発表年:2014年
ez的ジャンル:ハイブリッド系ラテン・ファンク
気分は... :何でもアリの精神!
USを代表するラテン・ファンク・バンドGrupo Fantasmaの最新作『Problemas』です。
テキサス州オースティン出身を拠点に活動するラテン・ファンク・バンドGrupo Fantasmaの紹介は、『El Existential』(2010年)、『Sonidos Gold』(2008年)に続き3回目となります。
グラミーを受賞した前作『El Existential』(2010年)から約5年のインターバルをとってリリースされた最新作が『Problemas』です。
ラテン、サルサ、クンビア、ファンク、ソウル、ジャズ、レゲエ、ロック等を取り入れたハイブリッドなラテン・ファンクが特徴のGrupo Fantasmaですが、本作ではさらにクンビア色が目立った気がします。
本作におけるメンバーは、Gilbert Elorreaga(tp)、Kino Esparza(vo、per)、Jose Galeano(per、timbales、vo)、Mark "Speedy" Gonzales(tb)、Greg Gonzalez(b)、Matthew "Sweet Lou" Holmes(conga)、Josh Levy(bs、fl)、Beto Martinez(g)、Adrian Quesada(g)、John Speice(ds)の10名です。
前作『El Existential』はセルフ・プロデュースですが、本作ではLos LobosのSteve Berlinをプロデューサーに迎えています。
また、ゲストとしてMichelle Alany(violin)、Anthony Farrell(el-p、org)、Leo Gauna(tb)、Joel Guzman(accordion)、Brad Hauser(bcla)、George Shalda(tp)、Skerik(ts)、Nick Stephans(ts、as)、Greg Wilson(as)が参加しています。
クンビア色が目立ったといっても、無理矢理そのエッセンスを詰め込もうとしているのではなく、Grupo Fantasmaサウンドに違和感なく溶け込んでいるのがいいですね。
ますます自分たちのハイブリッド・ラテン・ファンクに自信を深めたGrupo Fantasmaに出会うことができる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Nada」
クンビアでアルバムは幕を開けます。クンビアのリズムを聴くと、"昭和下町エレジー"的な情景を思い浮かべるのは僕だけしょうか・・・終盤のホーン・アンサンブルはかなり盛り上がります。
https://www.youtube.com/watch?v=j-OgmyZNcL0 ※ライブ音源(クンビア色が少し弱め)
「Solo un Sueno」
彼ららしいハイブリッド・サウンドを楽しめます。ラテン・サウンドとロッキンなフィ―リングを巧みに融合したジャムバンド風の仕上がりです。
「Porque」
The Beatlesの「Because」をカヴァー。名盤『Abbey Road』の中でも地味な楽曲ですが、この楽曲がボレロのリズムにこれほどフィットするとは・・・意外です。
「Esa Negra」
Grupo Fantasmaらしいラテン・ファンクと本作らしいクンビアのエッセンスがいいバランスで融合したパーティー・モードのハイブリッド・ラテン・ファンクです。Joel Guzmanのアコーディオンがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=5mxYborRKoo ※ライブ音源(クンビア色が少し弱め)
「Mulato」
ダイナミックなホーン・アンサンブルが展開されるGrupo Fantasmaらしい豪快ラテン・ファンク。大音量で盛り上がりたい曲ですね。
「Descarga Pura y Dura」
200%Grupo Fantasma印のデスカルガ。Kino Esparzaの哀愁ヴォーカルを乗せてキレキレのラテン・ファンクで突っ走るGrupo Fantasmaサウンド炸裂の1曲です。
「Otono」
クンビア独特の妖しい魅力が支配する1曲。Brad Hauserのバス・クラリネットが効いています。
「Problemas」
タイトル曲は70年代N.Y.サルサ調です。Fania好きの人はグッとくるのでは?
「Cayuco」
ソウルフルなラテン・ファンク。チャチャチャのリズムと共にエモーショナルなヴォーカル&演奏が繰り広げられます。
「Roto El Corazon」
クンビアをGrupo Fantasmaサウンドとして完全にモノにしたことを実感できる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=XyykG1BXmnE ※ライブ音源
「That Night」
ラストはGrupo Fantasmaらしい開放的で確信犯的なラテン・ファンクで締め括ってくれます。
「Porque Live」
CDボーナス・トラック。「Porque」のライヴ演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=p8Iw916O1D8
興味がある方はGrupo Fantasmaの他作品やサイド・プロジェクトBrownoutの作品もどうぞ!
『Movimiento Popular』(2004年)
『Comes Alive』(2006年)
『Sonidos Gold』(2008年)
『El Existential』(2010年)
Brownout『Homenaje』(2007年)
Brownout『Aguilas and Cobras』(2009年)
Brownout『Oozy』(2012年)