙レベルのラブが歌われる壮大なラブ・ソング。生音サウンドのオーガニック感とエレクトロニカなフレイヴァーのバランスが絶妙です。
「Love Will Come Again」
♪ラブは再び巡ってくるでしょう♪と歌うコズミックなラブ・ソング。
「Lost In The Stars Sweet Sweet」
三度、「Lost In The Stars」のメロディが登場です。フィナーレが近づいてきた感じですかね。
「Whistle」
Michelleのコケティッシュなヴォーカルを満喫できるポップ・チューン。
「Earth One (Whistle 2)」
Earth Oneのラジオ・ジングルと共に物語はフィナーレを迎えます。
未聴の方は『Purple Skies』(2011年)もぜひチェックを!
『Purple Skies』(2011年)